ワンツイート(140字)の物語 140字小説 / ツイッターノベル ※140字小説垢のメディア欄でもご覧いただけます https://twitter.com/no3_ito140
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

部屋にいながら吐く息が白い。マグカップに並々注いだホット珈琲は、キンキンに冷えたアイス珈琲に変わってしまった。寝るだけの部屋のため、わたしの自室は暖房器具がない。 そろそろ本格的に布団から抜け出して、今日一日を始めよう。天気予報では雪が降るらしいけど、今季の初雪になるだろうか。 pic.twitter.com/kV6Y4hGeQb

2022-12-21 13:54:34
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

ツイッターが4000字(日本語だと恐らく2000字)まで送信できるようになるかも知れないという噂を聞き、私は文字数をカウントできるメモアプリをインストールした。何故ならツイッターにカウント機能が付いていないからで、それでも140字小説を続けたいからだ。これでひと安心。これからも140字小文字数 pic.twitter.com/prsLddkeJA

2022-12-15 19:55:17
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

私が泣きそうになったら、君は必ず泣かないでと言う。泣きそうに見えるかも知れないけれど私はまだ泣いてはいなくて、泣いているのは君のほうなのに。 いつもそうだ。君が先に泣くから私は泣けないでいる。私が泣かないように守っているつもりの君のせいで、私は泣きたいのに泣けない可哀想な子だ。 pic.twitter.com/v6IgOvRATY

2022-12-01 15:40:06
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

調子が悪かったお風呂がとうとう壊れた。湯船に水を張り、沸かしたはずなのに張った水はお湯にはならず、お風呂が教えてくれた『お湯が沸きました』を信じた旦那の「冷たっ」という悲鳴がリビングのほうまで響き渡った。 そんなことがあり私たちは今、広い湯船に浸かっている。壊れたお風呂に感謝。 pic.twitter.com/IJlHNIXAsf

2022-11-30 00:11:37
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

@no3_ito No.19『異世界へようこそ』 2022/10/09 作成 ※こちらも削除した垢の『野辺りな』名義で書き下ろしたものになります。 crepu.net/post/589525 #小説 #140字小説 #twnovel #掌編 #のののの140字 #のののののべる #物書き #物書きさんと繋がりたい #くるっぷ

2022-11-30 00:06:16
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異世界転移をしてしまった。道路に飛び出した子猫を追い掛けたら、目の前に大きなトラックが迫っていて。 恐る恐る目を開けたら見知らぬ川のほとりにいた。対岸を見れば、去年、亡くなったはずの親友が手を振っている。 マジか。転移先は冥土かよ。ということは、どうやら俺は転生も経験できそうだ。 pic.twitter.com/Mwz6Gt06PP

2022-11-30 00:00:33
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ツイッターアプリを開いて、 「恋愛かあ」 そう呟いた。単語アプリでランダムに表示されたワードで140字小説を書く。そう決めた一発目がこれだった。一発目と決めたからには変更はできない。 もう何年も恋愛から遠ざかっている私は頭を抱える。その時、隣で『ブッ』と旦那が屁をこく音がした。 pic.twitter.com/scWFBhU4rC

2022-11-29 22:47:08
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「今日は何の日か知ってる?」 月を見上げて言ってみた。今日は十三夜。十五夜のまん丸い月が少し欠けた夜のことで、完全な満月じゃないところが日本らしい情緒を感じるのだけれど。 煎餅をバリバリ音を立てて食べながら、 「語呂合わせだと入れ歯の日だわな」 意地悪な君は月を見上げて笑った。 pic.twitter.com/crq2ObK5Rx

2022-11-29 22:34:57
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

ついこの間まで暑かったのに、急に涼しくなった今日この頃。女心と秋の空と言うけれど、元々は男心だったらしい。 しかも、秋の空が心のように移り変わるのじゃなく、心が秋の空のように移り気だという意味のようで。 ああ、だから。貴方は私から離れて行くんだね。項垂れた空がとうとう泣き出した。 pic.twitter.com/z43Kz5RYBM

2022-11-29 22:25:26
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

No.15『思い出の一冊』 作成日不明 ※こちらは削除したツイッターの創作垢の『野辺りな』名義で書き下ろした140字小説です。 crepu.net/post/589476 #小説 #140字小説 #のののの140字 #のののののべる #物書き #物書きさんと繋がりたい #くるっぷ

2022-11-29 22:20:06
ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

引越し荷物をまとめていたら一冊の文庫本が出て来た。それは初恋の人から薦められた本で、引っ越すたびに断捨離しようと思うのに何故かいつも捨てられなくて。 告白するでもなく、連絡先も交換せずに終わった恋。彼とは行きつけの本屋で、いつも偶然遭っていた。そんな彼は何故か今の恋人だ。 pic.twitter.com/SyXBfm2sge

2022-11-29 22:15:12
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

「ねえ。今日って何の日だか知ってる?」 「ん? 建国記念日だろ?」 5月3日は建国記念日。それは揺るぎない事実だ。 あとは…… 「語呂合わせだとゴミの日とか?」 「正解。ゴミ片付けの日でもあるんだって」 そう言って一緒に暮らしていた部屋を追い出された俺は、新しい彼女を作ることにした。 pic.twitter.com/02uTilQS0m

2022-05-03 22:50:37
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

アラフォーを前に、私は本格的な婚活を始めた。婚活パーティーは勿論、初めてそれ系のアプリも始めたのだけれど。 「この人も10年前の写真だったか」 婚活詐欺とでも言うのか写真が本人と違った人を片っ端に消していく。 その時、 「えっ、嘘。M君?」 初恋の彼を見つけて初めて今の顔を見たくなった。 pic.twitter.com/21ZAgkSIsQ

