彼が最期の別れにきてくれたのが嬉しかったのだろう。 棺の中で穏やかに眠っていた顔に僅かな笑みが浮かんでいた。 あの青年がいったい何者なのかはわからないけど、死してなお笑みを浮かべさせるならば、とても大切な人だったに違いない。
2021-03-21 03:12:00ジワジワと、蝉がなく。鯨幕が翻る。全身黒づくめの青年の姿が見えた気がして、気が付くと、そこには誰もいない。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ 遠くから、輪に入ることも出来ず、ただ見送るしか出来ない。
2021-03-21 03:47:17刀剣男士ふしぎぱわーで把握に至るまでの作用がめちゃくちゃ遅くなり、後日親戚間で電話してる時とかにようやく「そういえばあの寿司を爆食いしてた目つきの悪い子ってどこの子?」ってなる #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 06:50:05「あんまり顔似てねぇな」 「そうなの?おじいちゃん、しごといそがしかったからあったことない」 「そうか」 「おにいちゃんもおじいちゃんの『マゴ』?」 「刀」 「カタナ」 「そう。今からはお前の刀だ」 「ごめんなさい、うちの子見なかった?」 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 07:10:43同田貫「というわけでNEW審神者だ」 孫「ここどこ?」 加州「オ゛ワ゛ーーーーーッッッッッッッ♡♡♡♡♡カワイッ♡♡♡♡♡」 歌仙「モッ バッ 馬鹿者!!!!!元いた現世に返してきなさい!!!!!!」 骨喰「さすがに擁護できない」 御手杵「主があの世から助走つけて殴るレベルだな〜」
2021-03-21 07:20:57曲がりなりにも審神者に対して愛はあるが「いやでもやっぱ自分刀なんで」ってしっちゃかめっちゃかブチかましてくる極個体 かわいい〜(天上からうちわを振る)
2021-03-21 07:31:02#親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ 私が死んでも法事なんてやるかわからないけど、みんな見たけどどこの人かわからないまま居なくなってる学生みたいな感じなんだろうな…と。そのうち記憶から薄れていくけど、次の審神者候補の子とかははっきり覚えてる…みたいな。
2021-03-21 08:19:09#親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ あの…燃やす前に入れてくれるのは襟巻きだと思うんですよ…刀は確か金属とかは入れちゃダメだし、襟巻きは彼の顔とか首にあるものだから…。死んで燃やされて灰になったら、骨とか灰を少し持って帰って、生前好きだった場所とかに撒いたりしてくれる
2021-03-21 08:24:16骨はお守りの中とかに入れる…。審神者の生前の、死んだらどこに行くの?という問いに彼は何て答えるんだろう…。アンタはここに帰って来て、ずっと俺たちと一緒だ。って言う気がする。だから現実がどれだけつらくても頑張れたし、死ぬのも怖くなかった。死んだら彼が迎えに来て必ずここに辿り着く。
2021-03-21 08:26:50全く親しくない親戚の葬式だったから、その時の記憶は正直言ってあんまり無い。 あ、でも、一人だけ記憶に残ってる。席の後ろ側に座ってた、黒いマフラーの兄ちゃん。 無表情だったけど、俺には、その場にいる誰よりも悲しんでるように見えた。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 08:34:33# 親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ 通夜や葬儀の空間に混ざるたぬが色としてしっくりくる気はするものの、盆の見舞客としてやってきてふいっといなくなった誰も名前を知らない学生風のおにいさんの方を先に幻視してしまった
2021-03-21 08:51:16蝉の鳴き声とうだるような残暑の熱の中、盆見舞いに来てくれた学生風のおにいさんを玄関外で見送っていたら陽炎のように黒ずくめの姿が一瞬見えて 振り返ったおにいさんはやっぱり学生のようなシャツ姿で、「暑いだろ?早く中に入れよ」って言ってくるんだな
2021-03-21 09:05:12焼香の仕方は、前の人を真似しなさい。そう言われたから、私はドキドキして前の人をじっと見た。その人は黙って立っていたから私も安心してそうしたら、見ていた叔母が苦笑してやり方を教えてくた。 あのお兄さんは、あれで良かったのに。 なんで? #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 09:08:11#親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ そういや法事のあとの会席。お茶も弁当も一つ多く出てたなあ。お返しも一つ多く用意されていた。でもいつの間にかお茶も弁当も空になってて。一つ残ったお返しをどうしようか悩んでたら、ごっそさんって静かな声と黒い影を見た気がした。あれがもしや…
