期間限定でrinが居候になった

こみこみ @comi2comi

#Freeプラス 「来週からしばらく日i本」「お前んとこ泊めてくんね？」rinからのメッセの内容にびっくり。いやいやいくら幼なじみだからって…て返事に困ってたら電話。「よぉ」『よ、て急すぎ』「わり」『来客用の布団とかないんだけど』「あー買いに行くか」『ちょっと待ちなさい』男女が1つ屋根の下

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はだめでしょって延々と説いたら「何だよ、俺のこと意識でもしてんのかよ」にやにや笑うような声。『誰が！』「じゃあ問題ねぇな」『ちょっと』「日曜着くから連絡するわ」じゃあなって一方的に切られて唖然。え、日曜から本当にrinとしばらく一緒に住むの？私の頭の中は真っ白になりました。

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#Freeプラス スマホの着信音で目が覚めて画面を見るとrinからだった。「はよ、空港ついたぜ」『え』お前寝起きか？て笑う声と後ろから聞こえてくる賑やかな音。「これから電車乗るから出かける準備しとけよ」相変わらず一方的に要件だけ伝えて切られる。本気でうちに来るんだ…と実感がわいてきた。

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慌てて出る準備をしてちらっと部屋の中を見た。ここにrinが…何もないない。そう自分に言い聞かせないと変に意識してしまいそうだ。「もうちょいで着く」rinからのメッセを見て駅に急いだ。

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「よ、久しぶり」片手をあげてこっちに向かってくるrinはまるでスター。無駄に大きいキャリーを引いて目の前に立ったrinは相変わらずかっこいい。『なんでうちなのよ』「トレーニング予定のプール近ぇんだよな」『だからってさ…』彼女でもない女の家に居候する？じっと見たらばちっと目があって

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「なんだよ」言いかけた言葉は引っ込んだ、悔しい。いつも歩く道をrinと歩く日がくるなんて思ってなかったからちょっとくすぐったい気分。この後のことがどうなるか心配はあったけど久しぶりのrinの姿に浮き足立ってるのは隠しきれなかった。「お前おかしくねぇ？」『居候、失礼だぞ』「お、おう？」

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#Freeプラス rinと出かけるのは高校ぶり。いつもはsskもいたから二人きりは初めてだ。とりあえず布団と薄いマットレス、どう考えても食器が足りないからrin用の食器を買ったり。他の人から見たら同棲の準備中に見えてるのかななんてぼんやり考えてたら「こうしてっとさ」カゴにどんどん物を入れながら

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「同棲するみてぇ」何気なく呟いたであろうrinの言葉にぼっと顔が熱くなるのがわかった。

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『いつまでこっち？』「1ヶ月」『え、もしかして』「よろしくな」この男は本当に…。『あのさ』「おう」聞かなきゃいけないと思っていたこと。電車に揺られながら『私のとこいて大丈夫なの？』思い切って切り出した。「どういう意味だよ」『え、ほら、彼女とか…』こっちはどきどきしながら聞いたのに

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肝心のrinはきょとんとした顔で。「いたらお前に頼まねぇよ」電車が揺れてrinの膝が私の脚に触れる。そこからじんわり熱が広がっていくみたい。

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荷物を片付けているrinの後姿をぼんやり見つめる。部屋にrinがいるなんて不思議。「俺どの辺で寝ればい？」部屋を見回して頭を抱えた。大学生の一人暮らしで借りられる部屋の広さなんてたかが知れている。『どうしようね…』ベッドの隣に布団を並べるしか選択肢はなかった。

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「一緒に寝てやってもいいけどな」『rinと寝たら狭いじゃん』「ったく、もうちょいそれらしい反応しろよな」彼氏できねぇぞ、と笑うrinに少し痛む胸。ほんとに幼なじみとしてしか見られてないと現実を突きつけられたみたいだった。

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#Freeプラス 「起きろー」ここで聞こえるはずのないrinの声がする。夢かって布団に潜り込んだ瞬間「起きろっつーの」『ぎゃっ』布団を剥がされた。『ちょっと待って…何時…』「7時」『はやぁ…』ぼんやりとした頭で何でrinがいるんだっけ、と考え始める。そうだ、居候だ。ていうかよく寝たな、私。

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「早く顔洗ってこいよ、飯食おーぜ」居候というかお母さんだ。洗面所から戻るとパンと目玉焼きのいい匂い。なんとサラダにスープまである。さり気なく椅子を引いて座らせてくれるあたり出来た男だ。いただきますと二人で手を合わせて朝食スタート。『ご飯ありがと』

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「これぐらいはな、世話なるし」今日は何時に帰るとか他愛の話。誰かと朝ごはんを食べるなんて上京する前が最後だからもう2年ぶりぐらいかも。「俺のが帰るの早そうだから飯作っとく」『え、朝準備してもらったのに』「そうか？作れるほうがやりゃいいだろ」スパダリか。いや、彼氏じゃないけど。

