悪童10年やった結果がコレかよ……
0
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

悪童・花宮真(22)か…ふはっ。年々、響きがキツくなってきやがるぜ。

2015-01-12 00:00:18
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

悪童10年やってらんねーだろ!? デビューしたのは一際早い セイシュン全部捧げた奴ら 虫酸が走ってブチ壊すわ 悪童10年やっちまったんだよ 職歴欄に書けない職業 それでもやっぱ勝てれば官軍 これでよかったと口元だけ素面出ちゃう やっぱり 悪童 Enjoy it!

2015-01-12 00:18:19
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

今日で22か…成人の日だがオレは大人にはならない。ジジイになっても悪童を貫いてやる! つーわけで、指定語句追加しといたから。「ほかてら」だの「ほか今吉」だのキモい友情ゴッコやってるヒマがあんなら面接ゴッコしようぜ? 「50年後はどんな人間になりたいですか」って聞けば答えてやるよ。

2015-01-12 01:14:13
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「誕生日おめでとう、花宮」 待ち合わせ場所に着くと古橋が既に立っていた。平常通りの変わらない光景。一人吸わない奴が一番最初に来ると分かっていながら、オレ達が集まるのはたいてい喫煙所だ。オレが一本取り出すと、古橋はすかさず火を煙草の先へ添えた。キャバ嬢か。 今夜は原の家で宅飲みだ。

2015-01-12 19:00:14
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ザキ、ケーキ係のくせに遅い〜」 「ケーキとかいらねぇよ」 「フツーに祝うのが1番花宮嫌がると思ってw」 「オレが喜ぶ方法を考えろよ」 「花宮が悪童を始めたのが12歳のとき…22歳になる今年は10周年。特に盛大に祝う必要ある」 「そうだね。普通、悪童10年やってらんないでしょ」

2015-01-12 19:10:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「そもそも今日はちゃんと来るの?」 瀬戸が欠伸をしながら核心を突いた。 山崎はここ最近顔を出していない。最後に会ったのは“山崎のNNTをどうにかする会”だから…かなり前だ。 「来るっしょ。話したいことあるっつってたし」 「それはどっちの?」 原は膨らませた風船ガムを割った。

2015-01-12 19:15:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ゴメン! 待った?」 「「「「デートか。」」」」 ケーキの箱を持った山崎が駆け寄ってきた。オイ中身大丈夫か、と声をかけると慌てて箱を抱える様子に笑った。 近づいてくる山崎に軽く右手を挙げた。アイツも手を上げたが、打ち合わせることはせず、そのままオレの手を握った。 「ゴメン、」

2015-01-12 19:20:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「もうお前とハイタッチはできねーよ」 喫煙所の空気が重苦しく淀んだのは、きっとオレ達の煙のせいじゃない。 「じゃあ、何しにきた」 原も瀬戸も何も言わない。古橋は固まっている。 「ずっと悩んでたんだけど…」 山崎はオレの手を痛いくらい強く握った。 「今日はお礼を言いにきた」

2015-01-12 19:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「オレ、最近やっと内定もらってよ」 「それがかなり給料もいいトコで」 「花宮の教えてくれたくれた通りやったら何とかなって」 「お前のおかげだ」 「ありがとう」

2015-01-12 19:30:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「んで今の彼女と結婚とか考えたりしてて…まだ言ってねーけど」 「遊んでばっかじゃダメだなって」 「やっぱ悪いことすんのは良くねーと思うし」 「でもお前らといんのは」 「すげー楽しかったわ」 「ほんと…」 「今まで…ありがとな」 「ケーキ、良かったらみんなで食べてく…

2015-01-12 19:35:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

聞きたくない。 言い終わる前に山崎を殴り飛ばしていた。 山崎の体が吹っ飛んだ。 喫煙所の硝子に当たる。 これで右手が自由になった。 胸ぐらを掴んで倒れた体を起こす。 利き腕でもう一発。 何かを踏んでいるのに気付いた。 箱の隙間が白いクリームが漏れ出る。 チョコレートじゃねぇのか。

