#twnovel 君の唇から落ちた星の礫(つぶて)が、僕の額を割った。滴る血で、ぬるりと指が滑る。君の頬には、まだ煙を上げている僕が放った流星の軌跡。僕たちは繰り返す。開けたてのサイダーみたいに、ちりちりと舌を焼く、愛の言葉を。僕を誰より傷つけるのは君、君を誰より傷つけるのは僕。
2021-11-13 21:57:23#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite ) ①サイダー ②落星 ③ぬるり ノベルバー企画で連載中の 「拝啓 十二月の私へ」 twitter.com/330_ishimori/s… の番外編みたいになりました。 Day1の人です。メイン主人公です。 #twnovel #140字小説 twitter.com/330_ishimori/s… pic.twitter.com/ml59QvMKmY
2021-11-13 22:00:10#novelber 企画 「拝啓 十二月の私へ」 十一月三十日未明、流星群が降り注ぎ世界は滅亡する。 140字連作掌編。 画像形式で一日一話更新。 文字版はこちらから twitter.com/330_ishimori/s… #twnovel #140字小説 pic.twitter.com/yH3njTXcX3 twitter.com/Fictionarys/st…
2021-11-01 11:35:26サイダーの泡のように星々が砕けるのを私は見た。繰り返し、繰り返し、世界が悲鳴を上げて壊れる様を。 住民が消え、街は落落晨星と沈黙している。息子はもう寝ただろうか。クリスマスプレゼントは、また渡せないのだろうか。ぬるりと生々しく涙が頬を伝う。もうじき明々と燃え盛るであろう闇を睨む。
2021-11-13 21:05:13ぬるりとした暑さが体を包む。 「ぬるりとした寒さだとホラー……」 なんて呟きながらラムネをかみ砕く。ブドウ糖美味しい。 「――ああ、やってくれたんだ」 空から落星。 地球を支配しようとしていた宇宙人達の星を壊しに行ったのは私の友人だった。魔法少女凄いとなりつつ、 「帰ったらパーティだね」
2021-11-13 22:03:45ふかふかのクッションに、トランプにポテチにサイダー。パジャマパーティーに欠かせないアイテム。恋バナをしながらの神経衰弱はエンドレスで、ババ抜きのジョーカーはいつまでも踊る。しゃべり疲れて横になると、健やかな友の寝息が聞こえる。#twnovel 私は溜息。同じ人が好きなんて言えなかった。
2021-11-13 22:04:07少女一人、落星の丘。 こんなタイトルがつけられたおとぎ話は、人ならざるものに恋した少女が、最後は星になってしまった相手を思いながら、流れ星の降り注ぐ丘の上で涙を流すお話だ。 「…なんていうふうに、いつの日か語られたらいいな」 星のような涙を零し、少女は笑う。尾を引く星を瞳に写して。
2021-11-13 22:05:34『星屑を拾いに行こう!』都会から越して来た僕を誘ったのは元気のいい少年。からかわれたのかと思い「そんなのない」と返事をすると、気にした様子もなく笑顔でついて来いと言ってくれた。#twnovel 『落星川には昔、星が落ちたんだって』彼は川原にある輝く石を僕にくれた。それは、今も僕の宝物だ。
2021-11-13 22:06:31人里離れた一軒家で闇鍋をすることになった。韓国の落星垈出身の美女も参加しているらしいが、懐中電灯だけでは誰が誰だか分からない。 「サイダーはゲップが出るからなぁ」 天井から声がした。 「旨そうな参加者ばかりだな」 驚いた私は、壁に寄りかかる。ぬるり、とした感触。 ダメだ、人喰い家だ。
2021-11-13 22:07:04舌がピリリとするサイダーは嫌いだ。攻撃的すぎる。私はねっとり絡まる果物のジュースの方が好き。 「最後なんだから飲んでみなよ」 今日どっかの星がどっかに落ちてくる、らしい。こののんきな親友のせいで、私も随分のんきな性格になった。 「まあ、一口なら」 ピリリ。 やっぱり嫌いだ。何もかも。
2021-11-13 22:07:08ぬるり。冬になろうとしてなれきれなかった風が頬を撫でた。自販機に150円を入れて140円のコーンスープのボタンを押す。がたんガタンと音がする、どうせならもっと綺麗な音がすればいい、知将が死んだ時落ちた星みたいに。空を見上げた。4階の廊下に君がいた。僕はまだぬるいサイダーの泡の中。
2021-11-13 22:07:12#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite) #twnovel #140字小説 お題:落星 造語だと聞いたので『おちぼし』と呼んで川の名前にしてみました。子供の頃は石英風の石を拾っては、星の欠片だと言ってたものです。
