赤司を●した結果がコレかよ!
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意識の低い就活生花宮の代償(上) http://togetter.com/li/831918

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

仕切りカーテンを開けられた。 「病院の食堂は安くて美味いの。ウチの社食より全然ええわ」 「早く大阪に帰れよ」 ベッド脇の椅子に今吉が腰掛ける。 「ま〜だぷりぷりしとんの。妹の様態が悪化して危篤やからな。このまま葬式もありうるで」 「帰れ。オレはともかく休み取る口実に妹を殺すな」

2015-05-30 13:00:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「もう働きとうないねん。あんなとこ戻りたない〜」 今吉はオレのベッドの上に突っ伏した。シーツに散らばる黒髪に混じっている若白髪をすくって引き抜いた。 「いだっ、何すんねん!」 「kwsk」 「ある意味、花宮は人の愚痴めっちゃ真剣に聞いてくれるなw」 「人の不幸話は好きですから」

2015-05-30 13:05:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

顔を隠したまま今吉はぼそぼそ語り始めた。 「ワシなー、ちょっとでも非効率的なんムリやねん」 「ふはっ、ムリそー」 「伝統とかサブイボ出んねん。いまどき体育会系みんな縦割り社会やと思たら大間違いやで」 「うんうん」 楽しくなってきた。手元の作業を中断し寝そべって白髪探しに集中する。

2015-05-30 13:10:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「自分の周りは自分で回さな気済まんのや。はよエラなって変えたろ思たけど…百年の歴史は手強いな」 この人が参画すると組織は変わる。部活もサークルも…生徒会もやってたな。人を食ったような顔をしてストレス社会に飲み込まれてる側だと思うと笑える。 「髪真っ白になるまでガンバってください」

2015-05-30 13:15:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「何書いてたん?」 今吉はもぞもぞ顔を上げて簡易机を顎で指した。至近距離で見ると更に安っぽい眼鏡だ。 「退院通知ハガキ。親父とか諸々に。費用あっち持ちだし」 「早いもんやな。あの高さやったらコンクリに叩き付けられんのとそう変わらんで」 「ふはは」 「ホンマ、ゴキブリ並の生命力や」

2015-05-30 13:20:05

    ※この後の、あの人の発言は正直オレでも引くレベルだから……
    勝手に見たお前らがどうなろうが、オレは知らねーな。

意識の低い就活生花宮のバスケ(上) http://togetter.com/li/743174

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「舞え、紙吹雪」 オレに進むべき路などハナからない。細かく千切った進路が指の隙間から零れ落ちた。内定通知書は屋上から風にのってタクシー乗り場の方へ運ばれていく。一台の車が止まった。中から花束を持った奴が出てくる。なるほど、こうして上から俯瞰すると容易く捕らえられる。 「来たか」

2015-06-07 11:00:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

そいつが顔を上げた。オレの眉間に向けて正確に矢を放つような視線。憎悪に輝く眼光を浴びて口元が緩む。 「黒子テツヤ──」

2015-06-07 11:05:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ふはっ、ふはははははははh「盛り上がっとるとこ悪いけど手続き済んだなら行くで」 ふり返ると階段へと続くドアに今吉が寄りかかっていた。 「ちゅーか、“舞え”って何やねん。卍解でもするんかw」 「うっせーよ! 始解だ、バァカ!」 「どっちでもええやん。どっちも痛いんやから」

2015-06-07 11:10:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「結局、ワシ花宮の兄やと思われたままやったなw 最後に兄ちゃんがトイレつれてったろかー?」 「もう一人で行けるわ、バァカ!」 階段の前で差し出された手を乱暴に取った。 「妹失禁プレイならオレも入れてくれよ」 下方からセリフとミスマッチな鋭い声が飛んできた。

2015-06-07 11:15:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

数段降りると踊り場に人影が見えた。待ち構えていたのは黛だった。文庫本から顔を上げず黛は言った。 「妹失禁プレイならオレも入れてくれよ」 「…って、今なんで2回言ったんだよ」 「Bパート頭の繰り返しだ」

2015-06-07 11:20:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「そうコワイ顔せんでくれや、黛君」 「馴れ馴れしいな…オレ達が用があるのはコイツだけだ。外してくれ」 黛は本を閉じながら半裸の女が描かれた栞でオレを指した。 「邪見にせんでぇな。せっかく会えたんやし仲良くしようや。“オレ達”ゆうことは彼もおるんやろ」 今吉は手摺に身を乗り出した。

2015-06-07 11:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

つられて階下を見おろすと、決まりの悪い顔をした黒子がワンフロア下まで上ってきたところだった。 「相変わらずミスディレクションを見破るのが御上手ですね」 「キミも変わっとらんようで何よりや」 ヒッ。盗み見た横顔に背筋が凍る。アンタの顔のがコエーよ。この人だけは敵に回したかねぇな。

