そもそも、雪野原で生活してたノマエマ狐。 見たことない仕掛けがあり、エマ狐は興味を持ち近づいた。 ガチャン!と大きな音がして、直後、ノマ狐がギャンと鳴く。 仕掛けが罠と気づいたノマ狐が、エマ狐を庇ってしっぽを挟んでしまう。ご自慢の白い毛はじわじわと赤く染まっていく。
2019-11-21 23:11:30エマ狐は何度も鳴いて見るが、ノマ狐はピクリとも動かない。 しんしんと降る雪は、このときばかりは身に毒だ。エマ狐はご自慢の鼻を使って助けを呼びにひた走る。
2019-11-21 23:13:56扉を目掛けて数度体当たりをしてみると。 黒い髪の男が現れて、エマ狐の形相に目を見開いた。 「おい、お前……怪我をしているのか?」 エマ狐の前足にノマ狐の血がべったりとついていたのだ。
2019-11-21 23:34:552〜3度大きく首を振り、男の脚をぐいぐいと押した。 ノーマンの待つ場所へ一刻も早く連れて行きたいのだ。 「お前は怪我はしていなくて、どこかに連れて行きたい……のか? 仲間が怪我をしているのか……?」
2019-11-21 23:40:36まあ、ご名答ってことで。 自前のスノーモービルに消毒薬詰めたリュック背負って戻ってくる男。 謎に人がいいこと、謎に話が通じていることはスルーしてほしい。
2019-11-21 23:42:34まあ、こういう経緯があり。 ノマエマ子狐と文豪レイ先生は交流を深めますよ、っていう。 とりあえず、ノマ狐の手当をその場で済ませたら家まで2匹連れ帰る。 そうしていくうちに、2匹はこの家に居付いちゃうけど、それが満更でもない。 男一人に犬2匹な生活の始まり始まり。
2019-11-21 23:45:04狐って何食べるんだ? 男が傷を負った白狐の餌探しに頭を悩まかせてる横で、エマ狐が狩った🐰をノマ狐に食わせてる。 食べ終わった後は、口周りをペロペロ舐めたかと思ったら鼻先をこすり合わせる。 「おーおー、小さいのにお盛んなこって」男は何もする必要ないと言われたように感じてしまう。
2019-11-21 23:53:03淹れた珈琲を啜りながら2匹を眺める男。 彼の名はレイーースランプと無縁と謳われた小説家である。この家は、そんな彼が陥ったスランプの脱出を狙って買い叩いたものである。 暮らし始めて数日で衝撃が服を着ている状態で飛び込んできた。それがエマ狐であり。怪我をしたノマ狐でもあった。
2019-11-22 00:03:46