タイトル通り。やまみつの140字SSが主。たまに140字オーバー。一か月毎日SSなどすべてここ。
0
夕日 照 @yuhiteru_i7

俺だけ見て。ずっと俺の傍にいるって約束して。俺のためだけにその手を振って。俺にだけその笑顔を見せて。俺のためにずっと、――二人きりの世界にいて。 なんて物騒で残酷な願い事だろう。あいつの20年近い夢を終わらせるもの。あいつの笑顔を消してしまうだけのもの。だから俺はただ黙って笑うんだ。

2018-09-07 00:14:30
夕日 照 @yuhiteru_i7

オレたちほど愛の逃避行に向いてない二人もそうはいないだろう。なんたってあんまりにも広く顔が割れてるし、そもそも逃避行なんてしたところで、どうせ暫くしたら仕事したくなるに決まってる。というかそもそも逃げる必要がない。 だからオレたちの逃避行は布団の中。二人で過ごす蜜月がその代わり。

2018-09-08 06:05:02
夕日 照 @yuhiteru_i7

二階堂大和は、オレの思い通りになんて動いてくれた試しがない。早起きしてと言えばギリギリまで寝てるし、飯作るの手伝ってと言えば寄りかかってきたり茶々を入れたりして邪魔しかしないし、酒が入れば説教したり甘えてみたり、スイッチの切り替えも分からない。

2018-09-10 01:57:12
夕日 照 @yuhiteru_i7

まあ、そういうところにイライラしてみせるけど、案外そうやって世話を焼く余地のあるこの人が好きな自分も、多分めんどくさい。でも、好きなのに言えないのは、この人があんまり気軽に甘えてくるからだ。オレのこと、そういう意味で好きでもないくせに。

2018-09-10 01:57:13
夕日 照 @yuhiteru_i7

「ミツ~」 ああ、今夜もそうだ。今日は甘えて来る日。 「ここに居て、朝まで居て……」 甘えた声で言われればオレが抵抗できないのをわかっているんだろうか、この人は。 「……朝覚えてろよ」 言いながら、この人を甘やかすように抱き締めて寝ている自分は、役得だけどちょっと苦しい。

2018-09-10 01:57:14
夕日 照 @yuhiteru_i7

(分かってるよ、分かってるから早く俺の気持ちに気づいて)

2018-09-10 01:57:15
夕日 照 @yuhiteru_i7

ミツは気付かない。俺が甘えるのなんか、抱きつくのなんか──一緒にただ居たがるのなんか、お前だけなのに。他の誰にもこんなこと思わない。お前にしか、こんなに甘えられないのに。 なのに、ミツはただ俺が酒癖悪いと思ってる。 (そろそろ気付いて) 溢れそうな叫びの狡さには、気付かないフリ。

2018-09-17 21:06:11
夕日 照 @yuhiteru_i7

「ミツ、何してんの?」 問うた先には、良妻のごとく針と糸を持って何やら縫物をしている恋人。 「大和さん、しょっちゅう手袋失くすって言ってたから、刺繍でも入れとこうかと」 訂正、性別除き良妻以外の何物でもない。 「ちょ、人の背中に何書いて」 「悪いけど失くしたくないもん一等賞なもんで」

2018-09-14 03:36:59
夕日 照 @yuhiteru_i7

(そんな可愛い顔すんな) そう思ってしまった日からあんたが心に住み着いて離れない。そんなことまで望んではいなかったのに。 そうして、静かに諦めた。想いを返してくれる筈はないけれど、心の中にいるあんたと位は、ずっと一緒にいてもいい。 ううん。自然に終わるまで、どうかこのままでいさせて。

2018-09-15 09:21:41
夕日 照 @yuhiteru_i7

「ただいまー」 「おかえり大和さん」 「ミツー、あれやってよ」 「ん?」 珍しいおねだり。何かと思えば続く。 「ご飯?お風呂?それとも……って」 「おう、オレの拳?オレの蹴り?オレのタックル?お好きなのをどうぞ?」 「恋人に優しさを求めます!」 「嘘だよ」 最後はとっておきの甘いハグで。

2018-09-16 00:18:08
夕日 照 @yuhiteru_i7

三月がスタッフ達に挨拶をしに行っている。毎回なのに、欠かさずに挨拶しに行って、しかも時間内に全員回りきれないなどということは起こさない。流石MCを毎度任されているだけある。 (敵わねぇな、ホント) 俺より余程リーダーに向いてる。

