ランチボックス 1

ぽんぽこタヌキ玉 @tanukidego

#金カ夢　#ogt 前に書いたものから、設定を変えてみたらこんな話に……。おふざけで書いてるのでアホ話になります。

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ogtと同棲して三年目。夢主がふテレビのCMを見ていると、可愛いお弁当を作る若い母親の姿が。今までは何とも思わなかったのに、ふと胸がきゅんとした。実は夢主、仕事はできるが料理が壊滅的に下手。簡単なものなら食べられるものを作れる。スクランブルエッグとか、ハムエッグとか…玉子を焼くだけの

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いわゆる朝食メニューがやっと。料理はogtの方が上手いが、一生彼に作らせる訳にも行かない。将来結婚して、子供のお弁当まで彼に作らせるのはどうなのと思い立つ。ちょっと複雑なものを作ると、何故か食材を暗黒物質（ダークマター）へ錬成してしまう彼女。これでは先で生まれてくる子に悪い…

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今までは惣菜や弁当を買って済ませていたし、珍しく手がすいた時などは恋人が作ってくれたりもした。でも、そろそろogtが話題の端々に結婚を意識させるワードを混ぜ始め、彼女も照れくささを感じながら、先の段階に進む頃なのだと思い始めていた。このまま暗黒料理界（ogt談）の名を甘んじて

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受け入れていてはおんなが廃る。それに、再来月は二人が付き合い始めた記念日でもあった。去年は仕事に追われ、ogtが予約してくれた一流ホテルでのディナーをすっぽかして、彼をガッカリさせてしまった前科もある。後で埋め合わせはしたものの、今年は自分が手料理で盛り上げよう、と思いついた。

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前回ガッカリさせた分、ogtを驚かせかつ、喜ばせたかった。以前から彼にお願いされていたことをＯＫしようとも。その準備をしながら、夢主は彼に内緒で料理教室を申し込んだ。仕事をしながら通うのは大変だったが、記念日までに振るう料理の腕を手に入れるためなら、それも苦にならなかった。

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今度こそhyknskを喜ばせるのだ。去年の、何も言わなかったが落胆した彼の様子を教訓に、どんなに疲れていても自分を奮い立たせ、一日も欠けることなく通い続けた。仕事が繁忙期に入り、料理教室を兼ねての生活は自然と彼との時間を削ることになったが、全ては、彼の自分の良き日のため。傍から見れば

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ちょっと引くほどの情熱だった。その甲斐あって、入会当初は“キッチンのテロリスト”と異名で呼ばれた彼女も、恋人に美味しいものをという想い、向学心と努力、そして講師の血のにじむような覚悟を込めた指導により、その腕前は見違えるほどに上がっていった。「その熱意があれば　 、さらなる高みを

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目指すこともできるでしょう。今の貴方なら、ありとあらゆる食材を究極の味まで高める秘伝を得る資格が」「あ、いえ。一般的な家庭料理を作れれば……」「え？そんな。やっと私の代で真の伝承者が」「普通のご飯でいいですから！！」謎の美人講師iengによる、闇の料理界への誘いを我知らず断った彼女は

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来るべきXDAYを目指し、最高の記念日にすべく、着々と準備を進めていたのだった。男の帰りが最近遅く、時にその日のうちに戻らないことも、自分と同じように仕事が忙しいのだろうとしか思わなかった。ogtがこの不自然なすれ違いを怪しみだし、彼女の浮気を疑っていようとは、もちろん思わない。

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その隙に近づいている女がいることも。 そして、待ちに待った記念日。彼女はogtの住むマンションで、この日のために磨いた料理の腕を存分に振るった。ogtの好きなものばかりを作った。ご馳走をデーブルに並べ、柄にもなく部屋に花を飾った。ogtが今日仕事だったのは幸いだった。サプライズは完璧。

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髪も肌もこの日のために磨き上げて、しかも、今日の下着は、ちょっと凄い。なんと言っても本気度が違う。ogtはあまり表情の変わらない男だが、さすがに驚くだろうし――多分、絶対に、喜ぶ……と思う。考えてみたら、こんなに彼に会うのに胸を高鳴らせるのは久しぶりかも……。

