第34回深夜の真剣140字60分一本勝負

RAY/※※※ @growler_ray

全てが腐り落ちた世界で、少女が2人。腐った者に囲まれた廃墟で、病に侵されていく互いの姿を見て笑いながら、楽しそうに暮らしています 「私、腐ってもここで一緒にいたいな」 「いーよ！ずーっと一緒だね！」 無作為に進む病、風前の灯のような儚い命。寄り添う灯火は、今も静かに燃えている

花滝ちかる @chikaru_toka

「僕はもう、戦いたくない。無様に怖がって、無抵抗のまま死ぬ、無力で無策な人間でいいんだ」 「そんな貴方が好きよ。でも死ぬのは諦めて」 彼女の拳銃が、僕達を狙う男の眉間を撃ち抜いた。 「私は、貴方と死ぬ勇気よりも、生きる勇気を選ぶ」 ああ、僕も、君の鮮やかな命が、好きだ。 #140字小説

津森七@文学フリマ京都い-36 @tumori_nana

腐り落ちた気持ちをガラス容器に詰めたってもう手遅れだよ。瓶越しに泣いて見せたって何にも届きやしない。そのうち君は全てをなげうって最前線で戦ったんだって、自慢げに語り出すだろう。飾り立てられた瓶はグロテスクな勲章となり、的はずれな称賛を浴びる。僕は中から、ただじっと君を見ている。

三塚日月 @3_hiduki

お題『腐り落ちる』『戦線』(@140onewrite)　#深夜の真剣140字60分一本勝負　#140字小説 pic.twitter.com/LHOYpWRfgd

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色糸 @IRO_Iroito_

麦茶の並々注がれたガラスコップに映る花火は、歪な形をしている。 家のすぐ近くで花火大会がやっているから、態々足を伸ばさずとも、ベランダから見られるのだ。 あの暑苦しい花火戦線真っ只中に飛び込まなくていいのは楽だ。 思い出の片隅にあるりんご飴……今はそれももう、腐り落ちてしまった。

夢夜 @ruya_reve

世界を旅する時はいつも思い出をガラス容器に詰めて帰る。 熱帯雨林の雨、サバンナの匂い、砂漠の夜空、高山の雪、草原の風、海の声、ツンドラの冷気、極地の静けさ…… いつか私が最後の旅に出る時はこのガラス容器を全部割るつもりだ。 世界中から集めた美しいものをそれぞれの居場所に帰すために。

賀茂柚樹 @tanka_uta_575

#深夜の真剣140字60分一本勝負 キラリと光るガラス容器に金平糖を落とす。小気味のいい音を聞きたくて、何度も手で掴んでは容器にパラパラと落とした。気のすむまで繰り返すと、そっと写真の前におく。戦線から帰ってくることがなかった貴方。こうして、貴方と金平糖を食べた日を思い出している。

宇津木健太郎@受賞したヨ @KChickenShop

今夜も、硝子ボトルの中で繰り広げられる戦争を観察する。前線で戦う彼らの一方は角を持ち、他方は三つ目だ。 ボトルの中で彼らはお互いの容姿について罵り合いながら殺し合った。 俺はテレビで報じられる紛争のニュースを見ながら、今夜は何の映画を観よう、と考えた。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 pic.twitter.com/xjrSSiuFVO

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安津 るり @Ruri__anzu

君はとても美しい。 そして、文武両道で懐が深い。 だからこそ君は何時だってたくさんの人に囲まれている。 だけど、僕はそこに混ざる訳にはいかないから、それを遠目から眺めている。 ただ、そんな君をガラスの容器に閉じ込める事ができたのなら、どれほど幸せだろうか、といつも考えてしまう。

春日聖奈@二代目 夜 @haruhino37

「ごめん……」 君の言葉に打ちのめされ、ハートの形をしたガラスの容器が割れてしまった。 ゆっくり温め過ぎた恋の花は腐り落ち、強がりや嘘をつく余裕すら溶けてしまった。そして、最後まで耐えていた私の膝の力も戦線を離脱した。 ハタリ。 座り込む私に、彼の去りゆく背中が別れを告げていた。

春日聖奈@二代目 夜 @haruhino37

ひび割れたガラス容器にゆっくりと入り込んでくる甘い蜜。 腐り落ちた恋心は、君の真心を嘘にしてしまう……。 「信じられなくても良い！」 私のドロドロを全部君は受け止めようとする。戦線から逃げようとはしない。 「ボクが全部になるから」 甘い蜜がまた心に差し込まれてくる。 割れてもいい？

繭美 @140mayumi

お題・腐り落ちる/戦線/ガラス容器 #深夜の真剣140字60分一本勝負 #140字小説 #140字ss pic.twitter.com/Y9doDXKxtg

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ポッキー（山野千鶴） @lilianne0523

蒼い半透明のガラス容器に詰められたような、君とあの子の日々を見ている。あの風景に、私が交じることは許されない。眩しくて、儚くて、海の香りのする二人に、私は嫉妬する。美しい二人は蜃気楼のように揺らめき、その瞬間、私はシャッターを押したが、そこにはただ蒼い色しか写っていなかった。 pic.twitter.com/TNtyVbhD5P

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