エイプリルフールネタ。
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志乃 @sayashirohs

「主!どうしよう!大般若が猫になってる!」 「だいはんニャ?」 #新しいプロフィール画像 pic.twitter.com/9dYMRSWE6L

2018-04-01 01:52:47
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志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL 「主!大変だ!大般若が!」 執務室の戸を勢いよく開けた厚は珍しく狼狽していた。顔を上げた私の手を引っ掴んで廊下をずんずん歩いていく。連れていかれた先には先ほど名が挙がった大般若長光がいたのだが。 「あー、あんた、こりゃあどういういたずらか説明してもらおうかにゃあ」

2018-04-01 02:03:19
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL その頭には整った顔に不似合いな大きな耳が付いていた。 「なんのいたずらですか?」 「それは俺の台詞だにゃあ」 なんか語尾もおかしくないですか? 「見て見て!尻尾もついてるの」 乱が大般若の背後で尻尾を掴んでこちらに振った。その手をペシッと尻尾が叩く 「こら辞めにゃいか」

2018-04-01 02:07:12
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL その尻尾、意思で動かせるんですね… 「語尾もおかしいし、なんか、起きてるかもしれない…」 私は慌てて執務室に戻り、端末を起動して状況調査を始めた。 続く

2018-04-01 02:09:50
志乃 @sayashirohs

というわけで俺がアカウント乗っ取ったにゃ。 六百貫より安かったにゃ。

2018-04-01 02:19:26
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL とにかくこの現象の原因を掴まなきゃいけない。端末を起動して私は検索窓にカーソルを置いたところでフリーズした。 「なんて検索すればいいんだ?」

2018-04-01 09:39:07
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL 思いつく単語を入れるとまぁ字面は奇怪だが、なんの成果もない。どうしたら良いのだ。 「別に焦る必要もないんじゃにゃいか」 執務室に音もなく入ってきたトラブルの被害者が呑気にそういった。

2018-04-01 09:45:02
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL 部屋に入ってきた大般にゃは畳にゆるりと座ると、私の方に顎をとんと乗せた。 「たまにゃあのんびりしろってことさ。そのうち戻るだろうよ。…それか、あんたが疲れてるってとこか。ゆっくり休みにゃ」

2018-04-01 09:57:54
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL 語尾が相変わらずおかしいが、心地の良いテノールの声は変わらない。頭が肩に乗せられたせいで耳元に生ぬるい吐息と彼の声が直接響いた。 「ちょ、ちょっとはんにゃさ」 「んー?猫は甘えただからにゃぁ」 にんまりと口の端を上げて、彼は私の首に滑らかな頬をすり寄せた。

2018-04-01 10:09:17
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL 「く、くすぐったいですっ」 絹糸のような髪もあいまってくすぐったさに身をよじるが、気づけば後ろから抱きしめられ、逃げ場などなかった。 「くすぐったい?気持ちいいの間違いだろう?」 般若は生ぬるい舌を首筋に這わせ、耳を甘噛みしながら私に体をすり寄せた。

2018-04-01 12:02:13
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL 「や、やめ、は、はんにゃさ……」 猫のように喉を鳴らしながら耳を、頬を撫でる美丈夫を押し戻しながら、ふと、私は何かの違和感を覚えた。 それは、事の始まり、戸を開けた、厚の一言…… 厚って私のこと、主って呼ばないよね?

2018-04-01 12:05:59
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL 「!!!!」 「どうした、うたた寝でもしてたか?」 「、ゆ、ゆめ…」 目を覚ました私は、同じように執務室にいた。 「だいはんにゃ…ねこ…」 「ははっ、寝ぼけてんのか?まぁ、春は眠くなるもんだからなぁ。風邪は引いてくれるなよ」 隣にいた近侍には猫の耳も尻尾もついていなかった。

2018-04-01 12:12:55
志乃 @sayashirohs

@tkhime_TL 「それにしても」 近侍はこちらを向いてどこか楽しそうに笑った。 「さっきから俺の名前を呼びながら甘ったるい寝言をつぶやいていたみたいだが、…一体あんた、夢で俺と何をしてたんだ?」 吐息とともに耳元に寄せられた質問に、私の背筋は凍りついたのだった……。 おわる。

2018-04-01 12:18:07
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志乃 @sayashirohs

趣味は多い×3くらいある人の気まま呟き。