本日のラッキーアイテム:工具箱

まめすけ@約ネバ隔離（承認厳しめ） @mamesuke_2263

パロ。ハイスクではないです。 ちょっとした休みに、ドライブ洒落込むレイくんとノーマン。 車がエンストで立ち往生してしまってさー。 ボンネット開いて、腰を折って状況調べてる。 これ、しょーもないから諦めて昼飯くおーぜ、ってレイくんは途中で買ったベーグルサンド取り出すよ。

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で、コーヒーは持ってきたガスバーナー取り出してわざわざ入れるからその準備でポットに水を注ぐ。 「ちょっと、れーいー？　解決してないのにソレはないよ」 ボトルの水締めて。 「原因わかっても、直せねーよ。工具今ねーし」 「は？」 「知り合いっていうか、親戚っつーかに貸しててさあ」

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前、話したじゃん。バイク買ったみょーちくりんがさ、メンテ工具買い忘れてやんの。 アホか、これ使え、って貸した。 「貸した？で？」 「そのままデス」 原因が分かったものの直せずに、立ち往生。 ああ、ノーマンはこういう無駄な時間が嫌いだもんな、とレイは独りごちる。

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「レイのそういうところ、阿呆って言われて反論できないよね」ぷうって頬を膨らませそうな勢いで見てくる銀髪頭の青年。 いい歳してそんな表情しても可愛くねえよ。 「だからまあ、ソレが工具箱届けに来るぜ」GPSつけたメッセをとばしたから、もう2-30分したら到着するんじゃね？、と続ける。

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「2、30分って…。その子そんな近くにいるの？親戚の子？はレイの家の隣町に住んでるからもう少しかからない？」 ペーパーフィルターをマグにセットしながらレイは返す。 「スピード狂の走り屋なんだよ。買ってまだ数週間のバイク乗り回し方激しすぎて工具箱必要になったくらいだぞ？」

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ポットがちょうどいい頃合いだ、と手に取り、ノーマンの近くに置かれたマグカップに、湯を回しかける。 こうなったら1杯を淹れ終わるまで、会話は中断になる。 レイは凝り性だ。本人は興味ない体を装うが珈琲には相当のこだわりがあることを彼の親友は心得てる。

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レイくんが工具箱を貸したスピード狂の親戚はエマちゃんでした。 ノーマンはレイくんの話を聞いた時点で少年と思い込んでた。 レイくんの家のバイク（サイドカー付）に乗ってくる。 twitter.com/2263_mamesuke/…

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レイがこっちこっちと手をふるが、猛スピードで突っ切ったあと、Uターンしてやってくる。 ノーマンは、免許取り立てがサイドカー付きに乗ってくるなんて思わないから「え？え？これが親戚なの？？」と吃驚してる。 「遅かったぜ、エマ」お前の分の昼飯なくなるところだったぞと軽口を叩かれる親戚。

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フルフェイスヘルメットだから、顔は見えない。 でも本当に小さい。 160どころか150ぎりぎりある程度。 よくこの身長で乗れるものだなあと関心するノーマンを余所に。 むくれながら「飛ばしたんだよ！先にありがとうございましたでしょ！」と、高く鈴のなるような声で返事が飛ぶ。

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「ごめんなさい。そしてありがとう。助かります」 「お前がなんで言うんだよ」 痛烈なレイからのツッコミを受けたノーマン。ノーマンは己が条件反射で返答したことに気づく。 勢いに呑まれてしまった。しょうがないと思う。ヘルメットを外したライダーの容貌が今日一番の驚きだったのだから。

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愛らしい容貌をしていたのだ。 夕焼けを閉じ込めたような鮮やかな色の髪。瞳は雨上がりの新緑のようにキラキラと輝いている。 髪と同色の睫毛はCの字を描いているが、頬に影を落とす程度には長い。

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ノーマンは、レイに頭を叩かれたにもかかわらず。 エマ、と呼ばれたライダーから目を逸すことができなかった。 よく見ずとも男性と言うには薄胸板は薄く骨格は頼りない。それに、前開きのライダージャケットの胸部には性別をそれなりに主張している。