バツイチへし燭♀＋ショタ伽羅ちゃん

カコ🐙 @3nasubi31

和気藹々と遊んでいたところに、乱暴な子(3才くらい)がやってくる。布のフライパンを振り回して女の子や伽羅をばんばん叩く。女の子は怒ったり叫んだり泣いたりしているが、伽羅はぎゅっと目をつぶったままうずくまっている。乱暴な子の親らしきはおしゃべりに夢中で止めに入る様子はない。

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面倒なので伽羅を抱き上げてその場を離れる。伽羅は小さな手でぎゅっと長谷部の上着を掴んで丸くなっている。よほど怖かったのだろう。「叩き返さなかったのは偉いな」長谷部が言うと、伽羅が顔をあげる。「だが、あんなときは逃げるのが一番だ」「にげる」「そうだ」

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「叩かれて叩き返すのは卑怯者のすることだが、逃げるのは賢い者のすることだ」「……」「難しかったか」遊びエリアを出て、隣のワゴンでソフトクリームを２つ買う。「これを食ったら母親を起こしてやろう」「ん……うまい」「よかったな」

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べたべたの手や口を拭いてやりつつ、そろそろ食べ終わるか、というころに「伽羅ちゃん！」という声が。「あ」黒髪を振り乱し、ヒールにスーツで走ってきた女性が伽羅をソフトクリームごと抱き締める。「伽羅ちゃん、ごめんね、僕また寝ちゃって、ああ、ほんとに、心配して…」「みつただ」あいすついた

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伽羅が母親の顔をクリームまみれの手でぎゅーと押す。「あいす、はせべがくれた」「長谷部…さん？あっ！」「……あっ！」顔を見てようやく気付いた。精神科で世話になった美人女医だ。DV離婚した。

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「すみません！伽羅ちゃんを見てくださって、ほんと、すみませんぼ…私がしっかりしなきゃいけないのに、本当に……」病院で見たときは化粧バッチリにスーツに白衣だったのに、今は化粧もボロボロでスーツもよれよれ。「ありがとうございます……」「いや、別に」「だいじょうぶだ」

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手についたアイスをぺろぺろなめながら伽羅が言った「おれとはせべはともだちだ。ともだちとあそんでいただけだ」「伽羅ちゃん！」「……だ、そうだ」大人びた物言いについ吹き出しそうになる「気にするな、お前、目の下すごいことになってるぞ」「……ありがとう」

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「情けない話なんだけど、ずっと休みがなくて」伽羅ちゃんもシッターさんに任せっきりだったんだ、とつかれた顔で女医が言う。「今日はたまたま夜勤明けで、久しぶりに一緒に過ごせると思ったんだけど」「そうか」実は長谷部、この女医の名前が思い出せていない。

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「ならもう少し休んでいていいぞ。伽羅もまだ遊びたそうだし、俺も暇だ」「そういうわけには」「そうだぞ、おれはまだぼーるをまんきつしてない。つぎははせべもいれてやってもいい」「伽羅もこう言ってる」「でも…」結局、三人で遊びエリアに戻る。

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「ぼうやお帰り～～今度はママも一緒なんだねよかったね～～」「ああ、みつただはおれのままだ」「そっか～～いってらっしゃーい」相変わらずプロだな、と思いながら中へ。それから、そうだこの女医の名前は光忠だ、とも思い出す。

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燭台切光忠、名前を見て男だと思ったら女医だったことに驚いたことをようやく思い出した。そんなことも覚えていられないほど弱っていたのだろう。

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結局は光忠と伽羅がボール遊びをしているのをエリア内のベンチから見ていただけだが、たまに伽羅が振り向いてこちらに手を振るのに振り返したり「ゆうびんやさんあそび」で光忠からという設定の荷物(ボール)を受け取ったりして過ごす。

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もし自分にも子どもがいたら、とふと考えた。休日はこうやってかつて妻だった人と子どもと過ごしたのだろうか。いや、銀行マン時代は休日に出掛けるなんてことはしなかった。仕事か、仕事関係のパーティーか、そうでなければ一日中寝ているだけだった。

