バビロンの黄金伝説

石川 五右ェ門 @goemon_zan

[五右ェ門の今日は何の日] 1985年の今日は、劇場版第3作目「バビロンの黄金伝説」が公開された日だ。 バビロンの黄金を巡るルパンとロゼッタ、マフィアとの争奪戦が描かれている。 売り文句は「古代メソポタミアから……現代のニューヨークへ バビロンの秘宝をめぐるエキサイティングな争奪戦！」 pic.twitter.com/0uy855D3si

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本作の時代背景は、1986年2月頃となっている。 劇中ではハレー彗星(ほうき星)が来る時期となっており、ルパン作品としては珍しく、時期設定が決まっている。 pic.twitter.com/DXnTb0gXfx

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本作が制作されるまでの経緯は、かなり特殊であった。 「ルパン三世 PARTIII」放映中に劇場版3作目の製作が決定した。 当初は「カリオストロの城」の監督であった宮崎駿殿に再度依頼がなされたが、宮崎殿は断り、宮崎殿の推薦で当時宮崎殿の事務所にいた押井守殿が監督を務めることになった。 pic.twitter.com/G5Ar6zfTLe

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当時、東京ムービー新社の社長であった藤岡豊殿が「うる星やつら」などの押井殿の評判を知っていたため、監督就任は短期間であっさりと決まったという。 しかし、押井殿の脚本は拘りのありすぎる物だった。

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詳しい内容は割愛するのだが、総合的な内容としては「最初からルパンなんていなかった」という内容だったという…… この脚本がプロデューサーの理解を得られることはなく、そのまま押井殿は降板され、集まっていたスタッフも降板となった。 ちなみに、そのスタッフの中に庵野秀明殿がいたらしい。 pic.twitter.com/v4tEHa2nMl

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その後、吉田しげつぐ殿が新たに監督に就任、「PART2」等に参加経験のある鈴木清順殿を共同監督に迎え、野球中継による放送中止の影響で余力があった「PARTIII」のスタッフを移行し急遽制作した。 その為、原画を担当した大森英敏殿によると制作期間はわずか2ヶ月しかなかったという。 pic.twitter.com/Z6GJRNVzDK

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その為、「バビロン」の絵柄は「PART III」後半によく見られる茶目っ気溢れる絵柄となっている。 なお、ルパンと拙者、銭形の衣装は今回限定の色合いであり、かなり珍しい。 pic.twitter.com/sE6vv4cTqE

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本作のゲストヒロインは、バビロンの黄金の謎を探る謎多き老婆、ロゼッタだ。 時折、マザーグースの歌(「バビロンまで何マイル？」)という歌を歌っている。 ルパンに好意を寄せているが、当のルパンには苦手に思われている。 声を担当したのは、昭和に活躍した女優、塩沢とき殿だ。 pic.twitter.com/QmUGXgSrfd

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本作の悪役の1人、マルチアーノだ。 ニューヨークマフィアのボスだが、ギャング家業は右腕であるコワルスキーに任せており、マルチアーノ自身はバビロンの黄金の捜索に専念している。 声を担当したのは、ニューハーフタレントのカルーセル麻紀殿だ。 pic.twitter.com/oCsq69d0OE

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本作の悪役の1人、コワルスキーだ。 マルチアーノにギャング家業を任されている為、事実上のマフィアのボスである。 次元を殺害しようとした際に、無関係な酒場の店員や客達を巻き込んで死傷させる残虐な性格なのだ。 声を担当したのは、1stにおいて五ヱ門を担当していた大塚周夫殿だ。 pic.twitter.com/fl7Xz5eRJR

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また、本作はルパン役の山田康雄殿と交流があった漫才コンビ「おぼん・こぼん」が出演している。 冒頭で次元に変装していたのがおぼん殿が演じるウィリーで、拙者に変装していたのがこぼん殿が演じる陳だ。 2人共コワルスキーの部下で、ルパンを殺害しようとしているが、失敗ばかりなのだ。 pic.twitter.com/JSBoxQ77J3

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本作では、「ICPO主催・インターナショナル婦人警官コンテスト」なるものが開催された。 そして、画像の5人の婦人警官が銭形の部下として、捜査班に任命された。 当初は銭形を上司として仰いでいたが、中盤からは銭形を無能な男、ドジで間抜けでアンポンタンと陰口を叩くなど、キツい性格をしている。 pic.twitter.com/mei2kTHMuP

