火鉢の日
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takaya@⚠️フォロ前に下記リンク先必読ください! @der_takaya0723

けほけほ 暗い静室に音が響く 雲深不知処はその名の通り山の上にあり気温が低い 甦ったとはいえ雲夢育ち、それも金丹がない身 本人は認めないが寒さに弱い 「乱葬崗でも平気だったんだ」 咳を聞きとがめて渋い顔をした忘機に魏無羨は言い訳を並べ立てるが忘機は聞く耳を持たない 無言で立ちあがり

2023-10-15 16:43:10
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以前も話したと思うのですが言葉先行型で話を書きます タイトルであったり台詞であったり 水母の骨、という言葉が刺さりましてこの言葉がタイトルか台詞か何かになる話を目下、脳内ストック探索中 もやもやとあるのですが話として成立しないので無事出産できるかは神のみぞ知る 生まれたら褒めて🥰

2023-10-15 19:11:23
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静室の奥、普段使わない物置にしている部屋消えていく しばらくして戻った忘機の抱えていたのは火鉢 黙って牀榻の傍に置くと今度は外へ出て行ってしまう カタリと開いた戸から薄赤い明かり 炭に火を入れて戻ってきたのだ 「今夜はこれで我慢できるか?」 火鉢に炭を入れ、鉄の棒で

2023-10-15 21:00:44
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掻いてさらに火を強め、同じ火を使い湯を沸かす しゅんしゅんと湯気が出るようになれば部屋が心なしか温まった気がした 「お前、過保護だなぁ」 でも、この部屋を暖められてしまえばわざわざ自分に用意された部屋に戻って寝るのももったいない 「あー、こっちで寝てもいいか?」 「かまわぬ」

2023-10-15 21:13:05
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1⃣ 最近、含光君から甘い香りがしますね 書類を片付けながら思追が言った 目を細めて「うん」と頷く忘機に思追はその理由を知る 「魏先輩からなんですね?」 香油作りに慣れた魏無羨が裏山で採った花を用いて香油を作っては彩衣鎮に卸している 護符を兼ねたそれは恋人への贈り物として人気なのだ

2023-10-16 16:37:58
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2⃣ 「かの含光君も身に着けている香油だよ! 効果は保証付きだ!」 街に降りた忘機が魏無羨と店に一緒に立ち寄ったせいで売り口上がますます大ごとになっているとはまだ不知処の面々に知られていない。 しかし、ある日藍啓仁が珍しく市井に住む友人に会いに降りた。

2023-10-16 16:46:25
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3⃣ 耳の良すぎる姑蘇藍氏。 街に響く口上がとうとう藍啓仁の耳に入ってしまった。 その夕、松風水月に呼び出され首を垂れる魏無羨に藍啓仁の一喝が。 「魏無羨!!」 ……ってなんもオチがないんだな これが

2023-10-16 16:46:25
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鬼の霍乱 藍忘機が風邪をひいた 正確には風邪ではないかもしれないがとにかく熱が出た もともと食べることに執着もないが食欲も落ちた そして今、腕を組んで唸っている男がいる 「なんだろうな」 「熱があるかもしれないが動ける」 「熱があって動けないなら楽だったんだよ」 魏無羨は苦虫を噛み潰す

2023-10-28 13:36:35
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「大体なんでずぶぬれで戻ってくるんだ?」 その通り 昨夜土砂降り、雷鳴の中、不知処が閉ざされるギリギリに御剣で寒空を駆け抜けてきたのだ、この男は。 そして忘機は答えない。魏無羨の目が座って特大のため息が落ちる。

2023-10-28 19:18:10
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そのため息にぴくりと動いたがやはり目線は合わせようとしない忘機に魏無羨が部屋を出ていこうとすると、今度は慌てて視線をよこす 「お前は目が煩い奴だが、言わなきゃわからないぞ」 実際は、どこへ行く?行くなと言っているのがわかっているが魏無羨もここは引かない。 仙門広しといえども

2023-10-28 19:20:57