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にじかれー🦄🦛🍙🍒🐰🐉🌸🐈 @nijikare2

身寄りを無くした尾♀がU作さんの障害にならないように同じ屋根の下に暮らす条件として男として育てられるって話ください。コウジロは何となく自分の血を引くU作さんが尾形家の血に惹かれるのではって危惧してると良い。

2023-06-30 21:32:01
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同じ屋根の下に暮らしているだけなので、使用人以下の暮らしにして徹底的にU作さんに歯向かわないようにしてる。でもある日尾♀がこっそり書庫の本を読んでいるとU作さんと鉢合わせして「貴方は!妖精さん!」っていわれて、はぁ?ってなる尾♀

2023-06-30 21:37:22
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尾♀は良くU作さんを覗き見ていたけど、U作さんと顔を合わせたり会話をすることを禁じられていた。万が一U作さんに接触しそうになると食事を抜かれたり重労働を追加されたりした。だからなるべくU作さんの目に入らないように生きてきたけど、限界もあるにはある。U作さんは尾♀を妖精の様と思っていた

2023-06-30 21:41:38
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いたと思ったらすぐに消えてしまう、そんな尾♀をいつもU作さんは探していた。そして書庫で偶然出くわして、すぐに妖精さんだと気づく。名前を知らないからね。「貴方のお名前は?私は花沢勇作です!」ってにっこにこに元気に挨拶する。良い子。でも尾♀は何年も名乗るってことをしてなかった。

2023-06-30 21:45:42
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だからとっさに名前は出てこない。尾形と言う苗字も名乗っていいのか分からない。だから「ひゃく、のすけ」とかろうじて男の名前をいう事しかできなかった。「ひゃくのすけ、さんですね!どのような字を書くのですか?あ、勇作は勇猛果敢の勇に、豊年満作の作です!」と自己紹介するU作さん。

2023-06-30 21:50:24
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尾♀は「百鬼夜行の百に、異域之鬼の之、助長抜苗の助です」っていう。漢字もとっさに考えた。仲よくしましょう!って手を握るU作さんの手が温かくて大きくてびっくりする。U作さんは握った手が細くてしなやかで冷たくてびっくりする。

2023-06-30 21:54:43
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尾♀は限りなく毒に近い薬で二次性徴が来ないようにされていることもあって、身長は男性並みに高い。でもどこかアンバランスな華奢さもある。U作さんはその中性さもあって妖精さんと言ってる。でも使用人たちは男とも女とも分からぬ不気味さを感じていて、見るたびに眉をひそめている。

2023-07-01 18:54:38
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尾♀はずっとだるくて、痛くて辛い体を引きずるようにして生きているけど、U作さんの温かい手に触れた手だけはすうっと痛みが消えた気がした。その時は初めての感覚に怖くなって逃げ出しちゃう。U作さんは毎日どうやっているのか尾♀を探し出して話しかける。ぱさぱさの髪に香油をぬろうとしたりする。

2023-07-01 18:57:31
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尾♀は嗅ぎなれないそれに眉をしかめる。顔は長い前髪に隠れているからU作さんには見えないはずなのに「香りが気に入りませんか?」って言われる。そんな風にU作さんと会っていることがコウジロにバレて折檻される。そしていつもの薬を飲まされると体中が刺すように痛む。「これで最後じゃ」

2023-07-01 18:59:12
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それはいつもより少し濃度が違う薬。でもぎりぎりで拮抗していた体の天秤を傾けるには十分だった。尾♀は血を吐いて倒れる。「U作をたぶらかそうとした己を呪うのだな、私は警告したはずだ」と言ってコウジロはいなくなる。コウジロが手配したならず者が尾♀を見下ろす。そして尾♀の服を切り裂く

2023-07-01 19:03:09
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仲間の一人がおい、と声をかける。「温かい内に突っ込めば良いだろ」と声が聞こえる。ああ、唯一残った清い部分すらも残されないのか、と思って尾♀は意識を失った。温かい何かが、自分の上に降り注ぐのを、最後に感じた。

2023-07-01 19:05:12
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尾♀はぱちりと目を開けた。目があいたのだ。自分は生きていることを認識するまで少しかかった。どうして、と身体を起こそうとしても動かない。まるで鉛の様に身体が重い。瞼も重くて、開けていられない。どうして、と思いながらゆっくりと再び瞼が閉じていった。柔らかい寝床にいる事に気づきながら

2023-07-01 19:09:30
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何度か目を覚まし、眠る、それを繰り返す。目を覚ますたびに尾♀は周りを見渡す。温かい寝床、しっかりとした屋根、隙間のない壁、清潔な寝巻。それは尾♀には与えられてこなかった物だった。どうして、とあるときに目を覚ました時に眼球を動かした。少しずつ回復しているのだろう。

