第41回深夜の真剣140字60分一本勝負

花滝ちかる @chikaru_toka

私には、おへそがありません。 へその緒で繋がっていたお母さんなど、どこにもいない私は、人間なのかどうか、本当に生きているのかも判らないのです。 「君は君だよ。僕が一生を共にしたい、唯一愛した人だよ」 涙が零れました。私は貴方の愛で、この世界に生まれることが出来たのです。 #140字小説

津森七@文学フリマ京都い-36 @tumori_nana

あなたの枕に滲むのは、涙ではなく怨嗟でした。止まぬ歯痛は悔恨の証、臍を噛んでも噛み切れぬことをいたしました。もはや冷たい水底にこの身を投げるしかないと、新月の晩に船を出せば、水面に浮かぶ丸い光。はてと覗きこめばあなたのお顔。共に沈んでくださるのね。ええ、永久にお慕い申しますとも。

RAY/※※※ @growler_ray

臍は、かつて親の生命と深く繋がっていた証。誕生したばかりの頃、あらゆる人はそこに接続されていた胎盤を通して、生きるために最も大事なものを親から教わり、そして受け取った。 「ご高説どうも、で？」 「紗祭の胎盤と繋がりたかった」 「たまに真顔で気持ち悪いこと言うのは才能なのかしら」

にゃん @nyan_kotonoha

ああ、今朝も歯が痛む。君の夢を毎晩のように見て、噛みしめてばかりいるからだ。目覚めると枕に滲んでいる、僕の哀しみの跡。君ともう二度と会えなくなると分かっていたら、君との時間をもっと大切にしていた。あれから何年たてば、痛みと哀しみで歯を軋ませ臍を噛むような日々が終わるのだろうか。 pic.twitter.com/hsV1uHUx1v

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夢夜 @ruya_reve

枕に滲む貴方の涙の跡を見て胸が痛くなった。 ──また、眠りながら泣いていたのですね 貴方がその笑顔の裏に大きな哀しみを秘めていることに気づいたのはいつのことだろう。 その哀しみを癒すことはできないかもしれない。 でも──少しでいいから私に分けてほしい。 それで貴方が救われるのなら。

行木しずく @gloom_tree

#深夜の真剣140字60分一本勝負 お邪魔します。 「歯痛」「枕に滲む」「臍」 pic.twitter.com/6QLxcKFwOr

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にゃん @nyan_kotonoha

この間から歯に挟まった物が取れなくて痛い。そして彼と別れようと決めたのにタイミングが合わない。歯医者は行きたくないし、別れは長引かせたくない。そしたら、今日、彼の方から「もういいだろ、俺たち」と言われた。そして、歯磨きの時、挟まったものがないのに気づいた。ああ、別れはあっけない。 pic.twitter.com/IqzeP2ityN

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夢夜 @ruya_reve

「……どうしよう」 夜着から覗く可愛らしいお臍に頰が熱くなるのを感じた。 視線を少し上にずらせば綺麗な胸が俺を誘い、下にずらせば魅力的な脚が俺を惑わす。 お臍のすぐ下から視線を剥がしながら息を吐いた。 ──美しすぎるのも罪だよね…… 寝てる時まで俺を魅了するとか、お前って本当……

∫ MatoP @_Mato_P_

好きです。 勇気を出した。 前日は眠れなくて、ずっと悩んでなんて言えばいいか考えた。 結果は、知ってた。 わかってる 僕じゃダメだ 君に不釣り合い 僕は惨めだ 君に恥をかかせる 僕はいらないんだ 君は一人でいられる 僕はいらない 君に想いは届かない 涙は、枕に滲む。

日引 @hibiki_ost

ここは「いっそ殺してくれって程の痛み」専門の病院だ。平和なこの国じゃ患者の訴えは大体二通りさ。一つは歯痛。これには素直に歯医者を勧める。もう一つは心痛。毎晩枕を濡らすような患者には、蜂蜜入りのホットミルクを処方してやる。どっちも他人に理解されにくいって点では同じようなもんだな。

くーか @kuhkatzen

深夜、背中の痛みで目覚めた。やがて背中と臍の下辺りが交互に痛む。これは以前眠れなかった歯痛と比べ物にならない。止まらない汗が枕に滲む。これはたまらんと救急車を呼んだ。 車内で救急隊員に「尿道結石って言われたことありますか？」と言われた。ああ、これが噂に聞く尿道結石の痛みなのか。

春日聖奈@二代目 夜 @haruhino37

彼氏にフラれた。 1日目はずっと枕に沈んで動きたくなかった。 一週間経ち、いまだ歯痛のように、思い出がチクチクと虐めてくる。 1ヶ月経ち、月のが来ないとお臍の辺りを見ていた。おめでたなんだそうな… 一年経ち、復縁した彼と彼の子と一緒。 百年経ち、彼の子を彼と一緒に見守っています。

色糸 @IRO_Iroito_

いつも笑顔を絶やさず、皆の心を温かくする太陽がいた。 ある日の夜、太陽から私にメッセージが来た。 何事か、と問えば、太陽は「中々月に会えないのだ」と嘆いた。 話を聞くうち、太陽の涙は零れ、溢れ、遂には止まらなくなった。 皆の前ではあんなに明るい太陽も、夜な夜な枕を濡らしていたのだ。

青い糸 ❁ @aoi_ito_

部屋が暗くなってきた 月明かりを求めカーテンを開く 「月が綺麗だね」 君がいつか笑顔で言った隠された秘密の言葉。 「月なんて…ずっと前から綺麗だよ」 僕がもっと早く気づく事ができたら… …なんでわかんなかった？ 君の笑顔に隠された意味に。 あの日を忘れず僕は今日も 月明かりに枕を滲ませる

峰庭梟 @sss_books

腕枕は辛い。あまりの痛さに終いには、指の感覚がなくなってしまう。それでも俺は我慢しよう。君が時折寂しさに、涙を枕に滲ませてるのを知っているから。 君よ。俺の腕の中で眠れ。もう泣かなくてすむように。俺は自分に言い聞かす。ここが男の正念場だと。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 / 枕に滲む pic.twitter.com/uz8A9BYXtx

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ちょこぐま🍫🐻 @RLIK0805

#深夜の真剣140字60分一本勝負 誤字修正 pic.twitter.com/UBBWCS3OPi

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