7月の31日間、毎日お題に沿って小説を書く企画「文披31題」にツイノベ(140字小説)で参加しました。 お楽しみいただければ幸いです。
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綺想編纂館(朧) @Fictionarys

【文披31題 開催中!】 7月1日~31日で「文披31題」という小説企画を開催中です。 基本的に7/1にDay1のお題(傘)、7/2にDay2のお題(透明)とひとつずつ進んでいく形です。 タグをつけるだけで参加できるので、途中参加も大歓迎! 詳細は画像にて↓ pic.twitter.com/poKRZaGwMx

2023-07-01 00:00:07
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Day1.傘 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-01 21:00:54
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闇に溶けるほど真っ黒な傘に隠れるように街を歩く。月の光は人を狂わせるから浴びてはいけない。心が囚われてしまうから直視してはいけない。誰もがそう言ってひっそりと眠る満月の夜。月光よけの傘を少し傾けて空を見てしまったのはきっと月の誘惑。美しさに奪われた心は、僕にはもう取り返せない。

2023-07-01 21:00:03
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Day2.透明 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-02 21:01:01
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裏山の麓にはひっそりと隠れるように湖がある。水底まで光が届くほど透き通った水の中に水生植物がくっきりと見える様子は美しいが、不思議なことに湖の中央だけはどれだけ目を凝らしても曖昧にしか見えない。しばらく眺めていると、水面に落ちた葉がゆるりと波紋を描いて透明の中に溶けていった。

2023-07-02 21:00:02
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Day3.文鳥 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-03 21:00:52
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長いこと我が家に住み着いている文鳥はことあるごとに色や模様を変える。明確なきっかけはわからないが、こちらの気分を察して変化しているようにも思う。餌も食べず、鳴きもしない文鳥はたまに甘えるように指先に降りてくる。今日の羽は薄紅色。この家のもうひとりの住人だった、彼女が愛した花の色。

2023-07-03 21:00:00
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Day4.触れる #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-04 21:02:06
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僕には絶対に見せられない手の内がある。だからどんな時でも細心の注意を払い、いつも通りを演じ続ける。今宵のような華やかな社交の場ならなおさら。ふいに差し出されたのは、エスコートを待つ貴女の手。試されているのを知りながら手を取れば、見透かすような微笑みと共に指先が手の内に触れた。

2023-07-04 21:01:23
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Day5.蛍 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-05 21:00:35
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高台にあるこの家からは、海の近くの灯台の光がよく見える。一晩中、海を見守るあの灯台に今日もあの人はいるのだろう。会いに行ける週末まであと2日。真夜中の決まって同じ時間に部屋の明かりを点滅させてみてもきっとあなたは気づかないけれど。蛍のようにあなたを恋いながら遠くの光を見つめる。

2023-07-05 21:00:02
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Day6.アバター #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-06 21:00:37
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文明が発達し、最近はアバターを介してコミュニケーションを取ることが多くなった。少しヒトとは違う外見もここでは誰も気にしない。理想を詰め込んだアバターは、ヒトと同じ手足で動き、ヒトの輪の中で笑う。今日もインターネットの海の中から、現実では触れられない憧れの「ヒト」に思いを馳せる。

2023-07-06 21:00:01
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Day7.洒涙雨 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-07 21:00:19
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今宵は織姫と彦星の心を映す涙雨。再会の喜びをともに重ねる時間は短くて、最後に交わす言葉に惜別の涙を隠して飲み込んだら、また日常に戻っていく。後ろ姿を隠す雲を見つめて溢れた涙が、天の川の星を伝って地上に落ちる七夕の夜。願い事を託された短冊に、想いが届くことを願う優しい雨が降る。

2023-07-07 21:00:01
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Day8.こもれび #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-08 21:01:01
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昼間も薄暗い森の中、草花や木々に隠れるように続く、曖昧で頼りない道を奥へと進む。目印は道の上だけをささやかに照らすこもれびだけ。誰も知らない道の先、誰もが迷う森の奥へ辿り着けたら、探していたものは見つかるだろうか。悪戯な風に惑わされないように、足下で揺れる日差しを踏みしめる。

2023-07-08 21:00:02
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Day9.肯定 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-09 21:00:34
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夜の公園のベンチで、押し込んだため息を開放する。溢れそうなのは言葉か涙か感情かわからないまま目を閉じていると、隣に座るキミの気配。素直じゃないのに嘘がつけないキミの沈黙は、私の気持ちをいつも肯定してくれる。寄り添う体温にそっと触れると、私を甘やかすようにゴロゴロと喉を鳴らす音。

2023-07-09 21:00:00
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Day10.ぽたぽた #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-10 21:00:55
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この時期は雨に混じって小さな花が降る。街全体をドーム状に覆う骨組みに絡みついた植物に色とりどりの花が咲き、雨とともにぽたぽたと落ちてくるのだ。昔は雨風を防いでいたドームの膜もすっかり消え去って、住人もずいぶん少なくなった。寂しげな雨の日の空気を誤魔化すように、今日も街に花が降る。

