長谷部と二振りの燭台切の話
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カコ🐙 @3nasubi31

長谷部と燭台切、一振り目同士は本丸初期からいる公認夫婦で、二振り目同士は両片想い的な関係だったのだけど、ある日二振り目長谷部が出陣準備をしていると、やって来た二振り目燭台切はどこか様子が違って…しかし審神者はその刀を二振り目燭台切と呼んでおり…ブルブル…

2018-08-27 09:22:09
カコ🐙 @3nasubi31

審神者がそんな様子なものだから他の仲間たちも気にした様子はない。二振り目?燭台切も変わらず勤勉でよい刀。でも長谷部だけが違和感をぬぐいきれずなんとなくよそよそしくなってしまう。折しも一振り目長谷部は修行に出ていて相談できない。

2018-08-27 09:30:01
カコ🐙 @3nasubi31

これ、どんな展開がいい?

2018-08-27 10:11:27
カコ🐙 @3nasubi31

今まで、二振り目同士は何かにつけては喧嘩をしつつも、他の刀が相手の事を軽口程度でも叩こうものなら「君はそう言うけどね!」「お前には分からないだろうがな!」とか言い出す関係。まわりはわかっている両片想い。

2018-08-27 14:58:17
カコ🐙 @3nasubi31

なので、まわりは長谷部がよそよそしくなったのを「ついに恋心を自覚したか」「くっつくのも時間の問題」程度にしか思っていない。また、二振り目?燭台切は長谷部が距離をとるたびに悲しそうな顔をするので心が痛む。しかしその度に確信する。こいつは長谷部のよく知る二振り目ではないと。

2018-08-28 07:40:46
カコ🐙 @3nasubi31

審神者には言えず、まさか本人を問い詰めるわけにもいかない。長谷部は時間を見つけては本丸中を探し回る。俺の知る、二振り目はどこだ。 「燭台切! どこだ燭台切…」「呼んだかい?」顔を出したのは一振り目。

2018-08-28 13:14:18
カコ🐙 @3nasubi31

「…違う。探してるのは二振り目だ」「そんな気はしてたんだけどね」燭台切(1)はクスクス笑い、それから「刀蔵の方はいってみたかい?」と。刀蔵とはその名のとおり顕現させていない刀がしまわれている蔵だ。連結用だったり、二振り目もこの倉から選ばれることが多い。

2018-08-28 17:11:55
カコ🐙 @3nasubi31

胸騒ぎがして、長谷部は礼もそこそこに刀蔵へ向かう。特がつくまでは長時人の姿を保っていられず、たまに本体のみとなって刀蔵で休むものもいる。格好付けの二振り目が、もし、そんな弱点を皆に隠していたとしたら?こっそり刀蔵でやすんでいたとしたら?

2018-08-28 17:25:19
カコ🐙 @3nasubi31

「燭台切!」刀蔵の戸には太い閂がかけられている。引き抜くのすらもどかしく、長谷部は怒鳴り付けるように叫びながら重たい閂を引っ張る。「返事をしろ燭台切、そこにいるんだろう!」「………長谷部、くん」

2018-08-28 17:33:30
カコ🐙 @3nasubi31

「お前、どうしてこんなところに」「それは…」 「あーあ」 二人の背後からため息が聞こえてる。ゆっくりと近付く革靴の足音。本体が揺れる音。「見つかっちゃった、か」 長谷部がゆっくりと振り替えると、倉の入り口には、本体を携えた二振り目……ではなかった燭台切光忠が佇んでいた

2018-08-29 08:01:41
カコ🐙 @3nasubi31

「燭台、切」迂闊だった。長谷部は本体を持っていない。燭台切は弱っていて満足に動けないだろう。コツン、コツン、と二振り目ではないものの足音か近付く。「ゴメンね」暗闇の中で金の隻眼が光り、二振り目ではないものが己の柄に手をかけた。

2018-08-29 12:36:00
カコ🐙 @3nasubi31

「……残念だな。もっと君たちと一緒にいたかったのに」咄嗟に燭台切をかばったのは戦うものの本能だった。まだ立ち上がることすらできない燭台切に覆い被さり、太刀の体を抱き締める。 二振り目ではないものが鞘に入ったままの本体を高く掲げた。 「…さようなら」

