twitter.com/i/events/15832… “ほ、本当に…これ…買うつもり⁈” #山下美月 #妄ツイ
2022-10-21 22:46:591 僕は、大学生の齋藤○○。 1つ上の山下先輩に恋をしている。 美:やっほー、○○君。 ○:先輩…今、帰りですか? 美:うん!一緒に帰ろ? 同じ学部の彼女は、とても美人だ。 けど… “ビッチ”と学部内の人から呼ばれている。 同性からの妬みか、フラれた男達の呆れた逆恨みか。
2022-10-21 22:38:322 美:君だけだよ? ○:ん? 美:こんな私と帰ってくれるのは。 ○:こんな私…ですか? 美:良くない噂…聞いたことない? ○:チビ…でしたっけ? 美:違いまーす。ビッチ…が正解でした〜 ○:僕は、山下先輩を噂通りの人だと思ってないので。 美:ありがとね。
2022-10-21 22:38:323 一緒に帰る理由は、好きだから。 それと、たまたま同じ最寄り駅だから。 同じ電車に乗り込んで、同じ駅で降りる。 美:じゃあ、私ここで… バイト先のコンビニへと向かう彼女。 ○:バイト、頑張って下さい。 美:ふふ… バイバイと手を振る先輩は、まるで恋人のようだ。
2022-10-21 22:38:325 とある晩。 飛:うわ…無い…置いてきたかなぁ… ガサゴソと辺りを探し始めた高校生の妹。 ○:どうかした? 飛:”ゴム”失くしたみたいで… 僕はその単語を聞いて固まる。 ○:へ、へぇ…そっか…
2022-10-21 22:38:346 こう言う時は、踏み込まないのが吉。 飛:おにぃも探すの手伝って。 ○:え… 飛:何よ? ○:あぁ…それって、すぐ見つかる? 飛:すぐ見つからないから、おにぃに助けを求めてるの。 ですよね… あれ、薄いですもんね… ○:まさかだけど…剥き出しのままとか…? 飛:多分、そのままかな…
2022-10-21 22:38:347 ○:こ、これから必要なの? 美:当たり前じゃん。いつも夜に使ってるんだから。女の子にとっては大事なものだし…アレが無いと出来ないし… そりゃあ、そうか… ○:でも…新しく買った方が良いんじゃない? 剥き出しで失くしたってことは、どこか破損してるかも分からないし…
2022-10-21 22:38:358 破損してたら、ほら…その…意味がないと言うか… 飛:カラオケに置いてきたかな… ○:カラオケ⁈ 最近の高校生は、そんなところで… け、けしからん! と言うか… そもそも、お兄ちゃんは飛鳥に彼氏がいることを知らなかったのですが… ここまで大人びていたとは…
2022-10-21 22:38:359 心へのダメージが… 可愛い可愛い妹が… はぁ… 飛:そうだ…!新しく買えって言うなら、おにぃが買ってきてよ。 ○:ふぁぁ⁈無理無理無理!絶対無理! 飛:大丈夫だって!じゃあ、おにぃは持ってる訳?貸してくれるの? ○:持ってる訳ないだろ…
2022-10-21 22:38:3610 飛:だよね。おにぃが持ってたら、ビックリだもん。 僕、どれだけ女っ気がないと思われてるんだ… はい、と五千円札を渡された。 ○:いっぱい買えと…? 飛:そんなに沢山は要らない。細かいのがなかっただけ。大抵セットで売ってるし。 ○:ちなみに…サイズは…?
2022-10-21 22:38:3611 飛:そんなの、全部同じ。 そうなの…? ○:厚みとか… 飛:だから、どれも一緒だって。 ○:ち、ちなみに…輪ゴム…じゃないよね? 飛:何言ってるの?ゴムはゴムでしょうが。 ○:だよね… 飛:輪ゴムだと、痛いし…意味ないし… ごもっともです… 飛:ついでにポテチも買ってきて!
