「サントワ・マ・ミー」のif。 「○○しないと出られない部屋」こちらの話を読んでからでないと成立しないと思います💧神様が別の動物だったらというお話。パラレルと思っていただければ。
0
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

結婚一年半で元カノとよりが戻ってしまい、子供までこさえてしまったとogt。浮気相手である女を連れて、自宅のリビングで嫁と離婚の話し合いをしていた最中、原因不明の地震が怒り、三人は閉じ込められる。三人のスマホには一様に怪しい文面が。

2020-06-07 00:12:00
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「まことをもって やまのかみにいどめ ひらくはかちどき あるいはゆるし……」 色んなことがありすぎて、泣き腫らした顔と掠れた声で、嫁がその文章を声を出して読む。 「なんのこと……?」

2020-06-07 00:17:12
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

その時、嫁のスマホが鳴動する。画面に出た文字に、嫁は首を捻った。「厨房へ私だけ、来い……?」「何よそれ?!あなただけ出られる、とかいう話じゃないわよね?!一体何なのこの状況は!?」「誰からだ?」 「わからない」と嫁。「とにかく、行ってみるしかないみたい」そう言って、すたすたと

2020-06-07 00:17:12
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

嫁はリビングを出ていく、心配になってogtも後を追おうとするが、キッチンへ続く扉は、鍵もないはずなのに開かない。しばらくして、キッチンから「いやああああああ!!!!」とか、「なんじゃこりゃああああ?!」などと、今まで聞いたことも無い嫁の叫び。それに震え上がる元カノ、慌ててさらに力を

2020-06-07 00:17:13
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

込めてドアを開けようとするogt 。しばらくして嫁がリビングに戻ってきた。しかし……。 さっきまでの弱りきった様子から一転し、目の中に力が、拳に闘志が宿っていた。まるで、中身だけが別人になってしまったかのようだった。「待たせたわね」

2020-06-07 00:17:13
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

そして、やはり今まで聞いたこともないような漢前な声と顔つきでこちらを見た。ogtと元カノに対し常に怯え、涙に濡れていた視線が、今は汚物を見るときと同じものに変わっていた。 「夢主……?」「なによ」どうしたんだ……?お前……?」嫁は、「へっ」と、横を向いて鼻で笑った。

2020-06-07 00:17:13
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「そんなの、もうどうでもいいわよ。それより、ここから出る方法がわかったわよ」夢主は言う。ここで、ogtと元カノは山の神に挑み、これに打ち勝たねばならないと。もうひとつは……「もうひとつは?」「山の神の赦しを得ること」「何よ!?山の神って?!」夢主が、あの汚物を見る眼差しで女を射抜く

2020-06-07 00:17:14
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「正妻。本妻。つまり、私のこと。山の神って、昔からいうでしょ?知らない?そんなに綺麗で頭良さそうなのに、案外ものを知らないのね」「ちょ……?!」あまりの豹変ぶりに、さしもの女もたじろいだ。「例え、妻を裏切った夫だろうが、それを寝とった女だろうが、怪我させるのは忍びないから、

2020-06-07 00:17:14
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

勝負は、これで決めるわ」 リビングの小さめのテーブルに、ハリセンとヘルメットが、いつの間にか用意されていた。 ogtと元カノは、嫌な予感に互いの顔を見合わせた。

2020-06-07 00:17:14
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「その名も、“叩いて守ってジャンケンポン!!”」

2020-06-07 00:17:15
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

スペキャ顔の二人に、夢主はニヒルに笑う。「ふっ、甘く見てはダメよ。私は、町内会での“叩いて被ってジャンケンポン!!」15年連続チャンピオンなんだから。高校受験で引退したけど、もし全国大会があったら、絶対に優勝する自信がある」凄い自信だった。……妻の、意外な過去を知ったogt……。

2020-06-07 00:17:15
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「でも、素人相手だもの。ハンデを上げる。元カノさんは、私から一本でも取れたら許してあげるわ」元カノの、絶望的な表情が、ぱっと明るくなった。一本くらいなら取れるだろう、そう顔に書いてあるようだった。ogtは二本に決まった。

2020-06-07 00:17:16
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

しかし、これが強い強い、先に挑んだ女が、座布団に座って夢主と互いに向き合い、ヘルメットとハリセンを脇に置いて戦うのだが、女は夢主のジャンケンに勝てなかった。ヘルメットも間に合わず、神速のハリセンが彼女を襲う。結局、10回中10敗した女は、「ママやパパにも叩かれたこと無かったのに」と