2018-08-29 17:47:29
カコ🐙 @3nasubi31

コトン、と音がする。長谷部が恐る恐る顔をあげると、二振り目ではない燭台切が本体を刀蔵の棚に置いていた「…ごめんね、燭台切くん、長谷部くん。僕が嘘つきなばっかりに」「嘘つき?」燭台切が頷く。「…二振り目くんが、たまにここでお昼寝をしているのは知っていたんだ。僕はずっと倉にいたから」

2018-08-29 18:42:09
カコ🐙 @3nasubi31

「主が『燭台切、いるか』って呼んだときも燭台切くんは眠っていた。だから、僕、本当に出来心で…返事をしちゃったんだ。『はぁい』って。そして、燭台切くんが起きる前に……倉から出た」 あとは長谷部くんの知る通りだよ、と笑った燭台切の隻眼が悲しげに揺れている。

2018-08-29 18:44:35
カコ🐙 @3nasubi31

「…1ついいか。どうして、お前」 「顕現できたのか、って聞きたいんだろう」 燭台切は笑った。 「主が二振り目を選ぶときにね、僕と、そこの…二振り目の燭台切くんでまよったんだ。どちらにしようかな、って」 その時にわずかだけど指先が触れたんだ。主は気づいてなかったけど。

2018-08-29 18:46:35
カコ🐙 @3nasubi31

「…ごめんね、燭台切くん。もっと早く話さなきゃいけないって分かっていたけど、主も皆も気が付かなくて、それに僕、外に出られたのが嬉しくて……」ぽたっ、と、隻眼から垂れた雫が埃っぽい床に落ちた。 「君に成り代わるつもりなんて本当になかったんだよ。ごめんね、燭台切くん」

2018-08-29 18:49:10
カコ🐙 @3nasubi31

「燭台切くん…」 「主には君たちから話てくれないかな。僕のしたことは許されることではないから、破壊でも刀解でも受け入れるよ。でも、もし許されるなら、君が長谷部くんに練結してほしいな…君たちの力になれたら、嬉しい」 燭台切はそう言うと、棚に置いた本体に触れた。人の体が薄くなる。

2018-08-29 18:52:02
カコ🐙 @3nasubi31

「でも、びっくりしたな。長谷部くんだけは気付いてたなんて……さすがだよ。ね、燭台切くん」薄くなった燭台切が微笑む。その顔があまりにも悲しそうで、長谷部は思わず立ち上がると消えそうな腕を掴んでいた。「ま、待て、燭台切!」「長谷部くん?」

2018-08-30 08:56:54
カコ🐙 @3nasubi31

「せめて沙汰くらいは自分で聞いたらいいんじゃないか?なぁ、燭台切、ダメか?」成り行きに呆然としていた二振り目が驚いた風に埃だらけの顔を上げる。「…やっぱりダメか?お前、こいつのことすごく怒ってるか?」「僕を助けてくれたのは長谷部くんだから」燭台切は目を細めた「長谷部くんに従うよ」

2018-08-30 09:03:50
カコ🐙 @3nasubi31

長谷部が二振りの燭台切を連れて審神者のもとを訪れたときの驚きといったらなかった。たまたま茶菓子を運んできた一振り目とあわせて三振り。事情を知った審神者は、畳に額をこすりつけて三振りの燭台切に謝った。「あ、主、僕はそんなつもりは」「顔をあげてくれ」「誰にでも間違いはあるよ」

2018-08-30 12:10:08
カコ🐙 @3nasubi31

三振りの燭台切の言葉に審神者は顔を上げ、それから長谷部に向き直る。「しかし長谷部、よく気付いたな。一振り目はともかく、二振り目ともう一方と、こう並ぶと本当にそっくりで」「主、僕はともかくってどういうことだい?」一振り目が茶化すも、その場にいるものはみんな納得。カンストの人妻感…

2018-08-30 16:58:35
カコ🐙 @3nasubi31

「…で、彼の処分はどうするんだい?」冗談はさておき、と一振り目が言う。「他の刀に成り代わるなんて、前代未聞だとは思うけど」一振り目の言葉に、二振り目ではない燭台切が神妙な顔で頭を垂れる。「そうだなぁ…顕現したのはこちらの手違いだしなぁ」

2018-08-30 18:53:04
カコ🐙 @3nasubi31

「主、どうか許してやってくれませんか」「長谷部くん?」長谷部の言葉に、項垂れていた燭台切が驚いて顔をあげる。「確かに二振り目ではないけれど、遜色ないほとよく働きよく戦う刀なのはご存じでしょう。だからこそ皆も気付かなかったし、こいつも悪気があったわけではないんです。だから…」

