1 千葉魂には総長以外にも陰で支える人物がいる。 ??「総長、実は最近このあたりで暴れてるやつらがいるらしいんですよ。」 彩「そうか。ちょっと見張っておいてもらっていいか。」 ??「はい。分かりました。」 彩「ありがとう。奈央。」
2023-09-27 17:00:352 冨里奈央。千葉魂の幹部。 千葉魂の情報屋で、千葉魂の覇権と千葉の安全を守る存在だ。童顔であまり怖くは見えないが、喧嘩もしっかり強く返り討ちにしてしまうことばかりだ。
2023-09-27 17:00:483 奈央には辛い過去がある。 子供の頃に両親は離婚。一時期は親戚中をたらい回しにされる日々を送っていた。今は叔母の家に落ち着いているが、過去の経験もあって1人でいることが多かったのだ。
2023-09-27 17:01:004 そんなある日に出会ったのが千葉魂だった。当時は先輩ばかりだったが、その強さに奈央は憧れを持った。 やがて正式に入ることになり、今は世代交代し同世代のメンバーが増えた。奈央も幹部を任され、毎日を生き生きと過ごしている。
2023-09-27 17:01:165 そんな奈央が今1番警戒しているのが〇〇だ。 奈央は子供の頃から動物が大好きで、散歩中のペットたちに毎回話しかけるような子供だった。 高校でも体育館の裏で隠れて生きている猫をよく世話しているのだ。
2023-09-27 17:01:406 冨里「今日はどうだった?奈央はね、テストでいい点取れなかったよ…。」 何でもないことをボソッとこぼせるのが日々の息抜きになっていた奈央。 いつものように話しかけていると…。 〇〇「その子、可愛いね。」 冨里「えっ!?」 〇〇に声をかけられたのだ。
2023-09-27 17:01:507 奈央は千葉魂の一員でもある手前、一瞬どう振る舞うかに戸惑った。 冨里「……。」 〇〇「ん?どうかした?」 冨里「な、何だよ…。」 〇〇「何って、猫ちゃん可愛いねって。」 冨里「何が目的だ…。」 奈央にとっては警戒心しかなかった。弱みを見せてしまったと思っていた。
2023-09-27 17:02:028 〇〇にとっては本当に偶然奈央を見つけ声をかけただけなのだが、奈央はずっとこの弱みを何かに利用されると勘違いしていた。 冨里「おい、誰の指示でここに来た?」 〇〇「ん?指示?」 冨里「千葉魂はそう簡単に崩れないぞ。」 〇〇「千葉魂って…彩のか。」
2023-09-27 17:02:169 冨里「彩って…貴様!総長にまで手を出したのか…!」 〇〇「さっきから散々な言われようだな…。ほら、猫ちゃんも怖がってるよ。」 冨里「あぁ、ごめん…。」 〇〇「この子、人懐っこいね。」 冨里「う、うん…。」 猫の前では休戦状態の奈央だった。
2023-09-27 17:02:2910 猫が住処に戻っていくと…。 冨里「お前!まだ話は終わってねぇぞ。」 〇〇「えぇ…。」 冨里「千葉魂舐めてると痛い目に遭うぞ。」 〇〇「別に何にもないんだけどな。」 冨里「それに総長にまで手を出すなんて、許さん!」 〇〇「彩と仲良くしてくれてありがとうね。」
2023-09-27 17:02:4011 冨里「だから!その呼び捨てを…!」 〇〇「彩は僕の妹だよ?」 冨里「えっ…。」 〇〇「彩がいつもお世話になってます。」 冨里「総長のお兄さんだったんですね!!し、失礼いたしました…。」 〇〇「いや、別にそんな…。」
2023-09-27 17:02:5112 冨里「こんな失礼な態度をとって…。どんな仕打ちでも覚悟しております!!」 〇〇「いや、何もしないよ?」 冨里「総長のお兄さんともあろうお方、さぞお強いんですよね?」 〇〇「ただの男子高校生です。」 冨里「またまたご謙遜を…。」
2023-09-27 17:03:0313 〇〇「本当に何もないよ。たまたま通りかかっただけ。」 冨里「そ、そうなんですか。」 半信半疑の奈央だった。 〇〇「猫好きなんだ?」 冨里「動物たちはみんな可愛くて私の癒しです。本当は私も飼いたいけど、それはいつか…。」
2023-09-27 17:03:1414 〇〇「そんなに好きなんだね。」 冨里「はい。動物たちと戯れてると日々の嫌なこととか忘れられて。」 〇〇「確かにね。」 冨里「私なんかと遊んでくれるのも嬉しいですし。」 〇〇「私なんかって…。」
2023-09-27 17:03:2315 冨里「私のこと、誰も好きでいてくれないんですよ。だから、私は…。😢」 気づいたら涙が流れていた。 冨里「あぁ…。」 〇〇「僕に奈央ちゃんの全ては分からないけど、奈央ちゃんが思うほどみんな奈央ちゃんのこと嫌いじゃないよ?」 冨里「え…?」
2023-09-27 17:03:3416 〇〇「彩だって奈央ちゃんのこと好きだろうし、みんな奈央ちゃんと一緒にいたいって思ってるよ。」 冨里「そうですかね?」 〇〇「うん。きっとそう。大丈夫。奈央ちゃんが思ってるよりみんな優しいよ。時には頼って、楽に生きていこう?」
2023-09-27 17:03:4817 〇〇「僕だって話し相手くらいにならなれるしさ。彩たちには言えないこととかあるなら聞くし。」 冨里「ありがとうございます。」 〇〇「少しは楽になったかな?」 冨里「はい。」 〇〇「そっか。なら良かった。」
2023-09-27 17:03:5918 後日。 千葉魂でいる時のこと。 冨里「総長!」 彩「ん?」 冨里「総長のお兄さん、すごくいい方ですね。」 彩「ん?急にどうした?」 冨里「この前少しお話ししたんです。」 彩「ふーん。別に、ただの兄貴って感じ。」
2023-09-27 17:04:0819 冨里「いいなぁ。またお話ししたい。」 彩「はぁ?何言ってんだ?男にうつつ抜かすなよ?」 冨里「す、すみません!」 彩「私たちは強く生きるんだ。」 冨里「はい!総長!」 彩「(こうやって牽制しておかないと…。)」 冨里「(でも、たまにはいいよね…。)」
2023-09-27 17:04:1720 一方その頃。 〇〇「今日はお前の飼い主さん来ないみたいだな。残念だな。」 体育館裏には〇〇の姿が。 〇〇「今頃彩と一緒にいるのかな?」 奈央を気にかける〇〇だった。 つづく…。
2023-09-27 17:04:26