名無し

桜木恵 @kei_sakuragi__

後輩くんは可愛くて、いつも目で追っていた。 偶然を装って道で遭遇したり、気を引くために笑いかけた。 そして、念願叶って彼女になれた。 けれど、君の気持ちが私に全て向いているわけではないと気づくのに、そう時間はかからなかった。 相手はいい子だった。 憎もうにも、憎めない程に。 ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

幼い頃に出会った君は、向日葵のような人だった。 周囲を明るく照らす、太陽のような人だった。 だから俺はきっと、その時に、既に君に恋をしていたんだと思う。 けれどそれに気づくのに、たくさんの時間を要した。 今は彼女がいる。 けれど、心のどこかでこの人は違うのだと、そう感じる。 ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

会いたくて、会いたくて、会いたくて。1日に何度も思い浮かべてはため息をつく。 君の笑顔が、君の泣き顔が、僕の脳裏に張り付いて一時たりとも忘れることができない。 前兆のない一瞬の別れ。 どうして神様はこんなにも無慈悲なのだろうか。 ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

私は無音の世界の住人だから 雨の音も、 水の流れる音も、 貴方の呼ぶ声も、 これからも聞こえることはない けれど、何故だか聞こえるのです 側にいるだけで、 まるで本当に聞こえているかのように、貴方の声が聞こえるのです 私の中に反響して離れないぐらい、しっかりと聞こえるのです ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

モノクロの世界にパッと花が咲いた。 色のない世界に一色の差し色が施され、視界が一気に華やいだ。 ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

私のことを誰も知らない街に行って、静かに世界を眺めたい。 行ったことのない場所に行って、新たな出会いがしたい。 何も知らない私と貴方が出会って、慎ましくも幸せな時間を刻みたい。 そう思ってしまう私は、やっぱり傲慢なのだろうか。 ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

異国の地で眠る貴方 どこの国かは分からない ただ私の知らない土地で、ひっそりと眠っている 会いたくて、会いたくて しかし、それだけ泣き叫んでもそれは叶わぬ願いだ 最後に会ったのは数年前の冬だったか あの日握り合った手には、今もずっと温もりが残っている 寒くて寒くてたまらない ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

人はなぜ争うのか。 大昔から争いの絶えなかった人類は、「争い」に何の意味を見出すのだろう。 利を欲し、己の欲を満たし、一体何の意味があるというのだろう。 少しの食料と雨風が凌げる家と、1枚の服があれば、きっとそれだけでいいはずなのに。 ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

夜更かしする日があったっていい。 寝坊する日があったっていい。 道でつまずく日があったっていい。 誰かと言い合う日があったっていい。 涙を零す日があったっていい。 どんなときも貴方は貴方 貴方らしくいれば、ただそれだけでいい そう言って彼は私の手を取り、太陽みたいに笑った ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

消えた彼が言っていた。 世界は残酷なまでに無情だと。 遠慮なく現実を突きつけ、それでいて他人事のように突き放す。 嘘を事実に、事実を嘘に、簡単に塗り替える、と。 彼がどんな思いで消えたのか、知ろうにも全てが手遅れだ。 私はいつも一歩遅い。 私は今も、彼の想いを探している。 ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

感動的な音楽はどこか切なくて、ちょっとの共感から生まれる。 けれどそれは偽物で、作られた人工物で、レプリカだ。 温もりを感じるのは感性が豊かだから。 そんなのただの言い訳だ。 心の中に染み込む前に、それらは冷えて固まって、蒸発して消えてしまう。 たった、それだけのこと ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

貴方の歌う歌は私の生きがいだった。 暗い気持ちを一気に消し飛ばしてしまうぐらい、その歌声は美しく、大好きだった。 その声を聴くためだけに、今日も1日頑張っている。 けれど、そんな貴方を救ってくれるのは一体誰なのだろう。 私は、そんな人になれるのだろうか。 ／名無し／

桜木恵 @kei_sakuragi__

煌めきの先にあるのは希望か、はたまた絶望か。 空いっぱいの夢も、 輝きに満ちた人生も、 いつか暗い地の底に落ちて絶望と化すのか。 大空を舞う雁の群れは、そんな世界に羽ばたいていくというのだろうか。 ／名無し／