2020-06-07 00:17:16
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

泣き崩れた。次に夢主に挑んだogtだったが、嫁はまさに本気を出してきた。かつておっとりとしていた動作は肉食獣、優しく光を湛えていた瞳は猛禽類のそれと化した。ジャンケンに勝っても防がれ、負ければヘルメットを手にするまでに顔面に、鼻が無くなるのではないかと言うほどの鋭い一撃を食らった。

2020-06-07 00:17:16
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

しかも、その間、ずっと呪いのように言葉を浴びせられた。「あんなものを信じた!!誰とも知らない人からの、こんないかがわしいものを信じたんだ!妻の私よりも!裏切り者!裏切り者!私が下手だから、性|の|不|一|致が理由とか思ってた私が、ただの馬鹿じゃないの!!馬鹿ばかバカーーーー!」

2020-06-07 00:17:17
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

やがて、ogtもまた、0勝0敗のまま、殺虫剤を食らったゴキブリよろしく後ろにひっくり返った。まったく歯が立たなかった。「なんでよォ〜!?なんでここまで……?!わざと負けてくれても良いじゃないのォ〜?!」女が真っ赤になった鼻を押さえながら泣き叫んだ。 「嫌よ。言ったでしょう。あなた達は

2020-06-07 00:17:17
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

山の神である私に勝つか、赦しを得るかしないと、ここから出られないのよ」……冷たい声だった。「奥さま、ごめんなさい…!私が身を引きます…!もう百之助には近づきません…!だから……」「百之助って、呼んでるんだ」「あ、お、尾形さんとは別れます…!!」「あら?赤ちゃんは?どうするの?

2020-06-07 00:17:17
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

父親のない子供は可哀想、あなた、そう言ってたわよね?」「あ、赤ちゃんは…嘘です。妊娠なんか、していません…。そう言えば、奥様が別れてくれるかと思って……だから、わたしを出して!ここから出して!こんなところで死にたくない!」「あら、命までは取らないわよ?食べ物も飲み物も、

2020-06-07 00:17:18
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

欲しいだけ出してくれてるわよ。正体不明の主は。…出られないだけで」わああ、と女の泣き声が激しくなった。「あなたは、私の居場所を壊したの。大切に育てていた箱庭、宝箱を収めてた場所をね。許さない。何より、それよりもね、キッチンで見せられた、○○興信所の、写真付きの

2020-06-07 00:17:18
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

“あれ”について、あなたは心当たりがあるんじゃないのかしら?」「し、知らない」「そ。じゃあ、2回戦始めよっか」……ルール。試合いは、二人が山の神に挑むか、山の神から挑まれるかで始まる。山の神から挑まれた場合、断ることはできない。一度断るごとに、5歳年老いる。「いやあ!許してぇ!」

2020-06-07 00:17:18
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

夢主は、女の首根っこを捕まえると座布団の上に座らせ、第二回戦に突入した。ビシバシ女が叩かれる。試合を意味無く横から止めれば、10年単位の若さを奪われると予め言われていたので、ogtも手を出せない。あああああああ!!!!女が顔を真っ赤に腫らして、ダウンした。

2020-06-07 00:17:18
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「続いて、第三回戦……」夢主が言いかけた時、女がやにわに復活し、逆転の意気を見せるかと思われたところ、いきなり髪を振り乱して、女は土下座した。「あの、奥様の偽の浮気資料、私が業者に作らせて、旦那様宛てに、送りました……」夢主の目から、どっと涙が溢れ出した。「百…旦那様が、

2020-06-07 00:17:19
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

欲しかった。尾形さんより 前夫を選んで結婚したけれど、上手くいかなくて。そうしたら 仕事の関係で夫と招かれた、上司の娘であるあなたと、尾形さんの結婚式を見て、後悔したの。彼と、別れるべきじゃなかったって。私の方が、彼を愛し…」バチン、と、夢主が自分の手の平にハリセンを当てた。

2020-06-07 00:17:19
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「嘘はいけないわ」「ひぃっ?! わ、私の方が彼に相応しい。たった数年で、彼は出世コースに乗ってた。欲しくなったんです」夢主は、肩を震わせて、長い長い息を吐いた。「もう、本当に…彼には近づかないから……!!」「もういいわ、出ていきなさい」夢主は、涙を手の甲で拭うと、

2020-06-07 00:21:45
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

ドアの方を指さした。「顔も見たくない」「ああ…ああ……!!」女は立ち上がると、泣きながらドアから走り出た。少しして、「出られた!!」という喜びの声とともに玄関ドアの閉まる音がした。