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「お前の飯怖ぇしな」『え、ひど』「まあ俺も簡単なのしかできねぇけど」まさかrinとこうして朝ごはんを食べる日が来るなんて。上京しててよかったなんて私は単純すぎる。「そろそろ行くか」襟足を結んでキャップを被ったrinについて玄関に向かうと「遅刻すんなよ」て頭をぐしゃっと撫でられた。

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え、何これ。「行ってくる」『行ってらっしゃい…』手をひらひらと振ったrinを見送ってドアが閉まった瞬間力が抜けて床に座り込んでしまった。『rin甘すぎない…？』これから毎日？心臓もつ？色んな意味で心配になってきた初日の朝。

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#Freeプラス 部屋に明かりがついていて思わずにやける顔を懸命に戻した。rinがいて嬉しいなんて出しちゃいけない。『た、ただいまー…』「おう、おかえり」くっ…、いい…！なんて浮かれてたのも束の間。「お前洗濯物溜め込んでんじゃねーよ」『え、あ、ちょっと待って、見た！？』

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「見る気はなかった、不可抗力」『今日まとめて洗濯するつもりだったの！』「へーへー」rinのきっちりした性格と私の大ざっぱな性格が見事に噛み合わない事態が起き始めていた。「テレビ消していいだろ」『だめ、これから見たいやつある』とか「洗濯物ちゃんと畳んでしまえよ！」

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『どうせすぐ着るんだから別にいいでしょ』とか。ちょっとしたことで小さな喧嘩勃発。数日経つ頃にはお互い我慢できなくなってきて『いちいち細かい！お母さんか！』「お前が雑すぎんだよ！」ついに言い合いに。「あー埒あかねぇ、ちょっと頭冷やしてくる」ちらっとこっちを見る目は冷めてて、

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ドアが閉まる音と階段を降りていく音が遠くに聞こえた。わかってた、rinはちゃんとしてるから絶対どこかでぶつかるって。わかってなかった、他人と住むことがこんなに難しいことだって。甘いなんて浮かれてた数日前の自分に言ってやりたくて、情けなくて、静かに布団の中で丸まった。

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#Freeプラス 完全に言い過ぎたと思った。住まわせてもらってる身であいつの生活にあれこれ言うなんて。しかもだらしないわけではないのに俺自身の生活の好みの問題なだけで。「俺、結構つーかかなり浮かれてたんだな」他人と生活するのは難しい。幼なじみで勝手を知った仲だとしても。あてもなく歩いて

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辿り着いたコンビニで見つけたのはガキの頃よく一緒に食べたアイス。交互に小遣いで買って半分に分けて食べてた。「あいつ覚えてっかな」気づいたら手にとっててお詫びのスイーツも一緒にレジに持っていった。 部屋の電気はついてるけどやけに静かで。そっと部屋の中に入って様子を見ればあいつの

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ベッドが丸く膨らんでた。「言い過ぎた、悪ぃ」ベッドを背に座ると布が擦れる音。「お前の生活スタイルがあるのにあれこれ口出し過ぎたよな」「お前の生活と俺の生活の違いを理解できてねぇつーか…上手く言えねぇけど…」ちらっと後ろを見たけど反応がなくてちょっとへこむ。俺のせいだけど。アイス

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溶けるなと思って立ち上がった瞬間Tシャツの裾を引っ張る小さな手が視界に入る。『私も、ごめん』「いや、住まわせてもらってる俺が余計なこと言い過ぎた」違うって強く引っ張られる。『rinなら許してくれるって私が甘えすぎたの』ごめん、て離れる手。

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咄嗟に掴んだその腕は想像してたよりずっと細くてこんな時なのにどきりとした俺は最低かもしれない。

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#Freeプラス 『rin？』掴まれた腕が熱い。名前を呼ぶとはっとしたような顔をして慌てて手を離してくれた。「あ、これ」コンビニの袋を突き出されて中を見たら懐かしいアイスやらスイーツやらいっぱい入ってて思わず笑ってしまった。『アイス一緒に食べよ』「おう」

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零したらまずいからベッドからおりろってrinに促されて壁を背に二人で並んで座る。2つに割ったアイスを食べながら最低限これはやろうとかこれは口出ししないとか今後の話をするのは何だかくすぐったいけど今の私達に必要な時間だった。

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#Freeプラス はっと目が覚めた。身体が痛い。頭が重い。『あのまま寝たのかぁ…』壁に背をつけたまま色々話し込んで二人揃って寝落ちしてたみたい。家事とか生活のこと、学校のこと、バイトのこと、話し始めたらお互い止まらなくなったのはしょうがないと思っている。