2015-06-07 11:30:19
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

一段、また一段と黒子が上ってくる。 「退院おめでとうございます。あれから音沙汰ないので心配しましたよ」 オレも一段ずつ降りていく。 「やあ。死ぬほど会いたかったよ。素材から拘った手作り絵ハガキどうだった?」 目の前まで来た黒子はオレの顔へ花束を投げつけた。 「…一度だけ聞きます」

2015-06-07 11:35:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「いつものタチの悪い冗談ですよね?」 「ふはっ、その顔はもう解ってんだろ?」 敵意に満ちた目。もうオレのことを信じちゃいねぇ。 「そうだ、 黛さんにも記念に1枚プレゼントしますよ!」 数段上にいる黛へハガキを投げた。壊れた赤司の写真を病院のコンビニでプリントしたお手製退院通知だ。

2015-06-07 11:40:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…悪趣味な招待状だな」 受け取ると黛は顔を歪めた。黒子は写真から顔を背け俯いた。 「あなたがやった…んですね…」 「もちろん。お前が言ってたの何だっけ? 楽しくなければ勝利じゃない? お前のおかげで最高に楽しい時間を過ごせたよ。オレは真の勝利ってヤツを掴んだのかもしれないなぁ」

2015-06-07 11:45:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…赤司君は無事なんですか」 「壊したのは精神だ。五体満足だぜ? ただ今の赤司は物言わぬ花だがな」 黒子が息を飲む。 「つまり俵山先生のような状態ってことか」 黛が口を挟んだ。誰だよ、俵山。 「冷静だな?」 「オレの後輩がそんなに弱いわけがない」 「信じられないなら見せてやるよ」

2015-06-07 11:50:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「お宝映像公開っ」 再生ボタンを押し、見やすいよう携帯を横に向けた。 『赤司、目線コッチ』『貴様っ…』『そうそうイイ感じ!』 twitter.com/Entry2Hurt/sta… 赤司の悲痛な叫びとオレの嬉々とした声が静かな階段に響く。黒子は大きく目を見開き震え出した。 「うっ…」

2015-06-07 11:55:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「酒の肴にでもさせてもらうぜ。あ〜、動画で撮っときゃ良かった。今のもっかいやってよ? 5年前のWCと一緒に亀司フォルダに入れとくからさ!」 歯軋りしながら無理やり立ち上がる姿を録画。心因性半身麻痺か…外から攻撃して壊すのも良いが中からってのも悪くねぇ。新たな扉を開いた気がする。

2015-04-30 23:05:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…あ」 「別にそうトクベツなことじゃない」 「赤司…く… 」 「バスケはケガ人が出るもんだし」 「あ……」 「就活は死人が出るもんだ」 「あ゛あ゛」 「もともとそういう仕組みなんだよ」 「あ゛あ゛あ゛あ゛……」 「それがたまたま、木吉だったり、赤司だったりしただけだ」 「……」

2015-06-07 12:00:16
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「オレはお前に頼まれた通り赤司を止めてきただけだぜ? アレは既に勝利を喰らう化け物だった。アイツの代謝を止めれば勝利は生まれる前に死んでいく。もう妙な選考が行われることもない。必要もない。世の学生の未来が奪われることもない。世界に平和が訪れた。めでたしめでたしだ」 「…ざけるな」

2015-06-07 12:05:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ふざけるな!!」 拳を握りしめ、いつかのように黒子は叫んだ。今にも殴り掛かってきそうな勢いだ。 「やめとけ、旧型。お前は就活中だろ。こんなん殴ったら何されるか分かんねぇぞ」 降りてきた黛は喚く黒子を制しオレを睨みつけた。 「オレがやる。オレはニートだ。失うものは何もない」

2015-06-07 12:10:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ちょおキミらおかしない?」 半階高い踊り場からオレ達を見下ろしていた今吉が口を開いた。 「なんで被害者面なん。あんなぁ、キミらのせいでワシの可愛い後輩は頑張って取った50もの内定失っとんのやけど? その上まだ殴る? ええかげんにせぇ。バカになったらどーしてくれるん」 そこかよ。

2015-06-07 12:15:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

黒子は今にも吐きそうに顔を顰めオレの方を見た。 「これが…あなたの言う“全てを饗す”ですか? ボクにも彼のように無条件で受け入れろと? その能力に媚びろと?」 10年ぶりにゲロ甘モードの今吉は薄ら眼を開けた。 「才能に寄生すんのは黒子君も得意やろ?」 「青峰の話なら後にしろ、」

2015-06-07 12:20:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「オレの生意気な後輩が必死に守ってきた心を失った件についてはどうしてくれるんだ」 (いちいちラノベの題みてぇな)黛の台詞に笑い出した今吉。それを黒子が睨む。 「何がおかしいんですか」 「ホンマ大したもんや思うとるで。敵を欺くには味方から、なんて生半可な覚悟じゃできん。ただなぁ、」