2018-08-30 20:46:28
カコ🐙 @3nasubi31

「…僕からもお願いするよ」二振り目が言った。「もし僕が逆の立場なら、彼と同じことをするかもしれない。それに……」と、今にも飛び出しそうなほど前のめりになっていた長谷部の手を握る。「僕のことは、長谷部くんがちゃんと見つけてくれたから」「燭台切…」嬉しかったんだよ、と二振り目が笑う

2018-08-30 20:52:57
カコ🐙 @3nasubi31

「なら、二振り目が責任をもって育成すればいいでしょう。主、ただいま戻りました。光忠、留守にしたな」「長谷部!」「長谷部くん!」一振り目の燭台切が、ぱあっと笑顔になり振り向き、審神者も腰を浮かせる。「へし切長谷部、今生の主の刀として戻りました」修行に出ていた一振り目だ。

2018-08-30 22:03:58
カコ🐙 @3nasubi31

「どうです、主。燭台切光忠がよい刀なのは間違いありませんから、三振りいたところで役には立てど害になることもありますまい」「それもそうだよなぁ。せっかく顕現したんだし」審神者もうんうんと頷く。「そうしよう、燭台切、お前は今日から三振り目だ!」

2018-08-30 22:16:08
カコ🐙 @3nasubi31

「僕が……三振り目」二振り目ではなく三振り目の燭台切は、まだ状況が飲み込めないのか呆然としている。「あの…いいのかい?本当に?」「ああ。ああ!お前は三振り目だ、三振り目の燭台切光忠だ」二振り目の長谷部が力強く頷く。「よかったね、燭台切くん」二振り目の燭台切も微笑む。

2018-08-30 22:20:58
カコ🐙 @3nasubi31

「うん…うん、うれ、しい」三振り目の燭台切の隻眼に涙が浮かぶ。「しっかり励めよ」と極の姿になった長谷部も頷いた。「ところで主。三振り目くんの育成は二振り目の長谷部くんがするとして、二振り目くんの育成は? 彼はまだ特もついてないよ」一振り目の燭台切が言った。「伊達の誰かに任せる?」

2018-08-30 22:26:27
カコ🐙 @3nasubi31

「俺が世話しよう。俺も、修行で得た力を使いこなすためにまだまだ鍛練が必要だと感じていたところだ」「…そう」一振り目がすこしつまらなさそうな顔をしたけれど、極長谷部はどこ吹く風。「よろしいですね、主」「ああ。お前たちに任せるよ」 こうして、この本丸には燭台切光忠が三振りになったのだ

2018-08-31 08:05:18
カコ🐙 @3nasubi31

このあとは両片想いから一歩前進した二振り目同士があと少しのところでなかなか素直になれなかったり、三振り目が二振り目長谷部への片想いを自覚して「僕にもチャンスはある?」って迫ったり、極が二振り目ばっかり構うから一振り目が焼きもちを焼いたりするドタバタラブコメ本丸になります。

2018-08-31 08:09:12
カコ🐙 @3nasubi31

三振り目は「僕にもいつか、僕だけのへし切長谷部に出会えるといいな」と吹っ切ってお祝いする。 スピンオフとして、三振り目が参加した演練でめちゃめちゃ強いんだけど刺々しい長谷部と当たる。ボコボコにされた上に「大したことないな」とか言われてカチンときたので再戦を申し込む

2018-08-31 08:13:19
カコ🐙 @3nasubi31

実はその長谷部は本丸では二振り目で一振り目ほど重用されていないと感じているコンプレックス拗らせ系。ふとしたことから三振り目が自分の経緯を話し、それから徐々に親しくなっていく。そんな折りに起きた演練場襲撃事件がきっかけでお互いに気持ちが通じあい、ハッピーエンド。

2018-08-31 08:15:56
カコ🐙 @3nasubi31

いつまでも仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし!

2018-08-31 08:16:53
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まとめたひと
カコ🐙 @3nasubi31

とうの昔に20↑。Fは20↑のみ。刀剣/へし燭 🔥🦛/井王・六高・伊水 DQX/ファ夢女同担拒否 基本的に組み合わせ固定。突発的に長い妄想を呟きます。触手と男の娘がすき。 F外通知は切ってるので反応できません。