2020-06-07 00:25:25
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「なんで、一緒に逃げなかったの?」てっきり、慌てふためいて走っていくとばかり思っていたのに、と彼女は笑った。「彼女に騙されたからと言って、私はあなたを許さないわよ。この二ヶ月、触れることも口を聞くことも許されず、作ったものも口にしてはもらえず、ひとりぼっちになったこの箱庭で、

2020-06-07 00:27:01
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

あなたの帰りを待たなければならなかった理由が、そんなことだったなんて」泣きながら、夢主は笑っていた。「私に悪い所があれば直すからって、縋った私を、ずっと無視したよね。せめて理由を話してくれたら、絶対に違うって証明して見せた。私の顔をくっつけた、あの酷い写真、よく見たらわかったはず

2020-06-07 00:27:48
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

私の右胸には蝶々に似た形のアザがあるし、右の太ももにホクロだってある。そんな女だと思ってた?百さんだけじゃ飽き足らず、昼間に男を漁るような女だって。あの女は許せないけど、あなたが一番許せないわ」 でも、もういいの。夢主が、空中に右手をかざすと、何も無かったところから、ヒラヒラと

2020-06-07 00:28:28
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

一枚の紙が降ってきた。…離婚届だった。しかも、書いた覚えのない、尾形の名前が彼の筆跡で記入されていた。「ゆ、夢主……!?」「別れるべきよ。私たち。お互い、自由になって好きな相手と一緒になる、それが幸せだって、あなたも言ってた」叩かれている間の言葉に、実の所はogtも、

2020-06-07 00:29:10
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

嵌められたのだと思い始めていた。夢主は、嘘をついていないと。だから……。「別れたくない」「…今さら」「ああ、本当に悪かった。本当に馬鹿だった。許されることじゃない。どうしたら償える?お前の傍にいられる?俺は、別れたくない……」夢主が肩を竦めた。

2020-06-07 00:30:03
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「私に勝てたなら。一度でも勝てたなら……あなたを許すわ」この展開でも、始まるのは“叩いて被ってジャンケンポン”だった。

2020-06-07 00:31:20
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「叩いてかぶってジャンケンポン!」バスッ!「百さんの負けの負け」「叩いてかぶってジャンケンポン!!」ボコッ!「何よ、じゃんけんさえ勝てないじゃないの」全国大会があれば優勝していたと豪語するだけのことはある。決して運動神経は悪くない――むしろ、良いはずの彼は、再び夢主の連打を受けて

2020-06-07 00:32:09
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

いた。だが「これで最後よ。よく頑張ったわ。あなたは」アニメに出てくる好敵手のように、夢主は慈悲深く微笑んだ。最後の一戦だった。これに勝てなければ終わりだ。しかし……奇跡は起きようとしていた。ジャンケンに勝ち、ogtに攻撃のチャンスが与えられた。「うそっ」しかも、夢主のヘルメットを

2020-06-07 00:33:34
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

とるタイミングがズレた。思わず目を閉じる夢主。ogtのハリセンが、夢主の顔面に炸裂するかと思われた時、何故か、ogtはぴたりと手を止めた。…その隙に、夢主はヘルメットを被ってしまった。

2020-06-07 00:34:15
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「どうして、叩かなかったの?一度でも叩けば、あなたの勝ちだった」がっくりと肩を落とすogtに、夢主は穏やかに話しかけた。顔つきが、以前の優しいものにもどっている。「ずいぶん泣かせたし、くるしめちまったから、もう、痛い目に遭わせたくなかった」「…馬鹿」夢主は、目じりに滲んだものを

2020-06-07 00:35:05
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

指先で拭った。「あなたを許すわ」“えっ、許しちゃうの?!”「…ええ」目の前の、夢主の姿が歪む。いいや、この、牢獄となった部屋全体が、ogt自身が。「夢主、待ってくれ!行かないでくれ…!!」小さな世界は分解され、別の形に再構築されていった。

2020-06-07 00:36:04
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

“もうひとつの未来を”“優しい夢主のために”見知らぬ子供の声を耳にしたのを最後に、(夢主…)ogtの意識は遠くなった。

2020-06-07 00:36:50
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「招待は有難いのですが、もう夕食は済ませてしまいました。申し訳ありません。また、次の機会にでも」“それは…残念です。夢主はとても料理上手なんです。兄様にもご馳走したかった”電話の相手は、ogtの腹違いの弟だった。母と離婚した父が後に再び家庭を持ち、その妻が産んだ……。

