第21回深夜の真剣140字60分一本勝負

RAY/※※※ @growler_ray

「駅前の信号機、午後二時ね」 あの子が私に微笑みながらそう言う。 この、駅前の信号機というのは私達だけの暗号だ。その場所から近い所には、所謂アレな宿泊施設がある。つまり、そういう事をするという合図…。 私は教師で、あの子は生徒なのに。いけない事なのに、私はノーとは言えないのだ。

∫ MatoP @_Mato_P_

信号機が、赤になった。 ふと、空を見上げると、向かいの家に鯉のぼりが立っていた。 あぁ、今日はこどもの日か... 休日も仕事でいっぱいだった俺は、ふと自分の子供のことを思う。 宝石みたいな目をした君を。 明日休みだったな。 少しいっしょに遊んであげるか。

花滝ちかる @chikaru_toka

「貴方が、大好きです」 玉砕覚悟だと打ち明けたお前の笑顔は、透き通る宝石のように綺麗だった。 「勝手に砕け散られるのは困る。私は、お前を好いているからな」 私は苦笑した。輝くような笑顔を見たかったものを、初めてお前を泣かせてしまった。 だが、零れ落ちた水晶の雫は、あたたかく愛おしい。

mono @mono3h

古ぼけたアパートの窓から、オレンジガーネットのような空を眺める。 鮮やかに彩られた空を悠々と泳ぐのは、信号機のように整列する鯉だった。繋がれた彼らが泳ぐ、宝石のように美しく多彩な空は、彼らにとって同じものではないのだろうか。 もう一度自由な空を見たいと、懐かしむように瞼を閉じた。

夢夜 @ruya_reve

『夜の佳人』 豊かな黒い髪に宝石のような青い瞳、雪を欺くほど白い肌を持つお前はそう表される。才色兼備でどこか妖艶なお前をよく表していると俺も思う。 だけど笑うとすごく可愛いし、少し天然なところもある。 そんな愛らしさは俺だけが知ってればいい……なんて、ちょっとワガママかな？

ふかんぜん @relation_crush0

「赤はルビー、青はサファイア、黄色は…なんだっけ？」 信号機を宝石に例えている。彼女はキラキラ光るものが好きだ。ビー玉や、砂浜や、CD…。こどもの日,お隣の鯉のぼりを指してまた言う。 「あ、今度はエメラルドもある。私ダイヤより好き」 君にとって僕は何番めに、キラキラしているのだろうか。

夢夜 @ruya_reve

貴方と出会ってから今までの日々はそれまでの日々と比べると宝石のように煌めいて見える。 力強いあたたかさを感じさせる瞳はまるで太陽のようで、明るく純真な笑顔は見ているだけで癒される。 貴方に恋をしたのは偶然だったのか必然だったのか。 何度自分に問うても答えは出ません。

ふかんぜん @relation_crush0

隣人が鯉のぼりを飾っている。ベランダから下を見ると、信号機の下で家族連れが行儀よく待っている。買い物中に出会った上階の奥さんは、宝石のあしらわれた指輪を、左手の薬指につけている。みんな幸せそうで、一人じゃなくて、誰かのために生きている。 僕はどうして 独りで、生きているのだろう。

秋月蓮華 @akirenge

信号機が点滅する中、私は急いで向こう側に渡ろうとしたが 目の前を何かがかすめた。 それは鯉のぼり達。唐突に現れて唐突にこの地上を泳いで、 天に昇っていく。 「うわ……」 鯉は龍になる。鱗がきらきらとして、まるで宝石のよう。 綺麗で、奇妙な、今日。 #深夜の真剣140字60分一本勝負

鈴木　広 @madaremonokaki

「空の鯉は海を泳ぐんだ！」 君は三色の鯉のぼりを見上げて言った ああ、美しい。見たままを見たままに 外から差し込む光を君色に乱反射。淡く単純な色。未成熟だからこその透明。少しずつ濁ってしまうのは誰も「進め」の信号に逆らえないから。違う歩幅でいいはずだ 赤い鯉のぼりは静かに大きく揺れた

