【創作】BLネタオンリー

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 雨。今日は雨。 こんな日は何もせずにゴロゴロしていたい。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 予報では雨なんて一言も言っていなかったのに、帰ろうとしたら外はザーザー降りだった。 当然傘は持っていない。 置き傘もしていない。 濡れて帰ろうか…と、何となくケータイを見ると連絡が来ていた。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL メールの内容を確認すると『まだ学校？』の一文だけだった。 時間はほんの数分前。 すぐさま『まだ学校』と返す。 どうせ返事は直ぐに返ってこないだろうと、ケータイをポケットにしまって大学の玄関口へと向かった。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 仕方ない。濡れて帰るか… 覚悟を決めて、止む気配のない雨空を見上げていると。 「よろしければ私の傘に入っていきませんか。」 「…！」 そんなふうに突然声をかけられ、驚きつつも後ろを振り返る。 「な…なんで…」 見慣れた顔がそこにあった。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 驚いている反応を見てしてやったりと、ニコニコ顔である。 「いやぁ。仕事終わって帰ろうと思ったら雨降ってるしよ。俺はたまたま会社に置き傘してたから良かったものの、お前は何も持ってないんじゃないかなって。」 「…それでわざわざ迎に来てくれたのか。」

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL だからあんなメールを。 と、1人納得する。 突然の雨にこちらの気分までどんよりしていたが、こういうことなら雨でもいいかなと思ってしまう。 我ながら単純である。 「つっても傘は一本しかないから相合傘になるけどな！別にいいだろう？」 その言葉に黙って頷く。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 知り合いには絶対見られたくないな… 一応周囲を見て確認する。 「ん？どうかしたか？」 「…いや。なんでもない。行こう。」 あまり大きくない傘に互いに肩を寄せ合い、雨で濡れた道を行く。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「せっかくだし何か美味いもん食っていくかー」 「無駄遣いしないってこの間言ってなかったっけ？」 「うるせ。たまにゃいいだろ。」 「…ファミレスでいいよ。」 一緒にいられるのならどこでもいい。 場所なんて関係ない。 そんなことを言ったらどんな顔をされるだろう。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL だいぶ重症だとは思うがそう思わずにはいられなかった。 「あ。大丈夫か？濡れてない？」 「大丈夫だ。真尋君こそ…」 「俺はいいんだよ。」 「……。」 少し過保護すぎるくらいの優しさな気もしたが、純粋に嬉しいので何も言わない。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 近寄りすぎて互いの肩がぶつかる。 どちらからともなく、ごめんと言い意味もなく笑い合う。 雨の日ってこんなに楽しかったっけ。 「……真尋君。」 「ん？」 「その……迎に来てくれて……ありがとう……」

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 当たり前のことを言っただけなのに、ものすごく恥ずかしくなってきて肝心の感謝の言葉はほとんど消えかかっていた。 「お…おう…いいってことよ…」 真っ赤になってうつむいてしまったのを見て、彼の方までなんだか気恥しい気持ちになってきた。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 雨。今日は雨。 どんな日でもあなたとならどこまでも行けるような気がする。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL @homoTL 雨。時々雨。 今日はどしゃ降り。 ふやけたダンボールに入ったあなたは、ひどく寒そうだった。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL @homoTL ｢…ただいま…｣ 得意ではないが、今日は頑張って夕飯を作ろうと1人台所で奮闘していると扉の開く音が聞こえてきた。 ｢おう、おかえり。雨あたったんじゃないか？悪いけど今手を離せなくて…｣ そう言いながら後ろを振り返り、彼は固まった。

ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL @homoTL 何やってんだ！と叫びたくなるほどびしょ濡れだったからではない。 問題はその両腕に抱えた小さな毛玉のようなもの…。 ｢も…元の場所に返してきなさい！｣ お決まりの台詞が反射的に飛び出すほど動揺した。