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婦人警官コンテストのアメリカ代表、キャラメールだ。 オリエント急行でザクスカヤと共にルパンを誘惑し、眠り薬入りの料理を食べさせようとするが、NYマフィアのヘリコプターが乱入してきたことで失敗した。 名前の由来はキャラメルから。 声を担当したのは、ラムちゃんで知られる平野文殿だ。 pic.twitter.com/mryqdvjuSz

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婦人警官コンテストの中国代表、チンジャオだ。 オリエント急行での乱戦中に、拙者と共に互いに一目惚れしてしまった。 中国拳法の使い手であり、作中ではNYマフィアを倒している。 名前の由来は、チンジャオロースから。 声を担当したのは、「セーラームーンシリーズ」のルナで知られる番慶子殿だ。 pic.twitter.com/9wGHmgwT44

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婦人警官コンテストのソ連代表のザクスカヤだ。 「ハラショー」が口癖で、婦人警官達の中でもかなりのスタイルの持ち主だ。 名前の由来はザクースカから。 「アルプスの少女ハイジ」のクララなどで知られていた吉田理保子殿だ。 過去のルパン作品では「PART1」の11話に登場したリーサを担当している。 pic.twitter.com/3DCTEJVIhk

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婦人警官コンテストのケニア代表、サランダだ。 1度はルパンを逮捕する事に成功するも、NYマフィアの銃撃にルパンと共に巻き込まれてしまう。 名前の由来は恐らくサラダから。 声を担当したのは、アンパンマンで知られる戸田恵子殿だ。 後に、木戸千恵子殿やロザリア殿も担当する。 pic.twitter.com/XcVCyPESTF

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インターナショナル婦人警官コンテストのイタリア代表にして、優勝者のラザーニアだ。 優勝者にも関わらず、婦人警官達の中では大きな活躍もなく、台詞も「時々オナラはするしね。もう我慢できないわ！」のみ。 名前の由来はラザニアから。 声を担当したのは、三宅しのぶなどで知られる島津冴子殿だ。 pic.twitter.com/AKwdBidn5H

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主題歌は、1980年代に活動していた歌手、河合奈保子殿が歌う「MANHATTAN JOKE」だ。 この曲自体は、1985年6月12日に発売されている。 作詞は秋元康殿が担当している。 「MANHATTAN JOKE MANHATTAN JOKE 本気じゃないの MANHATTAN JOKE MANHATTAN JOKE 支えきれないハート エアポートまで1人 急いで」 pic.twitter.com/0P4xyLjsdD

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物語の中盤で、ルパンは長い金髪の美しい女子と出会う。 主題歌を歌っている河合奈保子殿がこの女子の声を担当している。 何故かルパンの名を知っているこの謎の女子の正体は…… 詳しくは「バビロンの黄金伝説」本編を見て欲しい。 pic.twitter.com/rZqkOkoH1z

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なお、「バビロン」の2年後の1987年に公開された「風魔一族の陰謀」では出演する事ができず、1995年に公開された「くたばれ！ノストラダムス」では予告編しか出演できなかったことと、その年に山田康雄殿が亡くなられた為、本作は山田殿がルパンを演じた最後の作品となっている。 pic.twitter.com/Q1z3dmcN90

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降板された押井守殿は、今後もルパンに関わる事はないと思われていたが、2021年に放送された「PART6」でゲスト脚本の一人として参加された。 拙者の背後は、押井殿の参加は予想外にしていた為、かなり驚いたという。 押井殿は4話の「ダイナーの殺し屋たち」、10話の「ダーウィンの鳥」を担当している。 pic.twitter.com/UXjATFiPSt

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テレビシリーズ放送中に公開された劇場版のうち、「ルパンVS複製人間」や「カリオストロの城」は「金曜ロードショー」枠で定期的に放送されているが、本作は1986年11月28日に放映されたのを最後に放送されていない。 ただし、BS・CSチャンネルなどでは複数回放送されている様だ。 pic.twitter.com/emzWTmPTHq

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前々作と前作があまりにも有名であることや名作と謳われていること、賛否の分かれているPARTIII後半のデザインであることから、バビロンは毛嫌いされてしまう事が多い。 しかし、途中で「ルパン三世のテーマ」と「銭形マーチ」が5年ぶりに流れたりとグッとくる場面もあるので、是非とも見て欲しい。 pic.twitter.com/fiPZKL15mp

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