2018-09-18 17:54:03
夕日 照 @yuhiteru_i7

挨拶が終わったら、大和さんと目があった。緩く笑って、口の形で『お、つ、か、れ』と言ってくる。 ああ、もう。 (敵わねぇよ) メンバーたち一人一人の様子を見ていて、頑張っているところをちゃんと見てくれている。リーダーに任命した日の自分と今日のあの人に、何度目かの拍手を送った。

2018-09-18 17:54:03
夕日 照 @yuhiteru_i7

「なあミツ、俺お前が好きだわ」 やっとの思いで振り絞った言葉は、キョトンとした顔に出迎えられた。当たり前だが、何かが違う。 暫く黙り込んだ三月が遂に噴き出した。 「何を今更言ってんだよ!」 ああ、流される――そう思った次の瞬間、唇に触れる温かな感触。 「とっくのとうに知ってるっての!」

2018-09-19 03:05:47
夕日 照 @yuhiteru_i7

早朝、一人で部屋を抜け出して一番近い海まで電車に飛び乗った。辛うじて間に合った日の出が海面にぎらついて目を焼くほどに眩しい。 ああ、どうしよう。 一人でわざわざこんな時間に出てきたのは、大和のことを考えないようにというつもりだったのに。横で眩しさに目を眇める姿を思い浮かべるなんて。

2018-09-20 05:14:29
夕日 照 @yuhiteru_i7

「ミツー、好きだよ」 「はいはい」 気怠い空気の流れ始めた室内、あまりに軽い告白めいたセリフ。 「軽率にそういうの言うなよな」 心が浮ついてしまうから、やめて欲しい。そう思ったらひたと見据えられた。 「俺、本気よ?」 酔いは醒めた。震える口の端に笑みを乗せて見せ。 「オレもだよ、バカ」

2018-09-22 18:19:41
夕日 照 @yuhiteru_i7

大丈夫?ときかれて我に返る。 一度、二度。眼を瞬いてから声の主を振り返れば、眉を薄ら寄せて、じっと見上げている瞳と目が合った。 何でもない。そう言って笑みを形作って見せれば、疑念を含んだ眼差しへと色が変わる。 でも。何でもない、と言うしかなかった。 素直に白状しないと踏んだのか、先へ

2018-09-23 03:05:05
夕日 照 @yuhiteru_i7

と歩き出す後ろ頭の向こう側の顔は、だってきっと。 やっとこうして手にしたこの関係の終わる日を想像したなんて言ったら、馬鹿野郎って、お前はきっと泣いてくれるんだろう。

2018-09-23 03:09:30
夕日 照 @yuhiteru_i7

日の昇る時間。寮のベランダに出て眺めていたら隣に人の重みがやってきて床を揺らす。 「珍しいじゃん、大和さん」 「いや、桜散ったなって」 「ああ、もう大分葉っぱのが目立つよな」 柵を掴んでいる白い右手の横、ゼロ距離に自分の武骨な左手を寄せた。 揺れた隣の肩を見なかったことにしながら。

2018-09-24 00:29:50
夕日 照 @yuhiteru_i7

深夜、キッチンに降りたらオレンジの頭がまだ動いていた。 「ミツ?」 「え、あ」 こちらを認識するが早いか、固まってしまった彼の眼前に手をかざす。 「おーい、ミツ?」 「な、なんでもない!」 橙の人影がキッチンから飛び出していった後に残されたのは、俺の好物の仕込み。俺が逃げ出したくなる。

2018-09-25 00:54:17
夕日 照 @yuhiteru_i7

三月のために色々と無駄な小道具をそろえてしまった。正確には、趣向を変えたお楽しみのため。 それらをしまい込んだ箱を開いて、どうしようかと考えていたところ、部屋のドアが唐突に開いた。 「二階堂さん、こ……」 言いかけて止まった彼の絶対零度の視線を俺は永遠に忘れられないと確信した。

2018-09-26 03:16:53
夕日 照 @yuhiteru_i7

朝起きて、部屋のドアの隙間から漂ってくる味噌汁の香り。キッチンへと迷い込めば、予想通り小柄な姿がてきぱきと朝食の準備中で。 「おはよ、大和さん。珍しいな、早起き」 「んー……ミツだなって、思って」 でも。他の誰かの味噌汁だったら起きて来られなかったかもしれない。ふとそう思った。

