叢雨見守藉華

とある霊山の麓付近に佇む、八重しだれの大木。
その懐に入れば外が見えなくなるほどの桜に囲まれ、梅雨入り前に散ってしまう遅咲きの枝垂れ桜は、まるで叢雨のようだと名を付けられた。

如何なる秘め事も包み隠してくれる皇神
叢雨の木の下で秘め事を口に出すと、叢雨が包み隠して誰にも暴かれないようにしてくれる、という言い伝えがある。
それは、人の子を可愛らしい生き物だと思っているが故に、お願いされると守ってあげたくなってしまう、叢雨の甘い性格がゆえである。

所在地

信仰心の薄れに対する思い

叢雨は、神への信仰心が薄れてゆくことは
「忘れられてしまうのは悲しいけど、子が親元から離れてゆくように、これもきっと、この国が成長しているという証なんだろうね」
「あんなに神にすがっていた人の子が、せっかく自分で決めたことだから、見守っていてあげたい」
というような感じに思っている。

厄神に対する思い

皇神の問題は皇神同士で解決すべきであり、人の子を巻き込んでしまって申し訳ないと思っている。
「悲しい気持ちはわかるからなんとか慰めたい」「でも我々のわがままで人の子のゆく道を閉ざしてはいけない」
「人の子は気にせず前に進みなさい」
という気持ち。

戦闘は得意でないので、巻き込まれた人の子や力のないものたちが危険な目に合わないように守ることで協力をするつもりでいる。
お気に入りの人の子が戦地へ向かうことを良く思っていない。

戦闘における役割

• ワザ①結界
  神力消費　多め
  叢雨の木の幻影を背後に召喚し、枝が至る範囲に防御壁を張る。
  如何なる技も跳ね返すことが可能だが、術中はその場から動くことが出来ない。
  耐久や修復に神力を消費するため、受ける攻撃が強ければ強いほど、叢雨自身に負担がかかり、長期保持が難しくなる。

• ワザ①花びらの舞(仮名)
  神力消費　少なめ
  姿をすっぽり隠せるほどの量を出すことも可能。
  しかしただの花びらなので、攻撃を与えることはできない。
  目くらましや、着地時のクッションとして利用可能

弱点

反射神経にぶめ。硬直しがち
ゆったりとした性格をしているため、速度を問われるものが全般的に苦手。
思考が追いつかず、どうしたらいいのかわからなくなって硬直してしまうことも有り。

怪我に対する恐怖心
傷ひとつで木が腐ってダメになってしまうこともある桜の木であることから、怪我に対する恐怖心が強い。
腕や足を強く掴まれると、折られるのでは…と怯えて動けなくなる。

過去話

御簾様と呼ばれていた時代
人の子供が喜ぶからと、お願いされるまま神域への出入りを許していた所、それを目撃した大人達から「子供が神隠しに会っている」と勘違いをされてしまい、「桜に潜む鬼が喰らう子供を選んでいる」と噂されるようになってしまった。
その際、しだれ桜の枝の向こう側から静かに人を選ぶ鬼の姿を想像した人々から「御簾さま」と呼ばれるようになった。

時代が進むと、その噂は"躾"として使われるようになり、「悪い子は桜の鬼に喰われてしまえ」と、泣き叫ぶ子供を木の幹に縛り付ける大人が現れるようになり、人の子が好きな叢雨はすっかり落ち込んでしまった。
怖がられる気がして人の子に姿を見られたくなく、すっかり引きこもりがちになってしまったが、天月代寿織神様から覆面をわけていただいたことにより、人々が寝静まった真夜中に気分転換の散歩へ行くようになった。

散歩中、たまたま通りかかった河辺で、鶴叶様と出会う。
返事の言葉を返せなくとも、優しい声で話しかけてくださることが嬉しくて、またお話が聞きたいと河辺へよく行くようになり、この関係は御簾さまの噂が途絶える日まで続いた。

その他小話

叢雨の桜の塩漬け
昔、自分の桜の花を塩漬けにして楽しんでいる人の子を見てから、梅酢を頂けた年に限り、真似して桜の塩漬けを作っている。

遊びに来てくれた方へ桜茶を出すことがありますが、皇神相手にはおもてなしの意味で。人の子相手には足止めの意味だったりなかったり…

塩に叢雨の神力が染みてしまっているため、塩漬けを口にしたあとはちょっとした怪我や不運から1度だけ守られる。

主要関係者