2021-03-21 09:25:15親も顔見知りも手伝いに出て手持ちぶさたにしていたら、テーブルの上にお菓子を見つけた。食べていいか迷っていると、「食うか?」そういうお兄さんの頬は既に膨らんでいた。 後に犯人探しが始まったけど、僕は最期まで黙っていた。男同士の秘密だからね #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 09:41:17微笑んだ祖母の遺影の口角がさらに上がったように見えて、隣の人を伺うと顔に傷のある男の人で「昔から賑やかなのが好きでよく笑うひとだったからな」と言われた。誰だろうこの人。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 09:43:12そういや、親戚のおばさんが亡くなったときの守り刀、短刀じゃなかったな…昔過ぎておぼろげだけど珍しくて覚えてた。 誰か教えてくれた気がしたけど、厳つい兄ちゃんの名前が思い出せない… #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 09:53:44狭い箱の中に詰められた、大祖母の姿がこわかった。それがわたしと同じ人間の姿なのだとはとても思えなかった。不気味な箱を取り囲んで、泣いたり、箱に花を詰めたりしている父母たちの姿もおそろしかった。わたしはじりじりと輪の中から遠ざかった。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 09:53:50並べられた椅子の脚にぶつかる手前で、誰かが私の背を支えた。びくっとして振り返ると、わたしと同じに輪から外れて、わたしの目線にしゃがみ込んでいる男が、にやっと変な感じで笑った。
2021-03-21 09:53:50大祖母のお葬式の時こわかったのはほんとの話なんですけど、そこに同田貫を足しただけで本当に会ったような気がしてきたな…同田貫…私の記憶が狂う…
2021-03-21 09:58:30出棺前最後の顔合わせ。目をかっ開き故人の顔を目に焼き付けている男に恐怖を感じ、人ならざるものが喰ってやろうだとか故人の皮を剥いで化けてやろうだとか考えてるんじゃないかと思った瞬間、男が霧散した。金属の欠片と桜の花びらが散った気がした。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 09:55:31お骨を足から順番に評価しては小さな骨壷に納めるよう参列者に促し、大きな骨はちょうど良い大きさに砕く火葬場のお兄さん。「しっかりした健康な骨ですね」「色が変わっているのは治療の跡で…」意外と若いけど、やっぱり顔の傷が気になるなぁ #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 10:20:09なぜあの人のことを誰も不審に思わないの、と中学生ながらに思ったものだ 似たような黒い服、見分けのつかない人々の中、彼だけは冷たく硬い空気を纏い明らかに異質だった なのにまるで誰も彼を見えていないみたいに滞りなく式は進んだ、遠い日の記憶 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 10:30:58ふと仏間を覗くと、白檀の香りに紛れて、鋼の匂いを纏った男が立っていた。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ pic.twitter.com/CkN6EBTrrQ
2021-03-21 10:34:09思い返せば、って奴ですよね…タグで思い出しましたもん。 祖父の葬儀の時、田舎が珍しくて一人で山に入りかけたのを「そっち危ないぜ」って声かけられた事。 同田貫に「あれって…」って確認したら「今かよ?!」って突っ込まれたけど当時10歳やぞ? #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 10:40:04肉親が逝ってしまった悲しみから身も世もなく泣いていると、「そんなに泣いちゃあ目が溶けちまうぜ」と、がさがさした黒い布で目元を拭われ、ついでに乱暴に頭を撫でられる。そのてのひらに温度がないことに気づき顔を上げるが、そこには誰もいない。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 10:46:35自分で顕現し本丸に居る彼な訳がないけれど、 昔スーツ姿の彼と何処かで会った気がして、 「昔どこかで会ったっけ?葬儀とか。」と冗談交じりに訊いてみれば、 「あー…さぁな。気のせい…じゃねぇか?」と、 明らかに気不味そうな顔で目を逸らされる。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 11:21:56祖父の七回忌、大人たちの集まる部屋の縁側にひとり座っていると、いつの間にか目の前にいた男に「なあ」と呼び止められる。「よし、見えてんな。さすがはあいつの孫だ」「あいつが逝ってもう七年だ。優秀な男だったが、さすがに引いていった境い目が → #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 11:13:22少々曖昧になってきちまってる」「もしもこれから、何かこわいことがあったらな、あんた。すぐにこう呼びな、」 ドウダヌキマサクニ、と、耳慣れないまじないを教わった。真っ黒の髪、真っ黒の衣装、二つの目だけが、けもののような金色。
