「絶対に魔法を使いたくない魔女ですが、同僚の科学者が魔法ヲタクで興味を持たれて困っています」略して絶魔女。ゆるゆる続かせる小説。
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桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

"絶対に魔法を使いたくない魔女ですが科学者が魔法ヲタクで興味を持たれています" で #絶魔女 とかどうだろうか そのままやん

2019-12-07 00:37:36
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

科学は合理的だ。こよなく愛すべき素晴らしい学問だ。  エルシア・エクセは心から科学を尊敬し、愛している。  なぜなら論理的かつ明確な説明でもって事象の説明が可能であり、世界のあらゆることを解析してあばいて本質を見つけ出す。 #絶魔女

2019-12-07 01:26:42
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

幼少期に見た実験は素晴らしかった。初等部の化学授業の一貫で見せられたフラスコの中の実験は、目にも鮮やかで不思議で、まるで魔法のようだというのにその後に教師は笑顔で言ったのだ。 「これは鉱石と薬品の化学反応により起こるものだよ」  衝撃だった。 #絶魔女

2019-12-07 09:27:44
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

あんなに美しく不思議な現象が、理由をつけて説明できてしまう! なんなら誰かに伝えてその人も同じことができてしまう!  なんて素晴らしいのだろう。エルシアは心底思った。 #絶魔女

2019-12-07 12:37:13
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

目の前で教師が語った鉱石と薬品の化学式は覚えていない(残念でならない)が、エルシアにとってそれは関係なかった。 "これを学べば、わたしにも同じことができる!"  エルシアは思わず身震いした。なんとなく、させられていると感じていた勉強に意欲を感じ、胸が熱くなった。 #絶魔女

2019-12-07 12:42:36
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

その日は一日中興奮しっぱなしで、帰宅後母親に機関銃がごとく化学の素晴らしさを子供なりに説明しつくし、よるも眠れず、エルシアは翌日熱を出して授業を受けられなかった。理化学の授業がなかったのが幸いだった。 #絶魔女

2019-12-08 08:47:06
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

もし、該当の授業が行われる日だったならば。第一にエルシアは授業を受けたがっただろう。母親に諭され、熱に浮かされてベッドの中にいたとしても。這いずってでも行くと主張し、人の目を盗んで抜け出しかねない様子だった。  当時のことを口にするとき、母親はエルシアのことをこう評した。 #絶魔女

2019-12-08 08:50:12
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

『尋常ではない目をしていた。格好の獲物を見つけた猟師のような。娘が娘でなくなったかと思った』  さめざめと泣き崩れた母親を、父親はなだめるのにちょっぴり苦労したとか。それはそうだろう。ある日突然娘が学舎から帰宅したら科学ヲタクになっていたのだから。 #絶魔女

2019-12-08 08:54:06
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

エルシアにしてみればごく当然の欲求であり、異常であったと言われる方が心外なのだが、この話題になると両親は無機質な瞳で遠くを見始めるので現在に至るまでその主張が理解されたこともない。  一度自分の思いの丈を口にしかけたこともあったが、エルシアが話し出したとたん母が涙目で、 #絶魔女

2019-12-08 23:50:12
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

「わかってるもういいのエルシアは立派な科学者になるのだものね大丈夫わかってる気にしないで昔のおっとりしたエルシアに戻って欲しいとかそんなこと思ってないからおっとり飛び越えてなにもかも科学漬けの娘が恐ろしいとかそんなこと思ってな……」 #絶魔女

2019-12-08 23:52:49
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

と、怒濤のごとく話し続け、途中言葉につまったと思ったら泣き崩れたのでエルシアは驚きと勢いに飲まれてそれ以上の言葉は続けられずに黙った。母親の肩を抱く父がこちらをそっと伺ったのに気づき、決めた。  両親の前で自分の科学への意欲を思いっきり語るのはやめよう。ほどほどにしよう。 #絶魔女

2019-12-08 23:57:53
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

ほどほど、という割合が通常の人のそれとはかけ離れていたが、それでもその後はエルシアなりに話し方や内容に気を使って科学の話をするようになったし、両親はその話をわけがわからずとも笑顔で聞いていた。  エルシアの両親は娘を愛していたし、エルシアもまた両親を愛していた。 #絶魔女

2019-12-09 00:00:12
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

そうでなければ家族は崩壊していてだろうし母親はショックのあまり心を患ってしまっただろう。  愛ゆえに、と言ってしまうのは簡単だが、愛する娘が心底愛する科学は、わけがわからないなりに面白いのだろうと聞き流すようにしてくれた両親の選択は、エルシアにとって福音に違いなかった。 #絶魔女