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そんな、幸せな気持ちも、ogtが女連れで帰るまでの話だったが。

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「……いつから？」と真顔の夢主。彼女より三つ若い、今年彼と同じ会社に入ったという綺麗な娘が、たじろぎながら答える「……二週間前から、です……」「ふ〜ん？記念日に女連れで戻ってくるとはいい根性よね、hyknsk〜」「はは、てっきり新しい男と一緒にいるもんだと思っていたからな｣彼女の恋人は

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悪びれもせず、見慣れたツーブロのほつれた前髪を後ろに撫で付ける。「何それ。それにこの子、前に遊びに来てたusmくんの彼女でしょうが。そっちこそ、何で手を出してんのよ」彼は悪くないんです、と口を挟む小娘が疎ましい。「nmくんとは最近、上手くいってなくて……ogtさんに相談させて

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もらっているうちに、こんな事に……彼女さんには悪いことを」なんだ、こいつよくある“相談女”じゃないの。よりによって、恋人がこんなんに引っかかるとか、悪夢か。ハイハイそうですか。……ここひと月以上の努力はただ無駄な時間に終わったのを夢主は悟った。でも、ここで泣きながらただ撤退するのは

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悔しすぎる。「ご飯食べる？」とogtに訊けば、「いや、いらん。食べてきた」ああ、食事もすんで、これから寝室で楽しもうって感じかぁ。彼、いつもその手順だものね。私と付き合い始めもそうだったし。「あ、そう。じゃあ、私だけ食べるね」二人の目が点になる。この流れで行けば、普通は怒り狂うか、

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悔し泣きしながら出ていくものだと思っているのだろう。夢主がダイニングキッチンへ入ると、二人がけのテーブルの上に所狭しとご馳走が乗っていた。忙しい最中に時間を割いて料理教室に通ったのは、こんな結果を望んでのことではなかった。泪が出そうなのを堪えながら、夢主は一人で食卓についた。

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本当なら、向かいには驚く彼がいて、記念日を祝い、乾杯をしている予定だった。震える手でワインの蓋を開けた。この日のために用意した、奮発した葡萄酒をグラスに注げば、それは彼女の心臓から流れていくものに見えた。普段酒類は絶っているが、晴れの日に少しくらいと思っていたのだ。

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でも、今は味がしない。「……今年は忘れてなかったのか。何も言わないから、てっきり……」「忘れたのは貴方よ。今日、ここでご飯食べようって、ひと月まえから約束してたのにさ」二杯目を飲み干す。「彼女と食べてきたんだ？それで、これから、締めはここでS|E|X？　悪かったわね。邪魔して」

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酔いが回ってくると、何もかもどうでも良くなってきた。「去年、すっぽかしたもんね。hyknskが頑張って予約してくれたあのお店、あれから全然予約が取れなかったよね。本当に悪かったと思ってるよ」冷め始めた料理に箸を伸ばし、一番の自信作を取った。隠し味にオイスターソースを使い、彼の苦手な

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椎茸を抜いて、代わりに舞茸を入れて包んだ春巻だった。しかも、皮から作ってある。揚げ物は今でも少し怖いが、ieng先生に相談して作ったレシピは完璧だ。カリッと揚がった皮を噛み砕くと、口の中に熱い肉汁が舞茸の香りと共にじゅわっと拡がる。音と味と食感が同時に楽しめるのが春巻きの醍醐味だ。

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このトマトをくり抜いて肉を詰めたファルシ。スパイスの配合を何度も間違えて、試食した料理教室の生徒たちを辛さに悶絶させたスパイシーチキンも、終わり頃には絶賛されていた。色々作ったのに……。色とりどりの野菜サラダ、冷蔵庫にはデザートに日本酒を使ったジュレ。……ほんと馬鹿みたい。

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「えらく豪勢だな……。何処の見せだ？」「ありがと。みんな私が作ったんだよ」彼女は言った。「サプライズなんてするものじゃないね。記念日に美味しいものを作ってあげたくて、料理教室に通ったの。……男なんて作る間あるか」旺盛に料理をやっつけながら、いつの間にか夢主の頬を涙が伝っていた。

