Q. 春風パロって?
A. 概念礼装「春風遊歩道」および「探偵ヱドモン」シリーズの世界観を元にしたなんちゃって大正パロ ※時代考証ガン無視 ※実在のアレコレとは一切関係なし
2019-09-10 11:43:47※ぐだーずの名前として「藤丸立香」を採用しています
春風パロ ピオぐだ♀ 双子の弟の守護霊・ぐだ子が一人でふわふわ散歩していたところ誰もいない路地で死にかけてる子供を見つけてしまって、近くの診療所の中を覗くとまず中にいた白蛇と目が遭い、続いて白い男が窓を開けて「悪いが死者は治せないぞ」と普通に話しかけてきたのでヒエッ……となった話
2019-07-22 17:42:35窓越しに「私のこと見えて……いやそれは後でいい。向こうの裏路地で子供が倒れてる。助けてあげて!」とぐだ子が訴えると「それを早く言え。今行くから先導しろ」と颯爽と外に出てくるアスピ 勿論その後子供は無事助かる
2019-07-22 17:58:49ぐだ子「私が悪霊で、罠だったら、とか考えなかった?」 アスピ「お前は姿が鮮明で、表情も動くし、色彩もある」 ぐだ子「幽霊慣れしてるんだ」 アスピ「生まれたときからこうだ。僕は死んだ母の胎から取り出された子だからだと思っている」 ぐだ子「話が重い……」 アスピ「死人に言われたくない」
2019-07-22 18:08:48アスピ「おまえは?」 ぐだ男「藤丸立香だよ」 アスピ「じゃあおまえは」 ぐだ子「藤丸立香だよ~」 アスピ「ふざけてるのか?」 ぐだ男「いやいや真面目だよ」 ぐだ子「先にわたしが死んじゃったからアレだけど、わたしたち、本当にどちらも『藤丸立香』なんだ」 アスピ「……呼びにくい」 →
2019-08-14 15:18:38→ ぐだ子/ぐだ男「……」 アスピ「なんだ、その反応は。僕は至極当然のことしか言っていないはずだが」 ぐだ子「だって、ねえ」 ぐだ男「先生、オレたちと今後も関わる気があるってことでしょ。よかったね、姉さん」 ぐだ子「視える人はたまにいるけどね。話し相手ができるのはやっぱり嬉しいな!」
2019-08-14 15:18:38「おいリツカ。おまえ守護霊なら弟のところにいてやったらどうだ」 「立香はいま授業中だし、もうそんな子どもじゃないし……それに私、先生と仲良くなりたいけどな。新しいお友達として、ね!」 「僕は死人に時間を取られたくないんだが」 「ひどい」
2019-08-14 16:04:40「クッソ~、アスピが無視できないくらい話しかけまくってアスピのこと独り言多すぎてヤバい人に仕立て上げてやるから見とけよ~~」 「やめろ怨霊。……第一僕の知り合いに今更独り言程度で驚く人間はいない」 「えっ何?いつも独り言言ってるってこと?それはそれでこわいんだけど……」
2019-08-14 16:22:01──僕の時間は生者の為にある。既に死んでいる女に使ってやる時間なんてこれっぽっちもない。 「……と思っていたんだが、憑依先のおまえが死んでるかもしれないからな。念のため来てやったぞ」 「もしかして先生、立香ちゃん以外に友達いない……痛ッ!」 「健康そうで結構だ」 →
2019-08-14 17:20:45→ 「でも、よくオレたちの家の場所がわかったね」 「知り合いに聞いた。この近隣に藤丸家は一つしかないらしい」 「へえ。あ、そうだ先生。先生は俺の知人設定ね。家の人は立香ちゃんのこと知らないからよろしく」 「……」 「仏壇に手合わせる?赤ちゃんのときの立香ちゃんの写真あるよ」 「いらん」
2019-08-14 17:20:45「リツカ、そういえばだが」 「うん」 「おまえはどうして死んだんだ?」 そう問えば彼女は軽く唇を尖らせつつ、バレリーナのように、クラゲのように、くるりと一回転した。重力に縛られないはずなのに、桜の描かれた着物の袖が広がり、舞う。 「……さあ。忘れちゃったな」
