東浩紀. 2023. 訂正可能性の哲学. ゲンロン. を読みました。2023年09月時点で、『観光客の哲学』と『一般意志2.0』はちゃんと読んでません。『ゲンロン戦記』や『ゲンロン8』ほか幾つかのコンテクチュアズ/ゲンロン関係の雑誌シリーズは断続的に読んでいます。
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京都丸善には売っていたので、訂正可能性の哲学を買った。

2023-09-11 20:16:20
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訂正可能性の哲学って、それCSパースの知識モデルでは、と思ったが、たぶんそういう角度ではないんだろうな。

2023-09-11 20:17:02
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『訂正可能性の哲学』読み始めた。『観光客の哲学』は読んでないままなのでいきなり「前著はこれこれの点でうまくいってなかった」と述べており、そうだったんだ(リベンジ本を先に手に取れてある意味ラッキーかも知らん)と思った。

2023-09-11 22:36:05
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まだ全体読んでないけど、家族の話をこう切り結び始めるのは、自分が儒学の気に入らない部分である「修身斉家治国平天下」的な論理的飛躍、夜郎自大とは異なる形で家族の哲学的再規定をしようとしているのかな、と予見をもった。

2023-09-11 22:41:00
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京極夏彦『邪魅の雫』も読み始めた(ノベルス版が出た時、出ていたことを知らずに鵺の碑ごと待っていたため、2023年の今が初読)。これこれ〜これだよ〜

2023-09-11 22:58:31
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改めてLinux Mint 21 経由から MacOS 13.x (Monterey) にssh接続すると、ファイアウォール周りの設定の理解とかが甘くて想定と全然ズレるな。

2023-09-12 00:30:44
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思想本と小説とLinuxいじりをぐるぐる回ってたら眠くなってきた

2023-09-12 00:40:31
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#訂正可能性の哲学 p.62-3あたり読んでいて、「法社会学におけるpositive / negative sanction 論と、初期ゲームスタディーズにおけるリンダ・ヒュージのFour square フィールドワークの話を通じてかつて自分が言いたかったこと」に急にカーブしてきた。しかしこれは家族の話として続く。

2023-09-12 20:52:24
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#訂正可能性の哲学 chap. 2終盤、「歴史的人物Xは{別の性別}だった」的デタラメから創作され続ける作品があっても、social discourse としてはその歴史的人物X に対する集合的知見を深めうるような現象が生じる」という、ここ10年のオタク的違和感に筋道を通すような議論に図らずもなってる。

2023-09-12 21:00:02
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chap. 2 最後らへん、「{家族}概念はクリプキ『名指しと必然性』における【固有名詞】とほぼ同様のポジションになってね? てかプラトンの頃から今までずっとそうだったんじゃね?」とまでは〔まだ〕言ってないけど、要約するとそう言いたがっている風に終わる。#訂正可能性の哲学

2023-09-12 21:12:03
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chap. 3 冒頭、これ『ファミリーズ! RPG』のキャラクターシートの話してますね〔ご勝手読み〕#訂正可能性の哲学 conos.jp/product/famili…

2023-09-12 21:14:58
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chap. 3 中盤、これ著者が初期に「私たちは24時間人間であるとは言えず、パートタイムでだめっこどうぶつ(otaku: the part-time animals)でもありますよね」と言ったことがこのまま30年越しに「中途半端なコミットメント=観光客的立場」に変奏してるんだな。

2023-09-12 21:20:15
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ところで今いきつけのビールバーで飲みながら訂正可能性の哲学読んでるんですけど、マスターが面白がって「適当な一節読んでみてよ!」というので、クワス算のところと13節冒頭とを読んだ。「よくわからんが文章うまいな、村上春樹みたいやな」と言ってる。

2023-09-12 21:40:04
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#訂正可能性の哲学 chap. 4, このローティ解釈を前提にしたら、あと一歩で、つまりC. S. パースの可謬性×社会知識論まで入れたら、この哲学はプラグマティズム哲学の築いてきたルートど真ん中に位置づけ直されうると思うんだが。

2023-09-12 21:50:28
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chap. 4 終盤、「掌返し大いに結構、それは倫理感の薄弱に対する罵倒にはならない。むしろ我々人間がマシな正義へ近づく唯一の道かもしれない」とも読める。