2023-07-01 19:15:56
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あの薬を飲んで助かったのか、じゃあ自分をオカそうとした男たちはどうなったのだろうか、そもそも自分をここに連れてきたのは、そんな疑問が脳内をぐるぐるとめぐる。そうしているとがちゃりと音がする。誰か入ってきた。眼球を右に動かしてハッと気づく。右目が見えていないことに。それは薬の影響だ

2023-07-01 19:24:57
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死を目前にしたにも関わらず右目が見えない程度で心臓がバクバクとうるさい。すぐににゅっと人影が尾♀の眼前に現れる。「妖精さん、目を覚ましたのですね!」それはU作さんだった。尾♀はまるで鯉のように口をぱくぱくと開閉させることしかできない。「良かった、私が見つけたときは瀕死でしたから」

2023-07-01 19:32:02
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そうですか、と言うつもりだったが、声が出ない。「ああ、一時的ですが喉が焼けている様です。無理なさらないでください。」そう言ってU作さんは優しく尾♀の頬を撫でた。そしてふいに真顔になる。「貴方をオカそうとした輩は、私の部下が切り伏せました。あなたは、純潔を保ったままです」そう言った

2023-07-01 19:44:55
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U作さんの方が、泣きそうな顔をしている。あの煌めくような、星を埋め込んだような瞳が涙できらきらと瞬いている。美しい男だと思った。自分の真っ黒な目とは違う。こんな目を通してみる世界はきっと全てを良いものとした神が創ったように思えるだろう。その目に自分はどんな風に映っているのだろうか

2023-07-01 19:52:40
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「貴女は、今も美しいです」まるで心を読んだようにU作さんは言った。美しい、今まで己に向けられたことのない言葉に尾♀は目を瞬かせた。「ですが、貴女の美しさを語るのは今日ではないようです……今は、ゆっくり眠ってください」そう言ってU作さんは水差しから水を飲ませ、尾♀の瞼を閉じさせた。

2023-07-01 19:54:29
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そこから尾♀は眠り続けた。時折着ているものを変えられて、身体をぬぐわれている感覚はあった。だけど眠かった。今までにない位深く眠った。もう目覚めないのではと怖くなるくらい眠った。だけど、温かい何かが頭を撫でた。尾♀はふとその手がU作さんの手と気づいた。もう大丈夫だと思った。

2023-07-01 20:07:53
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次に目を覚ました時は、相変わらず右目は見えなかったけど体は驚くほど軽かった。U作さん曰く薬、いや毒の影響を全て右目に集結させたのだという。そんなことが、とは思うがU作さんなら出来るのだろう。尾♀は長く伸びた髪をかき分けて、改めてU作さんの顔を見た。「U、さくさん」と名前を呼んだ

2023-07-01 20:52:19
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U作さんはその、酷くしゃがれた低い声で呼ばれたことに大層喜んだ。自分の名前がこのように美しく思えたの初めてです、と言うのだ。変な男だ。だが、これはまごうことなく自分の異母弟なのだと尾♀は思った。そしてU作さんは少しずつ尾♀のことを話した。尾♀がいなくなったことに気づいたこと

2023-07-01 21:01:44
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父親を問い詰めて父親を半殺しにして尾♀が毒で死にそうなこと、そして尾♀がいる場所にいくと瀕死の尾♀を蹂躙しようとする輩がいたこと。尾♀を保護し、そいつらを切り伏せたこと。父親にそのことを告げるとまさか血を分けた娘がそのような目に遭いかけたことにさすがの父親も顔を青くしたこと

2023-07-01 21:03:44
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流石に死して蹂躙されることなど父親は望んでいなかった。清いままで死なせることがせめてもの情けだと言ったという。「そもそも貴女、いえ、姉様を死に追いやることなど許せません。父は追放しました」「ついほう……」「もう、貴女はあの薬で女性であることを止められることはないのです」

2023-07-01 21:05:20
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毎日毎日苦い薬、解毒剤を飲むことにはなった。だけど尾♀は毎日手厚く世話をされることになった。今まで屋敷で尾♀を冷遇していた使用人は解雇された。コウジロの命令で見て見ぬふりは仕方がない。だが中には尾♀を積極的に害していた者たちもいた。U作さんはそれを見逃してはいなかった。

