久。
@hisashi_935
振り返らないシンデレラを追い掛ける王子様の背中を見つめる事しか出来ない女の子が、一世一代のチャンスにかき集めたガラスの破片で歪な靴を作る。破片で足が傷つき、靴は真っ赤に染まるけど、「君の口紅とお揃いの、綺麗な赤だね」と恭しく残された方のガラスの靴を履かせてくれる王子様――の従者。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-03-16 22:06:11
久。
@hisashi_935
極寒の地に君臨する厳しい寒さを従えた冬将軍と、冬空を彩る虹色絵描きのオーロラが、皆寝静まる午前三時にちょっとしたティータイムを誰も来ない猛吹雪の山頂で毎日楽しんでる話。 何かオリジナルっぽくなってしまった…。 twitter.com/haruto2323/sta…
2017-03-16 22:19:13
久。
@hisashi_935
六月に生まれたカエルが紫陽花から夜空を見上げた時、銀河の星屑に恋をした。紫陽花は赤（止まれ）から青（進め）に色を変え、「宇宙まで跳んで会いに行って来いよ！」って感じでカエルを勇気付ける。 星屑の方は、小さな緑色の元気な愛らしさを遠い銀河から微笑ましく見詰めてました、みたいなオチ。 twitter.com/snow_6flowers/…
2017-03-16 22:51:00
久。
@hisashi_935
騙されていたと気付いた時にはもう遅く、私は処刑台の前に立たされていた。処刑台に送ったのは恋人――の振りをしていた男。邸に潜り込んでいた密偵。首が落とされる刹那、私の意識は過去に戻った。何故かかつての恋人が使用人として邸を訪れる日まで時間が巻き戻っている。過去をやり直す私は、彼を。 twitter.com/haruto2323/sta…
2017-03-16 23:14:01
久。
@hisashi_935
ジャニ系アイドル『銀河』の「雨」のファンと、数年前のとある六月、虐待受けてて雨の中放り出されてずぶ濡れで凍えていた自分に傘とタオルと温かい飲み物を無償で与えてくれた通りすがりの少女にもう一度会いたくて、君のお陰で今も生きていると伝えたくて、芸名を「雨」にして芸能人目指した男の子。 twitter.com/snow_6flowers/…
2017-03-17 21:47:24
久。
@hisashi_935
聖少女に付き従ってきたとある男が、地獄の最果てでかつて男装し母国の為に戦った挙句が火炙りという末路を迎えた魂を見付ける。「あぁ、貴女はやっと自分が女性になる事が許したのか」――焼け焦げた魂を包む煤のドレスを前に、生前、少年しか愛さなかった男は傅く。やっと女性の貴女に愛を示せると。 twitter.com/haruto2323/sta…
2017-08-12 19:33:44
久。
@hisashi_935
その秘密は公然の秘密。禁断の愛に酔うのはまことに結構な話だが、滑稽な話だとは思わないか。なぁ、薔薇の陰に潜むからこそ秘密は保たれるのに、お前達の薔薇ときたら透き通るガラスで出来ているから誰が見たってバレバレじゃないか。だからさぁ――もう俺が踏み砕いて良いよな？俺の奥方と俺の弟よ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 19:47:49
久。
@hisashi_935
常緑の橘。お前はその名の通り、いつまでも若々しく生命力に溢れているな。桜の私は毎年咲いては散っていくのに。お前の力強さが私には愛おしく、厭わしく……なぁ橘。どうか私の美しい盛りだけを覚えていて。――お前がそう言ったから、桜。私はお前が枯れ死んだ今も尚、お前に背を向け続けている。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 19:55:21
久。
@hisashi_935
ぼくの背で涙を隠す可愛い人。縋りつく指の細さを知っていても、その指がこんなに強くシャツを握り締めるなんて今まで知らなかったよ。しっかり背を広げて、恋に破れた君の涙も脆さも全てをあの男から隠してしまいたいのに、どうしてかな。君の涙でぼくの背骨は今にも甘く溶けていきそうだ。困ったな。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 20:00:15
久。
@hisashi_935
海が綺麗なのは人の命を呑み込んでいるからだよ。――そう言ったのは、海で初恋の人を亡くしたという少年だった。月下で微笑む少年の顔、何故だろう、こんなに月が明るいのに、表情がよく見えなくて、近付く。気付けば喉まで海に浸かっていた。なのに足は止まらない。どうしてだ、少年はどこへ行った？ twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 20:10:30
久。
@hisashi_935
