この場にいる4人が共に抱いた抱負は、『一歩前進』いや、というか私達そう言っときながら毎年10倍くらい進んでない? 「おーい、そろそろだからあれやるよー!」 呼ばれた。年越しを跨ぐサークル恒例行事の時だ 「はじめの…」 さぁ、行くか。未来へと進むために、ね 「いーっぽ!」
2018-12-29 22:01:15ドライブ中にラジオのニュース。事故、殺人、政治家の汚職、遠い国の貧困と戦争… 君は、可愛らしい唇を尖らせた。 「難しい顔しないで!キミはね、私の事だけ考えていればいいの!」 そうするよ、と僕は微笑みを返した。 どんなにこの世界が残酷でも、君がいてくれる世界は愛おしいんだ。 #140字小説
2018-12-29 22:01:50○月 携帯を持つ雨宮ノノ(22)。携帯。月面を跳ぶピート(39)の姿。 ピート「ニールには小さな一歩でも俺には大きな一歩だ」 ○ノノの部屋 PC画面。原稿を見るノノ。 投稿サイトに感想『小説の続き見たいです』。 ノノ「月でなくても一歩前進した景色は美しいんだ」 微笑むノノ。
2018-12-29 22:01:5920時18分の列車を、君はホームで待っている。私の乗れない最終列車。一歩、一歩と前進しても、追いつけないのは夢だからだね。「便りを送るよ」と君は笑う。春は陽だまりに、夏は祭りの太鼓の音に、秋は高い空に浮かぶ真昼の月に、冬はココアの甘い匂いに、徴を残すから、どうかいつでも笑っていて。
2018-12-29 22:02:05お前と俺の関係が一歩前進したな、と思う出来事はいくつかあって。 そのたびにお前への気持ちが深まっていく。 『好き』でも『愛してる』でも足りない気持ちをお前はいつも受け止めてくれた。 今夜も俺に幸せをくれた愛しいぬくもりを抱き締めて眠りにつこう。 ねえ、好きだよ。 ……愛してる。
2018-12-29 22:02:08「いつ死んでもいい」と思っていた私が「もう少しだけ生きていたい」と思うようになれたのは間違いなく貴方のおかげで。 目には見えないけど大きく一歩前進した。 貴方の、太陽にも白雪にも見える笑顔は私の宝物だ。 普段は恥ずかしくてなかなか言えないその言葉をそっと口にした。 ──愛しています
2018-12-29 22:02:51「君の心なんて雪のように溶けてなくなればいい」口は災いの元、とはまさにその通りだ。寒い冬の二十時十八分。忘れもしない、言葉を放った後の君の顔を。言葉は一度届けば一生消えない傷になるのに。「あなたの心は既にないのね」そう言って離れた君と、再開できずにいる。一歩前進なんてできない。
2018-12-29 22:03:10ふと時計を見る。20時18分。良かった。21時には帰れる。家に着くなりキーボードを叩くけど、書かなきゃと思うと不思議と言葉が出てこない。今日は駄目か…天井を見上げたその時、急に瞼に映画の様に景色が広がる。これだ。消えないうちに掴んで、綴る140字。去年から一歩前進、書き始めた私の一コマ。
2018-12-29 22:10:0420時18分発の電車は事故で遅れている。到着までまだ時間がかかるらしい。ホームには片思いの彼と二人きり。これはチャンスのはずなのに、彼は文庫本に夢中で話しかける隙さえない。私はいつ来るかわからない電車を待ちながら、白い溜息を吐いた。私の恋は災い転じて一歩前進とはいかない。
2018-12-29 22:15:36”あなたには僕が見えるか?”と見ているライブビデオ。時計を見ると20時18分。順調に再生してる。 今年ももうすぐ終わり。病に倒れることもあり、もうこの先永くないんだろうなと思わせることもあったけど、このライブ見ていたらこの先も明るいよなと感じたり。また来年からも一歩前進できるといいな。
2018-12-29 22:19:03放課後 先生に怒られて、とぼとぼしながら下駄箱に向かうと、なんの災いか土砂降りの雨が降ってきた。 学校に置いておいたジャノメの傘を差し、帰ろうとすると、君が入ってきた。 お前の傘ちっさいな うっさい 相合傘だな それで? ちょっと、恥ずかしいかも ...私も 言えない。君が好きなんて。
2018-12-29 22:21:05彼女は夜8時過ぎに死んでしまう。 何度も繰り返す悪夢のように、俺は彼女を守る一心で運命の選択肢をずらしてゆく。 呪いか何かだと嘆いたが、20回を超える頃に気づいてしまった。 「頼むから、やめてくれ!」 「こうするしか無いのよ…あなたに災が起こる」 彼女は崖から一歩踏み出してしまう…
2018-12-29 22:24:53対価に鈍感過ぎたのかもしれなかった。君は片皿に溢れるほど重りを載せて、載せて。僕はいつも眠ってばかりいたから天秤の支柱は曲がってしまった。こぼれた重りは災禍でしかなくて、忘れもしない20時18分、君とさよならしたんだ。一歩前進なんてまだ思えないけど、君が潰れてしまわなくてよかった。
2018-12-29 22:28:55私は20時18分までにこの世を去る。 そう決めた。 何度も繰り返す悪夢、彼が死んでしまう災いの連鎖が……。 200回を超えたところで気づいた。 私がこの世を去れば彼は生き残る。 そして、幸せになる。 幸せになってしまう。 崖の前で最後を見て貰おう。 悲しい思い出でもいい。 私を残して……。
2018-12-29 22:30:27がばっと布団をめくる。 涙が溢れる。 また、死んだ。今度は男の子だ。 追体験する悪夢、恋人達が死にゆく映像はこれで2000回を超えた。これは厄災、私は悪い子… 時計は20時18分を、今超えた。 あの二人が超えられない時間。 私はまた眠る、二人を幸せにさせるために。 一歩ずつ、命をかけて…
2018-12-29 22:37:17我が部隊は20時18分を持って敵に突撃る。その命令から長い時間が過ぎた。「突撃!」双方から放たれる機関銃の嵐の中、一歩一歩前進していく。「災難だと思って受け取りな」手榴弾をトーチカへ投げ込む。ボンっ。鉄兜に石の当たる音。頭を上げると手榴弾を握った敵の腕。 #深夜の真剣140字60分一本勝負
2018-12-29 22:55:06