2018-09-27 00:45:21
夕日 照 @yuhiteru_i7

まだ早朝ともいえないくらいの時間。台所に降りたら、大和さんがいた。 「あれ。今日オフじゃなかった?」 素知らぬ顔の手元には、弁当箱。 「ピクニックか?」 「お前さんの」 「へ?」 「前の、お返し。ミツほど上手くないけどな」 頭を撫ぜていった掌も、お弁当の一部に持っていけたらいいのに。

2018-09-27 00:55:21
夕日 照 @yuhiteru_i7

急な雨で、秘密の恋人と二人でコンビニの軒先に駆け込んだ。 「公園の東屋とかあったらよかったのにな」 「贅沢言うなよ」 軽口を叩き合いながら雨を眺めていたら、不意に掌が合わさる。 「……ミツ?」 「そういうとこじゃない方が、こういうのしやすい気がするし」 見下ろした頬は赤く染まっていた。

2018-09-28 04:17:53
夕日 照 @yuhiteru_i7

春から夏へと変わっていく中で、夜明けの色が少しずつ変わっていく。僅かな青を溶かした白から、薄ら赤みを覚えて。 自分の心の色と似ていると思った。 大和への気持ちにはほんの少しの恋心が加わって爽やかな友情でなくなったこと。気付かれたくないけど、気付かれたい。なんてままならない心だろう。

2018-09-29 02:06:20
夕日 照 @yuhiteru_i7

リビングで久しぶりに壮五を交えて三人での晩酌。三人だと賑やかに会話が弾んで、別の楽しさになるな、と互いに笑う。 三月の手製のつまみは普段の数倍速でなくなってしまって、三月は当然のごとくつまみを補充しに行ってくれた。 「なあ、」 無意識に定位置に求めた相槌が、無性に恥ずかしかった。

2018-09-30 00:44:30
夕日 照 @yuhiteru_i7

ライブが終わったあと、大和さんが汗まみれの身体でもたれかかってきた。 「ちょっと、暑いんだけど」 「いいじゃん」 あまつさえ腕を回してくる有様で、ますます暑苦しい。 「ねえ、ミツ」 「んだよ」 「甘えてんの、分かんない?」 耳もとに低くて優し気な声が吹き込まれる。 「……あんたずるいよ」

2018-10-01 02:31:25
夕日 照 @yuhiteru_i7

例えば、夕飯の席。 「ミツ、あのさ」 「ん?」 「……このおかず好きだわ」 「おう!」 例えば、ドラマを見た時。 「大和さん!」 「おう、どうした」 「あのさ……この役、好きだぜ」 「そんなためて言うコト?」 ワタシはそんな二人に言いたいのをずっと堪えています。 『言っておしまいなさい』

2018-10-02 00:46:33
夕日 照 @yuhiteru_i7

体表を伝う汗から、空気中の湿気まで何もかも暑い夜だった。暑さで冷静は溶けて。夜のうちに三月の部屋に忍び込んで、朝起きた三月を驚かせてやろうとしていたのに。 「大和さん、今どんな気分?」 いつの間に寝ていたのか、シーツでくくられた両手、紐で縛られた両足首。にやつく三月。おかしいだろ。

2018-10-03 07:18:16
夕日 照 @yuhiteru_i7

愛される条件ってなんだろう。 どうやら目の前のこいつの頭の中には、そんな考えがはびこっているらしい。 「なあ、ミツ」 「やまと、さん」 「何もなくていいよ。そのまんまが俺には最高って、前にも言ったろ?」 小さく縮こまろうとする体をゆっくり腕の中に引き寄せた。 「そのままで、愛してる」

2018-10-04 02:42:01
夕日 照 @yuhiteru_i7

「やーまとさん」 不意打ちのキスを仕掛けて驚かせるつもりだった。 「今日は積極的な」 近づいた瞬間、深く口づけられてしまうまでは。 「ん、んん~~!?」 「ごちそうさん」 やっと離してくれた恋人はにんまり笑っていて。 「ミツキ、それはただのご褒美です」 ナギに沈没させられるまであと少し。

2018-10-05 01:35:56
夕日 照 @yuhiteru_i7

いつもの大和さんの部屋飲み。思い付いたのはほんの気まぐれだった。 つまみの中に一つだけたっぷりわさびを混ぜてみて、大和さんの顔を見ようと。 「ほい、ミツ」 酔いが回ってきた頃、自然に差し出されたつまみを口で受け取って──悶絶した。 「俺を罠にかけようなんざ100年早い」 「言ってろぉぉ」

