タイトルそのままの話。ラノベみたいなタイトルたのしい。
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めしこ @mogmog_meshiko

燭へし書いてる20↑/まもなく脱走しそう https://t.co/PEdidAAvwW

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めしこ @mogmog_meshiko

社畜、長谷部国重。 朝起きてもサンタは来てなかったが 見知らぬ超絶イケメンに 添い寝をされていたんだが? みたいなクリスマス話を読みたい

2019-12-25 08:12:45
めしこ @mogmog_meshiko

これ別に「あれれ~?何だか尻が痛いぞ?」みたいな展開ではなく(いや、それはそれで見たいわ) 「…あ、起きた?僕は光忠って言うんだけど、きみの名前は?」 「いやいやいやいや、泥棒?不法侵入?」 「やだなぁ、ただのサンタさん見習いだよ」 「サンタさん見習い?」

2019-12-25 12:40:13
めしこ @mogmog_meshiko

「そう、僕はサンタさん達が暮らしてる村で、サンタさんのお世話係をしているんだ」 「お世話係」 「でもサンタさん達、今年集団でインフルエンザかかっちゃって」 「インフルエンザ」 「人手が足りないからって、僕も駆り出されてプレゼント配ってたんだ」 「まさかの日雇いサンタさん」

2019-12-25 12:45:17
めしこ @mogmog_meshiko

「それで、昨日無事にプレゼントを配り終えたらサンタさんに『良い子のきみに何でも一つ、好きなものをあげよう』って言われてさ」 「うんうん」 「ちょうど通りかかったきみに、一目惚れしちゃって」 「は?」 「きみをもらうことにしたんだ」 「人身売買???」 「サンタさんからのプレゼントだよ」

2019-12-25 12:47:53
めしこ @mogmog_meshiko

「いやいや…って言われても」 「掃除、洗濯、炊事…なんでも出来るよ。きみが望めばそれ以上のこともね?見るからに不健康そうだもんね、きみ。調教し甲斐がありそうだよ」 「まさかのサンタさんプレイ」 「それで?きみの名前は?」 「…長谷部だ」 みたいのから始まる、ドタバタ同居コメディ。

2019-12-25 12:50:50
めしこ @mogmog_meshiko

光忠くんが長谷部くんの会社に来て「長谷部くん!お弁当忘れてたよ~!」ってイベントもあるし、お風呂でバッタリもあるし、ご要望とあらばポロリもすけべもあるよ(?) 一緒にご飯作って食べて、一緒に出掛けて、夜は一緒に寝る。 そんな穏やかな日々が、ずっと続くんだと思っていたのに。

2019-12-25 19:13:36
めしこ @mogmog_meshiko

あっという間に月日は過ぎて、一年後の12月23日。明日は光忠が俺のところに転がり込んでから、丁度一年だ。 クリスマスだし、美味いものでも食べて、ちょっと早いけど来年もよろしくと笑い合えたら良い。 それなら買い出しに行く必要があるかと思い、光忠に話し掛けようとした声が、遮られた。 ↓

2019-12-25 23:05:16
めしこ @mogmog_meshiko

「なぁ、明日…」 「明日、僕はここを出ていく」 「…は?何言って…」 「サンタさんとは元々そういう約束だったんだ。一年だけって」 「何だよ、それ…そんな大事なこと、なんでもっと早く…!」 「…言えなかったんだ。長谷部くんと一緒にいるのが、あんまり楽しかったから…言えなかった」 ↓

2019-12-25 23:05:16
めしこ @mogmog_meshiko

「そんな…」 「…ねぇ、一日早いけどさ、クリスマスパーティーしようよ。とっておきのケーキを作るからさ。二人でシャンパンでも飲んでさ、ね」 俺は頷くことも、首を振ることも出来なかった。 そんな、急にさよならだなんて。俺は早寝早起きになった。食事も三食欠かさなくなった。残業も減らした。

2019-12-25 23:12:14
めしこ @mogmog_meshiko

全部、全部おまえとの生活のためだった。俺をここまで変えておいて、おまえは俺の元からいなくなるのか。 泣きそうになるのを、ぐっと堪えた。 たぶん光忠も、泣きそうな顔をするだろうと思ったから。 一足早いクリスマスパーティーは豪華だった。オードブルにチキン、サンドイッチ、光忠のケーキ。

2019-12-25 23:14:39
めしこ @mogmog_meshiko

どれも文句なしに美味い。シャンパンのほろ苦さが、今はどうしようもなく切なかった。 一緒に風呂に入って、一緒に布団に入った。光忠の腕にすっぽり収められた俺は、そのまま光忠の背中に腕を回して抱き締め返した。少しの隙間も許さないように。 おでこにキスが落とされた。

2019-12-25 23:30:15
めしこ @mogmog_meshiko

まるで子供の戯れのような、ただただ優しい触れるだけのキス。ぜんぜん寝たくなんかないのに、目蓋が重たくなってくる。 なぁ、光忠…行かないで… 「おやすみ。良い夢を…」 その声を合図に、俺は眠りへと落ちていった。

2019-12-25 23:30:16
めしこ @mogmog_meshiko

翌朝、一人きりの布団。そこに光忠の温もりは微塵も感じられなかった。 テーブルの上を見ると、ぽつんと置かれた合鍵。 光忠との生活が始まった時に、俺が渡したものだった。 服も、食器も、歯ブラシも、昨日のまま。光忠がそこにいた証があまりに生々しく残った俺の部屋。

2019-12-25 23:51:46
めしこ @mogmog_meshiko

いっそ記憶すらも消してくれれば…そう思わなくもなかったが、消せるようなものでもない。これはもう俺の身体に刻み込まれている。 一人でもきちんと朝ご飯を食べて、昼もきちんと食べて、定時で仕事を切り上げて夕飯を家で作って食べた。 クリスマスイブの街中は、今の俺にはあまりに虚しかった。

2019-12-25 23:51:46
めしこ @mogmog_meshiko

湯船に浸かって温まり、早々に布団に潜り込もうとして、立ち止まる。 メモ帳を一枚破って、ペンを走らせる。自分で綴った言葉に、少しだけ涙が滲んだ。良いだろう、許してくれ。今日はクリスマスイブだから。 半分に折り畳んだメモ帳を枕元に置いて、今度こそ布団に入る。 寒く感じて仕方なかった。

2019-12-25 23:58:46
めしこ @mogmog_meshiko

翌朝、カーテンから差し込む日差し。眩しさから逃げるように寝返りを打つと、何かにぶつかった。 「んむっ?」 「…さぁ起きて。クリスマスの朝は早起きしなくっちゃ」 「みつ…ただ?…なんで…?」 「サンタさんはね、良い子の願いを叶えてくれるんだよ」 ぎゅっと、思いっきり抱き締められる。

2019-12-26 00:07:59
めしこ @mogmog_meshiko

その息苦しさが、どうしようもなく安心できた。 「あ、長谷部くん」 「ん?」 「メリークリスマス!」 「…メリークリスマス」 布団の上には昨日のメモ帳が落ちていた。 そこに書かれていたのは―― 『サンタさんへ。ずっと光忠と一緒にいたいです。この先も、ずっと』 終わり!

2019-12-26 00:08:00
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まとめたひと
@mogmog_meshiko

今日も、明日も、燭へし書くよ。