【ホタテのホムワト】イケメンの先生がやってきた！という名のあの人の登場

ナナシ @darkmoon_souji

【メモ】 「あ、メアリー」 「んげ…」 今日から始まる講義で、友達と適当な席に座って待機していると、学内では会いたくない友人に出くわした。 「メアリーもこの授業取ってるんだ」 「うぅ…」 パニックに陥ったコミュ障のオタクは人語を失ってしまった。 なぜ医学部生様様がここに？

ナナシ @darkmoon_souji

突如現れ、馴れ馴れしく私に話しかけ始めたイケメンを、友達たちは好奇の目で見ている。 また、彼が連れ立っている友人と思しき人たちも、知り合い？という顔で私たちを見ている。 おふ…勘弁してくれ… 死んでしまう… 「ああ、そうか。自由選択の授業で君もこれにしたんだ」 仰る通りです。

ナナシ @darkmoon_souji

けど、早くどこかへ行ってくれないかな。 注目を浴びるなんてごめんだ。 「隣、いい？」 いいわけねーだろ。 しかし、私の隣は空いていた。 奇数人数だったので、私が一人で座る羽目になったのだ。 くそ！何で空いてるんだ！私の隣！ いいよと言う前にやつは勝手に座って、勝手に準備を始めていた。

ナナシ @darkmoon_souji

この野郎… 「もしかして、メアリーの彼氏ですか！？」 後ろにいる友だちがいらぬことを聞き出す。 「いや、この世界観では違うよ」 この世界観って何だ。 どこの世界観だよ。 とにかく、この話題はされたくないので私は黙ってろの意を込めて友人をにらみつけておいた。

ナナシ @darkmoon_souji

「この授業、新しく赴任してきた先生が担当するんだってさ」 「ふーん」 自由選択で適当に取っただけの授業だから、先生とかあまり気にしていなかった。 「そういやこの間、ホームズさんの実家に行ったんだ」 「え、そうなんだ」 何だそれ。めちゃくちゃ面白そうな話じゃないか…

ナナシ @darkmoon_souji

詳しく聞かせろと言いたいところだが、授業開始の鐘が鳴ってしまった。 チャイムと同時に扉が開き、スーツを着た長身の男性が入ってきた。 眼鏡をかけている。 教壇に立ち、私達生徒の顔を一人ずつ認識するかのようにじっくりと見渡した。 ーーイケメンだ。 私とジョンは即座に握手を交わした。

ナナシ @darkmoon_souji

きた、これ。 どうでもいいと思っていた授業が一気にどうでもよくなくなった。 先生、イケメン。最高。 なんかしかも幸薄そうでいい感じだ。 「皆さん、初めまして。今年度よりこの授業を受け持つことになりました。僕の名前はーー」