2019-12-09 00:02:55
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

【メモ】 ここでタイトルをちょっと改編。略称タグは変わらず。 "絶対に魔法を使いたくない魔女ですが、同僚の科学者が魔法ヲタクで興味を持たれて困っています" 長くなった。最終的に困って、は消すかもしれない。 でもまぁ、コンセプトの目印でいまのところこれで。 #絶魔女

2019-12-09 00:06:02
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

そんなこんなで幼少期より愛してやまないものを見つけてしまったエルシアは、思う存分科学に浸ることができた。  入り口は化学実験であったが、幸いにしてエルシアの興味は化学だけでなく科学そのものであり、どちらにしても奥深い学問であるがゆえに彼女を飽きさせることなどなかった。 #絶魔女

2019-12-09 23:42:56
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

どこにいても科学漬けのエルシアの世界は明るく希望に溢れ、いつか世界のすべてを解き明かしてやるのよ、などと壮大かつどこの英雄譚の主人公だと突っ込まれそうな野望も胸に秘めて時は流れ。  十八歳になったエルシアは当然のごとく公都にある公国立大学に進学することになった。 #絶魔女

2019-12-09 23:45:55
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

エルシアの生家があるメテルデ地方はイリス公国の東側に位置し、肥沃な大地に恵まれ気候の巡りもありながら農業を営む者が多いせいか、のどかな気風だ。公国に遠くも近くもなく豊かなのでまわりに田舎呼ばわりされることもなく、街並みもそれなりに華やかだったりもする。 #絶魔女

2019-12-16 17:54:03
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

しかしメテルデの人々は「都会はこわいところ」という思い込みをなぜか持っており、公都の土地にも人にも、ほかの地方の都会といわれるところに対してもたいそう気後れしている。土地柄公国に名の知れた名士もそこそこにいるのだが、夜会などに呼ばれると一家総出で毎回大騒ぎになる。 #絶魔女

2019-12-16 17:58:50
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

そんな場所で生まれ育ったこどもが公都にある大学に通いたいと言い出した場合、通常大反対というか大騒ぎになる。おそれ多いと準備におおわらわ、出たら出たでいつも元気にしているかとしょっちゅう手紙が届く。  一家の一大事扱いの案件なのだ。 #絶魔女

2019-12-16 18:02:53
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

本来であればエルシアも、そんな渦中のひとりであっただろう。だが、エルシアの大学進学宣言には、反対の声もなく騒ぎも起こらなかった。誰もが予想していたものだったからだ。  この頃にはまわりはもうエルシアの「科学バカ」はまわりに知れ渡っていたため、誰もがさも当然と頷いたのだ。 #絶魔女

2019-12-16 18:05:37
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

そんなわけで、エルシアは周囲の反対を押し切り……という強行突破をする必要もなく、公国立大学への進学を希望することができた。ほかの問題はといえば学問の成績だったが、愛して止まない科学に関する科目は毎回ほぼ満点を叩き出していたし、科学のために必要とあらば #絶魔女

2020-01-05 16:04:46
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

その科目を学ぶ努力を惜しまなかった。  結果、優秀な成績を修めたエルシアは、高等学校の推薦を受けて大学に合格し、無事に科学を学ぶ環境を思う存分に楽しんだ。それはもう、思いきり。 #絶魔女

2020-01-05 16:07:13
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

メテルデの人々のように「都会こわい」などと思うこともなく、ホームシックになることもなく(むしろ母親の方があれこれと会いたがり、結果珍しく都会嫌いがなくなった)、専門的知識が習得できる大学で、今まで以上の科学漬けでエルシアの学生生活は過ぎていった。 #絶魔女

2020-01-05 16:25:25
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

エルシアの幸せな学生生活はあっという間に過ぎ、最終学年を迎えた春の日。定期訪問してきた母と連れだってまちのカフェでお茶をしていたエルシアは、母の言葉に固まった。 「卒業したら、どうするの?」  何気ない一言だったが、エルシアは十二分に動揺した。動揺しまくった。 #絶魔女

2020-01-21 22:28:02
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

口に運ぼうとしていた焼き菓子を思わずおとし、それがまた砕けたりするものだから大惨事だ。欠片がお茶に落ちて雫が跳ね、気づいた店員が慌ててやって来て拭いてくれる。  幸いにして母からの贈り物のワンピースに染みを残すことなく片付けも終わり、ほっと一息つく。 #絶魔女

