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1 〇〇「久保さん。久保さん…！」 久保「ん…はい…。」 〇〇「もう夕食の時間ですよ。」 久保「うん…。えっ！？！？」 〇〇「旅館戻りましょうか。」 久保「ていうか何で〇〇さんがここに？」 〇〇「久保さんが時間になっても来ないからみんなで探してたんですよ。」
2023-05-01 17:00:41
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2 久保「そうなんですか。ごめんなさい…。」 〇〇「とりあえず戻りましょうか。」 久保「はい。」 みんなにも連絡をして、2人で旅館に戻ったのだった。
2023-05-01 17:00:52
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3 大園「もー！しーちゃん！心配したんだよ。」 久保「ごめんごめん。すっかり寝ちゃってて。」 梅澤「そういう抜けてるところも可愛いけどね。」 久保「いやいや、可愛くないでしょ。」 賀喜「とりあえず、ご飯食べましょうか。」
2023-05-01 17:01:02
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4 食事を終えて各々が部屋に戻っていった。そこからは朝まで自由になっていたため、ふらっと館内を散策していた。すると…。 久保「……。」 ロビー奥の縁側でぼーっとしている久保さんを見かけた。 〇〇「お隣、いいですか？」 久保「あ、〇〇さん。どうぞ。」
2023-05-01 17:01:16
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5 〇〇「久保さん。」 久保「はい？」 〇〇「今日くらい勉強のことは忘れてもいいんじゃないですか？」 久保「まぁ、そうなんですけど…。」 お店で爆睡していた久保さんの周りには大量のテキストが置いてあったのだ。 〇〇「久保さん、休めてます？」 久保「はい！」
2023-05-01 17:01:28
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6 〇〇「もっと肩の力抜いていいと思うんですけどね…。」 久保「でも、1日を大切にしないともったいないんですもん。もう1年この生活をすることはできませんし。」 実は久保さんは浪人生なのである。アルバイトもしながら勉強をする毎日を過ごし、かなり身を削っているように見えた。
2023-05-01 17:01:48
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7 〇〇「そもそも久保さんって何でこのシェアハウスに越してきたんですか？実家にいた方がお金もかからなくて集中できそうなのに。」 久保「…そうなんですよね…。」 そう呟いた彼女が明らかに暗くなった気がした。 〇〇「あ、なんか僕、余計なことを…。」 久保「いや、いいんです。」
2023-05-01 17:02:00
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8 久保「私、両親からの期待を裏切って見限られたんですよ。」 〇〇「えっ…。」 久保「勉強に関しては何不自由なくいろんなことを与えてもらってて、両親の期待も大きかったんです。そんな中で大学受験で上手くいかなくて…。」 〇〇「そうだったんですか…。」
2023-05-01 17:02:15
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9 久保「一応滑り止めは受かってたんですけど、両親が名門大学を出てるので、認めてもらえなくて。それで実家には居づらくなりました。」 〇〇「それでシェアハウスに…。」 久保「家賃も安いし、1人よりも安心かなって思って。」 〇〇「そんなことがあったんですね。なんかすみません…。」
2023-05-01 17:02:30
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10 久保「いえいえ。私が勉強できないのは事実ですから。」 〇〇「…別にいいじゃないですか。」 久保「え？」 〇〇「ご両親が何と言おうと、久保さんが納得する形ならそれでいいと思います。」 久保「うーん…。」 〇〇「もちろん妥協したくないのも久保さんの本心だと思います。」
2023-05-01 17:02:40
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11 〇〇「でも、今の久保さんは見ていてすごく辛そうです。そんな切羽詰まった状態じゃ、いつか心も体も壊れちゃいますよ。」 久保「私は大丈夫ですよ。大丈夫！大丈夫！」 〇〇「そういう人ほど、気づいた時には手遅れになってるんです。」 久保「えっ…。」
2023-05-01 17:02:52
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12 〇〇「僕の友人にもいたんです。すごく元気で頑張り屋なやつが。受験期にも毎日のように追い込んで頑張ってました。でもやっぱり無理してたみたいで、年が明けた頃に体調を崩して、受験のスタートラインにすら立てませんでした。」 久保「そんなことが…。」
2023-05-01 17:03:06
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13 〇〇「もう少しそいつのことを気遣ってあげてたらって未だに後悔してます。だから久保さんも時には休んでほしいんです。」 久保「…やっぱりそうですよね。私も不安だったんです。その不安を埋めるように勉強してきました。でも心の余裕はなくなっていく一方で…。」
2023-05-01 17:03:21
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14 〇〇「うん。メリハリだと思います。勉強するところは集中して、抜くところは抜いて楽しむ。集中できれば勉強の質も上がると思いますし。」 久保「そうですよね。なんか少し気持ちが楽になった気がします。」 〇〇「それは良かった。」 久保「よし！今日明日は抜いて楽しみます！」
2023-05-01 17:03:33
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15 〇〇「はい。それがいいと思います。」 久保「〇〇さんってすごいですね。」 〇〇「え？何がですか？」 久保「みんなの悩みとかを簡単に読み取って解決しちゃうんですもん。シェアハウスのみんな、〇〇さんに助けられてますよ。」 〇〇「いや、そんなことはないでしょう。」
2023-05-01 17:03:45
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16 久保「〇〇さんにはみんな感謝してますよ。逆に〇〇さんを助けなきゃですね。」 〇〇「え？僕ですか？僕はいいですよ…。」 久保「あ！〇〇さんこそ無理してないですか？」 〇〇「してないですよ。みなさんのおかげで毎日楽しいですし。」 久保「それは良かった。」
2023-05-01 17:04:09
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17 翌朝。 久保「んー！気持ちいい朝ー！」 梅澤「ん？史緒里、なんかあった？」 久保「え？何にもないけど？」 大園「なんかすごく元気だね。」 賀喜「いつもの久保さんと少し違いますね。」 久保「そうかな？♪〜♪〜。」 〇〇「(良かった。)」
2023-05-01 17:04:19
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18 気持ちいい朝を迎えた一同。ただ1人を除いて…。 遠藤「(昨日の夜、〇〇さんと話してたもんな…。関係あるのかな…？)」 賀喜「さく？さく？？」 遠藤「へ？何？」 賀喜「朝ご飯行くよ。」 遠藤「あ、うん。行こ行こ。」
2023-05-01 17:04:29
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19 2日目も昼過ぎまで楽しんだ一同。 梅澤「ふぅー！楽しかったねー！」 大園「うん！でも帰らなきゃ…。」 賀喜「またみんなで旅行行きましょう！」 久保「そうだね。」 〇〇「じゃあ帰りましょうか。」 遠藤「運転お願いします。」
2023-05-01 17:04:39
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20 帰路についた車内では…。 〇〇「フフ。みんなお疲れなんだな…。」 遠藤「ですね…。」 さくら以外、大爆睡だった。 遠藤「楽しかったですね。」 〇〇「うん。そうだね。」 遠藤「1番は…。」 最後に2人きりで話せることに優越感を感じたさくらだった。 つづく…。
2023-05-01 17:04:51