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頭が重い原因はrinの頭がもたれかかってきてるせいでその近さにどきりとする。起こすべき？「ん、」私の動きに反応してrinが小さく呻く。「か、らだいてぇ」『アスリートが何してんの』「寝落ちしたのはお前もだろ…」rinのあくびにつられてあくびするとお互い顔を見合わせて笑った。

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#Freeプラス この数日間の言い合いの後からは良くも悪くもお互いの生活に何も言わなくなった。rinはたまに何か言いたそうな顔してるけど。バイトの休憩中rinからメッセが届いていることに気づいた。「何時に終わる？」『19時ぐらい』「迎え行く、飯食おーぜ」やった、お迎えだ。

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考えてみれば初めてな気がして「何か気合入ってない？」休憩終わりの仕事ぶりに先輩がにやにやしていたけど気にしない。一緒にご飯を楽しみに残りの時間も頑張ります。

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#Freeプラス 珍しくrinと帰りが一緒になったから晩ごはんどうしよっかって話しながらスーパー寄ったり。「牛食いてぇな」『ムリ、高い』「たまにはいいだろ」『この間ステーキ食べてたじゃん』押し問答しながら鶏肉掴んで。野菜とか果物を見てなんとなーく食べるものを決めて。「持つ」

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『え、ありがと』「おう」買い物袋をひょいっと取り上げて軽々持つrinの後ろ姿に思わず笑みがこぼれた。 「お前の切り方雑」『ちゃんと大きさ揃ってますー』2人でキッチンに並んで晩ごはんの準備。腕まくりをするrinの腕にどきりとしたなんてそんなこと。「でけぇ鍋どこ？」『この上、取ってー』

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「へいへい」野菜を切ってるとすぐ後ろにrinが立って上の棚に手を伸ばしていた。近い、というか「これか？」鍋を持ってこっちを覗き込まれると鼻先が触れるんじゃないかって距離で。やばい。「……」びっくりして固まってたら「何だよ」てでこぴんしてくるから色気とかムードとかどこいった状態。

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そもそも付き合ってすらないけど。「ここ置いとく」コンロに鍋を置いたrinがそそくさとキッチンから出てったからほっと一息。意識してるの私だけなんだろうなぁってちょっと悲しくなったのは秘密です。

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#Freeプラス 「はぁぁぁぁぁ〜…」rinは朝からずっとこの調子だ。どうせまた○○と何かあったんだろと無視を決め込んだんだが「なぁssk」…きた。「無防備って罪深いよな」至って真剣に言うもんだから思わずはぁ？と返してしまった。反応したら負けだとわかっていたのに。昨日の晩にあった話を聞くと twitter.com/comi2comi/stat…

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○○の真後ろから棚の上の鍋を取ったら顔があんまり近くて怖気づいたっていうただの惚気だった。「つーか意識してんの俺だけ？」「あの距離だったのに何とも思われてねぇのか…？」普通好きな女のとこに居候しにいくなんて思わねぇだろ、と前々からつっこみたかった言葉は何とか飲み込んだ。が。

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「もういい加減くっつけよ、めんどくせぇ」子供の頃から両片思い拗らせてる2人を見続けてきた俺としてはとっととくっついてほしい。そしてこの意味のわからない惚気話から解放してほしい。「ssk、お前そんな薄情なやつだったか？」「回りくどいことしてるお前の思考回路の方が意味わかんねぇよ」

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#Freeプラス 「一緒に出かけたいって言うだけだろ、別に難しいことじゃないだろ」あいつの家に転がり込んで早1週間。昼飯を食べながらsskにあれこれ相談するのもお決まりになってきた。今日の俺のもっぱらの悩みは「明日あいつに出かけねぇって誘っていいと思うか？」だ。「図体は大人のくせに中身は twitter.com/comi2comi/stat…

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中学生かよ」「なっ…くそ、何も言えねぇ」一応ずっと同じ部屋にいるから一人になりてぇかと思って気遣ってる、けどそれはsskに「断られた時の言い訳にすんな」と一蹴された。「お前から誘われたらあいつ喜ぶだろ」だから安心して誘えよって先に食べ終わったsskが笑った。外出先の候補を頭に並べて残り

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の昼食を口に放り込んだ。 『rin、映画行かない？』「…は、」『あれ？予定あった？』ぽかんと口を開けたままrinが固まる。もしrinに予定がなければ一緒に過ごしたいなと思って誘ってみたけど面白い反応。写真を撮ってsskに送ろうかと思うぐらい間抜けな顔をしてて…『ぷっ…』思わず笑ってしまった。

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「べ、別に予定はねぇよ」『じゃあ行こうよ』「おう、付き合ってやる」上映時間とかあらすじとか話してそれをrinが聞いてくれて。rinと映画なんて久しぶりだなと思いながら席を予約。その横で鼻歌を歌いながら筋トレするrinが面白いから動画を撮ってsskに送ったら《惚気んな》て怒られてしまった。