2020-01-21 22:31:49
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

落ち着いた頃を見計らい、母がにこにこと笑いながらもう一度言った。 「で、どうするの?」  穏やかな、笑みさえ含んだ声音であるのに、込められた圧力はすごかった。幼少時に怒濤の嘆きを浴びせられたときの衝撃に勝るとも劣らない。いや、もしかしたらあのときより強い。というか怖い。 #絶魔女

2020-01-29 21:15:04
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

母の言いたいことはおそらく「帰ってくるのよね」だろう。  メテルデの人々はとかく己が故郷を大事に思う傾向が強い。閉鎖的、と評されてもおかしくないほどに。たとえ一時的に外の世界に出たとしても、何らかのきっかけで必ず戻ってくる。 #絶魔女

2020-03-23 12:35:54
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

もともと外の世界を恐れる傾向の強い人々であるが、時おり外の世界に飛び出し、様々なことを経験したがる者が現れる。例えば都会への憧れだったり、家族との折り合いが悪かったり、エルシアのように学問を修めたいと言い出したり。 #絶魔女

2020-03-27 12:55:54
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

事情は様々あるが、メテルデ出身者は必ず故郷に戻ってくる。そのきっかけは人生の節目が多く、エルシアの場合は大学の卒業がそれにあたる。だからこそ、母が尋ねてきたのだろう。  いつか言われるだろうと覚悟していたつもりだったが、いざ言われてみればなかなかの衝撃だった。 #絶魔女

2020-03-27 13:00:39
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

言葉につまり黙りこんだ娘を、母は辛抱強く待っていたが、はたと気づいた様子で、 「あら、違うわよ」  と両の手のひらをエルシアに向け勢いよく左右に振るという動作をつけてまでして、力一杯否定の言葉を口にした。エルシアの脳内と表情が疑問符で満たされる。 #絶魔女

2020-03-29 09:22:46
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

娘の表情に吹き出し、母はゆっくりと話し出す。少し真剣味をにじませた表情は、柔らかくも真剣だ。 「貴女は私が帰ってきなさいって言うと思ってるでしょうし、メテルデに帰ってきてほしいかと聞かれたら、帰ってきてほしいと思っているし答えるわ」  でもね、と唇に微苦笑が刻まれる。 #絶魔女

2020-03-30 12:50:49
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

「私は、貴女が心底科学が大好きなのはわかっているつもりよ。貴女から科学を取り上げたら、死んでしまうのではないかと思っているほど。そんな娘に、卒業したら学ぶ場所から離れるために帰ってきなさいと言えると思う?」 #絶魔女

2020-03-30 12:57:03
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

エルシアは口をつぐみ、まじまじと母を見つめる。  母の言葉は、もっともすぎた。母は、エルシアの性質をすべてわかっていて、一番に望み続けたものにも、最大の理解を示す言葉をくれた。常にエルシアの思いを汲み取ってくれてはいたが、それはいつもエルシアからのものに対してだった。 #絶魔女

2020-04-29 22:53:27
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

だから、本当はエルシアのわがままを認めてくれているだけなのだと、思っていた。  今日は何度驚かされるのだろう。視界がぼやけ、鼻がつんと痛くなる。 「なんて顔をしているの」  せっかくのお茶とお菓子なのに、と冗談めかして言う母も、エルシアの反応から同じことを思ったようだ。 #絶魔女

2020-04-29 22:57:33
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

ほんの少しだけ詰められた息を、エルシアはちゃんと聞いていた。にじんだ涙をぬぐってくれる指に手を伸ばした。 「母様、ありがとう」  心からの感謝を込めて。あたたかい手を、握る。同じように握り返されて、とても安心した。 「でもね」  聞こえた母の声は、少しかたかった。 #絶魔女

2020-04-29 23:02:23
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

「私の可愛いエルシア。貴女が幸せであることが一番だから、貴女が望むことを応援する気持ちは誰よりあるつもりよ」  母親だもの。と前後を繋ぎ、言葉は続く 「だからこそ、とても心配で、伝えておかないといけないことがあるわ。メテルデの民が、なぜメテルデに戻りたがるのか」 #絶魔女

2020-05-16 23:41:07
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

ピリ、と引き締まる気配にエルシアの背筋が伸びた。ひそめられ声音は、とても、重要なことを述べようとしているのだと伝えてくる。  聞きたくない、とは言えなかった。この期に及んで母がわざわざ伝えに来ること、しかもエルシアの大学卒業の時期にということは、相当のことと推測された。 #絶魔女

