お題「避暑地」「誕生」「柿」
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智子(藍) @fd7chu

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite 第180回お題「誕生」 挑戦させていただきました🤗 手癖全開で楽しく書きました!読んでもらえたらハチャメチャうれしいです! 主催者様いつもありがとうございます!また挑戦します!💪 #140字小説 #140SS #140字SS #一次創作 #夢小説 #ネームレス夢小説 pic.twitter.com/9CFqpczPXc

2021-10-09 22:02:16
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らん @amagi_ran

祖父の家には柿の木があった。彼岸になると雲ひとつない青空を背にオレンジ色の実がたわわになる。けれど、それは渋柿で幼い時いたずらに食べようとして痛い目にあった。祖父は笑いながら言う『干し柿にして送ってやる』#twnovel もう送られてこない干し柿。けれど、あの渋さと甘さは決して忘れない。

2021-10-09 22:04:57
メィジ @Akumademeiji

デスクに小皿が置かれる。リモートワークを労い、妻が剥いてくれた柿だ。 ありがとうと伝えて、ふと、また秋が巡ってきた、息子が生まれてもうすぐ一年経つと気付いた。 何もかも見通しの立たない不安な日々だったが、日常はもうすぐ戻るだろうか。 「次の夏はバカンスに行こう」と妻に伝えた。

2021-10-09 22:06:27
癒月連理 @kizamukotonoha

避暑地の研究所兼自宅で、柿の研究をしている父。 より甘く食べやすい柿を作ろうと、研究にのめり込んでいる。 そしてついに新種の柿を誕生させ、論文を発表した! ――――ガタン なんの音だ、と父の書斎に行く。 「父さん大丈夫?」 「あぁ、夢か……」 何の夢だったのか、父は少し残念そうだった。

2021-10-09 22:06:34
てい @orztee

シーズン後の避暑地は閑散としている。つい数週間前までの賑わいが消え失せた街並を抜け、舗装された山道を歩き出す。少しだけ道を逸れて、友人と落ち合う。友人は、色づき始めた木々の中、ひときわ大きく甘そうな橙の実を指した。「秋が生まれているね」。私たちは暫く、秋の誕生をしみじみと眺めた。 pic.twitter.com/YgLT4Tea5l

2021-10-09 22:06:54
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れんが @xLEZ7vRmyC82HvW

私の両親は避暑地で出会ったらしい。お嬢様の母と合宿中の父。初々しい2人に何が起きたのか柿の成る頃には母のお腹に私がいたという。 勢いで結婚した両親だが離婚する気はないらしい。私の存在が二人を縛っているのではと悩んだのは昔の話。二人の鎹になれるのなら私が誕生した意味もあるってものだ。

2021-10-09 22:08:20
RAY/※※※ @growler_ray

転がる柿を踏み潰して駆け抜けた、在りし日の記憶を思い出す。こんな風に熟れることを、大人になることを夢見ていた子供の頃を思い出す こんな話をすれば皆からは「大人なんていいものでも無い」って言われるけど…… 転がる柿を拾い、塀の上に置いて思う。潰して先に行くのは、もう少し後でいいかなと

2021-10-09 22:08:21
ケンタシノリ@童話&小説書き屋さん @kentasinori

ここは、都会の喧騒から離れた避暑地として知られている。夏になると、別荘を所有している者が家族を連れて続々とやってくる。 そんな中、俺がこの場所へやってきたのはスキー場の各種設備のメンテナンスを行うためである。長い冬に備えて、今のうちから念入りに準備することが俺の大切な役割である。

2021-10-09 22:11:09
黒瀬時雨@140字小説 @shigu_re0208

暑苦しい社会の同調圧力から逃れられる場所。そんなコンセプトで誕生した『避暑地』と呼ばれるカフェバーがある。こういう場所に救われる心は無数にあるのだ。 「あまり長居はされませんように」 差し出された柿の種をつまむ。難点を挙げるとすれば、長居しすぎると娑婆に戻れなくなることだろうか。

2021-10-09 22:15:22
TAKA001 @001TAKA

避暑地のアバンチュールで誕生したダミアンは、愛を知らずに育った。 今夜、御屋敷では盛大なパーティーが催される。忙しく働くメイドの母に彼は問いただす。俺の父親は来るのか?、と。 たとえ柿色の囚人服を着ることになっても、我ら母子の復讐を誓う。 ナイフを忍ばせ自分と同じ青い瞳の男を探す。

2021-10-09 22:19:06
秋月蓮華 @akirenge

私が住んでいるところは避暑地で、彼女と出会ったのは夏のことだった。 「私の誕生日。違うわ再誕」 笑いながら彼女は言う。桜の木々が生える場所。 秋になり、柿をかじりながら私がそこを訪れてみれば、桜の木にとらわれた女性がいた。彼女に似ていた。 「母親?」 ああ。だから 再誕と、言ったのか。

2021-10-09 22:26:42
夏見 有 @you_natsumi

もうすぐ、私のお腹に宿る小さな命がこの世界に降りる。 私は、母親になる資格があるのだろうか。 生きる意味も蔓延る理不尽も、説明できはしない。 それでもひとつだけ、伝えたいこと。 人は誰だってひとりになりたくはない。どんな辛く苦しいことがあっても、貴方を愛しているから、安心してね。

2021-10-09 22:27:35
Pingu novel @ckpingu_nvl

私は、柿が美味しい秋生まれ。果物には目がない。なのにアイツときたら。果汁の甘さは好きじゃないって。「じゃあ何が好きなの?」問い詰める私から目をそらす。「いやぁ、今日は暑いからスイカでも食べたいな」漫才のようなかけ合いが、私の避暑地だ。もうすぐエデンが誕生するとはまだ思いもよらず。

2021-10-09 22:55:30