換装されてしまったBBC(ブラウン・ボベリ社)製単筒タービンは、もしかすると戦時標準船の単筒タービンの遠いご先祖様かもしれないお話
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天翔 @Tensyofleet

青函航路の車両渡船第一青函丸(2,326総トン,横浜船渠)は、池田式水管缶14kg/m^2 243℃2基とBBC(ブラウン・ボベリ社)製タービン1,000shp2基を備えていた。試運転では計2,271shpで最高速力13.5ktを発揮したらしい。 pic.twitter.com/OqQcyVQaQ1

2019-11-16 20:31:06
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天翔 @Tensyofleet

本船の中身は中々興味深く、長さ/深さ比が17.8に達することから船体内にトラスを入れた。 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… pic.twitter.com/wvJN65OdTK

2019-11-16 20:37:39
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天翔 @Tensyofleet

前後船倉と機関室は中心線に、その他は左右に入れた、とあり、この中心線両脇に走るず太い2本の構造物がソレなのだろう。やはりというか、「すげぇ邪魔」だったようだ。 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… pic.twitter.com/ZGliOGtCg0

2019-11-16 20:40:44
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天翔 @Tensyofleet

さて、本船の主機は先述のとおりブラウンボベリ社製、鉄道技術発達史では「2段減速装置付高低圧2シリンダーラトー衝動タービン」となっている。。。が、これ単筒タービンですよね。しかも、減速ギヤはどうやらロックドトレンらしい。 pic.twitter.com/l1xXZ7Soq3

2019-11-16 20:50:50
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天翔 @Tensyofleet

本タービンは就航3か月後の1927年(昭和2)年2月を始めとして同年5月、1930年、1933年とタービン翼折損を起こし、1934(昭和9年)頃、遂に三菱長崎の「三菱ツェリー式2汽筒」タービンに換装されてしまう。 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… pic.twitter.com/WVsy8qdfDa

2019-11-16 20:58:50
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天翔 @Tensyofleet

ちなみにこれは三菱側の資料によるもので、連絡船側の資料だと「1933(昭和8)年換装」「ツェリー式単筒タービン」である。減速装置はそのまま用いられたようだ。

2019-11-16 21:10:17
天翔 @Tensyofleet

三菱長崎の回想には、交換してもなおタービン翼の折損は起こり、原因調査の結果、減速歯車の噛み合いが悪いために振動を生じていたことが分かり、その後は成績良好だったという。

2019-11-16 21:13:31
天翔 @Tensyofleet

このブラウンボベリ単筒タービンは、三菱長崎も鉄道省から図面を入手しており戦時標準船の主機のモデルになった、と書いてあるこの回想、それなりの地位の人(妹尾三郎氏,三菱長崎副所長兼造機設計部長→三菱広島所長→三菱原子力工業社長など)のものなのでどう扱ったものか。。。

2019-11-16 21:23:12
天翔 @Tensyofleet

なお、1930(昭和5)年に川崎神戸で完成した第二青函丸も単筒タービンにロックドトレン2段減速であるが、同所製ラトー式を用いて不具合は生じなかったようだ。本タービンは川崎造船所初の商船用タービンであるが、戦前においては以後同型式のタービン構成は用いられていない。 pic.twitter.com/9tBgmVxLwE

2019-11-16 21:33:31
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天翔 @Tensyofleet

「機械工学年鑑」昭和17年より、標準船C型の単車室タービン(コマ番号156/280)。時期を鑑みるに、平時標準船用のもの。 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… pic.twitter.com/pxogCH4W56

2016-11-12 22:39:29
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天翔 @Tensyofleet

昭和造船史に出てくる日立製作所の1,400PSタービン(単筒ロックド・トレーン型二段減速)がこれだろうなと思う。

2016-11-12 22:45:34
天翔 @Tensyofleet

ということで、戦標2TM楠栄丸の戦標甲12タービンらしい。残ってるもんだねぇ。。。 jstage.jst.go.jp/article/jime/4… pic.twitter.com/DdeN4TQ3eM

2017-12-30 15:35:18
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