あげ直し… #深夜の真剣140字60分一本勝負 #140字小説 #140字SS 「想い」で、書い見ました。 pic.twitter.com/3o1IDNtwWb
2018-03-17 21:32:45かーん、かーん。 今日も火花が散る。鎚が鳴る。出来上がった剣の出来は最高だ。 「お前なら、今度こそ、魔王の鎧だって砕けるさ」 剣に銘を刻んで、店の一番目立つところに飾る。 三日後、146085人目の勇者がそれを買っていった。
2018-03-17 22:00:45「俺が義足を作ってる理由? そうだな、お前さんRPGをやったことがあるか? RPGってのは、主人公パーティの身体能力と鍛治で強化された武器が一心同体になってラスボスを倒せるようになるだろ。義足もそうだ。アスリートと一心同体になって世界の頂上に立つ。そんな想いを抱いちまったからさ」
2018-03-17 22:00:48MMORPGは面白い。俺のキャラはサブスキルで鍛冶屋を取得しているので、パーティが素材を手に入れたらその場で武器や防具を作れる。実家は寂びれかけた商店街で刃物屋をやっていて、俺は進路の事で悩んでいる。ゲームの中みたいに町が賑わえば、という想いがもどかしい。 #深夜の真剣140字60分一本勝負
2018-03-17 22:01:29無償の愛なんて嘘。 報われなかった私の想いは、今も私を苦しめる。 でも、苦しめるままでいて。 私が苦しんで泣いている間は、あの人は私の心の中で生きていてくれるから。 なのに。 「おいで」 貴方のあたたかい手は、私を簡単に光の中に導いた。涙と共に、私の新しい時間が流れ出すの。 #140字小説
2018-03-17 22:02:05屋根裏に刀鍛冶だったという高祖父の打った日本刀があった。兄と私は刀の手入れに時折屋根裏へ登った。油をさし終えた兄は決まって私の喉元に刀を向け、切っ先で肌をなぞる。堪えきれず私が声を漏らせば、その日はそこでお仕舞い。密やかな遊びは兄が家を出るまで続いたが、今では刀も錆びてしまった。
2018-03-17 22:03:45#深夜の真剣140字60分一本勝負 おじゃまします。SS名刺メーカーさん使用。 「鍛冶」「想い」「RPG」 pic.twitter.com/bunfrqibnH
2018-03-17 22:06:43「人生ってRPGみたいだよね」 彼はいつも言っていた。 「経験を積んで自分のレベルを上げる、鍛冶屋の力を借りて自分の武器、知識とかかな、それを強くする。それで色んな壁に立ち向かうんだ」 そして私のような村人の想いはきっと、主人公たる彼の物語には出てこない。 と、心の中で付け加えるのだ。
2018-03-17 22:06:57出来上がりました、そう言って鍛冶屋から渡されたのは一本の剣。今から僕は旅を始める。これは君に似合う、君を守れる僕になるための旅。 この旅が終わったら、僕は君にこの想いを伝える。君が愛おしいという想いが溢れてしまって、秘めてなどいられないから。 さあ、始めようか。 ありふれたRPGを。
2018-03-17 22:14:48──セーブデータを削除しますか? 現実は、RPGみたいにはいかない。 悪に立ち向かっても、正義が勝つとは限らない。 姫に想いを伝えても、応えてくれるとは限らない。 只一つ、救いなのは、死んでも教会で復活しない事。 その気になればいつでも運命から逃げられるって、無敵だよね。 ──いいえ。
2018-03-17 22:16:46一目見て、一目惚れした、鍛冶屋の女の子。 気持ちが、毎日少しずつ募って、毎日足繁く通うようになった。 でも、まだ名前も聞けてない。 でも、今日こそは伝えるんだ。 RPGのように、ぶちまけるんだ。 この胸の思いを。
2018-03-17 22:29:35現在、彼は異世界で、滅びかけの世界にいる。 学生時代のにやったRPGを想い出していた。 刀匠、鍛冶師のようでいて、真剣少女と共にある者。 「終末、何してますか、救って貰って良いですか?」 小説のタイトルを言い、皮肉に笑い、彼は喚び出す。 #深夜の真剣140字60分一本勝負
2018-03-17 22:31:53「ッ!」 僕は最近壊されるための武器を作っている。 「折れた!次!」 今の勇者は物持ちが悪い。即席鍛冶の異名を持つ僕が呼ばれるわけだ。 「ああもう、なんでこう脆いんだ!」 当然だ。鍛冶屋と使い手の想いを重ね、時間をかけて武器は強くなる。武器を道具としか思えない彼にはわからないだろう。
2018-03-17 22:37:54どうして鍛冶屋になったのか。 女の鍛冶屋が珍しいのか、職業を答えるとよく聞かれる。親の職業を継ぐ人が私しかいなかったからなった、といつも答える。それもあるけど、本当は私が愛する人を守るための装備を作りたい。そんな想いでなった。でも、恥ずかしいから誰にも教えない、私だけの秘密。
2018-03-17 22:43:52経験値稼ぎはやらなかったからレベルは低いまま。各種イベントはなんとなくやり過ごしてるうちに、気がついたらいつの間にかファイナルステージ。今なんとかしないと卒業という名の強制終了。玉砕覚悟のラスボス戦に武器は一途な想いだけ。君のハートに当たって砕けろ。
2018-03-17 22:52:20液晶の中の僕は初期装備のままだった。最強の武器、最大レベル、物語に先はない。終わってしまったRPGに鍛冶屋で買った物なんて殆ど残っていない、全て冒険に隠された武器には敵わなかったから 学費で買った知識より、友達との経験が尊かった この日の僕はどこまで知っていたのか 大人の自分の裏切りを
2018-03-17 22:52:47