2015-01-12 19:40:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「“悪いことすんのは良くねー”って! 頭ン中ババロアでも詰まってんじゃないの!」 原は一人で爆笑している。 瀬戸は悟ったように我関せずと一服している。 地面に歯が転がった。 冗談でボコボコにしたことはあった。 本気でここまでやったのは初めてだ。 止め方がわからない。 「花宮!」

2015-01-12 19:45:01
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

羽交い締めにされ、後ろをふり返った。 よりによってお前が止めるのか、古橋。 「離せ」 「嫌だ」 「ふはっ、お前に意思とかあんのかよ」 「ある。後悔する花宮は見たくはない」 断言され力が抜けた。古橋が手を離すのと同時に膝から崩れ落ちた。何もする気がしない。もうどうにでもなりやがれ。

2015-01-12 19:50:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「っざけんなよ…」 何とか立ち上がった山崎がふらついた足取りで近づいてきた。顔を上げる気になれない。 「世話になった分ぬいても、やり返させてもらうかんな!」 頭を思い切り蹴られて倒れた。散乱していた生クリームが砂利と一緒に口に入る。 山崎はオレの前髪を掴み無理やり視線を合わせた。

2015-01-12 19:55:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…それでも、オレは花宮には変わらないでいてほしいと思う」 お前は変わるくせに。 変わっていくお前はオレを受け容れられなくなるくせに。 無責任だ。 どいつもこいつも。

2015-01-12 20:00:10

_

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「どうしたんですか、花宮さん…」 チッ。ウゼーのに見つかっちまった。最寄り駅の改札を出て少し歩いたところ、植え込みの縁に座っていたらバイトから上がりの黒子に声をかけられた。オレが何も言わないのを良いことに、黒子が甲斐甲斐しくオレの汚れを払い始めたが、ふり払う気力さえ湧いてこない。

2015-01-12 20:35:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「何か飲み物いりますか。今日はボクが奢ってあげましょう」 返事の代わりに5ミリくらい顔を傾けた。 「でも、それじゃお店入れませんね…ちょっとそこで待っててください。何がいいですか、カフェミストですか?」 小さく首を横に振る。 「じゃあバニラクリームフラペチーノ2つに決まりですね」

2015-01-12 20:40:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「前に貸してくれた武器は使わなかったんですか」 店から取ってきたらしいウェットティッシュでオレの顔を拭いながら黒子が尋ねた。ウザい。ウザすぎて億劫で、されるがままだ。 「使える相手じゃなかった」 「…そうですか」 黒子の味覚は理解できなかったが、氷の粒の冷たさは喉に心地よかった。

2015-01-12 20:45:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…お前、帰らなくていいのかよ」 「こんな状態の花宮さんを一人で置いていけるほど、ボクは血も涙もない人間ではありません」 「ふはっ、オレと違ってってか?」 「調子が出てきましたか」 「さぁな」 外はかなり冷え込んできたが、調子は幾分かマシになったような気がした。 「花宮さん、」

2015-01-12 20:50:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ボクはあなたのことを…もっと、血も涙もない人間だと思っていました」 黒子の指先がオレの頬に触れた。 「血も涙も、出るんですね」

2015-01-12 20:55:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

@8 「その顔の方がずっといい」 “ええ顔しとるやん” 10年前、12歳のときも、真逆でありながら同じことを言われた。 変わったのは、変わらなければならないのは、オレの方なんだろうか。

2022-12-30 15:00:29

_

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

お前がそこにいるだけでオレ達は上手く自由にオレ達でいられるようなところがあった。お前は一番普通で平凡だったが、それがオレ達に騒がしい安定感みたいなものを与えていた。お前がいなくなるって思ったら、そのことを改めて痛感した。なあ、オレ達はある意味でパーフェクトな組み合わせだったんだ。

2015-01-13 02:15:59

_