1 放課後、○○は美月に呼び出され校舎の屋上に来ていた。 美月:ごめんね…急に呼び出したりして。 ○○:いいよ。 冷たい風が吹き、身震いする○○。 ○○:…ちょっと寒すぎるけど。 pic.twitter.com/iAZUWb0Uvp
2020-12-17 22:12:032 美月:…○○君。 大きな瞳で、真っ直ぐと○○を見つめる美月。 美月:何て言おうか色々と考えたけど、うまくまとめられなかったから…単刀直入に言うね。 美月:…○○君のことが、好きです。 美月:私と…付き合ってください! pic.twitter.com/LJhv3SksrK
2020-12-17 22:12:325 ○○:史緒里!! 史緒里:…! ○○と目が合うと、史緒里はそそくさと逃げ出した。 ○○:な、なんで逃げるんだよ…! 追いかける○○。 pic.twitter.com/ExGaOzc2Wu
2020-12-17 22:14:156 ○○:待てってば…! 史緒里:来ないで…!!! あと少しで追いつけそうな所で、史緒里は女子トイレに逃げ込む。 バタンッ!と大きな音を立て、○○は行く手を塞がれた。
2020-12-17 22:14:507 ○○:っくそ…! ○○:史緒里!なんで逃げるんだよ!頼むから話を聞いてくれ! 中から応答はない。 それどころか、物音一つしなくなってしまった。 ○○:(我慢比べか…。) ○○:(望むところだ…!) ーーー
2020-12-17 22:15:139 ふと頭をよぎった○○は、隣の男子トイレに入れ窓から下を見る。 が、何もなかった。 ○○:(…よかった。) ○○が男子トイレを出た、その時。
2020-12-17 22:15:5010 ○○:史緒里! 同じタイミングで女子トイレを出ようとする史緒里と鉢合わせる。 史緒里:…!! 冷え切った空気の中、史緒里は一瞬ビクッとしたが、観念したようだ。 pic.twitter.com/khpGpO7ocZ
2020-12-17 22:16:3311 史緒里:…まだ居たんだ。 ○○:どうせ明日も学校だし…最悪泊まればいいかなって。 史緒里:…ばか。 ○○:なんで逃げるんだよ。
2020-12-17 22:16:5512 史緒里:この間、お別れしたでしょ? ○○:お別れか…。たったあれだけで、幼馴染の縁が切れるとでも思ってんのかよ。 史緒里:…! 史緒里:で、でも…!○○のこと、応援してるって言ったよね?だから、もう…。 ○○:ああ…そのことなんだけど。
2020-12-17 22:17:4713 ○○:さっき、山下さんに告白された。 一瞬動きが固まる史緒里。 史緒里:…わ、わざわざそれ言うためにこんなに追いかけ回して待ち伏せしてたの? 史緒里:はいはいよかったね、おめでとう。幸せになってね。これで満足? そうまくし立て、○○の横を通り過ぎる史緒里。 pic.twitter.com/vzYOY0pTyc
2020-12-17 22:19:3314 ○○:…でも、断った。 ○○の言葉に、史緒里は足を止めた。 史緒里:………え? ○○:山下さんに告白された。でも断った。 史緒里:な、なんで…?やまのこと好きなんじゃなかったの…?