2023-07-01 21:09:33
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花沢家の権限を得るまで、とひそかに尾♀を守ってもいたのだ。そして権限を得てU作さんは彼らを解雇した。花沢家を解雇されたとなれば、他の屋敷で使用人として働くことは難しいだろう。「本当は彼らをコロしたいほどではあるのですが」「……弟が、人をアヤめるのは気分が良くありませんな」

2023-07-01 21:12:50
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結局尾♀の声は元に戻らず低くなったままだった。でもしゃがれはだいぶ良くなった。U作さんは素敵な声だとほめてくれた。解毒剤を飲めば、もしかしたら少しずつ女性としての機能を取り戻すかもしれない。U作さんは言った。その時は私と男女の仲になっていただきたい、と。尾♀は少し迷った。

2023-07-01 21:18:22
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尾♀の迷いをU作さんは感じ取ったのだろう、「申し訳ありません、U作が卑怯でした。……姉様が女性の機能を取り戻さずとも、私は貴女と男女の仲になりたい。貴女の全てを独り占めしたい。血の繋がりがあろうとも、譲れません」そんな熱烈な愛の言葉。祝福されて生まれた男の言葉は酷く甘美だった。

2023-07-01 21:20:59
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尾♀は明確に言葉にはできなかった。でも、頷くことは出来た。これから幸せにします、と言う言葉を信じてみたくなった。「ところで、シアワセって何ですか?どういう意味の言葉ですか?」異母弟がその言葉を聞いて固まった。言ってはいけない言葉だったようだと後で気づくのだった。【END?】

2023-07-01 21:25:20
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徐々に女性としての機能を取り戻し始めた尾♀。骨ばっていた体のラインは薄く脂肪が付き丸みを帯び始めた。変化が顕著だったのはお尻だった。それまで身に付けていた紳士もののボトムでは尻がきつくなってきた。それが尾♀は煩わしさとくすぐったさにも似た羞恥を感じていた。女になっている事に。

2023-07-17 11:46:21
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声は相変わらず男の様に低い。顔つきだって女性らしさはあまり見られないように感じた。ちぐはぐで、継ぎ接ぎだらけの人形のようだ。恥ずかしい、あの完璧に美しい異母弟と比べてなんて滑稽なんだろうと尾♀は鏡を見るたびに思う。その内鏡を見たくなくなった。尾♀には有古という褐色肌の異民族が付く

2023-07-17 11:48:47
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有古には鏡を片付けるように言った。さすがに着替えなどの身支度は女中に任せていたが、尾♀の身支度を整える女中の手はどこか乱暴なのだ。それもそうだろう。完璧で美しい男に仕えると思っていたのに、こんなちぐはぐな女に仕えることになるのだから。細く柔らかい髪の毛はすぐに絡んでしまう。

2023-07-17 11:50:37
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ぐっと強く絡まった髪を引かれて僅かに顎が上がった。ぶちりと髪がちぎれる。痛い、が我慢できないほどではない。あの時毒を飲んだ時と比べたらなんてことはなかった。「何をしている」尾♀がそう思っていると背後から声が聞こえた。女中が焦った様に勇作さま、と呼んでいる。音もなく勇作が近づく。

2023-07-17 11:52:38
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U作さんは女中の手から尾♀のちぎれた髪が絡みつく櫛をそっと抜き去った。尾♀の髪を櫛から取り、指先で弄ぶ。「これは?」その指先に目を落としながらU作さんの冷ややかな声。ちぐはぐのはずなのに、とても美しい。「お、奥様の髪は細く、その、絡みやすくて……」「……だから、引きちぎったと?」

2023-07-17 11:56:02
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女中は恐怖から震えている。バレて困るのならやらなければいいのに、と尾♀はそれを無感情に見つめていた。「この方の髪と君、価値のあるのはどちらだと思う?」「あ…‥‥その……」「もう明日から来なくていい」「そ、それは困ります!」「それとも放り出されたいかい?」U作さんはとても美しい。

2023-07-17 12:01:42
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それから尾♀の髪はU作さん手ずからにとかれることになった。そんなことしなくても、というがこれが存外楽しいのです、と言われてしまえば尾♀は拒めなかった。U作さんは尾♀に幸せを、大切にされる経験をしてほしいのだという。温かい食事に、柔らかな着物、寝心地の好い布団。毎日湯浴みもできる。

2023-07-17 12:06:05
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それが幸せなのだろうか、大切にされるという事なのだろうか。尾♀はじっとU作さんを見た。U作さんはそんな尾♀を抱き寄せる。「やはり貴女のお世話は私がします」「当主がすることではありませんよ。それにやはり俺は価値がないのでしょう」価値がないから大事にされないのだ。