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不倫はよくない。慰謝料もとったし制裁もした。元妻は実家に帰ったし相手の男は辞めたくても辞められない環境でこの先10年は慰謝料の支払いに追われるはずだ。だか、そうなる前に、もっと、自分を省みる必要があったはずだ。結婚に向いていないと分かった時点で別れるべきだった。

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「…はせべ？」「あ、ああ？」ハッと顔をあげると、ゆうびんやの伽羅ちゃんがボールを持って立っていた。「はせべもつかれてるのか？」「いや…大丈夫だ」「そうか」伽羅はそう言うとボールを置いて、長谷部の膝によじのぼった。

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「つかれているおとなはみんな『だいじょうぶ』とこたえるんだ」みつただもそうだからな、と伽羅は言って、長谷部の頭をぽんぽんとなでる。「やすんでていいぞ、おれはひとりであそべるからな」「伽羅…」ああ、これをやられたらベンチで一人で寝こけてしまうな、なんて思いながら小さな体を抱き締める

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「はせべ、いたい」「すまん」離してやり、絨毯敷きの床におろす。「俺もいこう、ボールプールに入りたいだろう」「いいのか？」伽羅うきうき。手を繋いで光忠のところへ行き、交代してボールプールへ。そらから滑り台やらアスレチックやらをしてさんざん遊んだ伽羅はついにふねをこぐ。

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「……長谷部くん、今日はありがとう」長谷部の背中でぐうぐう寝ている伽羅を撫でながら光忠が言った。「伽羅ちゃん、本当に楽しかったみたい。あんなにニコニコしてる伽羅ちゃん、久しぶりに見た……いつも我慢ばっかりさせちゃって」「そうか」

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「賢い子だからな、お前が大変なのもわかってるんだろう」「そうだろうね、きっと」タクシーに乗り込む光忠に伽羅を渡そうとするも、長谷部の上着を離さない。「伽羅…だめだ、起きない」「…長谷部くんさえよかったら、家まで来ない？夕飯をご馳走するよ」

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伽羅ちゃんもこうだし、よかったら、と言われ、そのまま一緒にタクシーへ。セキュリティのしっかりしたファミリー向けマンションで、部屋は思ったよりも片付いている。というか、伽羅のおもちゃくらいしか物がない。

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「先月ようやくここに越してきたんだ。まだ何もなくて」キッチンに立とうとした光忠にようやく上着から手を離した伽羅をおしつけ「冷蔵庫を開けるぞ」と。「お前、そんなにフラフラなのに飯まで作る気だったのか。座ってろ」「でも」「ほら、抱っこしてないと伽羅が起きるぞ」

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てっきり店屋物か外食だと思っていたので長谷部はびっくりしたのだ。冷凍ごはんと同じく冷凍のむきエビを使ってレタスチャーハンと、白ネギのスープを作る。「伽羅は起きそうか？寝かせておくか？」「起こしたいな……伽羅ちゃん、ごはんだよ、起きて」光忠の膝の上で伽羅ちゃんむにゃむにゃ

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「長谷部くんがチャーハン作ってくれたよ」「はせべ…ちゃーはん……！！」目がぱちっと開き、あたりをみまわす。「はせべ！」「起きたなら顔を洗ってこい。そしたら飯だ」伽羅、こくんと頷き洗面所へ。「すごい……いつも寝起きはくずるのに」「腹が減ってたんだろ」

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三人で食卓を囲む。すると、伽羅が長谷部の膝に乗ってきた。「おれがいっしょにたべてやる」「伽羅ちゃん、ダメだよ、おりて」「だめかどうかはおれがきめる」「ああ、もう……」光忠が立ち上がろうとしたので「伽羅、抱っこしてほしいのか？」と聞いてみる。「甘えん坊だな」

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すると伽羅は口をとがらせたあと、こくん、と頷く。「あまえんぼうのきぶんだ」大人二人、完全にK.O。伽羅は長谷部の膝の上で、光忠と長谷部に交代であーんしてもらって食べる。「うまい、えびがうまいな」「それはよかった」伽羅ニコニコ。光忠も困った顔をしつつニコニコ。長谷部も、にやけている