2020-12-17 22:19:5616 史緒里:…何…言ってんの…? 声を震わせる史緒里。 史緒里:幼馴染だからって…私が失恋したみたいで可哀相だからって、気遣ってそんなこと言ってんでしょ? 史緒里:そんなの嬉しくない! 史緒里:私のことなんて…ほっといて彼女でも何で作ればいいでしょ!? pic.twitter.com/5aQs77QbFF
2020-12-17 22:20:5517 ○○:うるさい!! 史緒里:はぁ!? ○○:生まれた頃から一緒に生きてきて…今さら同情とか気遣いで告白とか、そんなことするわけないだろ! 史緒里:…。
2020-12-17 22:21:2818 ○○:俺は…本気だから。 史緒里:…やまと一緒に居る時はあんなに楽しそうにしてたくせに。 苦笑いする○○。 ○○:…そうだな。そりゃあ山下さんは…俺にはもったいないくらい魅力的だから。 ○○:でも…俺は史緒里との未来しか考えられない。 ○○:史緒里じゃなきゃ…嫌なんだ。
2020-12-17 22:21:5919 俯く史緒里。 史緒里:ほんとに…いいの? ○○:え? 史緒里:私、すぐヤキモチやくよ? ○○:知ってる。 史緒里:毎日会ってくれないと拗ねるよ? ○○:今も毎日会ってるだろ。 史緒里:む、胸だって小さいし…。 ○○:貧乳には貧乳の良さがある。 史緒里:貧乳って言うな! ○○:ごめん。 pic.twitter.com/3TIt0Y5nSF
2020-12-17 22:23:2720 史緒里:私のこと1番に大切にしてくれないと…何しちゃうかわかんないよ? ○○:望むところだ。 史緒里:…。 ○○:俺と、付き合ってください。 史緒里:ううぅ…! 史緒里は泣きながら○○にもたれかかる。 ○○は、史緒里をそっと抱きしめる。
2020-12-17 22:23:5121 史緒里:…○○のばか。 ○○:え? 史緒里:告白するのが…遅いよ。 ○○:ごめん。 史緒里:プロポーズは… 史緒里:待たせないでよね? ○○:…わかった。 気づいた頃には、すっかり日が沈んでいた。 ーーー
2020-12-17 22:24:0522 校門を出る2人を見つめる人物が居た。 美月:…うまくいったんだね。 美月:…おめでとう。 ーーー pic.twitter.com/TpwpxPk9MA
2020-12-17 22:25:2523 数時間前、屋上。 美月:…○○君のことが、好きです。 美月:私と…付き合ってください! ○○:えっ…。 明らかに動揺する○○。
2020-12-17 22:25:4224 ○○:ご、ごめん…。 美月:…! ○○:……好きな人が、居るんだ。 美月の口元が緩む。 美月:…久保ちゃん? ○○:…! 言い当てられたことに○○は驚いたように美月を見つめる。 その様子が、答えを物語っていた。 pic.twitter.com/lzPQOo02Hi
2020-12-17 22:26:1625 美月:…そっか。 美月:…幼馴染だもんね。 美月:私が入り込む隙なんて…ないか。 ○○:いや、そ、そんなことは…! 美月:…やめてよ。 美月:同情しないで?惨めになっちゃう。 ○○:…ごめん。 クルッと振り返り、○○に背を向ける美月。
2020-12-17 22:26:4026 美月:最初から…私の誘いなんて断ってくれればよかったのに。 ○○:…。 美月:2人で一緒に居る時すごく楽しそうにしてくれてたから…ちょっと期待しちゃったじゃん。 ○○:楽しかったのは…事実だから。 美月:…○○君の、意地悪。今さらそんなこと言わないで。 ○○:…。 pic.twitter.com/KcBC2ncelG
2020-12-17 22:27:1927 美月:…なんてね!冗談だよ。私も…すっごく楽しかった。 ○○:山下さん…。 美月:○○と久保ちゃんの恋、応援してるから。 そう言ってニッコリと笑う美月の目には、光るものが見えた。 pic.twitter.com/m8PpD4kDW2
2020-12-17 22:28:4728 美月:…いいこと教えてあげよっか? ○○:…いいこと? 美月:来週、何があるか…わかるよね? ○○:…クリスマス? 美月:正解。 pic.twitter.com/Fq7HmJLZfN
2020-12-17 22:29:4229 美月:でね、隣のクラスの男子がクリスマス前に久保ちゃんに告白しようかなって話してたよ。 美月:早くしないと…盗られちゃうかもよ? ○○:…え!? ありがとう、と言い残し○○は駆け出していった。 1人になった屋上で、美月はため息をつく。
2020-12-17 22:30:0031 ○○と史緒里の帰り道。 史緒里:ねぇ、○○? ○○:ん? 史緒里:付き合ったらさ…何すればいいのかな。 ○○:えっとー…。 ○○:とりあえず、手でも繋ぐか。 ○○:あとは…今まで通りで、いいんじゃない? 史緒里:…そうだね。 pic.twitter.com/naaT1M2SSJ
2020-12-17 22:31:56