2023-07-10 21:00:02
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Day11.飴色 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-11 21:00:45
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旅立つあなたとの別れ際、手のひらに置かれた小さな石に込められた意味を掴めないまま数年が経った。たまに指先で撫でてはあなたのことを思い出す。あなたと見上げた夕焼けの空、あなたの手に似合っていたお酒、そしてあなたの瞳によく似た飴色に、あの日の言葉を閉じ込めたまま今も帰りを待っている。

2023-07-11 21:00:00
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Day12.門番 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-12 21:01:36
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あの世とこの世の境には門があり、常に門番が出入りを厳しく見張っている。そこをくぐった時にはもう来ることはないと思っていたが、まさか戻ってくる日が来ようとは。緊張しながら門の外へ一歩踏み出すと、門番と目が合った。そのまま無言で渡された門番用の武器を手に、門の前で長い一日がはじまる。

2023-07-12 21:00:02
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Day13.流しそうめん #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-13 21:00:37
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夏休みには祖父母の家に集まって、流しそうめんをするのが定番だった。夏にだけ会う遠い親戚、名字も知らない近所の友達、笑って繰り返した他愛もない会話。どれも時とともに流れてしまって掴めない記憶ばかりだ。時折それがひどく懐かしいのは、あの頃よりも早く夏が過ぎ去ってしまうからだろうか。

2023-07-13 21:00:03
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Day14.お下がり #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-14 21:00:58
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小説家だった祖父のお下がりの万年筆には書き癖がしっかりと染み付いている。随分と癖が強いらしく、ほんの少し持つ角度が違うだけでインクが出ない時もあるほどだ。さらに言うならば、思い通りに書けないのは文字だけではない。真っ白の原稿用紙を前に、才能のお下がりも欲しかったなと苦笑する。

2023-07-14 21:00:00
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Day15.解く #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-15 21:00:58
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放課後の教室でひとり必死に課題を解いていると、額に冷たいものが触れた。咄嗟に顔を上げる私に「差し入れ」とキミが笑う。受け取ったビニール袋の中を覗き込めば、額の水滴を拭うようにキミの指が触れる。上がる体温、手元で溶けていくアイス、解けていく心。このまま、君の本音も解ければいいのに。

2023-07-15 21:00:00
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Day16.レプリカ #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-16 21:00:51
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この国で一番の値が付く有名画家が描いた女性の絵には、本物と偽物とレプリカがある。美術館に保管されている本物、そっくりに似せた偽物、そして本物にはない小さな泣きぼくろが描かれている画家本人が遺したレプリカ。本当はどちらが本物でどちらがレプリカなのかは、今は亡き画家だけしか知らない。

2023-07-16 21:00:00
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Day17.砂浜 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-17 21:00:57
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この海岸は空を駆けて流れ着いた星たちが、風化して砂になる最後の場所だという。月明りの海辺は淡く光っているようで、ところどころに輝くものが見えるのはまだ新しい流れ星の欠片だろうか。砂浜をゆっくり歩くと、足元で星が瞬くような音が奏でられ、穏やかな波の音に重なる。またひとつ、流れ星。

2023-07-17 21:00:01
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Day18.占い #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-18 21:01:02
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或る大国の姫君には日々、縁談話が届く。あまりにも量が多いので、姫君は「すべての占いでもっとも相性が良い人と結婚します」と宣言した。結婚を望む者たちがありとあらゆる占いを試したが、すべての占いで良い結果が出るとは限らない。最終的に結婚を果たした彼の人を選んだのは占いか、それとも。

2023-07-18 21:00:01
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Day19.爆発 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-19 21:00:30
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うちの研究所では感情を味わうサプリメントを取り扱っている。これを飲めば味わったことのない感情も体験できるので、さまざまな役を演じる役者の方にも好評だ。ただ、扱いが難しいので多用はしないこと。呑み込んだ感情が分解されないうちに次を取り入れると、思わぬ感情の爆発が起きるのでご注意を。

2023-07-19 21:00:00
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Day20.甘くない #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-20 21:00:46
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世の中は甘くないというけれど、最近はどうも味を感じなくなっている。酸いも甘いも噛み分けるカッコいいオトナを目指したはずなのに、無味乾燥の毎日ではどうしようもない。そうぼやく僕に「苦さから逃げてるからよ」と差し出されたのは君が淹れた苦い珈琲。君はいつも甘くない。甘くはない、けど。

2023-07-20 21:00:02
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Day21.朝顔 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-21 21:00:34
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今日こそは想いを伝えようと朝から決意をしたはずなのに、昼休みにはためらって、放課後には「やっぱり明日」と先延ばし。咲いてはしぼむ朝顔のような決意を繰り返して、もう5日目。キミの近くに行くと、蔦に絡め取られるように動けなくなってしまうのに、「おはよう」のキミの笑顔で、きっと明日も。