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「お前が、これを？」ああ、その台詞、違うシチュエーションで聞きたかった……。「入ってくるな！」ダイニングに入りかけた彼を、夢主は兎のようになってしまった赤い目で睨みつけた。「食べたら出ていくから。もう二度と姿を見せないから安心してちょうだい。一歩でも、入ったら食ってやるから！」

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「ogtさん、行きましょう？この人怖いです……」ogtの新カノが夢主の様子が変わっていくのに怯えて口を挟むが、ogtは構わず夢主がふんぞり返りながら、傲慢な女王然として食事をしているところへ入っていく。 「食われたいの？」「……やってみろよ」ogtは言う。「酒、強いんだな。知らなかったよ」

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「今まで、あなたの前では飲まなかったものね」何だこいつ。しれっとした顔してさ。私が今どんなに惨めで、馬鹿馬鹿しくて、死ぬほど腹を立ててるか知ろうともしないんだろうな。リビングで心配そうにこちらを見ている彼女をちらりと見て、夢主はため息をついた。冷める。料理も私も。何が悲しいって、

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どうせ乗り換えるなら、もっと私が敵わない、貴方を奪われても無理ないと思わせるような女にして欲しかった。こんな相談女……。酒も料理も、ぐっと苦くなった。聞き逃してないわよ。usmの彼女と私は言ったのに、こいつnmくんとは、と言ってなかった？情けない情けない。私の愛した男が、こんなのに

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捕まるなんて。情け容赦なく相手をジャッジしてるうち、ついにワインの瓶口からは一雫も出てこなくなった。足りない。足りない。この怒りと、破れた三年越しの恋心を繕うものが。ogtがその辺でやめておけと伸ばした手を夢主は振り払った。用意したお酒も、料理も、プレゼントも私も、みんな、みんな、

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無駄になってしまった……。次第に意識がぼやけ、涙にくもる目の前がぐるぐる回り出した。嫌い、嫌いだお前なんか。こんな、仕返しみたいに女作ってきてさぁ。料理、残ったら捨てて帰ろう。本当なら今頃、いい感じでこの人とイチャついてたはずだった。プレゼントを開いたところ、見たかったなぁ。

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不意におかしくなって、けたけたと笑った。大丈夫か、と彼が夢主の肩に手をかけた時、それが着火点となって、すべてが反転した。女の悲鳴。何かの壊れる音。拳の加わる衝撃。濁流のような涙と言葉。そして、そして……。

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数年ぶりに彼女は、“やらかしてしまった”

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寝室の窓辺に引かれたカーテンの隙間から、雀の鳴き声と一緒に、光が差し込んできた。「はぇ……？」ずきずきと重たい頭を抱え、夢主は汗にぬらつく身体をダブルベッドの上に起こし、しばらく放心していた。飲みすぎた。酒癖がひどく悪いから、何年も度を過ぎた飲酒は控えていたのに。ああ、そっか、

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振られたんだ。彼に。飲みすぎた理由をぼんやり思い出していると、新しい涙がまた流れ始めた。ああもう、やだやだやだやだやだやだ。顔をごしごし擦ってるうちに、周囲の様子がはっきり見え始め……彼女は小さく悲鳴をあげた。「ひゃ、ひゃ、hyknsk……？！」ごくりと息を飲んだあと、辺りを確認する

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見慣れたhyknskの家のダブルベッド。その主が、手錠に繋がれた手足を、ベッドの脚に固定されていた。……全裸で。かく言う夢主も、何も身につけていない。辺りに散らばるのは、いわゆる大人志向の玩具の数々。残らず使用した痕跡があった。男にしては色の白いogtの身体には至るところに噛み跡と

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キスマーク。慌ててごみ箱を覗くと、ゴムを使う理性は残されていたことが分かって、夢主はほっと息を着いた。いや、安心してる場合じゃない。何があった……？　眠っている、というより気を失ってるらしいogtの口元にはご丁寧にボールギャグまで咥えさせてあった。

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身体には、はっきりと“致した”感が残っていたから、これをやったのはどうやら自分らしい。次第に頭が冴えてくると、昨日の惨劇を思い出してきた。「ああ……やっちゃった〜“サケバス”……！！」 ……酒は、飲んでも呑まれるな……。