2018-10-06 05:12:21
夕日 照 @yuhiteru_i7

楽屋に入るなり三月にもたれ掛かって、気の抜けた声を上げてみた。うるさそうにしながらも振り払われないのが無性に嬉しい。 「どしたのおっさん」 「一生懸命、やってみてるからさぁ。前より疲れやすいんですよおにーさんは」 「体力不足め」 「ひでぇ」 言いながらも幸せな笑いは潜めきれなかった。

2018-10-07 07:05:28
夕日 照 @yuhiteru_i7

スポットライトの下、輝く汗があの童顔を滑り落ちる。その汗が何より美しいものに見えて、その頬に手を伸ばす代わりに視線でその輝きに触れた。 ステージの上、視線を感じた。来てくれたファン達に負けない熱い視線に、思わず振り向いて。そんなに見るなよ、溶けるだろと言う代わり、全開で笑った。

2018-10-08 04:11:05
夕日 照 @yuhiteru_i7

昨日の晩酌の後片付け。何故だろう、妙に大和さんを意識してしまうのは。 視界であの人が動く度、手の中で食器が派手な音を立てる。 「あーーっもう!」 そんな時に限って、あの長身が急に伸びをして叫ぶものだから、とうとうお猪口を流しに取り落とした。

2018-10-09 02:52:33
夕日 照 @yuhiteru_i7

まともに薄ガラスの向こうから視線を向けられているのが分かって、ますます顔を上げられない。 「なあ、ミツ」 呼ばれた名を蛇口からの水音に掻き消すこともできなかった。 「俺、言わないでおこうと思ってたんだけど」 何を。その答えは、もう知っている気がした。

2018-10-09 02:52:34
夕日 照 @yuhiteru_i7

「ミツさあ」 至って平然と話しかけてきた癖に、何故か大和さんの肩は妙に力が入っていた。 「俺がミツなしの生活とかもう考えらられない、って言ったらどうする?」 「はあ?」 「例えばよ」 仮定にしては妙に具体的な。 「彼女代わりにでもしたいの?」 「代わりじゃなくて」 本当にしたいんだけど。

2018-10-10 03:34:25
夕日 照 @yuhiteru_i7

よく跳ねる少し硬めの髪質。 長めの前髪と眼鏡のガラスの下に隠された切れ長の眼。 世間には鋭いと評されど、優しい色も灯す小さめの瞳。 男らしく鼻梁が高く、その割に幅は細めの鼻筋。 薄いけれど存在感のある唇、精悍な顎の形。 「好き」 「何、ミツ」 ほら、あんたが優しく笑う顔は誰より美しい。

2018-10-11 03:13:58
夕日 照 @yuhiteru_i7

「俺みたいなやつに惚れられて、ミツってホントかわいそう」 思わずそう漏らした。 よりにもよって、当人を真ん前に抱えた状態で。 「勝手に可哀想がんなよ」 ほぼ間髪入れずに鋭い一撃が腹に入って呻かされる。 「可哀想がってる暇にあんたがオレを幸せにしろよ。オレは勝手にあんたを幸せにする」

2018-10-12 02:22:40
夕日 照 @yuhiteru_i7

練習室で流した汗をタオルで拭っている瞬間も。 キッチンで料理をしている瞬間も。 酒を煽って馬鹿みたいに笑い崩れる瞬間も。 必死でやった結果躓いて泣いている瞬間も。 ステージで太陽みたいに笑って、手を振っている瞬間も。 全部。 俺の視界にいる全ての瞬間のお前が愛おしいよ。ミツ。

2018-10-13 07:29:03
夕日 照 @yuhiteru_i7

お兄ちゃんだから。わがままは言えない。 いつの間にか板についていたそれが、あの人の手で狂わされていく。 オレのこと見て。オレのこと大事にして。――誰よりも。弟よりも。他のメンバーよりも。 オレがわがままを言うだけあの人の眼は柔らかく細まる。自分の変化が苦しくて、どうしようもなく幸せ。

2018-10-14 04:13:55
夕日 照 @yuhiteru_i7

兄さんのことなら、なんだって知っていました。学校で人気者なこと、友達とケンカしたこと、仲直りしたこと。お菓子作りが得意な事、アイドルが好きな事、――アイドルになりたいこと。夢が叶ったこと。 なのに。今兄さんが二階堂さんに向ける顔は、私の知らない顔で。兄さん――幸せになってくださいね。