2023-09-12 22:04:39
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第一部まで読んだ。最後の方、体制を捨てるのではなく訂正でやっていき、のためにアレントの読み替えをするところが面白かった(あと「制作」の位置付けが不当では? というところ。特に世界中で制作……を通じた活動、をやってる人ますます増えてますよね(Lizzoとか)も文化=政治論として面白い)。

2023-09-12 22:13:46
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第一部、めちゃめちゃ「social discourse の良き方向への変容を再び信じられるようにする哲学の為の地盤工事」という趣きであり、大学院で英国系知識社会論とか初期プラグマティズムとか社会学的サンクション論を読んでいた頃の感覚が今になって鋤き耕される感じがあった。

2023-09-12 22:37:28
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ところで「訂正可能性の」と来たら「反証可能性ではなく?」と言われることを予期するのだが、そもそも反証可能性のことが知られていないので何のrhymeを踏んでるのかもあまり伝わらないのかもしれないなとビール屋で話していて思った。

2023-09-12 22:40:20
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訂正可能性の哲学 amzn.to/3Zo2Fqz 第2部から最後まで一気に読み終えた。ルソーの『新エロイーズ』の読解の話が始まった時は「自分は何を読まされているんだ?」と思ったが、かなりテクニカルな着地でドストエフスキー『地下室の手記』までたどり着いた。

2023-09-13 23:29:30
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統計や属性に還元・解体されるようなとのとは別のその対象・その固有名を梃子に、他でもない私/あなたの discursive な改訂が続くんだという話と、その世界観はここ十数年の、対象を分解してゆく工学的民主主義(東はその一部を「人工知能民主主義」と呼ぶ)とが拮抗するんだ、という話が為された。

2023-09-13 23:34:21
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自分は20年前から一部の知識社会学・質的社会学が展開する discursive psychology (言説心理学)とか質的社会心理学、アクションリサーチの試みに可能性を感じているのだけど、それらはこの東2023が可能性を感じるような「訂正可能性」の具体的盤面の話でもあるんだろうな、と思った。

2023-09-13 23:37:39
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それから、ポパーの反証可能性とは別に社会的知識の訂正可能性を、社会全体としてはポジティブに考えうると述べたのは、C.S.パースの【可謬主義】だったよね、とかは、読みながら常に頭によぎっていた。ただし東2023は知識の〔大抵、正しい方向への〕収束が為されるかどうかとは全く別の話をしてる。

2023-09-13 23:43:39
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新エロイーズのルソー→地下室の手記→初期米国の喧騒に着目するトクヴィル という combination を仕掛けることで、訂正される個々の行為単位よりもう少し大きなガヤガヤした営み・秩序の維持(維持はアレントの読み替えの中で抽出されたものでもある)に注意を向けさせようともしている。

2023-09-13 23:49:08
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細かい話では、(1) 鈴木健の『なめ敵』は厳密には落合陽一・成田悠輔のような素朴な人工知能民主主義とは分けて読むべきだが、やはり最終的には訂正可能性と相容れない立場でもあると丁寧に切り分けて論じた所は、本人の『一般意志2.0』の首肯し難い所が今回だいぶ自己批判されていた点含めて良かった

2023-09-13 23:54:12
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それから (2) 共産主義思想衰退後の「公共」論のリベラル的再評価の潮流の中で、(2a) アレントの読み方も (2b) ハバーマスの読み方も今から振り返れば少し改訂できるところがあり、その論点に「訂正可能性」「ドストエフスキー的まぜっかえし」「小さな社会」「喧騒」などを当てる所もよかった。

2023-09-13 23:57:20
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しかし東さんの思想って、いつでも危うくデカめの(それこそ今回自己批判含めて検討された人工知能民主主義のようなものに)何度も接近しながら、結局思想的deities として立ち戻るのは誤配、地下室、訂正可能性みたいな microcultural activities な二面性がある所が面白いですよねと今回思った。

2023-09-14 00:00:52
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生活者としても、個人で責任を取らされるようなことを自力でやらされてみすみす低評価を受けるよりは、会社の財布でGAFAのsecureなサービスに搾取された方が効用が高いやろと小賢しく生きてたりするので、中盤の「羊毛をモノとして売る我ら」の描写にはウーッとなったな。

2023-09-14 00:11:24
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人材として相対的に替えが効きづらいSEや信用ならない外注作業より、規模の経済で熟し切った廉価なサービスにしておく方がいいやね、という判断の集積が社会をより生きづらくしているんだろうな。