2022-10-21 22:38:3712 僕の微かな抵抗も虚しく、妹に見送られて家を出た。 ゴム…かぁ… 夜遅くだと、近くの薬局は閉まってるし… コンビニ行こ…
2022-10-21 22:38:3713 店に入ると、ポツンとレジに立つ美女が1人。 目が合うと、彼女は優しく微笑んだ。 今来ている最寄りのコンビニ、夜の21時以降は基本的に山下先輩がいることが多い。 大学生の僕は、サークルやバイトの帰りにここを良く利用するが、大抵は彼女が接客してくれる。
2022-10-21 22:38:3714 ゴ、ゴム…を買ったことのない僕は、読みもしないファッション雑誌とポテチ、それから0.03ミリ(M)の”それ”をレジに持って行った。 妹の彼氏のアレのサイズを知らないけど、まぁ良いか。 もっと薄い方が良いと言われたらどうしよう… その時は、泣く自信がある。
2022-10-21 22:38:3815 美:こんな時間にポテチ?太るよ? ○:無性に食べたくなる時、ありません? 美:あるある。でも、私は○○君の健康を心配してるんだよ? ○:それはどうもです。でも、僕も先輩のことが心配ですよ? 美:へぇ? ○:こんな夜遅くまで働くなんて…変な人…来店しません?
2022-10-21 22:38:3816 美:たまにね。たまに。 ○:先輩なら、もっと良い所で働けそうですけど。 美:良い所? ○:お洒落なカフェで笑顔を振り撒いたり…とか。 美:それも悪くないけど…ここ、家から近いし。楽してお金を稼ぐに越したことはないでしょ? ○:まぁ…確かに… 美:それに私は、○○君がここに来るか…
2022-10-21 22:38:3917 急に、手元を見て固まってしまった先輩。 ○:先輩…? 美:え…そ、そんな…ぇ…本当に… 彼女は”それ”を見て驚いている。 この反応から見ても、きっとビッチじゃないんだろうなぁ…って。 ピュアなんだろうなぁ…って、僕は思うんだ。
2022-10-21 22:38:3918 美:嘘だ…そんな相手…いるの…?ってか…大きいんだ…ふ、ふーん… ○:えっと… 美:本当に…このサイズのこれで…お間違いないんですね? 急に店員モードになった… ○:多分…はい… 美:本当の本当に…? 凄い念押ししてくるじゃん… 僕が買うと、そんなに不自然か?
2022-10-21 22:38:4019 まさか、この僕にそう言う相手がいるはずもない…的なことを思われているのだろうか… まぁ…それをレジに持って行くのは、今回が初めてだけどさ… しかも、好きな人の前で”それ”を買うって… 我ながら、肝が据わっていると思う。 でも…僕だって、本当は嫌だよ?
2022-10-21 22:38:4020 誤解を招く可能性が高いだろうし… 目の前の先輩は、徐々に顔が赤くなって… そして…涙目に。 え… は…? 何で泣いてるの? 兄として、本当は僕も泣きたいんです…
2022-10-21 22:38:4121 美:ふ、袋は… ○:お願いします… サッと袋に商品を詰め、手渡される。 ○:あ、ありが… お礼を言うよりも先に、彼女は裏へ行ってしまった。
2022-10-21 22:38:4122 家に戻り、震える手で妹に”それ”を手渡した。 飛:ん。ありがと…って…何これ… ○:何って…ゴム… 飛:ゴム… まじまじとパッケージを読み込む妹。 飛:コン…え… 頬を染め上げ、終いには耳まで真っ赤に。
2022-10-21 22:38:4123 飛:これ…つい最近…保健の授業で習ったやつ… ○:いや…これから…使うんだろ…? 飛:どうやって? ○:その…彼氏と…あけすけに僕に尋ねるな。 飛:は、はぁ⁈い、意味分かんないし!私、彼氏いないし! ○:え⁈でも”それ”は…男がいないと… 飛:バカッ!ほんっとバカ!
2022-10-21 22:38:4224 えぇ… 僕は、自分の好きな人からの好感度を捨ててまで買ってきた…ある意味英雄なんだぞ? 飛:私が言ったゴムは…これじゃなくてヘアゴムのこと! ○:え… 飛:当たり前でしょ? ○:男の中でゴムって言ったら…”それ”だけど? 飛:そ、そうなの⁈ ○:うん…
2022-10-21 22:38:4225 飛:はぁ…信じられない…ヘアゴムないと、髪が邪魔で洗顔とか出来ないじゃん… ○:と言うか、飛鳥は彼氏…いないの? 飛:いないし。 ○:良かった… 飛:良くないし。全く…こんな恥ずかしいやつ…早く仕舞って! ○:はいはい。それにしても、お兄ちゃんは嬉しいぞ?