2015-06-07 12:25:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

背後まで降りてきた今吉に襟首を掴まれた。 「コイツ飼い馴らせんの、ワシだけやねん」

2015-06-07 12:30:18
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「なっ…んな覚えnんーッ!」 「照れとる場合ちゃうで」 後ろから口を塞がれた。熱い。酸素不足だ。 「花宮を更正して能力だけ使おうなんて上手くいくわけないやろ。不確実な作戦に掛け金(ベット)詰み過ぎやで。勝手にレート釣り上げてきたのは自分らやん。やいやい言いな」 「…確かにな、」

2015-06-07 12:35:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

黛が重々しく口を開いた。 「お前が闇堕ちするとは想定外だったぜ、今吉」 「「「…闇堕ち??」」」 「チッ…これだから一般人は。露出度が高くなるアレだよ、アレ」 「「「…露出??」」」 「あー、くそっ! 今のナシ、ナシだ。忘れてくれ」 「黛さん、こんな時にふざけるのやめてください」

2015-06-07 12:40:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「そや、黒子君」 今吉がわざとらしく何かを思い出したような素振りをした。 「桃井が会いたがっとったで?」 エグッ。黒子は大きく目を瞠き蒼ざめた顔で尋ねた。 「っ…桃井さんに何をする気ですか」 「人聞き悪いなぁ。ただの世間話やで」 この人は味方にいても頼もしいを軽く通り越す。

2015-06-07 12:45:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…黛さん、やめてもらえませんか」 「知るか。オレは三次元の女の安否なんてどうでもいい。元はと言えばお前が主人公補正を明け渡したからだろ」 「お願いします…っ」 黒子の涙の懇願に黛はオレの胸ぐらを掴む手を緩めた。これでスタンガンの電池が節約できる。 「ボクの…大切な人なんです」

2015-06-07 12:50:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ああ、こんなふうに口に出すつもりじゃなかったのに…」 この世の終わりのように黒子はその場に崩れ落ちた。黛は舌打ちし行き場の無い拳を握った。 「ふはっ、仲間割れかよ?」 失意と遺憾のコントラストはなかなか見応えがある。(こうして眺めるとコイツら兄弟みてーだな) だが、それよりも…

2015-06-07 12:55:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

たった一言で報復の牽制と精神攻撃を一気にやってのけた…だと…!? 当の人物を見上げると、今吉は口の動きだけで「たまたまやで」と笑った。 “ワシを買いかぶりすぎやったんやて” んなワケねぇだろ、バァカ。

2015-06-07 13:00:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「オイオイ、この世の終わりみてぇな顔してっけど、お楽しみはこれからだぜ?」 黒子の隣に屈みこみ顔を覗き込んだ。極上の絶望がゆっくりと頭を擡げる。 「世界経済の歯車と成り果てていた赤司。それがブッ壊れたんだ。代わりはいねぇ。オレは代わりなんて願い下げだからな」

2015-06-07 13:05:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「お前(ボク)と赤司(キミ)だけの問題で終わるワケねぇだろ、バァカ」 黒子、オレは世界を救ったりしないし、 黛の言うように、権力を笠に着て世界征服ってのも気乗りしねぇ。 「理事会は赤司の椅子を奪い合い、株券は食い破られ、奴隷共は反乱を起こすだろう…」 オレの神髄は破壊にこそある。

2015-06-07 13:10:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

@xxx 「帝国の解体はスグそこだ」 落ちている花束を拾い花弁を毟り取った。 「お前がキセキの世代の交友関係やらオトモダチの件までペラペラ喋ってくれたから殺りやすかったよ」 「ボクの、せいですか…?」 「ふはっ、ご苦労サマ。お前らは何年もかけて赤司を潰す算段をしてたってことだよ、バァカ」

2022-12-25 10:45:44
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

意味を成さない叫び声が階段に反響した。 「ふはっ、5年前と逆だな。そこでせいぜい歯軋りしながら喚いてろよ、なーんも変わんねぇから!」 むしろ感謝するぜ、黒子。 赤司との戦いでオレは全てを取り戻した。 赤司を潰すことでオレは全てを手に入れた。 友を。自己同一性を。そして、永遠を。

2015-06-07 13:20:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「バスケットプレイヤーとして誉れ高きことだ。おめでとう、」 項垂れるかつての主人公に、殺し立ての花びらを掛けた。 「黒子(オマエ)のバスケは経済崩壊の神話となるんだ」

2015-06-07 13:25:06

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「めっちゃ休めたわー! 去年の繰り越し分まで有給使いきったったでー!」 家賃の割に不気味なくらい広い新居(事故物件を掴まされた可能性が浮上してきた)の玄関で、今吉は大きく伸びをした後、振り返った。 「ほな、また近いうちに帰って来るわ」 「有給使い切ったらもう来れねぇだろ、バァカ」

2015-06-07 16:00:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

意味深に今吉は喉の奥で笑うと、くるりと背を向けドアを開けた。 「ま、待っとき」

2015-06-07 16:05:04

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