ダチョウ兄さん
@dach0000023
その指が、目が、声が、届かないと解っている場所を目指して足掻く様がいとおしいと伝えたら、君は私を軽蔑するだろうか。 きっとその視線すらも愛しいのだけど。
2018-05-25 12:49:56
ダチョウ兄さん
@dach0000023
冬は唄うのよ、と教えてくれた人。踏みしめる霜が軋む音を、凍りついた河の底から浮き上がる泡の音を、嬉しそうに待っていた人。 淡く輝く桜の下で、静かに冬を待ち続ける人。 ぼくの季節は新緑の中で止まってしまったと言ったら、あなたは笑うでしょうか。
2018-05-24 12:42:46
ダチョウ兄さん
@dach0000023
噛み千切ったあなたの喉の、最期の一息だって逃したくないの 滴る血潮は甘露より甘いのに、心臓がきゅうとひきつるのは何故かしら
2018-05-24 00:44:32
ダチョウ兄さん
@dach0000023
@orrn19 縄、鎖、拘束衣に契約、手錠。あらゆる束縛、あらゆる制約を受けて何故、この男の目は愉しげに歪んでいるのだろう。寝台に救世主を模して磔けられた彼はじっと俺を見つめて、また蕩けるようなバリトンを震わせる。「それで俺を縛ったつもり?」たりないと、訴えかける囁きは甘く。囚われたのは、
2018-05-24 00:34:19
ダチョウ兄さん
@dach0000023
食い殺すにはまだ足りず、馴れ合いには鋭すぎる そうして僕らは磨いた牙を持て余し、無為な威嚇で腹の底に飼った怪物を慰めた
2018-05-23 19:36:06
ダチョウ兄さん
@dach0000023
「優しいんだね」指先が柔らかく頬を辿る。僅かに水気を帯びたそれが私の唇をなぞって、彼女は甘く微笑んだ。違う。優しくなんて無い。これは私のエゴなんだ。そう言いたかったのに、喉の底から震える呼吸だけが出ていった。唇は塩辛い。
2018-05-23 12:52:53