夜色蝶々の鱗粉は高値で売れる。星を閉じ込めた夜の色。爪に施せば艶めかしく、その美しさに心が浮かれてホラ、蝶のようにつま先からフワリ、空へ飛び立てる。――だから頼むよ、脚の悪いあの子が女衒から空へ逃げられるように、その鱗粉を少しで良いから分けておくれよ。対価は俺の命で贖うからさ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 20:57:12
久。
@hisashi_935
部員怒鳴り付けて、練習を飛び出して。いっそ降格処分を受けた方がマシだった。なのに部活には出なくても良い、試合に出て勝ちさえすれば良い、ってどういう事だよ。そんなの、そんなのは――、 「オレに勝てるのは、オレだけだ」 才能なんて、あり過ぎても邪魔なだけだな。 （『黒バス』青峰） twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 21:44:03
久。
@hisashi_935
命が事切れる間際の脈動、溢れ出す血の温かさが牙を濡らしてきた。だけど君と出会って、牙を収める術を知った。血の温かさ、芳醇な香り、甘美な味すら忘れ。ずっと君と連れ添ってきた。だけど君はもうすぐ逝ってしまう。遺言通り、久々に血を味わうよ。我が妻よ、私の血肉となってどうか安らかに眠れ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 21:52:18
久。
@hisashi_935
聖剣に選ばれてしまったが為に、ただの村娘だった少女は勇者になって世界を救う。平和になってやっとお役御免。結婚の約束をしていた幼馴染と結婚式を挙げるの、やっと私、花嫁になれるのよ！――魔王との決戦で視力を失った元勇者のヴェールを持ち上げる花婿は、本当は死んだ幼馴染の息子とも知らず。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 22:02:31
久。
@hisashi_935
そんなセリフと共に、長い指先がコルクを突く。途端、軽くグラつく瓶。淡く色の入った瓶の中身は、一枚の丸めた紙。 欲しいならくれてやる、だなんて。瓶の中に婚姻届入れて「地獄」とはよく言った。プロポーズくらいマトモに出来ないのかアンタは。受け取ってやるから判子の代わりに一発殴らせろ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 22:17:29
久。
@hisashi_935
「何か欲しいものある？」と訊ねたら、「お前の左手の薬指」と間髪入れずに返って来て思考が止まる。どういう意味、だなんて訊くほど野暮でもないけれど、そんな急に、どうして。戸惑う私の左手首を攫い、薬指の付け根から爪までを、意味ありげな指先が撫でた。震える私の耳元に、落とされる囁きは。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-12 22:23:34
久。
@hisashi_935
赤紫から、紅、桃、白、水、蒼、青紫と色を変える。七色変化の虹彩は王家特有の「紫陽花の眸」。移り気を花言葉に持つ瞳の美しい人、その眼は今日も七人の恋人しか映さない。君の恋人になるには、恋人の座が一つ空かなくてならない。知ってるよ、毒林檎の副作用で薄愛主義になった君の愛し方くらい。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-18 21:22:14
久。
@hisashi_935
美しい人形。宝石の涙と聞いて有り金叩いて購入した。なのに全然泣かないから随分酷い事をした。何しても涙一つ零さない。あんまり腹が立ったから犯してやったら、やっと泣いた。「好き」と嬉しそうに笑いながら。馬鹿か。こんな行為が愛だと誰に教えてもらったんだ。言え。今から落とし前付けてくる。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-18 21:28:36
久。
@hisashi_935
敵対していた組織の女ボスと我らが若君が結婚によって和睦を結ぶ。さぁ今こそ和解の時、盃を酌み交わそう兄弟！互いに胸襟を開く宴の夜、いつもは華やかな紅薔薇の如き女は艶めく黒いドレスで淑やかに。黒薔薇の美貌は今夜、白薔薇の花嫁衣装に身を包む。――そう、開くべき胸襟に復讐の茨を忍ばせて。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-18 21:41:28
久。
@hisashi_935
磔刑にされた男は死んだ。嗚呼、彼が暗愚であった時など一瞬たりともなかったはず。だってぼくの為にあらゆる祈りと献身を捧げてきたあの人が、何故処刑されなくてはならない。ぼくの言葉を代弁する資格を持つ我が子をよくも。神たるぼくを弑す代わりに、ぼくの子を殺した理由は。人間よ答えておくれ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-08-18 22:00:28
久。
@hisashi_935