2022-05-02 19:28:31
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

やってしまった。めっちゃ我慢してたのに。幸いにもまばらな電車の中で、私はそっとうつむいた。 やっぱあれかな。朝食をもりもり食べたのがまずかったかも。その時、 「ちょ、お前やめろよ」 隣の男子が友達にそう言った。 ごめんね。犯人は私なの。 その隙に私はそっと電車から降りた。 pic.twitter.com/rCoWw7XUEK

2022-05-02 11:35:58
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

卒業を前にして、妹が上京してくることになった。大学受験のためだとの大義名分を掲げているが、実は毒親から逃れるためだ。 私たちの母親は未婚で私たちを育ててくれた。 ただ、それだけに期待が大きくて。 妹よ。早く来い。 そうしたら、先に逃げ出した私の罪悪感も少しは軽くなるから。 pic.twitter.com/oyBqxHjuyE

2022-05-02 11:21:01
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

隣町までわざわざ買いに行った。生まれて初めてコンドームってやつを。 今日、僕は初めてセックスをする。 「あれ?」 あんなに練習したのに。何個もだめにしてまで着けてみた。 なのに緊張からか上手くはまらない。 ゆっくりでいいよと言ってくれたけどかっこ悪いよね。 でも、きっと次は大丈夫。 pic.twitter.com/aypkTD8c5N

2022-05-02 10:50:57
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

「ねぇねぇ、ニュース見た?」 「なんの?」 「女優の恋ちゃんのに決まってるじゃない!」 「ああ、うん」 「まだあんなに若いのにっ。こんなのアリ?」 「あー、そうね」 「アタシ、毎月恋ちゃんの月命日に恋ちゃんのブログの最後の投稿にコメントする!」 「……」 彼女は死んでからファン症候群だ。 pic.twitter.com/eV2ZTWq91V

2021-12-23 18:49:58
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

見せてよと言われると火事で焼けてしまったと返す彼女。彼女にとってそれは黒歴史以外の何ものでもなく、封印してしまいたいものだからだ。だけど、 「うちの学校、男子校なのに手芸部があったよね」 思い出の中の彼女は黒い歴史には染まっていない。皮の表紙をめくるとあの頃の彼女と僕が笑っていた。 pic.twitter.com/PVWgqXNyBr

2021-12-05 23:59:25
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

なんとなくそんな予感がしていた。 「その、ぼっ、ボクとよかったら!」 自分のこと“僕“なんて言ったこともないくせに。冬なのに大量の汗をかきながら言うから笑ってしまった。 「いいよ」「えっ」「結婚してあげる」 先手必勝。この場合、私からしたことになるのかな。私には幸せな未来しか見えない。 pic.twitter.com/h28FSnNuPJ

2021-12-04 23:01:22
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

声は聞こえる。でも触れない。 『おかえりー』 いつもの声に思わず手を伸ばしたが、彼女の体を通り抜けてしまった。六畳半一間のボロアパートのどうやらお気に入りらしい万年床に今日も彼女は居る。 「.......寝るか」 以前は全く気にならなかったのに、彼女の上に寝転がるのに躊躇する自分がいた。 pic.twitter.com/qC9G7EU2Ev

2021-11-25 23:57:05
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

値上がりしたのを機に私は煙草をやめた。最初の何週間かは無性に吸いたくなりもしたが、高くて買えなくて助かった。 だがしかし、お金に余裕が出来てしまったから困る。ついつい煙草の自販機に手が伸びる。 「ぶはっ、何これ!あんなに好きだったのに」 吐き出した声とともに紫煙が夜空に立ち上った。 pic.twitter.com/dBe2IDz3Sa

2021-11-23 22:16:05
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

明日は槍でも降るのだろうか。旦那がキッチンに立っている。 『今日は何の日♪』 テレビから流れてくる曲であることに思い至り、日めくりカレンダーを見て確信に至った。 「今日の夕飯は任せとけ」 なんて宣う只今の時刻は午後3時。今日中に後片付けは出来るかなと家事が増えたことに溜息をついた。 pic.twitter.com/JxP1pu2lZc

2021-11-23 00:03:37
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

夏生は憑依体質だ。 (マジで直ぐに返せよ) 「分かってるって」 正しくは憑依され体質で、今日も死んだばかりの親友に体を貸している。 (えっ、おま。彼女にフラれたんだよな) 「ああ。だからリベンジだ」 それから5分後、 「好きです!」 「実は私も.......」 親友は夏生のキューピットになった。 pic.twitter.com/pYTNnbVABT

2021-11-22 15:08:47
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ののの糸糸*140字小説 @no3_Ito140

『おかえりー』 大和はその声に無反応で部屋に入る。大和が一人暮らししている部屋は六畳一間の所謂ワンルームで、何もかもがキチキチに詰め込まれていた。 「.......」 だから困る。そこに居られると。大和は諦めて、彼女の存在を無視してそこに寝転がった。 仕方ない。彼女はこの部屋の先住民だ。 pic.twitter.com/KZMRtaQWDi

2021-11-22 02:04:57
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ののの糸糸*Ito Nonono @no3_ito

こたつの上に蜜柑の皮がひとつも乗っていないところを見ると、彼はまだ来ていないのだろう。案の定、 「なあ、美咲。マー坊、今日は来んのんえ?」 そう聞かれてしまった。 それにしても何故おばあちゃんはいつも私にそう聞くのだろう。マー坊の姿が見えるのは、おばあちゃんだけなのに。

2021-11-20 16:55:50
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まとめたひと
ののの糸糸*Ito Nonono @no3_ito

創作小説 / 小説 / 掌編 / 140字小説 / 54字の物語 /400字小説 上限2000字の掌編小説中心に活動中の昭和女子