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そのあと、甘えん坊伽羅ちゃんと二人で風呂にも入る。伽羅が「はせべとしかはいらない」と駄々をこねたのだ。「ごめんね、普段はもう少し聞き分けがいいんだけど」と光忠は恐縮のしきり。「俺が珍しいからだろ」どうせ帰っても一人だ。

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さすがはファミリーマンション。風呂は広くて湯船は足ものばせる。髪と体を洗い(子供用ア◯パンマンシャンプーか高そうなシャンプーしかなかったので、長谷部はアン◯ンマンの方を使うことにした)湯船に。膝に伽羅を乗せると、右肩から腕にかけてひどい傷痕があるのに気付いた。長袖にかくれていたのだ

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ついじろじろ見てしまったせいで、伽羅も気付いたらしい。「おれのうで、かっこわるいか」「あ、いや」「みつただをひきょうものからまもったんだ」たたくやつはひきょうものなんだよな？と伽羅が言うので「そうだ」と頷き「伽羅は勇敢だな」と撫でてやった。

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風呂からあがると、洗い立てのタオルと新しい下着が置いてあった。「下のコンシェルジュで買ったやつだけど」明らかに普段はいてるやつより高そうだが有りがたく貰うことに。ついでにビールも買ってきたというので、入れ違いで風呂に行く光忠を待たずに二人で乾杯(伽羅はジュース)しようかとすると

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突然、狂ったようにインターホンが鳴り、玄関がガンガンと叩きつけられる。「！！！！」伽羅がジュースを放り出し、ソファーの裏に縮こまる。「ああ……ここもダメか……」光忠が青い顔でため息。光忠と一緒にインターホンの画面を見ると、鬼の形相をした男が玄関先に立っている。

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「……元夫。どこに越しても追いかけてくるんだ」「セキュリティはどうした」「毎回、なぜか漏れるんだよね……」ようやく、あまりにも物の少ない部屋の理由が分かった。インターホンに出ようとした光忠を制して、長谷部が玄関にむかう。

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「お前と伽羅の靴をリビングへ。ドアを閉めて、電気はつけて、テレビでできるだけうるさいバラエティーをつけろ」「で、でも」「早く」光忠が言った通りにしたあと、長谷部はできるだけ不機嫌な顔を作って玄関をあけた。「おい光忠、てめぇやっと………あっ……」「どちら様ですか？」

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「え、あ、あの」「ここは俺の家ですが？」「燭台切では……」「しょ…？俺は黒田ですが？」ぐっと眉間にシワをよせ、元同僚らに「三人は殺ってる」「歩く不穏製造機」「その顔で取り立てられたらまず臓器から差し出す」と言われた顔で続ける。「迷惑なんですよね、こんな時間に…ねぇ？」

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「うちも越してきたばかりなんでご近所の目もあるし、そもそもどうやって中へ？」「え、あ、いや」「警備の者を呼んでもいんですよ？いや、最初から警察かな」そう言ってスマホを取り出すと、男は「部屋違いでした、失礼しました」とぺこぺこ頭を下げながら逃げ出した

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「…というわけでお帰り願ったぞ」リビングに戻ると、光忠の腕に抱かれていた伽羅がばたばたと走ってきて長谷部の足にしがみつく。「はせべ、ありがとう」「…ありがとう、長谷部くん。君、すごいや」光忠も涙目。「しばらくは引っ越さずに済むよ……」

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この母子は離婚後もさんざん逃げ回ってきたのだな、と思うと胸が締め付けられる思いがした。伽羅を抱き上げ、撫でてやり「災難だったな」と言ってやった。 「昔はあんな風じゃなかった、って思いたいんだけど、僕も若かったから…強引なのが男らしいって舞い上がってたんだろうね」光忠、苦笑

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伽羅を抱いたままソファーにすわり、ぽつぽつと光忠の身の上話を聞く。初めは優しかったが子どもが生まれてそちらが優先になるとDVが始まったというやつ。長谷部もつられて自分の話をする、といっても光忠にはカウンセリングの時に少し話していたので、事実というよりは自省の部分