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彼女は、飲酒を一定量を越えると、まるで媚薬を口にしたみたいに性|欲が増す体質だった。それがわかったのは大学時代、初カレと飲んだ時のことだ。最初の被害者である彼は、荒ぶる彼女に一晩中弄ばれ、搾り取られという。あまりの変わりように引かれ、自分には手に負えないと彼は去った。前の会社でも

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油断して飲み会でしくじり、送り狼を再起不能にした挙句悪い噂が立って居られなくなったという、笑えない過去があった。そこで付いた仇名が“サケバス”。酒を飲むと淫魔のサキュバスのように男を食うという、なんとも不名誉で中二病じみた、不名誉な呼び名だった。

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夢主は、あれから肩に手を掛けたogtに触るなと言って……それから？ そう、グーで殴ったのだった。右手が捻挫したみたいに痛いのはそのせいか。そうしたら、弾みでogtが後ろにひっくり返って、頭を打ったんだよね。夢主はそっとベッドから降りて、シャワールームへ移動した。汗と互いの体液に塗れた

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肌を熱いお湯に晒しながら、記憶を辿る。そういえばあの娘は？　ああ、そっか、追い返したわ私。倒れたhyknskの首根っこを掴んで、宣告した通り“食ってやろう”と思ったんだった。なんか喚いていたけど、ogtのスマホを見せて「ちゃんと別れてきた？どっちに電話したらいい？usmくん？それとも

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nmくんかな〜？誰に迎えに来て欲しい？」と脅したら簡単に逃げてった。根性足りないわ〜。大事な男なら身を張って守りなさいよ。それにしても、ありとあらゆることを試してしまった……。本当なら、ogtが私に使うのに用意したものだけど、結構辛そうだったな〜。される側でなくて良かったかも。

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昨夜は最初から泊まる気でいたから、着替えには困らなかった。寝室に戻り、まだ正気に戻らないogtの右手首の手錠を外し、その鍵を手の中に握らせ、身体に毛布を掛ける。あの時、途中で目が覚めた彼は最初、その状況を楽しんでいたものの、その責めが次第にエスカレートし、何度も彼女に貪られるうちに

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色っぽい喘ぎが息切れに変わり、余裕は哀願に変わり……それが彼女の“サケバス”の本性を燃え立たせてしまった。しまいにはその声が煩わしくてボールギャグを噛ませ、そうそう、悪ノリして通販で買ったソフトS|Mのツールの中にあった尿|道|プ|ラ|グを……ああああああやりすぎたああああ。思い出せば

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思い出すほどに、碌でもない自分の所業に頭が痛くなってくる。好きだったからこそ腹立たしく、憎たらしく、裏切られたことが辛かった。それは分かる。だがこれは我ながら引く。彼の上に泣きながら馬乗りになって、「私に飽きた？最後なんだからしっかり味わいなさいよ。玉がなくなるほど抜いてやるよ」

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とか言ってたなぁ……。あれ誰？…………私か。虚ろな笑いを浮かべつつ、例の“すごい下着”と昨日来ていた服を回収し、寝室とキッチンを片付けた。掃除が終わると、まだ目を覚まさないogtの、涙の跡を残す顔を眺めてから額に最後のキスをした。後で訴えられても仕方ないことをしたけど、もうどうにでも

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なれ、という気持ちだった。

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その日は休みを取っていたので、家に戻ってすぐ荷造りをした。もう、何もかもどうでも良くなった。仕事も、彼の事も。自分がいなくなっても会社はなくなるわけじゃないし、hyknskもあの女と好きにすればいい。最初にソフトS|Mやりたがったのが彼だと知ったら、彼女どんな顔するんだろ。彼女も

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そのうち、やってみたいとogtにねだられるのかもしれないけど、まあ、それも好きにすればいいわ。実家に電話して、郷里に戻ることを告げると両親は喜んでくれた。会社には親戚の訃報をでっち上げて休みを延長した。そのうち家庭の事情を理由に退職願を送ることになるだろう。好きな仕事だったが

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もうこの土地にいたくなかった。