本能で危険を察知してる道リリィと、2つの意味で食べてしまいたい晴
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泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「夢?鯖は夢をみないだろう?」 「だ、だって……」 ひっくひっくとしゃくりあげながら、悪夢の内容を説明する。うなじに晴の息がかかるたびに、いやいやとむずがる道に、晴はくつくつと笑った。「なるほど。先日、お前の腹に触って中身を見聞したことがあっただろう?多分、その術の残滓のせいだね」

2021-02-17 17:43:52
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「私の欲が、術を通じてお前を陵辱したのか」 晴の声が弾んでいる。うなじに晴の吐息がかかり、道の眼から大粒の涙がこぼれていく。べろりとうなじを舐めあげられた。細い子供のうなじだ。晴の顎が噛みちぎろうと思えば容易く行えるだろう。血の気がさあっと音を立てて引いていくのがわかった。

2021-02-17 18:19:42
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「いや、いやです……たべないで、たべないでくだされ……」 「そうだなぁ」 いやいやと道がむずかるたびに、ちりちりんと鈴の軽やかな音色がする。晴は笑いながらそのうなじを軽く噛んだ。 「お前は、なまじ元の意識のままだから見誤ったんだ。子というとは野性的な勘に優れているところがある」

2021-02-17 18:31:47
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「その体が発する警告のまま、私に近付かなければ良かったものを」 晴の手が、床と道リリィの間に差し込まれる。僅かに持ち上げられた体はあまりにも軽い幼子の体だ。がだがだと震えがとまらない。晴の手のひらが下腹部を押した。 「……食わないでやってもいいが、お前のここには入らなそうだなぁ」

2021-02-17 18:35:12
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

入れたら、中を食い破ってしまいそうだと笑う晴に、道は必死に首を振った。無理だ。さすがにこの体では無理だ。道とて法師である。生前より御稚児趣味の僧侶や、やんごとなき身分で童を愛でることもあるのを知っているが、さすがにこの体では無理がある。そういう者たちは10を越えた歳ごろだ。

2021-02-17 18:39:13
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

この体はそれよりも幼い。幼児といって差し支えない体だ。がたがたと震える道に、晴はにこりと笑って、体をひっくり返した。視界いっぱいに広がる晴に、道は声も出せないほどぼろぼろと泣いた。ぎゅっと自分の衣を握りしめ、これから身に起こる惨劇に耐えようとしているかのようだ。

2021-02-17 18:43:24
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

着ている服を晴が楽しそうにまくりあげる。道の瞳には絶望が湛えられているのを、からからと笑いながら舐めとっていく。この男にとって、自分は被捕食者で、巣に飛び込んできた獲物をわざわざ帰してやる義理もないのだ。あらわになった腹に、晴の細い指がはわされる。ぼろりと涙がこぼれた。

2021-02-17 18:50:45
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

ぐちゃり。晴の指が腹の中にめり込んだ。 「いっっっっっ、だ、いいいい!!」 「当たり前だ、内臓いじるんだから。あ、舌噛むなよ」 「い、やです!いや……!いたい、いたい、いたい!!」 「嫌だと言われてもなぁ……こうでもしないと、お前、元に戻れないぞ?」

2021-02-17 18:55:44
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

ぐちゃぐちゃと晴の指が腹の中をかき回す。痛みでぶわりと毛穴が開き、脂汗が流れた。いやいやと首を振れば、ちりんちりんと鈴が鳴った。 「我慢しろ。これでも術で痛みと流血は抑えてるんだ」 「いだいぃぃぃ」 別の意味で泣いている道に、晴ははあとため息をついた。

2021-02-17 18:59:59
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「あまり痛みを抑えると、案配がわかりにくいしな……仕方ない、道。こちらを向きなさい」 痛みで朦朧とする意識の中、晴の言われた通りに顔をむける。ぐいっと顎を掴まれ、小さな口に晴の舌が滑り込んだ。 「っ、ぐ……」 小さな口の中は晴の大きな舌でいっぱいになる。ぴちゃぴちゃと音がした。

