tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
Ankiの話とはまた違うのだが、現代語としての語の意義の後ろの方によくわからん意味がくっついてるときの対処について書く。engrossment (n.) には「没頭・夢中にさせること」という意味があるが、二番めの意味に「浄書」がある。没頭と浄書、なんだか結びつかない。
2020-02-23 14:14:16
tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
こういう時にはMerriam Websterを使う。Webやアプリ版のMerriam Websterは、紙の辞書でいうところのMWCD(Merriam-Webster Collegiate Dictionary）の電子辞書版にあたる。そしてMWCDの最大の特徴は、「語源に近い、古層から新層の順に語義が並んでいる」ことである。
2020-02-23 14:17:41
tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
MWCDをひいてみる。engrossの先頭に見慣れない語義が書かれている。「大きめに書き写す→（正式文書として）最終版の文書を書く・刷る」がある。確かに一言で言うと「浄書する」だ。そのあとwholesale 「卸売り→目一杯買い占める→集中力が丸ごと取られる」と現代の意義が重なって今の意義になったと pic.twitter.com/dIwiX5O3ng
2020-02-23 14:24:51
拡大
tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
こうした意義の成立順は、リーダーズ英和やOALDの語源欄にも一応は書いてあるのだけど（スクショ参照）、端的に過ぎてエピソードを連想させない。MWCDくらいの記述を順に追うくらいの分量で、古層の意味と現代に生き残ってる意味との距離感を掴みやすくなると個人的に思っている。 pic.twitter.com/i5joe2F5Ci
2020-02-23 14:28:23
拡大
拡大
tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
学習英和の多義語で埒があかない瞬間があるのは、日本語圏では知ったこっちゃないギリシャ・ローマ・フランス・ドイツ・中世イギリスの頃の古語の系譜がねじれにねじれて、現代英語の単語の後ろの方に痕跡としてのこっていることが往々にしてあるからだ。
2020-02-23 14:33:10
tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
語彙強化において、一語ごとにこうした重箱つつきをする必要はないし時間がもったいない。だから基本的には、現代英語に流通するコアイメージを優先して覚える方が良い。それでも「この多義的な一語をいいかげん包括的に捕まえたい」という時は、流れ流れてきたその語の来歴を掘っていいかもしれない。
2020-02-23 14:35:33
tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
そういう時にたよりになるのは、学習大英和（リーダーズやランダムハウスや研究社など）の語源欄であり、中規模以上の英英辞典（OALDやCOBUILDなど）の語源欄であり、しかしなによりMWCDの定義記載順なのだ。（ハードコアに行きたい人は、SOEDを買うこと）
2020-02-23 14:37:25
tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
SOED= Shorter Oxford English Dictionary（オックスフォード英語辞典=OEDの精選圧縮版。非圧縮で20冊もあるOED2eと違い、ギリギリ人類にも持ち運べたり、電子辞書として購入できたりする。ただしMWCDより容赦なく古語・廃語が載っており、専門家以外にとっての扱いは難しい。日本の精選日国に相当）
2020-02-23 14:46:24
tricken（Tw以外の居場所は固定参照）
@tricken
そんなわけで、#Anki の engrossment の項目には自作の語源メモを追加することになった。以上、多義的な一語の中に含まれる奇妙な意味合いをやっつける際の手続きについてでした。 pic.twitter.com/YKMm57xXEM
2020-02-23 15:01:06
拡大