祭りの屋台で売っている昔ながらのかき氷。 チープな味の蜜をかけて、崩しながら食べるのは案外好きで、最後溶けたところにソーダ水を入れる。 「んー、うま」 初めて味わう友人は全てが恐る恐るだ。 「ん。好き、かも」 癖っ毛がはねるのは汗か、雨が近いのか。 「さ、行こう」 「うん」 二人世界だ
2023-06-24 22:02:03第239回 お題 ①好き、かも ②チープ ③癖っ毛 (@140onewrite) #深夜の真剣140字60分一本勝負 pic.twitter.com/CeinO12ZWd
2023-06-24 22:03:06#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite ) #創作小説 #ショートショート #140字小説 pic.twitter.com/MPBC5oyKPF
2023-06-24 22:05:38姉に髪を縛ってもらうのが好きだった。湿度を帯びてうねりの強い癖っ毛を難なく結ってくれる。そこにつけられるチープな髪飾り。どこで買ってきたのか百円より高いのに安っぽく見える。「どこで買ってくるの、そんなヘアゴム」「いいでしょ、好きじゃない?」その言い方はずるいと思う。「好き、かも」 pic.twitter.com/EJ00l4f1wd
2023-06-24 22:08:07「彼の事、好き、かも」 照れ隠しにチャームポイントの癖っ毛をくるくるとまわしながら彼女が発したその言葉に、ズキリと胸が痛む 「いいじゃん、応援するよ!」 チープな表現しか出来なかったが、パッと顔を明るくする 「本当!?嬉しい、私頑張る!」 きっと彼女は結ばれる あぁ、これが失恋か
2023-06-24 22:10:54癖っ毛が印象的な初対面だった。好き、かもと思った。後にあれは、只の寝癖だと知るのだが。せっかくの海辺で眠りこけてしまう程、疲れ果てていたのだろう。君の部屋で寝顔の番人のデートが増え、人からはなんとチープな、と笑われた。しあわせならそれがいいね、と三十年後の今も気持ちは変わらない。 pic.twitter.com/huWs4x6XNP
2023-06-24 22:15:26#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite 第239回お題「癖っ毛」 #夢小説 #ネームレス夢小説 #登場人物全員名無し SS名刺メーカー/文庫・新書ページメーカー @140sscard ましかくSSメーカー(背景つき) sscard.monokakitools.net/instabg.html pic.twitter.com/gh99QJi5kc
2023-06-24 22:20:47初実は、彼とのデートで公園へ向かっていた。初実の後ろ髪は癖っ毛で、チープな髪飾りをつけている。 「彼のこと好き、かも……」 すると、初実は自分の携帯電話が鳴っていることに気づいた。受話器から耳に入ったのは、彼からの一方的な別れであった。 その瞬間、初実の彼への思いは徒労に終わった。
2023-06-24 22:27:13別にチープなもので構わない。俺は食にはこだわりがない。なんとなく美味しくて満たされれば、チェーン店のラーメンでも牛丼でもなんでもいい。なのに、誕生日だからと高級生食パンをもらった。もぐもぐ「ん、好き、かも……?」「かも?」#twnovel「だって君の焼いてくれるトーストの方が美味しいよ」
2023-06-24 22:27:23夏のゲリラ豪雨がきた。閉店後バイト君と駅に半分行きかけた所で。行くか戻るか迷う。「うちに避難します?」3分走って着いたワンルームは、想像通りにチープだった。そんな部屋の匂いと疲れに佇む玄関でタオルを渡された。彼の濡れた髪は癖っ毛で、好き、かもと予想外の心をゲリラが笑うようだった。
2023-06-24 22:31:07くせっ毛をバンダナでまとめエプロンを付けた私の友人は私のためにパンケーキを焼いてくれた。 「チープかも」 「……え?」 ふわふわのだよ、豪華だよ。ベリーとかホイップクリームとかのってるよ。 「食べてみて」 食べてみる 「……好き、かも」 「よかった」 違う。 パンケーキの方じゃ、なくて。
2023-06-24 22:39:45昔から、繊細で弱っちくて。オマケに癖っ毛のせいで「女みてぇ」と笑われたっけ。そんな自分がずっと、ずうっと嫌いだった。オトナになったとて相も変わらず俺は俺でしかなく、チープな夜を明かしては泣くに泣けない日々の連続だけれど。でも、俺は"生きて"いるのだ。その点だけは好き、かもしれない。
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