主に戦前日本の砕氷貨客船など
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天翔 @Tensyofleet

砕氷貨物船、高島丸(5,664総トン,日本郵船)。三菱横浜で建造された本船は、同一線図を用いて三菱神戸で建造された準同型の白陽丸と共に、戦前の砕氷船としては最も優秀な能力を備えていたという。 pic.twitter.com/9phYNe4qdy

2018-04-08 22:29:13
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天翔 @Tensyofleet

もっとも、竣工が1942(昭和17)年の7月なので、詳しいことはよく分からない。主機が2,800馬力レンツ機関(蒸気レシプロの一種)2基2軸、缶はどうやら乾燃室円缶で、自動給炭機付であったようである。

2018-04-08 22:32:48
天翔 @Tensyofleet

白陽丸の中央断面図と思われるもの。水線下は氷海航行用に傾斜を持つ独特の形状である。ビルジキールもあるようだ。 J-STAGE Articles - 碎氷船 doi.org/10.2534/jjasna… pic.twitter.com/Rw8BNsZaOu

2018-04-08 22:35:57
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天翔 @Tensyofleet

1943(昭和18)年10月7日、幌筵島に向けて択捉島の太平洋側を航行中の高島丸は、荒天で30度前後のローリングの中、潜水艦からの雷撃を受け、右舷からの4本を取り舵でどうにか躱している。

2018-04-08 22:41:33
天翔 @Tensyofleet

一方天候は躱しようがなく、翌日はさらに時化て機関室の傾斜計は44度、船橋のそれは46度を示したという。乗船していた1,400名の旭川連隊の兵士は、デッキの各所で小間物店を広げていたようだ。どうやら、やはり砕氷船とは揺れるものであるらしい。

2018-04-08 22:44:41
天翔 @Tensyofleet

1944(昭和19)年6月13日、北千島最後の引揚船となった高島丸は、避難民など便乗者274名乗組員94名を乗せ、駆逐艦初春護衛の下幌筵を1330出港した。8時間後の2130に松輪島沖で左舷船尾に被雷、1010沈没した。戦死者は乗組員13名、便乗者が7,8名であったという。

2018-04-08 23:01:09
天翔 @Tensyofleet

日本郵船戦時戦史では0300出港、2132左舷三番船倉後部に被雷、2307沈没。便乗者は兵員120名、避難民101名で、避難民のうち行方不明9人となっている。

2018-04-08 23:26:01
天翔 @Tensyofleet

砕氷貨物船白陽丸(5,742総トン,大阪商船)。竣工は1942(昭和17)年12月で、高島丸より半年ほど遅い。いずれも海軍の助成があり、航行性能を同じくするよう要望があったため同一の線図を使用しているが、船容は随分異なっている。 pic.twitter.com/nrfPxy2k9k

2018-04-08 23:12:49
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天翔 @Tensyofleet

こちらも主機はレンツらしいが、出力は2,000馬力2基と高島丸に比べて若干劣り、最高速力も1ノットほど低い。また、上部構造物が大きいためか、垂線間長も45cm長くなっている

2018-04-08 23:15:57
天翔 @Tensyofleet

1944(昭和19)年10月23日、白陽丸は駆逐艦神風と海防艦福江に護衛されたヲ303船団に加わり、1600占守島を出港した。25日0745頃、潜水艦からの雷撃を受け、魚雷2本が右舷機関室と2番船倉に命中する。

2018-04-08 23:46:47
天翔 @Tensyofleet

船倉に搭載していた航空ガソリンに引火して大爆発が発生し、瞬く間に沈没したという。便乗者1,320名乗組員150名のうち、生存者は船員3名船砲隊院1名を含む20名と言われている。季節は北の早い冬に差し掛かろうとする頃、高島丸に遅れること4か月であった。

2018-04-08 23:48:10
天翔 @Tensyofleet

1945年8月10日、青森県茂浦沖で米艦載機の攻撃を受ける船舶。おそらく亜庭丸(鉄道省,3,298総トン)。同船は北海道の稚内と樺太の大泊を結ぶ稚泊航路の鉄道連絡船で、冬季の結氷期の航行に備えて砕氷能力を持っていた。 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… pic.twitter.com/mAVVYIILx4

2017-07-17 21:07:39
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天翔 @Tensyofleet

同じく攻撃を受ける亜庭丸。2本煙突が特徴的なこともあってか、米軍報告書にもその旨が記されている。この後沈没し、戦後浮揚が試みられるも放棄されたらしいので、船体は未だこの付近の海底にあるのだろう。 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… pic.twitter.com/8ebLW71oDU

2017-07-17 21:19:05
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天翔 @Tensyofleet

亜庭丸は砕氷能力に重点を置きすぎて、結氷期以外の航海での経済性が若干劣っていた、とされている。しかしこれ、船体構造的には二本煙突にする意味はまったくないな。。。 pic.twitter.com/Ey4zrvWcnv

2017-07-17 21:26:17
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天翔 @Tensyofleet

稚泊航路の鉄道連絡船、宗谷丸。先に同航路に就航していた亜庭丸と同じく砕氷能力を持つため、戦後「宗谷」と共に南極観測船への改装候補にもなったという。 pic.twitter.com/vrvhzCOp2C

2017-07-20 23:02:40
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天翔 @Tensyofleet

クロスバンカー(横断炭庫)を挟んでスコッチ缶を2基ずつ焚火口を向かい合わせに配置しているのは亜庭丸と同じだが、こちらは煙突を1本にまとめている。

2017-07-20 23:07:43
天翔 @Tensyofleet

砕氷船の主機に蒸気レシプロが好まれたのは、前後進の出力が等しく発停が短時間で自由なこと。蒸気タービンは両方失格で、圧縮空気を起動に用いるディーゼルは、貯蔵タンクの容量から連続する発停に制限がある(通常無補給で10数回程度,少なくとも戦前は起動可能な回数が法令で定められていた筈)。

2017-07-20 23:19:33
天翔 @Tensyofleet

そういえば南極観測船宗谷救出エピソードで出てくるソビエトの砕氷船オビ号、名前ばかり有名(?)でどんな船容はあまり知られてないのですが、1953年オランダ建造で、見た目そのまま貨物船だったりします。 freeshipplans.com/free-model-shi… pic.twitter.com/Vd8uhmmojF

2019-01-07 21:46:53
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天翔 @Tensyofleet

しまった、この写真はレナですね。。。

2019-01-08 02:22:09
天翔 @Tensyofleet

同じ貨物船でも全長130m、6,200総トン、ディーゼル・エレクトリック4基1軸7,000馬力のオビに対し、宗谷は83m、2,610総トン、ディーゼル2基2軸4,800馬力(第1次改装後)ですのでかなり違いますね。なおオビはレナ型貨物船6隻の3番船で、こちらの写真はレナ(左)とオビ(右)。alamy.com/stock-photo-an…

2019-01-07 22:12:31
天翔 @Tensyofleet

なので「砕氷船オビ号」との記述を見ると、若干ひっかかりを覚えなくもない。間違ってもいないと思うけれど。

2019-01-07 22:20:14