2023-07-21 21:00:02
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Day22.賑わい #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-22 21:00:33
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神社の本殿に続く長い石段の一番上から見下ろすと、祭りの様子がよく見える。人々の様子も、「人ではないもの」の様子も。年に1度の夏祭りに問題があっては困るので、すべてを見守るのも主祭神の役目だ。とはいえ、祭りの賑わいをただ見守る時間は長い。先に見回りに出た他の神との交代まであと半刻。

2023-07-22 21:00:01
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Day23.静かな毒 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-23 21:00:38
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いつもおしゃべりで明るいきみの、いつもと違う表情にドキリとした。ひとり佇む窓辺で、どこか冷たい横顔。理不尽さも悪意も、世間のさまざまな毒の扱いには慣れているきみだけど、こんな日はきみにまで毒が回ってしまわないか不安になる。たまにきみが僕だけに零す毒は、ひどく静かで、少しだけ甘い。

2023-07-23 21:00:00
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Day24.ビニールプール #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-24 21:00:44
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祖母の家の物置に古びた砂だらけのビニールプールを見つけた。思い出すのは、海からほど近いこの家から連日これを持って海辺に出かけていた夏休み。人がいない岩陰の砂浜で、泳ぎもせずに毎日話していた友人は元気だろうか。そっと手に取ると、乾いた砂に混ざって落ちたのはキラキラと輝く美しい鱗。

2023-07-24 21:00:00
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Day25.報酬 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-25 21:03:32
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うちは代々続く萬屋だが、お客さんの大半は神様だったり物の怪だったりする。そのため、依頼の内容もよくわからなければ、置いていかれる報酬もなにに使うのかわからないものばかりだ。当然、売れないのでお金にはならないのだが、報酬に詰まった本当の価値は、きっと依頼者と私にしかわからない。

2023-07-25 21:02:52
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Day26.すやすや #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-26 21:01:03
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棺の中で眠る姫君は、いつか彼女を起こしにやってくる運命の人をずっと待ち続けている。すぐ傍で騎士として守り続けてもう数百年。どれだけ時が経とうとも守り続ける覚悟はあるが、果たしてそんな人物は現れるのだろうか。いっそ自分が彼女の運命になれたらと思いながら、すやすやと眠る姫を見守る。

2023-07-26 21:00:00
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Day27.渡し守 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-27 21:02:16
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水路が発達した水の都で、渡し舟を操るようになって十数年。さまざまな事情はあれど、頼まれたものを淡々と運ぶのが僕らの仕事だ。だから、荷物の中に誰かが紛れ込ませた秘密の恋文のやり取りも、渡し守にはあずかり知らぬこと。水路から見える街並みは変わっても、運ぶものは昔からさほど変わらない。

2023-07-27 21:00:02
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Day28.方眼 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-28 21:00:42
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日毎夜毎、方眼に沿って設計図を描いている。誰よりも正確に、美しく、綿密に。小さな四角に夢を詰めれば詰めるほど、どこかが破綻して不格好で、四角四面の息苦しさに溺れそうになる日もあるけれど。限られたマスの型に嵌まらないようすり抜けて、今日も僅かな可能性との追いかけっこは終わらない。

2023-07-28 21:00:00
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Day29.名残 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-29 21:11:17
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部屋に溜まる濃い影を洗い流すように開け放った窓へ、夏の日差しが降り注ぐ。あまりの眩しさに一瞬で真白の雪景色に染まった視界を瞼の裏に閉じ込めれば、光の欠片が乱反射を繰り返す。ようやく目を開けた頃には、雪は青空に溶けた後。じわりと汗が伝う肌の上、吹き抜ける涼風だけが雪の名残のようで。

2023-07-29 21:00:01
綺想編纂館(朧) @Fictionarys

Day30.握手 #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-30 21:00:44
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別れ際、「またね」という言葉とうらはらに、泣きそうな顔で差し出されたのは左手だった。君が左利きだとか、右手が荷物で塞がっていたとか、理由はいくつだって考えられるけれど。左手の握手は別れの握手。そんな未来を認めたくなくて、僕と君の左手が触れた瞬間、そのまま思いきり君を引き寄せた。

2023-07-30 21:00:00
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Day31.遠くまで #文披31題 #twnovel #140字小説 twitter.com/Fictionarys/st…

2023-07-31 21:00:46
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星しか見えない真夜中にひっそりとした街を歩く。月の光が人を癒すから月夜は外で過ごすほうがいい。月を見つめて心を浄化する時間は大切だ。誰もがそう言って忘れ去られたような新月の夜。美しく輝く月の道を行くのも悪くはないけれど、今宵はささやかに瞬く星を辿って、月さえも知らない遠くまで。

2023-07-31 21:00:01
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綺想編纂館(朧) @Fictionarys

綺想編纂館では、日常にふと映り込む綺想を遊び心と織り交ぜて編纂しています。紳士・淑女の皆様の心の琴線に少しでも触れたら幸いです。過去の物語への感想も大歓迎。お気軽にお声掛けください。 【近況:3/10「そこの路地入ったとこ文庫」参加予定です!】 編纂者:朧(おぼろ)