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ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 文武両道で優等生の九鳳院君。 顔もよしで女子ファンはなかなか多いと聞く。 しかし性格に難あり。 決して悪い人ではない。 どこか近寄りがたいオーラを放っているので話しかけづらい。 まぁ私の場合そんなものは記者魂と慣れで克服したけど。

2014-03-05 00:44:12
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 休み時間にでも声をかければいいのだけど、彼はいつも教室からいなくなる。 こうなったらもう彼と一番関わりのある九鳳院君を頼りにするしかない。 九鳳院君なら去年も同じクラスだったし、まだ話しかけやすい。 同じクラスだったから…ね。

2014-03-05 00:38:30
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL すると彼は小さくため息をついた。 「…やつの相手をするのはなかなか苦労すると思うけど。」 「人当たりはいいって聞くけど?」 「う…ん…。まぁいい…じゃあ掃除が終わってから…」 「ありがとう。九鳳院君。」 お礼は言ったが、九鳳院君は複雑そうな顔をしていた。

2014-03-05 00:34:21
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「え?あいつを紹介してほしい?」 「ええ。ダメかしら。」 「そういうわけでは…」 それでも整った彼の顔は浮かない。 「なんでまた…」 「取材よ。彼を特集することになってね。同じクラスの私が担当ってわけ。」 「清原さん…新聞部?だっけ?」 「そうよ。」

2014-03-05 00:30:03
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 掃除を終えてから、私は九鳳院君の後について様々な部活が入り混じる文化部部室棟へやってきた。 我が新聞部の部室もここの三階に存在する。 九鳳院君が向かったのは二階の科学部部室…の隣。 科学部の準備室? 「…何で準備室?」 「使わないから借りてるんだって。」

2014-03-05 00:58:21
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「珍しいな!最近はあまりここへ来のに…。やはりいつ何時でもこの僕と一番にいた…」 「ごちゃごちゃうるさい!喋らせろ!」 九鳳院君は一喝して彼を黙らせる。 「用があるのは俺じゃない!」 「…?」 彼は私を見て首を傾げた。

2014-03-05 01:22:14
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL ふーん…とつぶやく。 詳しいことは後々聞くとするか… 「…光。いるか。」 「おおっ!?紫!どうした?」 ガラクタだらけの部室でソファーにふんぞり返っていた人物が九鳳院君の姿を見て飛び起きる。

2014-03-05 01:18:15
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「…初めまして…一宮君。私は…」 「出席番号12番の清原さん?」 「…。」 彼はニコッと微笑んだ。 「…ひょっとしてクラス全員の顔と名前一致してるの?」 この私でさえまだだというのに… 「まぁなー退屈だったから覚えてみたんだ。」 「…気持ち悪っ」

2014-03-05 20:15:22
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 九鳳院君がボソッとそう言った。 「何!?気持ち悪いって何!?ひどくないか!?」 「…聞こえていたか…」 「聞こえてるよ!」

2014-03-05 22:01:33
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 九鳳院君は舌打ちをした。 ……。 「…それで?その清原さんが何の用だ?」 一宮君…目の端に涙が… 「あ、あのね…私新聞部なんだけれど…一宮君に取材の依頼を…」 「…僕なんて取材しても面白いことなんてないと思うが…」 うわっ 暗っっ

2014-03-07 21:34:55
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL さっきまでの明るさはどこへ… 「そ…そんなことないわ…あなたの評判はよく聞くし、きっとみんなもあなたのこともっと知りたいと思うのだけれど…」 精一杯私なりにフォローする。 「いいんだよ…清原さん…無理しなくて…」 なんなんだよ、こいつ。 めんどくさいな。

2014-03-07 22:20:23
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「僕は孤独な人間だ…一人の友人にさえ興味を持ってもらえないというのに他に誰が僕なんぞに興味を持とうか…」 「ブツブツ言ってないでとっとと依頼を受けろ。うざい」 またもや九鳳院君の厳しい一言。 い…嫌なら無理して受けなくても…

2014-03-09 00:40:15
ナナシ @darkmoon_souji

紫が何やら依頼を請け負ってくるものの、全くやる気のない光さん。頑張ってほしけりゃ膝枕を要求しだす。そんな光景を呆れながらまたやってるわ、こいつらみたいな目で見ている清原さん。

2013-05-27 01:24:30
ナナシ @darkmoon_souji

「じゃあ、紫が膝枕してくれたら頑張る。」「………………。」私も九鳳院君も汚れたものでも見るかのような目で彼を見た。「…何で膝枕?」「えっ…それ以上のことお願いしてもいいのか?紫ってばだいたーん☆」「うるさい、死ね。」

2013-05-26 02:36:29
ナナシ @darkmoon_souji

色々本音を語りすぎたせいで、九鳳院君がキレたのは言うまでもない…。またこいつは…安っぽいエロゲーみたいなこと考えやがって…「痛い痛い痛い!!!!!!!さっきより力が強くなってるんですけど!!」「そのしょーもないことばかり思いつく頭なんか俺がこの手で破壊してやる…」

2013-05-27 23:55:58
ナナシ @darkmoon_souji

まぁ、そうなるわね。「紫は僕に謎を解いてほしいんだろ。だったら報酬が必要だと思わないかい?」恐喝か…。輩だわ、こいつ。「…正座するの、しんどい。」どうにかして、九鳳院君はその罰ゲームみたいな報酬から逃れようとする。

2013-05-26 02:39:57
ナナシ @darkmoon_souji

「あー!嘘なんてついちゃって!正座なんて慣れたもんだってこと知ってるんだからな!」「ぐっ……」言葉につまる九鳳院君。ガキか、こいつ…。やめてあげなさいよ、もう…

2013-05-26 02:41:45
ナナシ @darkmoon_souji

「大体!正座じゃなくとも膝枕はできる!」「へ…へぇ…どうやって?」わかっているくせにわざととぼけたおして諦めさせようという作戦だろうか。九鳳院君の目が泳ぎまくっている。嘘をつくの下手ねぇ…

2013-05-27 15:34:39
ナナシ @darkmoon_souji

九鳳院君、目がマジです…。怖いです…。「た…助けてえええええ清原さんんんんん!!!!!!」私に助けを求めたところで無駄だということが彼にはわからないのかしらね… やれやれ。

2013-05-27 23:56:59
ナナシ @darkmoon_souji

「膝枕をしてほしかったんでしょ?だったらそれでいいじゃない…」私が口を挟むと、九鳳院君がウンウンと何度も頷いた。「違うね!膝枕をしてという頼みに嫌がりつつも『しょ…しょうがないなぁ…』と少し恥ずかしがりながらもやってくれるという、その!恥じらいを見たいんだ!!」

2013-05-27 23:50:40
ナナシ @darkmoon_souji

「膝枕…してやったからやってくれるよな?」笑顔で手に力を入れていく九鳳院君。「痛い!痛いです、紫さん!!」一宮君が悲鳴をあげても無視である。「やるよな?」もう一度確かめるように繰り返す。「いや、これ見本だし!紫がしていいよって言ってやってるわけじゃないし!」なんて往生際の悪い…

2013-05-27 23:30:32
ナナシ @darkmoon_souji

「どうってこうだよ!」一宮君は九鳳院君の隣に座り、彼の膝に頭を乗せた。……あ……膝枕……「普通に座ったままでも膝枕はできる!……あ。」気づいた時にはすでに遅し。九鳳院君は自分の膝の上に乗る一宮君の頭を鷲掴みにした。

2013-05-27 23:26:25