My創作 1

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

ヤンデレ妄想あげてみよう！ 　コンビニで雑誌を軽く物色していた彼女は、ふと時計を見遣った。 「やべえ、時間だ！」 　結局何も買わず慌ててみせを飛び出して家路を駆ける。潤沢な防犯設備で話題の高級マンション、その最上階の一室に飛び込み鍵をかけ胸を撫で下ろす。その直後──

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

ガチャリガチャリと複雑そうな金属音が玄関に響く。やや乱暴に開かれたドアから彼が息せき切って現れた。 「お、おかえり」彼女は彼に引きつった笑みを向ける。反対に彼の形相は中々に凄絶だった。 「……また勝手に抜け出しただろ？」ギロリと彼女を睨め付ける彼。彼女はついと明後日の方を見やる。

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「何のこと？」すっとぼける彼女。 「その厳重そうな電子キーだの錠前だのは、別に元のままでしょ」目線でドアに取り付けられた鍵の数々を示す。 「何で！？何で開けられるだけじゃなくて、元通りに戻せるんだよ！？」彼は頭を掻きむしった。 「だから抜け出してないって〜」彼女はヘラヘラと言い募る

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

続きがありまぁす！ 「ところで、首輪と手枷と足枷は？」彼は何も付いていない彼女の首元と手足を見遣って呟くように問う。 「……何か自然にとれたよ」「嘘つけぇっ！！」 とうとう叫び声が上がった。「本当だよ！心霊現象かな！？ここ訳アリ曰くつき物件だしね！」 彼女の言い訳の後半は事実だ。

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

彼は高校卒業後、就職して今は二年目だ。そんな彼が手を出すには、この物件の相場は本来なら場違いなほど高い。「凄まじい現場だったって言うしさぁ、こんな事もあるってぇ。それに、新しいの買って来てくれたんでしょ？」 期待に目を輝かせた彼女に、彼はため息一つで手打ちとした。

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

「貴女が欲しいと言ったんだから、外されないことを願うよ」彼はプレゼントの包みを彼女に渡す。 「ありがとう！！……やったぁ、古代エジプト風の首輪と手枷足枷だ～」包みの中身を取り出し大喜びの彼女。 「これでロードピスごっこができる！」とはしゃぐ。「薔薇の飾りのサンダルは持ってるからね」

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彼は、知恵も知識も経験も、自分では遥かに及ばない彼女が、それでも不安も嫉妬も深い自分の元にいて、楽しそうに過ごしてくれるのが堪らなく幸せだった。 いつの間にか首輪と手枷足枷を自身で取り付けた彼女が、彼を見つめている。 「王様？わたくしめを見つけて下さってありがとうございます」

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

花が綻ぶ様、少なくとも彼にはそう感じられた笑顔。 「……どういたしまして、お姫様？」少しだけ格好をつけてみた彼。「お姫さまじゃない！」「え？」 「ロードピスは奴隷だよ」「どれい……」 いつも二人は、こうした仕様もなくも賑やかなやり取りを重ねる。

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

そうしてる内に、彼に常に付き纏う焼け付く様な焦燥も、凍り付くような絶望も、心の奥底の片隅へと追いやられ、少しの間忘れ去る事が出来るのだった。

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

拘束勝手に外されたら手足を使えなくしようとするヤンデレ少なくないかもですが、 彼はその本質の普通さと幼少期のトラウマの為思い浮かびもしません。もし浮かんだらパニックを起こす位のトラウマがある。

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

やはり異常なのは彼女のメンタルの強さとスペックですね。 ヤンデレ監禁(？)生活が成立(？)してるのは実は彼女に依拠してる部分が多い。

瀬戸ぅい瓜 @nekomo_oko

ちなみに彼はヤンデレにあるまじき平凡スペックですね。 体力や膂力等は良いものを持っているんですが、ヤンデレとして致命的なのは、残酷に踏み切る力が実は低めな事。でも慕情や執着心や依存心はヤンデレのそれっていう可哀想な子。。