2021-02-17 19:42:27
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

ぐちゃぐちゃ、ぴちゃぴちゃ。痛みはわずかにましになったけれど、相変わらず痛いことには変わりない。晴の舌から溢れる魔力を必死に舐めすする。涙で滲んだ視界に、晴の眼孔が縦になっていた。腸が捻られて、肝が押される。痛みに呻けば、舌がさらにねじ込まれ、魔力が注がれた。

2021-02-17 19:56:51
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

晴が体を起こし舌が離れる。ぐちゃぐちゃと腹を弄っていた指が離れていく。痛みに朦朧としているが、激痛が終わってほうと息を吐いた。 「うん、終わったよ」 「そ、うですか……」 指一本も動かせない。舌から与えられた魔力で少しはましになったとはいえ、幼児の身体にあの激痛は耐え難いものだった

2021-02-17 20:09:20
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

晴の指が、汗で張り付いた前髪をかき分ける。体を抱き上げられ、茵の上に寝かされた。とろりとろりと瞼が落ちていく。 「次起きた時は元の姿に戻っていますよ」 「は、い……」 「対価は元に戻ったお前に請求するから、そのつもりで」 ちゃっかりしてやがる。口の中で悪態つきながら、道は眠りについた

2021-02-17 20:12:34
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

周回から戻ってきたマスターは、道リリィがいないことに顔色が青くなった。なんと晴も姿が見えない。え、まさか。まさかと思って、晴の部屋に急いだ。どんどんとドアを叩くと、シュンと音を立てて晴が出てきた。 「晴さん、道みてませんか?!」 「ああ、こちらにいますよ」 やりやがった。

2021-02-17 20:18:09
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

犯罪だと冷や汗がだらだらと流れる。顔色が悪くなるマスターをみて、晴はからからと笑った。 「私、信用ないですねぇ」 「いや、だって、ねぇ……」 「あははは」 お前、今までさんざんやらかしてんじゃねぇか。その言葉を必死に飲み込んだ。マスター偉い。 「ところで、道は?」 「マスター」

2021-02-17 20:22:01
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

ちりん、と鈴の音が頭上から聞こえた。元の大きさに戻った道が、晴の後ろでにこりと微笑んでいる。 「道!元に戻ったんだね!!」 「ええ、恥ずかしながらその男のおかげで」 「晴さんの?」 先日のあれ、本当だったんだという目をするマスターに晴はからからと笑っている。信用ないですねぇ。

2021-02-17 20:24:38
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「はい、ですのでこれからは拙僧は今まで通り動けますゆえ」 「お前、一応、今で言う大手術したあとだから、ちゃんと医務室で診てもらって許可を得てからにしなさい。また霊基が不安定になって、小さくなってもしらないよ」 「うん、そうだね。まず医務室に行こうか」 「ンンン……仕方なし……」

2021-02-17 20:26:45
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

マスターに手を引かれて医務室に向かう二人をにこにこと笑いながら、晴は見送った。途中で道が振り返ったので、ひらひらと手を振ってやるとビッと勢いよく親指を下に向けたので、げらげらと大笑いしてしまった。 「お前は本当にあきないな」 後でたっぷり可愛がってやろうと晴はほくそ笑んだ。

2021-02-17 20:30:13
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

数日の療養のあと、医務室から全快と判断されたあと、意気揚々と周回に行こうとする道を自室に引きずり込み、対価請求する晴いるし、数日たっても解放されないから「道を周回つれていくから返してー!」とドアをどんどん叩くマスターがいます。お付き合いいただきありがとうございました。

2021-02-17 20:36:13
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まとめたひと
泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

腐垢。成人済。 その時々にはまったCP吐き出し用。現在fごの晴道と神陛にはまっています。晴道や神陛吐き出し中。 道受も道攻も好きですが、晴道固定派。 吐き出したネタは定期的にプライベッターやminへ移しています。 マシュマロ→marshmallow-qa.com/v4v7mv9ckziiws…