彼は美しく囀る小鳥だった。少年期特有の、女声に似て非なる至上の歌声。されど伸びやかな肢体は骨を軋ませ、天上の声を地に堕とす。錆びゆく声に蜜を塗ろうにも、時間は無情にも澄んだ音を攫う。吐息に混じる微かな清音のみが過去の栄光、痣の如くに掠れた残滓を纏う。――さよなら、美しく囀る小鳥。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-10-23 22:19:58
久。
@hisashi_935
人差し指が動いたと思ったら、次の瞬間には耳の横を通り過ぎていた。それは音速か光速か、少なくとも瞬き一つで耳を隠す髪を舞い上がらせたのは一発の銃弾。耳殻を掠めた鋭い熱と僅かな痛みは、1ミリの距離で壁に埋まる。何故。どうして私がお前にそれを向けられなければならない。教えて、私の執事。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-10-23 22:25:17
久。
@hisashi_935
僕がまだ子供だった頃、貴女があの男に向ける眼差しは、些細な事で漣が揺れた。貴女の気持ちを知りながら知らないふりするあんな男、どこが良いのか判らない。――なのに、今の貴女はあの男の結婚を知っても、昔のように漣が浮かばない。貴女はいつから僕を、漣の揺れる眼差しで見つめるようになった？ twitter.com/lunksan222/sta…
2017-10-23 22:33:22
久。
@hisashi_935
灰で出来た街だった。どこもかしこも堆く灰が積もって、こんな街で暮らしていけるとは思えない。かつての栄華は衰退し、もはや廃墟のような街。なのに君は死んだ街で雪のように灰をかぶって遊んでいる。身体を蝕む死の灰を全身に浴びた君は、いずれ息絶えるだろう。美しいかんばせすら、灰にまみれて。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-10-23 22:38:19
久。
@hisashi_935
青とは至上の色である。青を全身に纏う私こそが世界の王。夜を妻に朝を夫に昼を伴侶に迎えた空たる私にひれ伏せ。雲で隠して星を散りばめ月を飾って陽を飲み干す私の姿は広大過ぎて、誰にも全てを掴めやしない。満ちる光の中を時間の限り私は支配する。私の一欠片の青すら、掴み取れるとは努々思うな。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-10-23 22:44:07
久。
@hisashi_935
久しいな。やっと霧雨の怒りが解けたのか。否、融けたのか。おまえときたら霧雨に喧嘩を売るとは命知らずな。あの御仁はロンドンを濡らすだけの穏やかな神だが、怒らせると怖いぞ。よりによって世界中に愛人がいる黄砂に引っ掛かるとは。しかも黄砂の一番のお気に入りは霧雨ではなく神風だというのに。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-10-23 22:52:27
久。
@hisashi_935
猪の牙は安産祈願の御守。銀製のそれが雪深い森に捨てられていたぼくの首に掛かっていた唯一の財産だった。雪で埋め尽くされた白い道にはもはや足跡すら残っていない。赤子の高い体温でも、雪風に喉も灰も凍ってしまう。それしかない僕に手を差し伸べたのは、白をかき消し銀に映える黒衣の魔女だった。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-10-23 22:59:22
久。
@hisashi_935
思えば俺の殺意はいつだって貴女に眠らされていた訳だ。俺が退屈を覚えるほど出来が良く病弱な貴女。わざわざ俺が手を下すまでもない、殺さずとも死の神に愛されている貴女だからこそ、俺はこの殺意を眠らされていただけ。――嗚呼、俺とした事が。こんなにも長い間、善良な貴女に騙されていたなんて。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-01 22:11:57
久。
@hisashi_935
能ある鷹は爪隠す。なら、トンビに気を遣って常に爪を出している鷹など、その時点で無能だと自ら吹聴しているようなものだ。だからこんな姦計に足を掬われるんだよ。――なぁ？出来の良過ぎる義兄上。出る杭は打たれるものだと学ばなかったか？私は学んだからこそ、今まさに義兄上の全てを手に入れた。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-01 22:20:11
久。
@hisashi_935
指一本。それでケジメを付けろと、ノミを持つ上司に言われた。間引くなら小指が一番楽だが、親指を寄越せと言われるのは判っていた。だが親指を失えば、この先苦労する事は眼に見えている。だからせめて、二番目に便利な指で譲歩してくれ。……失った人差し指は、俺の身体の部位で一番美しい。今も尚。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-01 22:28:01
久。
@hisashi_935