2023-09-14 00:19:29
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しかし、この本の全体が示す希望を考えるに、「この著者が世界で一番面白くかつ大事と思っているのは、各々が(或いは少なくとも他でもないこの私が)、世の伝統慣習や固着しかけた世論・言説を人文カラテで捲〔めく〕り出すことにある」だと読んだのだが、その先のさらに強靭な実効性の話も読みたい。

2023-09-14 00:39:20
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つまり discourse hacker(s) としての人文者とはどんなものか、(ソクラテスがそういう捲り系人文カラテの先達だと思うが)現代の人文カラテの最も幸福な技の繰り出しとは何なのか、どういう discourse を hack することが今大事なのか、vs人工知能民主主義以外の話も読みたくなった。

2023-09-14 00:42:31
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たとえば言語ゲームやクワス算のことは、それがなされた時に遡及的に universe(s) of discourse (social realities と言っても良い) が再編されるはずだが、再編時の破れ目をもう少し厚い記述として取得することで、私たちが或るゲームPから別のゲームQへとどのように遷移したか、事後的には話せそう。

2023-09-14 00:46:30
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東2023の主旨から類推すれば「いや言語ゲームやクワス算は言い掛かりとしか言えないものまで含むから。仮にゲームPからゲームQへの遷移について事後的に納得できそうな理由づけできたとしても、理由なんかなくてもできることを示してるのが元の議論だから」とも言えそうなんだけど……〔つづく〕

2023-09-14 00:48:25
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たとえば、今ジャニー喜多川性加害に関する人々の言及の仕方は、1960s, 2000s, 2020sで大きく変わってきて、今多少なりとも加害の罪を正面から考えられるようになってきた。

2023-09-14 00:56:39
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このことは、単に人々が昨今の political correctness に倣ってそうなったわけではない。より根本的に、何が社会的に正しいとされるべきか、誰かの都合よりどんな普遍的な価値をより尊重すべきかについての言説(discourse)が、複合的に変化し続けてきた帰結でもあると思われる。

2023-09-14 00:57:51
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これはつまり、私たちの考え方が、それまでの慣習とは異なるものへとじわじわと revise されて行った、つまり訂正が為されたわけで、それは哲学の示す可能性というだけではなく、社会科学的解明の対象にもなるのではないか(フーコーが各著作でそうしたように、或いはそれを継いだ社会科学者のように)

2023-09-14 01:03:57
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また逆に、私たちの考え方の変化は、振り返ってみて明らかに“悪い”方向の言説にも振れるものであり(戦争賛美、ナチス正当化、陰謀論)、それも含めて「訂正/correct」の可能性とするのか、それともそれは「小社会の喧騒」のone of them に留められる限りトータルで悪くないものと位置付けられるのか

2023-09-14 01:06:40
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「いやいやこの本はあまりそういう話はしていなくて、あくまで固有名詞のような、“ほかでもないソレ”の語り直しができる観点が重要なのであって……」「でも、一般名詞なのにまるでこの本における固有名詞に近い働きをもつ“家族”のように、他のトピックも固有名詞のように語り直しは効きそうじゃん」

2023-09-14 01:10:21
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と、色々鋤き耕しができそうなところがあると感じる。 ここ10連くらいの話を要約すると、 (a)言語ゲームやクワス算は追跡不可能性が目立つけど、discourse の有為転変が追跡できる例もありそうだし、その話で可能な哲学の話も読みたい(フーコー的・質的心理学的なアプローチになるのか?)

2023-09-14 01:13:34
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(b) 訂正可能性って、公共に対して人間のコノワタシ性を奪うような社会モデル〔共産主義や人工知能民主主義)に抗えそうな点では優れていそうだけど、「訂正の“正”側に行けない(後世振り返った時に破滅的誤りとされうる方向に驀進する)場合などについてはどう考えてるのかよくわからなかった

2023-09-14 01:17:10
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(c) 家族という言葉の特殊性からヌルッと固有名詞のもつ訂正可能性、そしてコノワタシであることまで繋げられたように見えるけど、家族という語はベタには一般名詞だ。にもかかわらず後で固有名詞の訂正可能性と結びつけうるような特権性は、結局なんによって齎されているのか、理解が進まなかった。

2023-09-14 01:22:07
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とりあえず1周目の所感は書けたので、邪魅の雫文庫版に戻ります……あっもう寝る時間……

2023-09-14 01:24:43