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「含光君が…」 子弟がこそこそとそんな噂話をしてるのを聞きとがめたのは藍景儀が沢蕪君の用事で使い物をして帰った時だ 「は?含光君がどうかしたのか?」 噂話をしていた子弟の一人の襟をとっ掴まえて詰問すれば子弟の目がこれまた怪しく泳ぎまくった 「え、えと、あ、う」 「はっきり言え」
2024-05-14 20:06:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「え、と。は、い」 「言葉を話せ」 襟首から胸倉をつかんで凄んでいる藍景儀をみつけた藍思追が慌てて回廊から回り込んでくる 「なにをやってるの!藍景儀」 「思追先輩」 「おい!話せって」 「こらこら、藍景儀」 「含光君に何かあったのか?」 「は?」 「お前も知らないのか」 「何の事?」
2024-05-14 20:09:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そうして二人の視線が同時んいくるりと首を回して子弟に固定される。 『藍氏次期双璧…って、双璧の意味、違う……』 子弟の目には今、二人の怖い「早く話せ」「なんのことかな?話してごらん」と威圧と無言の堅固で高い壁が立ちはだかっている
2024-05-14 20:11:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「え、と、だから…」 「「だから??」」 藍思追と藍景儀の声が重なり、その四つの目が子弟を瞬きもせずに見つめて追い詰める 「…藍先生に失跡を受けてさきほと松風水月の前で膝をついておられて……」 「「は??」」 「なんで?」 「嘘でしょ」 藍景儀の声に藍思追か被せてきて子弟が「本当です」
2024-05-14 21:07:11