2018-10-15 00:31:35
デイジー @Daisy0115ysiaD

@yuhiteru_i7 毎日やまみつをありがとう! およそ人間業とは思えない pic.twitter.com/mqtNmRkKZT

2018-10-16 00:34:42
拡大
夕日 照 @yuhiteru_i7

帰ったら大和さんがリビングで倒れてた。多分、お酒のせい。それだけならいつもどおりだけど。 「ミツ……」 ちょっと、今日は三月不足みたい。 「そりゃアイドルが夢だったのは知ってるけどさあ……もうちょっとさぁ……」 ぶつぶつ言ってるけど、大和さん、きっとその毛布かけてくれたの、三月だよ?

2018-10-15 17:57:47
夕日 照 @yuhiteru_i7

少しだけ、じっとしてて。 そう言ったら、何を思ったか目を閉じるあの人。思わず唇をそっと合わせたけど、きっと伝わらない。伝わっていても、言葉にすることはお互いにできない。 嘘でもいいから嫌いだって思えたら、きっとこんなに苦しくなかった。けして嫌いになれないあんたをいつまでも追ってる。

2018-10-16 02:58:30
夕日 照 @yuhiteru_i7

「ミツにはもう十分もらってるんすよ。これ以上もらえない」 弱音を吐く、弟と後輩の間のような存在を僕は見下ろす。 「三月くんは今まで色々くれたからって、これ以上はって言うような器の小さい男なの?」 言ってやると、小さく首が横に振れる。 「アタックしてから言ってみたら?」 今度は縦に。

2018-10-17 04:15:09
夕日 照 @yuhiteru_i7

「ミツー、どうした?ん?」 しょぼくれるオレの頬を指でほぐす大和さん。口角を指で上げたり、横に引っ張ったり。でも手が離れるとオレの口は堪えるへの字に戻ってしまう。 「ミツ」 キスされるのかと思ったら鼻先と鼻先をくっつけて至近距離で優しく笑うものだから、堪えきれなくなって涙が落ちた。

2018-10-18 04:34:56
夕日 照 @yuhiteru_i7

死にそうなくらい幸せだ。そう目元を染めて、泣きそうに笑いながら言うあんたを、真っ先に抱きしめた。もう、戻れないな。そんな事言うからますます強く抱きしめて、戻らせるもんかと言ってやる。戻りたいの?聞いたら、一瞬考えた気配があってから、そうだな、戻れても戻らないな、って。ありがとう。

2018-10-19 07:14:05
夕日 照 @yuhiteru_i7

秋の陽が山際に沈みゆく中、俺を見上げるお前の頬が透き通るほど赤かった。それは夕日のせいばかりじゃないはずで、俺たちはきっと同じ言葉を言いたくて、言えなくて、見つめ合ったまま唇を震わせている。 目の前の揺れる唇に、右親指をそっと触れさせてみて。自制も羞恥も溶けたように顔を寄せた。

2018-10-20 05:23:54
夕日 照 @yuhiteru_i7

「みっきー、機嫌いい?」 オレ特製飯を心待ちにする環が、こっちを見て首を傾げる。 「え?そう見える?」 「うん。なんか、ふわーっと?」 相変わらず難解な環の言語だが、言わんとすることを理解してオレは照れ笑った。 「まあな!」 やっと大和さんにオレの気持ちが本物って認めさせたからな!

2018-10-21 06:10:51
夕日 照 @yuhiteru_i7

ミツとケンカした。今思えば下らないというか、傍から見たら痴話喧嘩。 それでも、ケンカはケンカで、気まずい空気があるのは確かで。 布団に転がって考えていたら、ドアの前に人が立った気配。 慌ててドアへと寄ると、隙間から差し込まれた紙に。 『朝飯作ったから食べよ』 仲直りの合図にニヤけた。

2018-10-22 21:26:56
0
まとめたひと
夕日 照 @yuhiteru_i7

三月ーー!!大好きだーーーー!!!!!! やまみつ幸せになってくれ!! アイコン:自作 ヘッダー:デイジーちゃん(@Daisy0115ysiaD)からのもらいもの 成人済み 無言フォロー失礼してます 生態を確認してからフォローしてくれよな→twpf.jp/yuhiteru_i7