2020-06-07 00:37:27
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

祝福されるべき二人の幸せな姿を、ogtは見たくなかった。何故なら、弟と結婚した夢主に、彼は密かに想いを抱いていたから。ついてないな…とogtは思う。夢主との縁談は、最初ogtにと紹介された話だった。上司の知人の娘。受ければいろいろと有利なこともあるだろう。だが、箱入り娘と話だけ聞いて

2020-06-07 00:38:16
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

面倒になったのが間違いだった。話も合いそうにない、高慢なお嬢様とばかり思い、写真も見ずに、仕事に忙殺されていることを理由に、しかし、決して角が立たぬよう……弟にどうかとそちらに振ったのだ。気に入らなければ、断ってもよい、兄の顔を立てて会って欲しいと言うと、お役に立てるならと

2020-06-07 00:38:58
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

代わりに縁談を受けたのだった。まさか、弟が彼女を気に入り、互いに意気投合するとは思わなかった。紹介され、あろうことか一目惚れしてしまったのだ。後悔のあまり、弟に殺意を抱くような瞬間だった。目の覚めるような美女というわけではなかった。笑顔が可愛かった。声が優しく穏やかで……。

2020-06-07 00:45:46
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

どうにか、横入りできないかと努力はした。だが、二人の結び付きは固く、つい先日、とうとう夢主は、弟のuskの妻となってしまった。結婚式に呼ばれ、愛らしいウェディングドレスに身を包んだ夢主を目にするのは辛かった。uskに変わって、新郎の場所に立ちたかった。…情けなかった。自分に、誰かを

2020-06-07 00:46:31
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

好きになる気持ちがあると知ったことも驚きだった。空になったコンビニ弁当の容器をレジ袋に適当に捨て、ビールを片手にベランダへ出た。人工芝を敷いて、ベンチを置いたベランダ。夢主が、uskとの新居でそうしているのだと笑っていた。夜景を見ながらそこで飲むビールは最高ですよ、とuskも微笑む。

2020-06-07 00:47:36
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

楽しそうだと、後日真似てみたものの、夜景の美しさもビールの味も、一人で味わうのはつまらなかった。ベランダの柵にもたれていると、わけも分からず、喪失感に胸がいっぱいになった。与えられてもいないものを、何故か失ったと感じている自分が不思議だった。

2020-06-07 00:48:14
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

勝手に頬を伝ったものが、緑のプラスチック製の芝生に落ちた。ビールをベンチに置くと、スウェットの尻ポケットからタバコを取り出し、咥えた。

2020-06-07 00:49:09
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

「百さん、タバコを吸う人だったの?」その背中を眺めながら、夢主は独りごちた。ベンチに座り、その膝に小さな、子うさぎの姿をした神様を抱いて。「お付き合いが始まった頃、私、一度だけタバコが苦手だと話したことがあったの。……そう……私のために、やめてくれていたのね」小さなピンクの鼻を

2020-06-07 00:50:15
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

ぴくぴくさせた神主姿のうさぎ神は、屋上に小さな社をこしらえられた、その場所に祀られている神だった。何故そこに社がと言われてもわからない。ただ、あの部屋に閉じ込められた夢主に接触してきて、社で彼と別れたくない、理由を知りたいという彼女の願いを聞き届けたのだった。

2020-06-07 00:51:26
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

真っ白いからだ、円な赤い瞳、何故か可愛い口元の左右にピクトさんのような模様のある、変わったうさぎの姿。本来は子宝の神だという。「夢主の安産もきっと叶えようと思っていたのに」マンションにやってきた男女の頭の中身だけ…記憶を覗き込んだ宇佐美神は激怒し、夢主まで巻き込んだそれは、

2020-06-07 00:52:16
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

実は、神罰だったのだ。 そして、うさみ神は、夢主を苦しみから解放した上で、褒美としてもうひとつの世界線に未来を開いた。優しく誠実でハンサムな夫。彼なら、決して彼女を裏切らず、生涯愛し続けることだろう。でも、そこへ行く前に、夢主は夫だった男の行く末をどうしても目にしておきたい、

2020-06-07 00:54:43
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

そう彼に願ったのだった。 「それでも、彼は強いひとだからね。独りでも平気だと思うよ」「…そうね」「そろそろ、行こうか。幸せが待ってる」夢主が頷きかけた時、目の前の男が何か歌っていた。

2020-06-07 00:54:43
0
まとめたひと
ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

アホ夢書き。昭和の女で金カ夢の人。腐と夢のいろんなのを見たり書いたり用の垢。最近は本人よりよりほぜ尾が好きになってきた感。いや、今でも推しなのは変わらないんだ……。 まろ marshmallow-qa.com/yumejodego?utm…