2019-09-07 13:25:44「──なんだそれは」 「いや本当ね、わかんないよね。でも本当にわたし、そのあたりの記憶が曖昧なんだ」 「思い当たる死因は?」 「さあ……でもほら、わたし見た目でわかる怪我とかしてないでしょ。だから案外苦しまずにころっと死んだのかも」 立香はにっと笑った。
2019-09-07 13:28:28「…………」 「はは、そんなに目つき悪いと患者に怖がられるよ。眉間のシワも伸ばして伸ばして」 そう言って立香はアスクレピオスの眉間に指の腹をぐにぐに押し付ける真似をする。
2019-09-07 13:39:40──藤丸立香は幽霊だ。彼は自らに触れようとする立香の姿だけは視えているものの、その指の感触までは知覚できず。恐らく、彼女自身も実際に触れている感触はないまま、生者とのコミュニケーションのためにそのジェスチャーだけを模倣している。
2019-09-07 13:42:18深く、息をつく。 「僕の話をしてやる」 「え?どうしたの、いきなり」 「おまえ、僕が何をしているか知っているか」 「何をって……お医者さんだよね」
2019-09-07 13:49:45「その通り。僕は医者だ。だが僕は一体何のために医者をやっていると思う」 「それは……アスピ先生がみんなの怪我や病気を治してあげたいから?」 「違う。努力点をくれてやってもいいが、それだけでは及第点にも至らない。僕にとって傷病の治療というのは通過点に過ぎない」
2019-09-07 14:00:29その天にも逆らおうという傲慢な言葉に、死者の娘は言葉を見つけられずにいる。 そして。男の瞳で燃える朱色の灯に、自分をも呑み込もうとする炎の幻覚を見た。
2019-09-07 21:49:47春風パロ 「そういえばおまえ、もしかして物体に干渉できるのか?」 「えーと……どういう意味?」 「最初に会った時、僕の診療所の前まで来てただろう。あの時は僕が『視えた』から気づいたが、そうでなければどうする気だった?」
2019-09-10 17:55:20「ああ。それはこうして──」 立香が卓上の万年筆のキャップの上に手をかざすと、キャップはふわりと浮き上がった。 手先を少し引けば、キャップも僅かに引き寄せられる。 そのままひゅっと指先を押し出せば、キャップは白衣の左胸に当たり、すぐ下で開かれていた掌中に落ちた。 「──こんな感じ」
2019-09-10 17:55:20アスクレピオスは険しい顔をしながら掌中のキャップを万年筆に嵌めた。 「おまえ、悪霊ではないんだよな?」 「アスピ自分で違うって言ってたじゃん!確かにちょっと物を動かせるけど、それを他人に向けたりなんて──……」 「あるのか」 「ま、前に立香のことからかった奴に草投げた……」 「……」
2019-09-10 17:55:21春風パロ 「……」 「おいリツカ。そちらの棚のものは動かすな」 「はーい。……アスピって、わたしが話しかける前から居るの気づいてるよね。やっぱり幽霊の気配とかわかるの?」 「そんな便利なものじゃない。……ただ、大抵はにおいがする」 「におい」
2019-09-11 16:48:24「それってお線香臭いとか、生臭いとかってこと?弟には言われたことないけど──うーん立香もそんなに鼻いい訳じゃないしなあ……」 「霊臭はモノによって差があるが、おまえはとりわけ判別が容易だ。桜だ」 「桜?」 「仄かにだが、桜に似た香りがする」 「ロマンチックじゃん……」 「そうか?」
2019-09-11 16:48:24「僕にとってはロマン云々というよりは腹が減るという印象のほうが強い」 「どうして?」 「桜餅が食いたくなる」 「あ、うん、今度弟に差し入れさせるね……」
2019-09-11 16:48:24