津森七@文学フリマ京都い-36 @tumori_nana

ルビィ、サファイア、トパァズ…。明滅する信号機の光を宝石にたとえた、あの男の子は誰だったろう。繋いだ手はひんやりと冷たく、見上げた眸が街灯のひかりをきらりと反射する、それは遠い黄昏時の記憶。祖母宅の箪笥には一度も使われた跡のない鯉のぼりが仕舞いこまれている。あれは、一体。

はろ（葉露) @c_to__b

「ねぇ！みてみて！こいのぼいだよ！」 うまく鯉のぼりと発音できていなくて少し吹き出してしまった。 「運転してるから見れないですー！」 信号が赤になりブレーキを踏む。 「ねぇみて！！」「はいはい」 とても大きくて立派な鯉のぼりが気持ちよさそうに空を泳ぐ。 少しだけ心が広くなった気がした。

安津 るり @Ruri__anzu

こどもの日 私が幼い頃は兜とこいのぼりを飾って、ちまきを食べ、菖蒲湯に浸かっていた。けれど、高校に入る頃にはやらなくなっていた しかし、今年は何故か兜が出ていた。 どうしたの、と聞くと、あなた家でこどもの日迎えるの、今年が最後でしょう？だから今年は出したくて、と母は涙目にそう答えた

ポッキー（山野千鶴） @lilianne0523

自分の中の信号機。黄色が灯る時は、早めに気がつき、体も心も無事である。だがたまに過集中となり、赤で侵入してしまい、後で泣きを見る。年齢と共にこの傾向も落ち着くか、と思い乍ら、気だけが突っ走る。夫の手綱を引くのは奥さんと言われるが、私の手綱を握っているのは、常に冷静沈着な夫である。 pic.twitter.com/5Mp8ZmLOu1

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碧 @aoi140ss

「信号機の光が宝石ならランチなんてあの鯉のぼりに乗って取りに行くのに。」 相変わらず君の言っていることはよくわからない。けれども、それに魅せられている僕も大概だ。 さぁ、信号はエメラルド。子供の君には馬の代わりに空を駆ける鯉を。カレンダーの上の赤色をわたりきろうか。

ほりむら @hooooli_1021

ひらりひらり、視界を泳ぐこいのぼり。囚われ泳ぐその姿に自分を見るも、その手綱はいとも簡単に彼らを手放して。待ってくれ、俺だけおいていかないでくれ。飛び出した俺を衝撃が跳ね上げる。その浮遊感で、俺はあいつらと一緒、自由に空を泳げるようになったのだと、暗転する意識の中で考えていた。

Rabi @Rabi_lowrin

いつから夢を語れなくなってしまったか。無機質な信号機の光を横目に夜の街を走る。キラキラと輝いていたあの頃の宝石は、今ではもうくすみきって、部屋の片隅に打ち捨てられて。またもう一度磨けば、私は輝けるのだろうか。夢持つことも諦め、灰色の部屋で今日も眠る。私の世界に、明日も彩りは無い。

Altair @_altair_73

大きくなったら結婚しよう。幼い思い出の中で君がくれたのは、おもちゃの指輪。安物の宝石は、それでも私にとっては大事な宝物だった。大好きな人に指切りをされた小さな女の子が、今ではすっかり母親だ。当時は信じて疑わなかったが、あの時の約束が守られるなんて今思うと奇跡としか言いようがない。

ちょこぐま🍫🐻 @RLIK0805

#深夜の真剣140字60分一本勝負 まだ、間に合いますか……これ。 絶賛スランプですがよければ読んでください。 ｢鯉のぼり｣｢信号｣｢宝石｣ pic.twitter.com/TA9NQOUZQv

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