2023-07-17 12:10:55
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「そんなことは御座いません」U作さんはすぐさま否定する。そして愛おし気に尾♀の髪に唇を落とした。「あぁ、でも姉様のことは隠していたい気持ちもあります」「どうして」「宝物ですから。宝物は取られないように隠しておくものでしょう?」そういうU作さんの顔はまるで幼子の様に無垢に見える。

2023-07-17 12:17:37
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U作さんはそのたくましい腕で優しく尾♀を抱き上げる。「さぁ、朝餉にしましょう」その声はとても明るい。食べることも最近少し楽しい。U作さんが食べる姿は見ていてとても気持ちがいいから。 そんな日々のなか、ある日尾♀が目を覚ますと布団に冷たい感覚がある。なんだろうと布団をめくる。

2023-07-17 12:20:40
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ひ、と尾♀は声を上げる。布団は真っ赤に染まり、尾♀の寝巻も真っ赤だ。どこか怪我をしたわけでもない。ただ何となく腹が重く痛い。なにが、と思いながらもまずはこれを隠したい自分を隠したい。そう思って立ち上がって部屋を移動しようとするとぽたりぽたりと血の跡が尾♀の痕を残した。

2023-07-17 12:26:27
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U作さんは尾♀がいない、そして血で変色した布団や滴った血痕に慌てて尾♀を探す。どうやら屋敷を飛び出したようだが、道の途中で血痕は無くなっている。まさか人さらいに?とU作さんは必死で探す。もし山の方に行っていればその血の臭いで獣に襲われる可能性だってある。使用人総出で探すこととなる。

2023-07-17 12:38:53
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U作さんが町の医者がいるあたりまでやってくると、牛山という道場を経営している男がいた。「花沢の坊、そういやお前のとこの姉さんは大丈夫か?」「あの、その、姉様が!」牛山は父の追放などで世話になった男でもあるし、尾♀の正体も知っている。尾♀が居なくなったと言えば、はて?と首を傾げた

2023-07-17 12:40:32
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「姉さんなら、家永のとこにいたぞ?」という言葉を認識した瞬間U作さんは走り出した。家永というのは数年前に街にやってきた腕のいい医者だ。女の様な格好をしているが、牛山よりも年上の爺らしい。U作さんはそういうものなのだろうと家永の見た目について考えることは止めている。

2023-07-17 12:51:22
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何度か尾♀を見てもらったこともある。いわばかかりつけ医のようなものだ。尾♀も不思議と家永には素直だった。U作さんが診療所に駆け込むと、家永がやってくる。「尾♀さんは大丈夫ですよ、とても美味し……いえ、とても元気ですよ」にこにこしている家永に案内されて病室に入る。

2023-07-17 13:03:43
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そこには鉄器で沸かした白湯を飲んでいる尾♀がいた。姉様!と抱き着く。U作さん?と尾♀はきょとんとしている。心配したんですよ!というと、尾♀はもじもじと視線を下げる。家永がにこにこして「おめでたい事があったんですよ」という。U作さんはそこで初めて尾♀が初潮を迎えたことをしった。

2023-07-17 13:08:04
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U作さんは嬉しくなった。これで尾♀と夫婦になれると思った。「私の子を、産めるのですね」とにこにこ言う。若干家永の顔が引きつったが、尾♀もぽうっとしたまま頷く。家永はそんな二人を見て、胎盤を貰おうと決心した。それに尾♀が薬を飲まされていたことも鑑みて、面白い観察ができそうだ。

2023-07-17 13:11:38
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U作さんが尾♀を連れて帰る。「姉様、家でゆっくり休みましょう、身体に障りがでてはいけませんからね」U作さんの頭の中には尾♀を屋敷にずっと留める算段が出来上がっていた。だって、尾♀にはそもそも行くところなど無いのだから。子も沢山産んでもらおう、そうすれば屋敷から離れられない。

2023-07-17 13:17:31
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U作さんのその笑みを見て、尾♀もにこりとほほ笑んだ。女として、少しでもそのちぐはぐさが消えてくれれば、嬉しいと思ったから。「姉様、何か食べたいものはありますか?」「ん、金平糖が良い」「もっと栄養があるものも沢山食べましょうね!」何となく話がかみ合わないけど、通じ合う二人だった。END

2023-07-17 13:19:11
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まとめたひと
にじかれー🦄🦛🐰🐉🌸🐈 @nijikare2

かれーの二次垢。krad/🐰🐉/勇尾/源頼光推し推し FGO/チェリまほ/特撮/金カム 女体化好き ネタバレは容赦なく フォロバ希望の方はリプください 昭和と平成をまたいで令和で生きる年齢18↑ 鍵垢→@kastukare