1 某飲食店でバイトをしている○○。 ○○:(はぁ…今日は客少ないし暇だな…。) ○○:(遥香今頃何してるかな…。) ??:ねぇ、なにニヤニヤしてんの? ○○がボーっとしているところに、バイト先の先輩の田村真佑が話しかけてくる。 pic.twitter.com/Xk4WKTCGaz
2020-08-17 20:38:532 ○○:い、いや…何でもないです。 真佑は○○の1学年上の年齢で、通う大学が違うのでバイト先以外で会うことはほとんどない。 真佑:いいね、○○くんには悩みとか無さそうで。 はぁ、とため息をつく真佑。
2020-08-17 20:39:113 ○○:僕にも悩みくらいありますけど…。てゆうか、何かあったんですか?ため息なんかついて。 真佑:聞いてくれる? ○○:まぁ…僕でよければ。 真佑:最近ね…彼氏とうまくいってないの。 ○○:そうなんですか。 真佑:倦怠期…っていうのかな。前よりケンカになることも増えたし…。 pic.twitter.com/tSUdgYB29w
2020-08-17 20:39:464 ○○:ケンカ…ですか。 よくよく考えれば、○○は遥香とケンカをしたことがない。 遥香とケンカなんて、考えたこともなかった。 真佑:このまま別れちゃうのかな…私たち。 ○○:田村さん…。 pic.twitter.com/w9ZPx94b49
2020-08-17 20:40:255 すると突然、しんみりした空気を打ち破るかのように真佑が何かを閃く。 真佑:ねぇ!○○くんって彼女いたよね! ○○:え…、いますけど。 真佑:教えてよ!夫婦円満の秘訣! ○○:ええ…!? pic.twitter.com/X5ywcA1H5r
2020-08-17 20:41:016 ーーー 数日後、○○はバイト先の近くのファミレスにやってきた。 店員:いらっしゃいませ。何名様ですか? ○○:あ、待ち合わせで…。 店内を見回すと、真佑と目が合う。 真佑もこちらに気づき、手を振ってくる。
2020-08-17 20:41:217 ○○:ああ、あそこです。 店員:ごゆっくりどうぞ。 ○○は真佑が待つ席に向かう。 ○○:すいません、遅くなって。 真佑:気にしなくていいよ。 真佑は○○にメニューブックを渡す。 pic.twitter.com/FrMYoFYlSY
2020-08-17 20:41:558 ○○:いいんですか?ご馳走になって…。 真佑:もちろん!私がお願いしたんだから。遠慮しなくていいからね? ○○:そうですか。じゃあ…これで。 ーーー
2020-08-17 20:42:179 運ばれてきた飲み物を飲む2人。 真佑:ねぇ、○○くんの彼女の写真見せてよ! ○○:ええー、なんでですか〜! 真佑:いいでしょ!減るもんじゃないし! ○○:もー、しょうがないですね〜! ササッとスマホを取り出す○○。 pic.twitter.com/uUi9RddErR
2020-08-17 20:43:0310 真佑:ねぇ、ほんとは見せたいんでしょ。 ○○:あ、バレました? 遥香の画像を真佑に見せる○○。 真佑:か、かわいい…! ○○:でしょ? 何故かドヤ顔をする○○。 pic.twitter.com/Ol4ga8RVfk
2020-08-17 20:43:4911 ○○:笑った時の表情とか…最高なんですよ。 真佑:なんでこんなかわいい子が○○くんなんかに…。 ○○:ん、何か言いました? pic.twitter.com/o8YLFG5Jvg
2020-08-17 20:44:1912 ーーー レイ:ねぇ、あそこにいるのあやめんのお兄さんじゃない? あやめ:え!?どこどこ? 偶然、あやめとレイも同じファミレスに来ていた。 pic.twitter.com/n7mDc7Tns9
2020-08-17 20:46:1313 レイが○○を見つけ、身を乗り出して探すあやめ。 レイ:あやめんってわりと重度なブラコンだよね。 ○○を見つけたあやめの表情が一変する。 pic.twitter.com/VvdDYeDSA2
2020-08-17 20:46:4914 レイ:どうしたの? あやめ:誰だろう…あの人。 レイも身を乗り出す。 レイ:わぁ、かわいい人! 楽しそうに笑う○○と真佑。 あやめ:(ま、まさか…浮気!?) あやめ:(でも、お兄ちゃんに限ってそんなことするわけが…。) ーーー