2020-05-16 23:55:47
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

つまり、ここが分水嶺なのだ。母から告げられる事実が、メテルデの人々が故郷に戻るきっかけとなっている。  故郷を愛してやまない同郷の民。外の世界を、特に都会を恐れる彼ら。  彼らがあの場所にとどまり、外の世界から必ず戻る理由。それを、今聞かねばならない時なのだ。 #絶魔女

2020-05-17 00:00:33
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

緊張するあまり顔をこわばらせるエルシアに対し、母はふわり、と笑う。 「そんなにかしこまらないの。怖い話ではないのよ。わたしたちメテルデの民が、ほかとはほんの少しだけ違うということ。それを知っていてほしいだけ」  それだけのこと、とさらに前置き、母は声をひそめて告げた。 #絶魔女

2020-08-06 12:45:36
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

「メテルデの民が領地を出たがらない理由は、私たちが『妖精の血』を引いているから」  エルシアは目を見開いた。母は、何を言い出したのだろう。  妖精の血? なんだそれは。  エルシアの疑問をよそに、母の言葉は続く。だから、と。  続いた言葉に、今度はエルシアの口が開いた。 #絶魔女

2020-08-08 12:10:33
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

「だから、私たちは、ほかの人々にはない力を持っている。その力はまわりからは魔法と呼ばれる力で、そして誰にも知られてはならない。これが、メテルデの民が命を賭して守る秘密」  言葉を切った母は、ふぅと息をつくと満足したように椅子にかけ直し、カップに口を付けた。 #絶魔女

2020-08-08 12:13:49
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

優雅にフォークを手に取り、焼き菓子を口に運ぶ。その姿はとても優雅で、公都の夜会にでもすんなりと溶け込んでしまうだろうというほどの美しい所作に、通りかかった給仕がほうと息をついた。  だが、エルシアはそんな様子に気づいていない。固まったまま、焦点の合わない目をしていた。 #絶魔女

2020-08-17 23:11:39
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

頭の中では母の言葉がぐるぐると巡る。  妖精? 魔法?  そんな非合理な。  母様、何を言っているの。そんなことあるわけないじゃない。メテルデのひとたちは、とても信仰深いだけよね。故郷がとても大好きで、都会を恐れているだけよね。  そう聞きたい、断言したいのに。できない。 #絶魔女

2020-08-17 23:22:30
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

心当たりはある。  妖精。魔法。なにもないところからなにかが生み出される。奇跡、そう呼ばれるに相応しい、この世界に存在するなにか。  エルシアは、それらを知っている。 『わぁ、虹が出てる!』  大学の初年度、雨季の合間に空を見上げた級友が、嬉しそうに声をあげた。 #絶魔女

2020-11-08 21:42:08
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

美しい七色が、空の端と端を繋ぐように大きく伸びている。まるで橋のよう、という者もあるし、空に大きなリボンをかけようとしているようにも見える。  エルシアの脳内に説明が浮かぶ。  虹。太陽の光が空気中の水の中に入り込んで屈折し、反射されてまた水から出たときに現れる現象。 #絶魔女

2020-11-08 21:54:20
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

説明するのは簡単だ。子どもだって作り方を知っている。  世の中にありふれた現象。それでも誰しもが見つけては微笑む、小さな科学の芸術。  だが、エルシアは虹がそれだけのものでないと知っていた。  見上げた空、七色の半円を描く長い長い帯。そこかしこにきらきらと輝くものたち。 #絶魔女

2020-11-12 21:42:57
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

しかし、エルシアの目に映っているものはそればかりではなかった。  広がる青空の中を自由に飛び回る者たち。彼らはきらきらと輝いており、とても楽しそうにしている。  ある者は薄い二枚の羽を羽ばたかせながら舞い踊るようにくるくると空を旋回しながら風を起こす。 #絶魔女

2020-11-15 15:29:11
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

ある者は水を操ることができ、長い髪をなびかせながら空中で困ったように微笑んでいる。  めったに姿を見せてはもらえないが、慎ましやかな微笑みと仕草が美しく、半透明のドレスを纏っている者もいた。たしか、光を操っている。  そんな彼らがいて、目の前の七色が作られている。 #絶魔女

2020-11-15 15:30:23
桜梨➡️ナニカツクル @cre_ouri

中にはエルシアを知る者もいて、気づくと手を振ってくれさえした。  彼らのことが見えるのは、エルシアだけのようだった。  けれど、エルシアはこれが自分のみに見える光景だとはじめは認識していなかった。なにしろ、メテルデに住む者たちにとって、見えること当たり前だったからだ。 #絶魔女

2020-11-15 15:37:49

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