色恋とは舞台のようなものだ。初々しい出会いから瑞々しい初恋を覚え苦々しい片想いに胸を痛ませた後に煌々しい両想いを過ごし忌々しい妬心に縛られ清々しい別れで〆る。決められたルートを辿って大団円で終われば儲けもの。からくり仕掛けの恋はただ、セリフも役者も毎日違う顔ぶれというだけの話さ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-02 18:38:57
久。
@hisashi_935
僕の心臓が欲しいだって？僕に惚れた腫れたの面倒は押し付けないでほしいもんだね。こう見えて僕は一途なもんで、いっそ胸を切り裂いて見せてやりたいくらいだよ。そうしたらアンタも僕の心臓を欲しがる気なんて失せるだろうさ。――千年前に死んだ恋人の名を刻んだ僕の心臓は死した今も彼女のものだ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-02 18:51:52
久。
@hisashi_935
流星群を観に来ないか。――そんな誘い文句に釣られてのこのこ部屋を訪れる。理知的な冷たい眼鏡の奥、眼差しは熱く燃えて綺羅星のよう。なぁ、俺だってお前と同じ、男だよ？そっちこそ覚悟出来てんだろうな？今夜は一晩中、お前の瞳に浮かぶ星を鑑賞させろよ。つまり、寝かせてやらねーっつってんの。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-02 23:15:57
久。
@hisashi_935
神の手を持つあの人は、作る曲も奏でるピアノもとても素晴らしいのに、悪筆が凄まじい。こんな楽譜、誰にも解読出来やしないわ……私だけしか。今日も今日とて写譜師の私は難解な楽譜を広げた途端、口ずさんでしまう。だって美しい楽曲が書かれた譜面から漂うインキと泥臭い努力の跡が、今日も愛しい。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-02 23:31:30
久。
@hisashi_935
過去の私は愚かだった。さぞや滑稽だったろうさ、野蛮な地の神が天の神であるそなたに恋い焦がれる様は。そなたを妻に迎えたいと願った嘆願が聞き届けられた時、私は浮かれたのに。私と契るのはそんなに嫌だった？私を謀って殺して私の国を奪ったそなた達高天原の神々を、死した今も私は赦していない。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-02 23:39:58
久。
@hisashi_935
死神の足音が聴こえてくるの。私きっともうすぐ逝くのね。怖くはないわ、ただあなたが心配。どうかそんなに泣かないで。あなたの涙が顔に落ちて、目にも入ってしまったわ。これじゃあなたの顔が滲んで見えない。お願いよ、あなたは明日も前を見て。だけど今夜は、一番綺麗だった頃の私の夢を見てね。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-02 23:51:09
久。
@hisashi_935
ヤクザの飼われ者と一目で判る、婀娜っぽい男娼は白い裸体を見せ付けて誘う。その肢体に不自然を見付けた俺は指摘しようとして察してしまった。抱かれる為の身体は腰のくびれを作る為に肋骨を減らしたのだと。花の匂いが纏わり付く男娼は、黄昏の窓際で雨音と笑う。チープな映画のワンシーンのように。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-02 23:58:31
久。
@hisashi_935
置いて行けよ。翡翠のブローチはお前の母親の形見だって、知ってるさ。あの子はお前の可愛い人だって、知ってるさ。だけどさ、今はそんなのに構ってる暇、ないんだよ。判るだろ？俺はお前が大事だよ。だから、だからさ。頼むから、彼岸に立つ母親と恋人を、無視してくれよ。どうせなら、老いて逝けよ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-03 00:06:30
久。
@hisashi_935
大事にしまって可愛がろう、と貴方が仰った。籠の中で寵愛を飲み干すだけの簡単なお仕事。閉じ込められた籠の目から、貴方以外の愛を受け取っているとも知らず。……そう軽んじた私こそが浅慮だった。貴方は皇であるのに。全ての妃をそれぞれの籠に閉じ込めている間に、外戚の権力を均していたなんて。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-08 21:55:38
久。
@hisashi_935
一年の殆どを氷雪に閉ざされたこの郷に、植物の緑なんて瑞々しいものなど一片たりとも存在しない。なのに貴方はとこしえの緑を持って戻って来た。希望の種だよ、と貴方は言う。そうね、希望の種を私に注いで。――もうこれ以上近親婚を繰り返す訳にはいかない。貴方の子種が欲しかったなんて、言えない。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-08 22:02:04
久。
@hisashi_935