2020-08-17 20:47:1515 真佑:ねぇ、○○くんは彼女にどんなことされた嬉しい? ○○:んー…僕はやっぱり甘えてきてくれると嬉しいですね。 真佑:なるほど…。 ○○:あと、目を見てニコッとしてくれる時とか。 真佑:ふむふむ…。 ○○:まぁ、一緒に居てくれるだけで僕は幸せなんですけどね。 pic.twitter.com/KkVxiBFGQy
2020-08-17 20:47:4916 ーーー 飲み物を飲み終えた2人。 真佑:だめだ、君たちはラブラブすぎて参考にならない。 ○○:なんかすいません。 ○○:でも、まぁ…真佑さんもたまには初心に帰って彼氏さんに思いっきり甘えてみたらいいんじゃないですか? pic.twitter.com/9pFubbsrev
2020-08-17 20:48:3618 真佑:それにしても、○○くんにこんなかわいい彼女さんがいたなんて、なんか意外だな。 ○○:真佑さんもかわいいんだから、自信持ってください! 真佑:ねぇ〜、ちょっとバカにしてるでしょ! ○○:してないですよ! pic.twitter.com/UVu5CXOVT2
2020-08-17 20:49:2919 終始、和やかな雰囲気の2人を見つめるあやめ。 あやめ:(すごく楽しそうな雰囲気…。) あやめ:(お兄ちゃん…本当に浮気してるの?) 会話の内容までは聞こえてこないあやめは、考えれば考えるほど浮気の現場にしか見えなくなってきてしまっていた。 ーーー
2020-08-17 20:50:0320 ○○と真佑はレジに向かう。 あやめたちの席の横を通ったが気が付かなかった。 ○○:…やっぱり自分の分は払いますよ。 真佑:いいってば!真面目だなぁ〜○○くんは! ○○:すいません。 pic.twitter.com/lijLWbUGEN
2020-08-17 20:51:0121 真佑:あ、でも彼氏には内緒だからね? 真佑が○○に耳打ちする。 ○○:僕、真佑さんの彼氏知らないですよ。 真佑:あ~、そっか! ○○:(アホなのかこの人…。) pic.twitter.com/cuySw11lpC
2020-08-17 20:52:0122 その様子を見ていたあやめは目を見開く。 あやめ:(か、顔が近い…!) あやめ:(お兄ちゃんも満更でもなさそうだし…。) あやめ:(これは…遥香さんに報告しないと!) レイ:あ、あやめん…顔が怖いよ。 pic.twitter.com/s6heONxfaa
2020-08-17 20:53:2423 ーーー ○○と真佑はファミレスを出る。 ○○:すいません、後半僕の惚気話ばっかりになっちゃって…。 真佑:いいよ。○○くんと話してるとなんか気持ちが楽になったから。今日はありがとね。 ○○:いい報告、期待してます。 真佑:じゃあ、またね。 ○○:はい、またバイト先で。 ーーー pic.twitter.com/hY6Z4OnMgq
2020-08-17 20:54:3324 家に帰る○○。 ○○:ただいまー。 玄関を開けると、あやめが仁王立ちしていた。 ○○:うわ!びっくりした…。何してんの、そんな所で…。 あやめ:お兄ちゃん、ちょっと来て。 怒っているあやめ。○○は状況が理解できないまま、あやめの部屋に連れて行かれた。 ーーー pic.twitter.com/005JFQwGHp
2020-08-17 20:55:3525 あやめ:入って? ○○:何なんだよ…。 あやめの部屋に入ると、そこには遥香がいた。 ○○:遥香!? 目を丸くする○○。 遥香:○○…。 今にも泣き出しそうな顔をしている遥香の口から放たれた言葉は、○○が予想だにしていないものだった。 pic.twitter.com/ATx6yZPzl7
2020-08-17 20:56:3127 ーーー ○○:な…!え、えっ? 困惑を隠せない○○。 あやめ:ごめんお兄ちゃん…私、見ちゃったんだ。 ○○:何を? あやめ:お兄ちゃんが…ファミレスで女の人と楽しそうにお喋りしてるとこ…。 拍子抜けする○○。 pic.twitter.com/x4vrfp6w78
