音也もトキヤも愛を求めてるお話
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✣梦音璃✣墓石更新 @ottokiya_ovo

すれ違い❤💜も書きたいな(学園時代) 「ウチの校則の絶対恋愛禁止令、愛する事はダメだが愛される事はセーフだ」 「日向先生、質問です。愛する、の定義を述べるなら?」 「定義···なぁ。恋愛に定義なんてそもそもなさそうだが···しいて言うなら──」 愛とは美しい様で、濁りを見せれば漆黒に染まる

2020-05-22 09:59:20

案外汚いのかもしれない、だから恋愛は綺麗事では無く背徳的な物だと思う。

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美しさは希望、慈しみ。濁りはふとした時に唐突にビシャリ、とこびり付く。そしてそれは厄介な事に落ちにくい上に浸透するスピードが早い。 ──急だが、一ノ瀬トキヤは一十木音也が好きだ。そしてその相手は何時しか名声が上がったからなのか一ノ瀬に甘えて来なくなり、夜な夜な出掛ける事が増えた

2020-05-22 10:07:30
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一ノ瀬の心は辛かった、仕事で会えないだけの寂しさよりもそのように女性ならば食い散らかしては鞍替える様な事をする様になってしまった彼が何を考えているのか全く分からないからだ。わかり易い男だと学園時代、同室だった頃は思っていたのに。それが余計に苦しめていた、昔は分かっていたのに

2020-05-22 10:15:08
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長年居る自分の方が彼が見えないなんて。そして抱いて来た、と言う名残は毎回浴室に置いてあるシャンプーと違う香りを漂わせてくるからホテル帰りだと言う事すら隠そうとしない。悪いとは認識してない。 「トキヤーごはんなぁに?」 「···まずはただいま、でしょうが」 「ん、あ、そっか···ただいま」

2020-05-22 10:18:46
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「はい、おかえりなさい」 「えへへ~」 「帰ってきてからまず手を洗いなさい、うがいもですよ」 「はーい」 こんな小さな子供みたいな事を注意されている彼が、大人の行為であるセックス、ましてやセックスフレンドなどと言う関係を不特定にしてるなんて。 言われた事を一通りキッチンで行っては

2020-05-22 10:28:30
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カウンターテーブルと揃えた木目調の背もたれの浅い椅子に座る。 「···リクエストは」 「お肉がおっきなカレー!!」 「·····はぁ、野菜も入れますからね、全く急に帰ってきてなんですか···」 「トキヤのカレーが恋しくなって」 「わたしは都合よくカレーを提供する定食屋では無いんですが」

2020-05-22 10:30:30
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「でも作ってくれるんでしょ?」 カウンターテーブルに座り頬杖をついて、それが当たり前だと言うかのように弧を描く。無邪気なのに侮れない笑顔とでも言えば良いか。 「···野菜が残っていたのでトロトロに溶かすまで···そうですねえピーマンとかいれてあげましょうかね」 「ピーマンはいらない!」

2020-05-22 10:32:55
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そんな野菜がとろけるまで火に掛けるならば夕食は深夜になってしまうのだが、ピーマンくらい入れさせろと一ノ瀬は思う。それよりも苦いじわじわと心に残る苦味を感じて居るのだから。だが、恋とは恐ろしくどんな事をしていても好きな人が居るだけで落ち着いてしまうのだ、もはやそれは反射的な対応。

2020-05-22 10:35:07
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「もう20歳なんですから好き嫌いしないでちゃんと食べようとして下さい、全く···」 「もう20年も嫌いだからやだ!」 「··········はあ」 いい歳なんですから、と言えば嫌いの年数に換算される。はぁ、と溜息を付きながらカレーにピーマンを入れることを確定した一ノ瀬はとりあえずスパイスから仕込む、

2020-05-22 10:39:41
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飛ばして。 愛とはなんだろうか、そう思っていた学生時代。愛を無自覚でいた方が心も楽だった。 「···わたしの知らない彼を女性は知っている」 妬ましい。こんな感情を抱く自分が女々しい。嫌悪の対象が他者から自分に移り変わる。だからこそ嫉妬は苦しいのだ。他人を責めるだけでなく無意識に自らを

2020-05-22 10:43:28
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じくじくと痛め付けて、唐突にその行き場が無くなった事を知る。許容できるメーターが測れない。そもそも許容するスペースも無いのかもしれない。 一ノ瀬が一十木に持っているのは恋ではなく愛にまで育ってしまっているのだから。 思わず恋愛漫画を実写化したドラマの台本を叩き付けてしまう、

2020-05-22 10:47:03
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こんな優しいものだけでは恋は成立しない。苦しいからこそ、本気で好きだと分かる節もあるができれば苦しむ事は避けたい。 ふと、思った。 彼と同じ事をすれば、気持ちが理解出来るのではないかと。彼と視点を合わせれば何か見えるのではないか、と。 「しかし···抱きたいと言う感情は無いですね」

2020-05-22 10:50:14
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「···抱きたい?あー、台本?トキヤが主演になった、女の子で流行ってる少女漫画かぁ···」 「音也···部屋に入る時はノックしろと、」 「トキヤだからいーの」 ──気付かれてはいけない。このページにはそんなラブシーンは愚か健全な会話のセリフしかないのに、

2020-05-22 10:54:07
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急に背後から声を掛けられて肩が跳ね上がった。 「恋とは、思うだけで幸せか」 「勝手に読まないで下さい」 「···ほんとにそうかな」 「え?」 「ううん、なんでもない!お風呂入って来なよ」 「···わかりました」 わたしが入ってる間にあなたは夜遊びに行ってしまうのを分かっていて頷くのがどんなに

2020-05-22 10:57:26
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辛いのか分かっているのだろうか。 「同じ事···なるほど、音也あまり遅くなるんじゃありませんよ」 「···はーい」 一ノ瀬は入浴を促され席を立ち上がり、部屋を出ていく手前で肩越しに顔だけ一十木に向けてそう言っては扉をパタンと閉める。 「·····誰のこと考えてたの」 *

2020-05-22 11:03:38
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一ノ瀬は一十木が必ず区切りをつけて自分の元に彼が訪問する事に気付いた、2週間だ。それ以外はプライベートでは向こうが散々遊んでいるからか連絡すらロクに取れないのに、2週間に1回は自分の部屋があるのにも関わらず一ノ瀬の部屋に帰ってくる。その日に彼と"同じ事"を決行しよう、と決めた。

2020-05-22 11:10:10
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まとめたひと
✣梦音璃✣墓石更新 @ottokiya_ovo

全てが音トキにしか見えない❤💜 せめぴとうけぴ🍎🍅例の曲で墓にはいった自カプの女。赤で染めて紫を満たして。(地雷B→とあるi界隈(兼任)・自ジャンル舞台2.5 )壁打ちのようにR18 自カプに乾杯🥂非固定は消音、暗い📮はしませんわ