@140onewrite 「下手くそが後の先とはね」 始めて竹刀を交えた時、面越しの貴女から放たれた侮蔑の言葉。言っても信じてはもらえないと分かっていた。その姿に心を奪われ剣速が鈍っただけ、などと。 今日で引退、気合に想いを忍ばせる最後の機会。 恋慕の行方は切っ先だけが知っている。
2020-02-15 21:24:50バレンタインチョコなら、私にじゃんけんで勝ったらあげるよ。じゃーんけん…ほい!はい、私の勝ち んー、後出しはしちゃいけないって?知らないよー、勝負っていうのは、勝てばいいんだからね え?だったら私も後出しさせてもらう…って?ちょ、待って!いくらなんでもチョコの後出しは反則だよーっ!
2020-02-15 22:01:54#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite ) お題「後出し」 『蕩けた思考。』(139文字) pic.twitter.com/w4wNFn1s8D
2020-02-15 22:06:05何とも思っていなかった。 でも、「好きです」って一所懸命な様子で告白されて、僕は悪い気はしなかった。 付き合ってみると、案外楽しくて、一緒にいるのはホッとした。 ある日、彼女は言った。「好きでした」 涙と共に零れ落ちた、過去形。 初めて、小さな背中を追いかけた。 「僕は、君が好きです」
2020-02-15 22:06:18「あ、あなたのことが……」 緊張のあまり、好意を寄せる女の子への言葉がなかなか出てこない。それでも、僕は勇気を出して彼女にこう伝えた。 「好きです」 自らの意思を伝えた僕だったが、彼女の口からは……。 「ごめんなさい」 こうして、僕の願望は彼女の一言でもろくも崩れ去ってしまった。
2020-02-15 22:10:53「好きです」 笑いながら言うなよ。世界の敵。 クラスメイトでクラスの中心だったお前。 俺に自分を殺させたお前。 「後出しだろ」 「忘れないでいて。貴方だけは」 さよなら、といい彼女は消えた。 世界の滅びは終わった。 それから、時が過ぎて、 「世界は平和だよ」 呟く。 お前が、いないから。
2020-02-15 22:36:44