2021-11-13 22:07:20◆ぱちぱちするからきらい。夏の、暑い記憶の中に響く少女の声。きらめくサイダーを押しつけて、はやく飲んでとせがむのだ。弾ける泡の、もっときらきら光るビー玉がほしいそうな。幼かった自分は彼女の言うことをなにも理解していなかった。おいしいぱちぱちを飲んで、いらない光をあげただけ。/創作
2021-11-13 22:09:11彼女は外した指輪をサイダーの中に落とした。燦然と輝く一粒ダイヤが落星のように沈んでいく。 「飲んで」 これは婚約指輪だと言っていなかったか。 愉しげに笑う瞳の奥に剣呑な光がちらつく。 言われるがままにグラスを取る。ハンドクリームを纏った指先が、結露した水を含んでぬるりと滑った。
2021-11-13 22:11:24#深夜の真剣140字60分一本勝負 ( @140onewrite ) お題「落星」 どうぞ宜しくお願いします! pic.twitter.com/Ax3KrQLr7v
2021-11-13 22:13:28陽射しが暑い。肌のぬるりとした汗の感触に気持ち悪さを感じハンカチで拭う。それから 近くの店でサイダーを買い、すぐに開けて一気飲みした。暑い日はこれにかぎる。しかし夜になると今度は寒さが襲う、この寒暖差にはほとほとまいる。 窓から空を見ると、今日は空の流星が美しいそんな落星の夜だった
2021-11-13 22:14:08開栓の途端、サイダーが勢いよく噴き出した。焦っているのに時間はゆっくり流れている。垂直に昇るグレープの液体は怒気を吐く噴火になり、宙に弾ける無数の泡は煌びやかな落星の発光を演じる。空のボトルを透る光だけが冷ややかだった。テーブルの半乾きを撫でた手がぬるりとしてショウは幕を閉じた。
2021-11-13 22:17:44「昔々落星が砕けて粉々になったものが星の砂なんだよ」 海辺で姉の星の砂あつめに付き合わされてる時、急にロマンチックなことを言い出した。 姉はサイダーの中に星の砂を入れて、勢い良く振る。ペットボトルの中で泡が勢い良く弾けて、小さな星の海のようだった。
2021-11-13 22:19:26部活動を終えた僕は、高校から自転車で自宅のほうへ帰る途中で公園へ寄ることにした。首筋にぬるりと伝う汗を拭いながら公園のベンチに座ると、自動販売機で買ったばかりのサイダーを飲み始めた。 サイダーを飲むと、夏の暑さを忘れてしまうかのように細かい泡が僕の喉にシュワっと広がってくれる。
2021-11-13 22:23:37#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題: ①サイダー ②落星 ③ぬるり “落星寺”は黄庭堅の詩「題落星寺」から拝借しました。 #木槿国の物語 pic.twitter.com/rUozqCe2ol
2021-11-13 22:25:58今日は、あの日と同じ星が見えない真っ暗な夜だった。『みんな、地獄に落ちたからね』不気味なほど凪いだ瞳で星が見えない理由を語った彼女は、炭酸の泡のように姿を消した。「どこにもいないってことは、地獄にいるってことだよなぁ?」鉄の臭いで噎せ返る路地で、俺は自分の首にナイフを突き刺した。 pic.twitter.com/F03vBLbTws
2021-11-13 22:27:51「今日は年に一度の落星の日です。皆様お見逃しのないよう」朝から繰り返されるニュース。夜6時、皆が一斉に外に出る。青黒い星が、サイダーのような尾を長く引いて頭上を通った。そこから流れ落ちたぬるりとした時代を、体に染み込ませる。そうしないと、かつて地球で人間だった記憶は消えてしまう。
2021-11-13 22:36:16#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite 今宵もご開催ありがとうございます! お題:落星、サイダー 疲れを吹き飛ばす手段は、眠る以外にもたくさんの方法がありますよねぇ😊 気分を上げてくれる映画は、ときに心の特効薬になってくれると日々思っております🎥 pic.twitter.com/FzIkziAKfK
2021-11-13 22:46:38まるで星を拾い集めるような君との日々は、夢のように思える。今、君が撮す写真の中には、もう私はいなくて、木々の色も緑から黄へと移り変わっていた。あの時お土産に、ともらった瓶を開けて、ぼんやりと飲んでいる。気の抜けたサイダーは、ぬるりと喉元を過ぎ、偽物の甘みしか感じなかった。 pic.twitter.com/XDM2rv2dl7
2021-11-13 22:53:07