2020-08-17 20:58:3528 ○○:いや…あれはバイト先の先輩の相談に乗ってただけだよ。てゆうか、あのファミレスあやめもいたの? あやめ:いたから…ずっと見てたの!お兄ちゃんと女の人がイチャイチャしてるとこ…。 ○○:いや、イチャイチャって…誤解だよ。 pic.twitter.com/HC0D8Gibm7
2020-08-17 20:59:3629 遥香:ひどいよ○○…私以外の人とそんなことするなんて! ○○:待ってよ、だから誤解だってば! pic.twitter.com/DhSKmzIu3j
2020-08-17 21:00:4830 遥香:本当は嫌だけど…女の人と2人で会うなら、せめて前もって教えてくれたらよかったのに…。 ○○:まあ…たしかに。それはごめん。 遥香:言えないような関係だから、隠そうとしてたとか…。 ○○:違うって!やましいことは何もない! pic.twitter.com/B3iMrgwDdR
2020-08-17 21:01:4131 遥香:本当? ○○:本当だよ!なんなら今からその女の人に電話して聞いてあげようか? ○○は真佑に電話をかける。 2人にも聞こえるように、スピーカーに切り替える。
2020-08-17 21:02:0732 真佑:もしもーし。どうしたの? ○○は事情を説明した。 真佑:あはははは!私と○○くんが浮気?ないない! 真佑:私の相談に乗ってもらうはずなのに、○○くんの惚気話ばっかり聞かされて大変だったんだから〜! ○○:(余計なこと言うな!) pic.twitter.com/fkPpdnxzjc
2020-08-17 21:02:4933 真佑:心配してるようなことは何もないから、これからも末永くお幸せにね?♡ やがて電話が切れる。 ○○:これで信じてもらえる? 頷く遥香。 遥香:ごめん…私○○のこと疑って…。 ○○:まあ…疑いが晴れたならよかったよ。 pic.twitter.com/rBUElSPF8s
2020-08-17 21:03:3136 ○○:でもショックだよ…俺は。 ○○:遥香にそんなに信用されてなかったなんて…思わなかった。 遥香:ち、違うよ…! ○○:今までいろんなことがあったけど…結局、何の意味もないんだね。 ○○:なんか、バカみたいだよ。
2020-08-17 21:04:4637 遥香:えっ…。 遥香の目から涙が溢れる。 遥香:酷いよ、○○…。 遥香:私は○○のことが好きだから…。誰かに取られたくなかっただけなのに…! 遥香:そんなこと言うなんて、酷いよ…。 pic.twitter.com/lNMLZKE6Zw
2020-08-17 21:05:4538 ため息をつく○○。 ○○:今日はもう…帰ってくれる? ○○は、部屋を出た。 あやめ:(ど、どうしよう…こんなことになるなんて…。)
2020-08-17 21:06:4839 ーーー 玄関先であやめは遥香を見送っていた。 あやめ:遥香さん…。 あやめ:ごめんなさい…私が余計なことをしたばっかりに…。 遥香は目を真っ赤にしながら、首を左右に振った。 遥香:…またね。 そう言い残し、遥香は帰っていった。 pic.twitter.com/FB0JGOFOjY
2020-08-17 21:08:5540 ーーー あやめ:お兄ちゃん…。 あやめが○○の部屋に入ると、○○はベッドに潜り込んでいた。 ○○:何? あやめ:えっと、その…。 pic.twitter.com/YL5EdwpBIl
2020-08-17 21:09:3641 ○○:もう…眠いから1人にしてくんない? あやめ:…。 あやめは黙って部屋を出た。 眠いなんて、ウソだ。 ○○は、ついカッとなってしまった自らの言動を悔やんでいた。 ○○:(はぁ…だっせーなぁ…。)
2020-08-17 21:10:0242 ーーー 同じ頃、遥香も自室のベッドに潜り込んでいた。 遥香:(どうして、○○のことを信じられなかったんだろう…。) 枕に顔を埋める。 止めどなく溢れる涙が枕を濡らす。 pic.twitter.com/qJYPz3ambT
2020-08-17 21:11:0143 “今までいろんなことがあったけど…結局、何の意味もないんだね。” ○○の言葉が頭の中をぐるぐると回る。 今までの思い出を否定されたようで、悲しくてしかたがなかった。 遥香:(意味ないわけなんて、ないのに…。)
2020-08-17 21:11:27