2021-03-21 11:13:22葬儀も満足に行えなかった。先月ガラス越しに顔を見た、それが最後の別れ。 「おかしな世の中になっちまったな」 焼き場の扉の前で、祖母に教わったしきたりを思い出す。 「お斎を用意できなくてごめんなさい」 余分の一膳は、この人の為だったんだ。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 11:22:34叔父が粗大ごみの山に放り投げたそれが気になった。模造刀?祖父にそんな趣味があったとは。 手に取るとずっしりと重い。黒い鞘をずらすと頑丈そうな刃がぎらりと光る。 「次はあんたか。よろしくな」 楽しそうな男の声が響き、気付くと刀は消えていた。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 11:43:09#親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ pic.twitter.com/Sfys0LU3Ik
2021-03-21 11:45:44嗅ぎなれない匂いをまとう、眼光鋭いお兄さんがいた。親戚の皆の焼香を見ていたから、ふと「お焼香、しないんですか」と聞いたら驚かれる。「…あぁ、…そうか。するよ」と案外柔らかく笑って、焼香して部屋を出ていった。 …もう少し居ればいいのにな。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 12:01:56修行の(それぞれの)一番最期の場面かもしれないと思ったらまた味わい深いですね(弔ってもらえた主のほうが少なそうですけど) #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 12:04:05火がついたように泣き叫ぶ幼い息子を外に連れ出した。畳や床板を駆け回り砂利を踏み荒らす音が聞こえるのに、法要は続いている。 「悪ィ邪魔したな」 声を最後に息子は泣き止んだ。ここは古いお寺だから、柱に刀傷の一つもあるのだろう。さあ戻らないと。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 12:08:44#親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ 誰もいない仏間の骨壷を前に、 「俺よりちまくなっちまったなぁ、あんた」 と語りかける男の後ろ姿が襖の隙間から見えたので、お茶を持っていくと誰もいない、人がいた気配もないそんな本家のおはなし
2021-03-21 12:19:40#親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ 小さい頃は「死」ということがよく分かってなくて、棺に納められたその顔をじっと見つめていた。親から窘められてもなんで悪いのかもいまいちわからなくてむくれていたら、「あんま見てっと起きちまうぞ」と黒い服のお兄ちゃんに頭を小突かれた。
2021-03-21 12:22:00祖父の七回忌。幼い頃に亡くなった祖父との思い出は無く、少し離れたところから皆を眺めていたらお墓の方から来た人に声をかけられた。 「お前もじいさんに挨拶してこい。じいさん喜ぶぞ」 祖父が喜ぶ、その言葉が何となく嬉しくて皆の所まで駆けてった。 #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 12:42:49まだ僕が五つだったころ、顔も知らない親類の法要はひどく退屈で、そっと母屋を抜け出し庭のあちこちを探検して回っていた。縁の下、生垣の穴、白い花の咲く木、木の下の花びら、湿った暗がり、古くて大きな蓋の被せられた、「おい、そこはダメだ」 → #親戚の法事で見掛けた気がする同田貫アンソロ
2021-03-21 12:51:45ぐいと襟首を掴まれて、振り返ると男がいた。顔の真ん中に大きな傷。男の子でも男の人でもない、そのちょうど間くらいの年頃に見えた。「遊ぶならこっちの方にしな」手を引かれ、明るい日の差す方に導かれる。そのまましばらく僕たちは庭先で遊び、じゃあそろそろ戻りな、と僕の背を押したその人に
2021-03-21 12:51:46干菓子を差し出した。お礼。庭に出る前に、山盛りの籠からひとつだけもらってきたのだ。「悪いな、俺ァこっちのもんは食えねえんだ。でも、ありがとうな」僕の頭を撫でながら思い出したように付け加える。「あんたも、向こうのもんは食っちゃいけないぞ、戻れなくなる」どうして?と、訊ねた時にはもう
2021-03-21 12:51:46その人はいなかった。庭にも、家の中にも、どこにも。それから、親戚同士のどんな集まりに出かけても、終ぞあの人を見かけることはなかった。
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