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ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「おはよう、兄さん。」 「…おはよう…」 朝目覚めると、なぜかそこには弟がいた。 から始まる僕の弟の謎の一日

2015-05-29 15:17:23
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「…何でお前がここにいるんだ?」 「兄さんに会いたくなったから。」 …そんな理由でこの間も来ていなかったか? …いや。この弟の行動に関して深く考えるのはよそう。 考えるだけ無駄だ。

2015-05-29 15:38:33
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 顔を洗ったりと、身支度を整えてリビングへ行くと不機嫌な表情で彼女が新聞を読んでいた。 「…おはようございます…」 「おはよう」 目が、「何でそいつがいるの?」と言っている。 こっちが聞きたいくらいだ…。

2015-05-29 17:12:23
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 朝食は僕がパパっと作り、なぜかこの三人で食べる。 リオンはいない。 「兄さんは料理も上手なんだね。すごく美味しいよ。」 「それはどうも…」 お前…それは彼女でもできたら言ってあげる言葉だと兄さんは思うよ…

2015-05-29 22:46:53
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「兄さんはこうやって料理するのに、なぜお義姉様はしないんですか?」 ちょっ…… さすがに焦る。 なんてことを言い出すんだ! メロちゃんはギロリとヴィヴィアンをにらんだ。 「…あなたのお兄さんがするなって言うからですけど?」

2015-05-29 23:05:16
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「え?」 ヴィヴィアンは僕の方を見る。 そう…そうなんだ…確かに僕が言った…。 だってメロちゃんが料理なんてしたら。 「い…いいんだ…料理好きだから…」 作るもの全部お菓子になってしまう! しかも本人はそのことに気がついていない!

2015-05-29 23:07:47
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 僕一人が犠牲になって誰も傷つかずに済むならそれでいいんだ… こうして食事を終え、一通りの家事も終わった頃… メロちゃんがすくっと立ち上がった。 そして玄関へと向かっていく。 「…どこか行くんですか?」 出かける予定は聞いてなかったので、尋ねた。

2015-05-29 23:11:53
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「リン君の所。」 「!!?」 何で?何の為に!? 「な…何をしに…?」 「何だっていいじゃない。リン君も退屈しているだろうし、話しに行くだけよ。」 彼は確か、ミリアル・スマイルの所にいるはずだ。 あそこにいるようになってから、メロちゃんはよく彼に会いに行く…

2015-05-29 23:15:13
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「…私だって少しは責任を感じてるのよ」 「え?」 「何でもない。それじゃ。」 「め、メロちゃ……」 いいのか? このまま行かせてしまっていいのか…!? 「待ってください、メロちゃん!」

2015-05-29 23:16:58
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「な、ななな何でふ、二人そろって…!?」 「付き添いですが、何か。」 「僕は兄さんの付き添いだよ。」 スマイル宅へ行くと、ミリアル・スマイルを盾にして出迎えられた。 それが客人を出迎える態度か。まったく。

2015-05-29 23:21:30
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「ごめん…リン君…」 「え!?何がですか!?お、俺は全然構わないですけど!」 もはやただの美少女にしか見えない彼は挙動不審になっていた。 「リン君…僕はそろそろ行ってもいいかな…?仕事があるんだけど…」 「そ、そうか…悪い…」

2015-05-29 23:25:10
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 盾となっていたミリアル・スマイルはそう言ってどこかへ行ってしまった。 「…ねぇ。もういいでしょ。あんたたち帰りなさいよ。」 「…え?帰らないとダメなんですか?」 「いる気だったの?」 「帰る理由もないですけど!」

2015-05-29 23:29:32
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL メロちゃんからの「さっさと帰れよ」オーラに負けじと踏ん張る。 「えー、僕は久々にリン君とお話したいです。お義姉様。」 ナイス!ヴィヴィアンナイス! 「…は?なんであんたが」 「僕たち同じ年なんですよ。だから何だか仲良くなれそうだねって。ねぇ?」

2015-05-29 23:32:19
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 本人は引きつった笑顔である。 メロちゃんはヴィヴィアンに疑いの目を向ける。 「それにしても驚いたよ。一瞬誰だかわからなかったな。よく似合ってるよー」 「どどどどうも……」 ヴィヴィアンが一歩近づくと一歩後ろにさがるリン君。

2015-05-29 23:35:37
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「あんまりにも美人だからちょっとドキドキしちゃったよ~。良かったら僕のお嫁さんにでもなる?」 おい…やめろ…弟… 「そ、それは、さ、さすがに遠慮します…」 今にも泣きだしそうな笑顔で今度はメロちゃんを盾にした。 む…

2015-05-29 23:38:30
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「やっだなぁ~。冗談だよーそんなビビらないでよー」 …冗談でも言っていいことと悪いことがあると思いますが、それはさておき。 「ヴィヴィアン…」 「え?あぁ、ごめん兄さん。ちょっとからかいたくなっちゃってー」 こいつ… 我が弟ながら恐ろしいやつだ…

2015-05-29 23:42:11
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「あんたたちいい加減にしなさい!リン君を困らせるやつはこの私が許さないわよ!」 「わ~お義姉様怖いなぁ~」 メロちゃんはヴィヴィアンを睨みつける。 「はい!回れ右!元きた方へ帰りなさい!これ以上ついてくるな!」 「いや。でも。」 「口答えするな!!」

2015-05-29 23:45:23
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 彼女の目はだいぶお怒りだったので、僕たちは帰らざるを得なかった。 あぁ…なぜこんなことに… 「あははー。怒っちゃったね。それにしても彼は何であんなに僕たちを警戒していたんだろう?」 「…知らないよ…」 なぜなんだ…一体アレの何がいいんだ…

2015-05-29 23:48:10
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「…ねぇ、兄さん。」 「…なに…」 僕は抜け殻のようだった。 「あの二人って、なんだか似てるね?」 「そうかぁ……?」 すべてがどうでもよくて、この時はその言葉の意味を深く考えなかった。 一体全体何が似てるっていんだ…

2015-05-29 23:50:08
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「ねぇ、ねぇ兄さん。」 「今度は何だよ…」 「お腹がすいたなぁ」 「帰ったらお昼ご飯作るよ…」 「やった~。僕、オムライスがいいな」 「はいはい…何でも作りますよ…」 はぁ…… 何でこんなことになったんだろう…? おわり?

2015-05-29 23:52:25
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL おまけ 「もう嫌だ…金髪は見たくない…」 「…ごめん。」 リン君はソファーで真っ白になっていた。 「め、メロディーさんのせいじゃないです…」 変に気を遣わせてしまって、ますます申し訳なくなる。 「…ねぇ、そんなにウィルが苦手?」

2015-05-29 23:58:45
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「苦手っていうか…」 少し間をあけ、 「…苦手ですね…」 と、遠い目をしながら結論づけた。 「弟の方は私も苦手だけれども。ウィルは扱いが慣れれば単純なものよ」 「それはメロディーさんだからでしょう…?あの人、俺に対してものすごい威圧感放ってくるんですよ…?」

2015-05-30 00:01:29
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「そ…そうなんだ…?」 全然気づかなかった… 「弟は弟で何を考えてるのかわからない…もう嫌だ…あの兄弟…怖い…」 おぉ…あのリン君が怯えてる… さながらこれから起こる恐怖に(震え声)ホラー映画のヒロインのようである…

2015-05-30 00:06:42