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「俺も、録な夫ではなかったがな」なんて自嘲すると、光忠はビールグラスを傾けながら「でも、伽羅ちゃんにとっては、良い大人だよ」僕にとってもね、と笑う。風呂に入ってリラックスした光忠を見て、ようやく、美人女医だな、なんて下心が目を覚ます。

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といってもここで手を出すほど馬鹿じゃない。頃合いを見てタクシーを呼ぼうと思っていると「このまま泊まっていかない？」と。「は？」「…変な意味じゃないよ。でも、このまま君が帰ったら、明日の朝、伽羅ちゃんが大変なんだもん」伽羅はまだ長谷部にしがみついていて、いつの間にかぐうぐう寝ている

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「お願い、ね、明日タクシー呼ぶから！」ちゃんとバイバイしないと伽羅ちゃん泣いちゃうから！と手を合わせて頼まれてしまっては断れない。仕方なく伽羅を寝室に連れていき光忠に渡す。寝室にもベッドとぬいぐるみが1つあるっきり。

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「親子してワガママばかり言ってごめんね」と眠そうな顔で光忠が言う。「本当にありがとう」「大したことはしていない」おやすみ、と伽羅の指を離して部屋を出る。伽羅だけでなく光忠も『あまえんぼうのきぶん』だったのだろう。あの母子はもう少し、誰かに甘えることを知るべきだと思った。

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久しぶりにソファで寝る。離婚成立前は話し合いという喧嘩(というか終わらないヒステリーを二時間近く聞くだけ)のあとぐったりとソファで寝ることが多かったが、今日のソファは比べ物にならないほど寝心地がいい。高いマンションのソファーは寝心地もいいのだろう。

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「はせべ、はせべ！」小さい手が長谷部の頬をたたく。「おきろ、あさだ」「ああ……」目を開けると見慣れない天井と、二つの金の瞳。昨日のことを思い出しながら「おはよう、伽羅」と撫でてやる。「早起きだな。ママも起きたのか」「みつただはまだねている。つかれていたからな」

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「そうか」顔を洗い、伽羅が「けいさつれんじゃー」なるものを見ている間に朝食の支度をすることに。もういいか、と冷蔵庫やら戸棚やらをあさってパンケーキを作る。「伽羅、生クリームを泡立てるが、やるか？」「やる」EDのダンスを躍りきった伽羅がぱたぱたとかけてくる。

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「これをまぜるのか？」「そうだ。重労働だからしっかりたのむ」電動泡立て器なんてないので手で混ぜるしかない。交代でかき混ぜつつ(とっても伽羅はゆるゆるしか混ぜられないのでほとんどボールを押さえる係) 隣でパンケーキも焼く。

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パンケーキが5枚焼け、なんとかクリームになったところで光忠が起きてくる。素っぴんで部屋着に眼鏡。「お、おはよう二人とも……」「おはよう」「みつただ、けいさつれんじゃーはおわったぞ」ぱんけーきつくったぞ、とクリームまみれの顔で伽羅ちゃんドヤァ

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３人でパンケーキを食べ、コーヒーとジュースを飲んだあと、伽羅が「こうえんいきたい」と。「はせべ、こうえんにでかいすべりだいがある。つれていってやる」「伽羅ちゃん、ダメだよ。長谷部くんはもう帰るんだから」光忠が嗜めると、伽羅の目に涙が。

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「はせべ、かえるのか」「さすがに着替えたいな」「そうか、かえるのか……」駄々をこねればいいのに、伽羅は長谷部の服の裾をつかんだままぐっとうつむくと「くるまにきをつけてかえれよ…」と涙声。長谷部、いろいろ限界。

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「伽羅、今日は帰るが、伽羅のママがいいと言えばまた遊べるぞ」伽羅の髪を撫でてやりながら言う。「今度は滑り台をしよう」「…うん」伽羅が光忠を見上げる。光忠は長谷部と伽羅を見たあと「ママがお弁当を作るね」と言った。

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結局駅で別れるときに伽羅はギャンギャン泣くんだけど、長谷部は光忠と連絡先を交換して定期的に会うように。というか、次の週の半ばに経過観察の検診で会うことは決まってて、お互いなんだか不思議な感じ。