今日の善き日に相応しい、寿ぎの白はどこまでも不侵。君の将来の夢に俺が白い礼服を着ていた日は遥か遠い過去の戯言。君は俺のお嫁さんになるんだと言って、だけど兄妹では結婚出来ないよ、と教えたら泣かれてしまったあの時を昨日の事のように覚えている。――あぁ、世界一綺麗だ、俺の義妹で初恋の人。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-08 22:07:42
久。
@hisashi_935
破瓜の血で染められたあの子の白百合は真っ赤に咲き誇る。そら、件の道化者のおでましだ。綺麗な赤に魅入られてパキリと茎を折った途端、あの子の呪詛が降り注ぐ。まるで虹のように綺麗だね。おや、目に入ってしまったのかい？それは残念、もうその目には何も映らない。せっかくの美しい虹も、二度と。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-08 22:13:37
久。
@hisashi_935
華道の家元なんて堅苦しいったらありゃしない。だけど、花屋の跡取り娘の君がいつも花を配達してくれるから、頑張ろうと思った。いつか水に荒れてあかぎれだらけの手を取りたいと思っていた。今となっては砂上の楼閣、青臭い夢物語さ。――金屏風に映える花瓶に活けられた花々は、いつも以上に立派だね。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-08 22:24:37
久。
@hisashi_935
死にたい、いっそ殺せ、とお前は顔を合わせる度にいつも言う。泣き言垂れる暇あんなら股開け。お前が悪いんだぜ、両足砕かれたのは。俺が唆したから？…かもしれねぇな。でも証拠なんてどこにもねーぜ？残念だったな、絶倫の若から逃げられなくて。もっとも、もうどこにも行けねーし、生きられねーか。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-08 22:36:15
久。
@hisashi_935
昔、貴女を恋うた野蛮な神を覚えている？たかが地の神の分際で、身の程知らずにも貴女を娶りたいなど。だから貴女を使って国を奪ってやった。実り豊かなこの大八洲、貴女のお陰で恙なく我らの支配地として続いているよ。勿論、貴女が目覚める度にこの栄誉を語って差し上げる。…おや、何故泣くのかい？ twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-08 23:01:05
久。
@hisashi_935
周辺国家の判らず屋共め、下らぬ事で私の邪魔をして。私を即位させる為に父上から賄賂も享受しておきながら、死した途端私がハプスブルクを継ぐのは認めぬだと。面白い。ならば私はお前達が最も想定しない国へ救援を乞おう。何、王には試練が必要だ。ハンガリーに頭を下げるくらい、大した柵でもない。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-11 21:16:16
久。
@hisashi_935
あっという間の口付けだった。唇をやわく食まれて、油断した隙に舌先がぬるりと滑り込む。あまりにも唐突な甘さに眩暈がする。訳も判らず落ちると焦った。喉元を過ぎる甘さを呑み込む。甘いキスの余韻に視界がボヤける。…色仕掛け、上手だね。どうせ寝かし付けるつもりなら、いっそ最後まで眠らせて。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-11 21:20:28
久。
@hisashi_935
ある村に嘘つきな男がおりました。口を開けば嘘ばかりで、村の人達も困っていました。地獄からその様子を見ていた閻魔様は、あまりに酷い嘘つきな男を即刻地獄に誘い堕とし、罰として二度と口が利けぬよう舌を引っこ抜きました。しかし、次の日も彼はよく喋ります。何故なら、男は二枚舌だったのです。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-11 21:27:37
久。
@hisashi_935
中指立てんじゃねーよ、下品だな。そんなに挑発したいなら、良いぜ、乗ってやっても。クソ生意気なガキには仕置きが必要だよなぁ。――次の瞬間、少年の中指は赤い飛沫と共に吹っ飛ぶ。今更悲鳴上げて泣きながら赦しを乞うても遅ェんだよ。本物の怖さも知らないくせに、よくヤクザに喧嘩売れたもんだな？ twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-11 21:31:10
久。
@hisashi_935
海賊王の一番のお宝と噂が立って期待したら、ちっぽけな小娘と知った時は、驚いたけどね。なぁ、俺との交渉中にあがった海賊王の歓喜の叫びを聞いたかい？「一番のお宝」が聞いて呆れる。あぁ、ようやく。世界中の財宝なんて重くて船が沈むだけのガラクタと引き換えに、アンタはやっと、俺のもんだよ。 twitter.com/lunksan222/sta…
2017-11-23 22:22:13