2022-10-21 22:38:4326 飛:何が? ○:可愛い妹に、節度が備わっているようで。 飛:なんか良く分からないけど、バカにしてる? ○:してない。褒めてる。 飛:褒めてるなら…まぁ…許してあげる… 頭を撫でてやると、えへへと笑みを溢したのだった。 良し… 今日も妹は可愛い。
2022-10-21 22:38:4328 コンビニでのちょこっとしたハプニングがあってからと言うもの、僕は山下先輩に避けられているようだった。 バ先に赴いても、いつもならいる時間になってもいないし。 大学で声を掛けても、無視される始末。 仕方ないので、僕は… … … …
2022-10-21 22:38:4429 ○:えー…今日からここで働くことになった齋藤○○です。分からないことが出てくると思うので、教えて下さい…山下先輩。 美:… ○:… 美:どうして…こんな夜遅くの時間を希望したの…?
2022-10-21 22:38:4530 ○:先輩とお喋り出来ると思ったからです。 美:だからって…こんなとこ…彼女さんに見られたら、怒られちゃうんじゃない? ○:彼女…? 美:何を私以外の子と仲良くしてんのよ…って。 ○:僕には、そんな人いないから大丈夫ですよ。 美:いやいや…この間…アレ…買ってたじゃん…
2022-10-21 22:38:4531 ○:あぁ… 美:そう言うことをする為の物でしょ? ○:まぁ…あれは…勘違いだったと言うか… 美:勘違い? ○:ゴム…って聞いたら、普通は何を思い浮かべます? 美:え?ヘアゴムでしょ? ほら… やっぱり、先輩はピュアだ。
2022-10-21 22:38:4632 ○:女の子なら、そう思うみたいですね。 美:どう言うこと? ○:実は、あの日…妹から”ゴム”買って来てってお願いされて… 事の顛末を詳らかに話した。
2022-10-21 22:38:4633 ○:そう言う訳なんで、妹が欲しかったのは、ヘアゴムだったみたいです。 美:そっか…そうなんだ…じゃあ、あの時買った…アレは… ○:生憎と、未開封なままで。 美:ふ、ふーん…じゃあさ…まだ…○○君の恋人になるチャンス…あるってことだよね? ○:へっ…? 美:そ、そう言うことだから!
2022-10-21 22:38:4634 ○:あっ…ちょっと… 美:私、在庫の確認してくる! 先輩は、バックヤードに隠れてしまった。
2022-10-21 22:38:4736 美:いらっしゃいませ…って、○○君。 ○:今日は、客として来ちゃった。 店内を1周し”それ”のLサイズを持ってレジに行った。 美:えっと…えっと…えっとぉ…? ○:今回は、この商品で間違いありません! 美:何用…? ○:んー…”美月”先輩とする用? 美:ぅ…ぁ…うぅ…
2022-10-21 22:38:4837 見慣れていないのか、すぐに赤面する美月先輩。 美:この間買ったやつ…開けてないんじゃないの? ○:あれは…Mサイズだったんです。 美:じゃあ、今回のは…L…L⁈はわわ…○○君の○○君って…Lサイズ⁈ 1人で見解に至り、驚きの声をあげる先輩。
2022-10-21 22:38:4838 ○:今日…”初めて”美月先輩の家に行くし…念の為…ね? 美:だからって…”恋人”の前で堂々と買わないでよぉ!もぉ…バカァァァ! こんなピュアな反応を見せる先輩を、これからもっと大事にしていこうと思う僕だった。 End
2022-10-21 22:38:49あとがき 同音意義…的な? まぁ…あるあるですよね! 知らないけど。 勘違いから勘違いを生むこの話。 “それ”の名前を最後まで出さない所がポイントです笑 それから、告白する描写はありませんが、2人は付き合ってるんだな…ってのが分かる書き方をしたラストも見所です🙇♂️
2022-10-21 22:38:49